保護ほご)” の例文
コウノトリがこうしてブツブツ言っているあいだ、うちもなければ保護ほごしてくれる者もないガンのアッカは、思わずこう考えるのでした。
其時そのとき日本帝國にほんていこく』から何程なにほど利益りえき保護ほごとをけてゐるのかとはれたら、返事へんじには當惑たうわくするほどのミジメな貧乏生活びんばふせいくわつおくつてゐたくせに。
巡査じゅんさ保護ほごしてくれなかったら、かれらはひどい大罪人だいざいにんでもあるように、わたしたちを私刑しけいに行なったかもしれなかった。
されば全校の気風は勇気にとみ、また慈愛じあいと友情にあつく、年長者は年少者を、弟のごとく保護ほごし、年少者はまた、年長者を兄のごとく尊敬そんけいする。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
かういふふう自分じぶん自分じぶん保護ほごするために外界がいかいものいろおないろをもつ、そのいろのことを『保護色ほごしよく』といひます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
博士の保護ほごを頼もうとしたのに、それはまにあわず、博士は何者にか連れさられたというのだ、怪また怪。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すべて野犬やけんはりこうなものです。だれも、保護ほごしてくれるものがないから、自分じぶんゆるさないのです。
青い石とメダル (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつか伊那丸いなまるが京都から東へ帰るとき、秀吉ひでよし桑名くわな陣中じんちゅうにしたしくむかえて、道中どうちゅう保護ほごをしてくれたのみか、御旗みはた楯無たてなし家宝かほうまで伊那丸の手へかえしてくれた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれども、自分は人の好む酒をもさし控えて、この商売に使う自分の声を保護ほごしているくせに、人に向ってはやッぱり酒を呑むかのごとく見せかけなければならぬ。
猫八 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
閣議に出る人々の顔を見ても、積極的に支持しじしてくれる人はない。困ったやつだという顔をしている。身辺は、住宅を含めて、五人の警察官によって保護ほごされている。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
てい全體ぜんたいこと/\金屬きんぞくもつ構成こうせいせられ、觀外塔くわんぐわいたふ上甲板じやうかんぱん兩舷側りようげんそくはいふまでもなく、舵機室だきしつ發射室はつしやしつ艇員居室等ていゐんきよしつとう、すべて一種いつしゆ堅強けんきようなる裝甲さうかうをもつて保護ほごされて
……よくとしよりがつてかせた。——ひるがへつておもふに、おのづからはゞかるやうに、ひとからとほざけて、渠等かれら保護ほごする、こゝろあつた古人こじん苦肉くにくはかりごとであらうもれない。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
だれかがそばから世話せわをしてくれなければとても三とはきてられるはずはございませぬ。そのお世話掛せわがかりがつまり守護霊しゅごれいもうすもので、かげから幼児おさなご保護ほごあたるのでございます。
みんあたまねてしまへ!』やがて行列ぎやうれつうごしました。三にん兵士へいし不幸ふこう園丁等えんていらけいしよするためにあとのこりました。園丁等えんていら保護ほごねがひにあいちやんのもとけてました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
くのごとくに貨幣價値くわへいかち下落げらくから保護ほご永續えいぞくすべき性質せいしつのものにあらず
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
貴方あなたは一生涯しやうがいだれにも苛責かしやくされたことく、健康けんかうなることうしごとく、嚴父げんぷ保護ほごもと生長せいちやうし、れで學問がくもんさせられ、それからしてわりやく取付とりつき、二十年以上ねんいじやうあひだも、暖爐だんろいてあり
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
之を用ゐしは男子だんしならん。そは此所にべたる如き面貌の土偶は乳房ちぶさの部の膨れ方はなはだすくなきを以てさつすべし。光線反射の眼に害有る男女なんによに從つて差有るのし。女子は如何いかにして眼を保護ほごせしや。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
此の意味で周三は、一家内から相應さうおう手厚てあつ保護ほごを受けることになツた。繪を研究する爲には、てい内に、立派な獨立どくりつの畫室もてゝ貰ツた。そして他から見ると、言分いひぶんの無い幸な若様わかさまになツてゐた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
その浮浪者ふろうしゃのトーマスは、警察けいさつ保護ほごしてあるんでしょうな
「だが、バクスター君だけは、幼年組の保護ほごのために残ってくれたまえ、でないと幼年組が心細こころぼそがるだろうから」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
それで内部ないぶいろのあるえきふくんで、そのつよひかりさへぎるわけで、つまり若葉わかば自分自身じぶんじしん保護ほごをするのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ヴィタリス親方がわたしを保護ほごするために、刑務所けいむしょれて行かれたこと、それから親方がいなくなってから、金を取ることができなくなった次第を話した。
『いや、けつしてわらふのではないが、其事そのこと心配しんぱいするにはおよばぬよ、奧樣おくさま日出雄少年ひでをせうねんも、わたし生命いのちにかけて保護ほごしてげる。』とつたが、亞尼アンニーほとんど絶望ぜつぼうきはまりなきかほ
竹子たけこさんは、すみれをもとはえていたつばきのしたにおろしました。そして、人間にんげんにふまれたり、とりにつつかれないように、ぼうて、すみれを保護ほごしたのでありました。
つばきの下のすみれ (新字新仮名) / 小川未明(著)
同郷どうきやう』『同藩どうはん』といふことから何等なんら利益りえき保護ほごけなくなるとともに、日本國内にほんこくないけるわたしのコスモポリタニズムはいよ/\徹底てつていしてゐたが、世界列國せかいれつこくといふものにたいしては
羽毛の服の内側のような所に卵を保持ほじして暖めていると適期にすその所から小さな鳥が出て来て、親に保護ほごされよたよたと歩く。色々な保護方法が集団的にまたは個別的に発達している。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
貴方あなたは一生涯しょうがいだれにも苛責かしゃくされたことはく、健康けんこうなることうしごとく、厳父げんぷ保護ほごもと生長せいちょうし、それで学問がくもんさせられ、それからしてわりのよいやく取付とりつき、二十年以上ねんいじょうあいだも、暖炉だんろいてあり
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
これは四乃至ないし輸入關税ゆにふくわんぜい同樣どうやう保護ほごしゆ工業こうげふたいしてあたへつゝあつたもので、金解禁きんかいきんによつて爲替相場かはせさうば騰貴とうきまたていするめに過去くわこ數年間すうねんかんつゝありしこの保護ほごうしなふことゝなるが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
法律ほうりつにも警察けいさつ規律きりつにもそむかないかぎりかえって警察から保護ほごを受けなければならないはずだと考えた。
こうして、いつということなしに、つばめは北方ほっぽうんでいけば、人間にんげん自分じぶんたちを保護ほごしてくれるものでこそあれ、けっしてがいくわえるものでないことをったのであります。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
をもつて歐洲をうしうぼう強國きやうこく結托けつたくして、年々ねん/\五千萬弗まんどるちか賄賂わいろをさめてために、かへつて隱然いんぜんたる保護ほごけ、をりふしそのふね貿易港ぼうえきかう停泊ていはくする塲合ばあひには立派りつぱ國籍こくせきいうするふねとして
木曾きそ秋田あきたその地方ちほうで、特別とくべつ針葉樹しんようじゆ保護ほごしてゐる土地とちのぞけば、あとはほとんど落葉樹らくようじゆで、ふゆになつてちると、まるでとほてんつらなつてゐるようにさびしい景色けしきになります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
なんでもこれからは、これだけ見せればおまえたちは保護ほごしてもらえる。ではごきげんよう、子どもたち
わたしはカピを保護ほごするためには、かれら二人とたたかうつもりでいた。