見下みお)” の例文
ながあいだ自然しぜん栄枯盛衰えいこせいすいてきた、偉大いだいははである太陽たいようは、まちけて焦土しょうどとなったそのから、した見下みおろして、こういいました。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
まるで飛行機が曲芸飛行をしているような有様だった。一郎がようやく石垣をじのぼって、下の池の方を見下みおろすと、かの怪人はもう池の向う岸にいた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
南に東に北に西に規則正しく間隔かんかくを置いて高く樹梢に翻って居る十数流の紅白旗は、戦わずして已に勝を宣する占領旗せんりょうきかと疑われ、中央に突立ってあたり見下みおろす展望台は
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それに、私が恵美のうちの二階で遊ぶことを嫌う理由も、彼女には分らなかった。其処そこから下を見下みおろすと、私のうちの四軒長屋の、傾いて、雨のる場所を、むしろおおうたわら屋根が真下ましたに見えるのだ。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
振返りつつ見下みおろすことのうれしや。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「それはわからないわ。どんなものか、わたしらないのですもの……。」と、おねえさんは、りょうちゃんを見下みおろして、おわらいになりました。
小さな弟、良ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
だが船長ノルマンは、ぬッと立ったまま、あわい電灯の光の下に、冷やかにハルクを見下みおろすばかりだった。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ほしは、くろうみや、さむさのためにふるえているもりや、まどまって、ひとんでいない小屋こやなどを見下みおろしながら、うなずきました。
雪の上の舞踏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
竹見は、身軽にふなばたに立って、近づく平靖号を、じっと見下みおろしていた。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ほしひかりは、それをむかえるように、にこにことわらっていました。そして、うるんだ、うつくしいで、じっと、下界げかい見下みおろしながら
寒い日のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
「また、わたしたちが、ここにいるのをってきたのでしょうか。」と、すずめも、えだうえから、そのねこを見下みおろしました。
木の上と下の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、子供こどもたちの、たのしそうにあそぶようすを見下みおろしながら、いつも、にこにことわらっているように見受みうけられました。
学校の桜の木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうして、くもったそらおおきくえがいてした荒波あらなみ見下みおろしながら、どこへともなくってしまったのでありました。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、さくら悠々ゆうゆうとして、みぎをながめ、ひだり見下みおろして、さも、みんなの元気げんきのいいかおるのがうれしそうに
学校の桜の木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このはなしだまっていていたからすは、きながらどこへかりました。つづいてこまどりが、すずめを見下みおろして
紅すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、おつゆきなかたおれながら、うらめしそうに太郎たろうかお見上みあげていいました。太郎たろうはじっとゆきなかたおれて自分じぶん見上みあげているおつ見下みおろしながら
雪の国と太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しろはなくらんのあるところへきたというよろこびが、つよわたし勇気ゆうきづけました。しかしながら、このとき、しろくもが、たに見下みおろしながらいきました。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「みみずも、かえるも、よくうたっているな。」と、もとにほほえんで、地上ちじょう見下みおろしているばかりでした。
春の真昼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
山車だしうえには、かおにしたおじいさんが、ひと人物じんぶつあいだって、このまちなか見下みおろしていました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、小鳥ことりがきてまりました。またあたまうえたかく、しろくも悠々ゆうゆう見下みおろしながら、ぎてゆきました。
いちじゅくの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのほしは、にいっぱいなみだをためて、なにかものをいいたげに、じっとした見下みおろしているのでありました。
木に上った子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるときは、すずめはつばめにまじって、いわくだけるしろなみ見下みおろしながら、うみうえけりました。
紅すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
山車だしうえのおじいさんは、両側りょうがわみせをのぞくように、そして、その繁昌はんじょういわうように、にこにこして見下みおろしました。やがて、山車だしは一けん骨董店こっとうてんまえとおりました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
並木なみきあたままったからすがこのさま見下みおろしていました。羽根はねは、なんだかからすが、自分じぶんを「どこへいくのだろう。」と、じっとているようながしました。
東京の羽根 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「しかし、わたしたちは、このやまからどこへゆくのでしょう。もううみることもできません。あちらの平野へいや見下みおろすこともできません。たいへんなことになりました。」
葉と幹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夕暮ゆうぐがたひかりけて、そのとうは、なぞのように、白壁しらかべや、煙突えんとつや、その工場こうじょう建物たてものや、雑然ざつぜんとした屋根やねなどがえる、まちなかにそびえて、そこらを見下みおろしていました。
黒い塔 (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもが、青竹あおだけって、つくった管笛くだぶえくように、ピイ、ピイ、とりがなくので、ひろい、となり庭先にわさき見下みおろすと、ひよどりが、青木あおきえだにきてあかあらそっているのでした。
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太陽たいようが、にぎやかなまちをながめたり、はな野原のはらたのしそうに見下みおろして、たびをするのとちがって、つきは、いつでもさびしいまちや、くらうみながらたびをつづけたのです。
月とあざらし (新字新仮名) / 小川未明(著)
かみさま、どうかもうすこしおかねさずけてください。わたしむらじゅうでのいちばん金持かねもちになって、いままでいばっていたやつらを見下みおろしてやりますから。」と、幸作こうさくねがいました。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太陽たいようは、あきれたようなかおつきをして、しばらくぼんやりと見下みおろしていましたが
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
まったくおかしなことがあるものだとおもって、あきらめてようとしたとたん、ちょっとうえると、八にん死体したいが、ぴったりとてんじょうについて、じっと自分じぶんほう見下みおろしていた。
海が呼んだ話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこは低地ていちで、野菜やさいつくることができないので、そうなっているのかもしれません。往来おうらいからだいぶはなれていましたが、みちほうたかいので、よくそのあたりの景色けしき見下みおろされるのでした。
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるつきは、灰色はいいろうみうえ見下みおろしながら、あのあざらしは、どうしたであろうとおもい、そらみちいそぎつつあったのです。やはり、かぜさむく、くもひく氷山ひょうざんをかすめてんでいました。
月とあざらし (新字新仮名) / 小川未明(著)
らんは、さもゆったりとした姿すがたで、おうへいに雪割草ゆきわりそう見下みおろしながら
みつばちのきた日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
同時どうじわかいものの勇気ゆうき鼓舞こぶしなければならぬ役目やくめをもっていました。かれは、かぜたたかい、山野さんや見下みおろしてんだけれど、ややもするとつばさにぶって、わかいものにされそうになるのでした。
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのうちに、あかしおなかから、一つのうつくしいしままれました。天使てんしは、そのしまそらびまわりました。見下みおろすと、そこには、しろ大理石だいりせき建物たてものが、平地へいちにも、おかうえにもありました。
町の天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この言葉ことばきつけた、こまどりは、すずめのほう見下みおろしました。そこには、見慣みなれない二とりたちが、自分じぶんのうわさをしていたのでした。すずめは、やまおくにはすんでいなかったからです。
美しく生まれたばかりに (新字新仮名) / 小川未明(著)
そらると、雲切くもぎれがしているそのあいだから、一つぼしが、おおきなしたをじっと見下みおろして、木立こだちまっている小鳥ことりたちが、熱心ねっしんに、かぜうごえだはなしをしているのに、みみましていていました。
美しく生まれたばかりに (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのそばには、いつものたこ入道にゅうどうが、ひげのはえたくちけて、さもちほこるようにわらいながら、あかしたしている。またからも一筋ひとすじいとのようにいて、少年しょうねん死骸しがい見下みおろしている。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
しょうったあとで、地主じぬしは、あしもとの大根だいこん見下みおろしていました。
大根とダイヤモンドの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
よるのうちに、二白鳥はくちょうは、このさびしい、くら広場ひろばからびたって、ほんのりとあかるく、そらめたみなと見下みおろしながら、そのうえぎて、とおくいずこへとなく、ってしまったのであります。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
たかい、たかそらに、とびが、まち見下みおろしながらっていました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
ややかに見下みおろしていたのであります。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)