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特
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こと
ふりがな文庫
“
特
(
こと
)” の例文
或は
特
(
こと
)
に利を
啗
(
くら
)
わせて其下をして其上に
負
(
そむ
)
かせて我に
意
(
こころ
)
を寄せしめ置いて、そして表面は他の口実を以て襲って之を取るのであるし
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
たゞさへ
神仙
(
しんせん
)
遊樂
(
ゆうらく
)
の
境
(
きやう
)
、
特
(
こと
)
に
私共
(
わたくしども
)
は、
極端
(
きよくたん
)
なる
苦境
(
くきやう
)
から、
此
(
この
)
極端
(
きよくたん
)
なる
樂境
(
らくきやう
)
に
上陸
(
じやうりく
)
した
事
(
こと
)
とて、
初
(
はじ
)
めは
自
(
みづか
)
ら
夢
(
ゆめ
)
でないかと
疑
(
うたが
)
はるゝばかり。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
またわが
特
(
こと
)
に早かりしも愛の
優
(
まさ
)
る爲ならじ、汝に焔の現はす如く、
優
(
まさ
)
るかさなくも等しき愛かしこに高く燃ゆればなり 六七—六九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
けだし忠信以下の箇条も
固
(
もと
)
より家内に行わるるといえども、あたかも親愛、恭敬、孝悌の空気の中に
包羅
(
ほうら
)
せられて
特
(
こと
)
に形を現わすを得ず。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「ええすっかり寒くなりましたものですから。それに今日のような雨の日は
特
(
こと
)
にね……。」と云って彼女はかすかに
微笑
(
ほほえ
)
んだ。
湖水と彼等
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
特
(
こと
)
に
青年輩
(
せいねんはい
)
身心
(
しん/\
)
發育
(
はついく
)
の
時代
(
じだい
)
にあるものには、
今
(
いま
)
より
此
(
この
)
法
(
はふ
)
を
實行
(
じつかう
)
して
體力
(
たいりよく
)
を
培養
(
ばいやう
)
し、
將來
(
しやうらい
)
の
大成
(
たいせい
)
を
謀
(
はか
)
る
事
(
こと
)
、
實
(
じつ
)
に
肝要
(
かんえう
)
ならずや。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
こんな時にお互に禮服の一とつも手許にないと云ふ事がれい/\とした多くの人の集まつた後では
特
(
こと
)
に強く感じられてゐた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
凡
(
およ
)
そ異性の愛は吾愛の如く篤かるを得ざる者なるか、
或
(
ある
)
は己の信ずらんやうに、宮の愛の
特
(
こと
)
に己にのみ篤からざりしなるか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
勿論
(
もちろん
)
彼
(
かれ
)
の
仲間
(
なかま
)
だけが
特
(
こと
)
にさうだとは
言
(
い
)
へなかつた。
見渡
(
みわた
)
したところ、
人間
(
にんげん
)
は
皆
(
みん
)
な
一
(
ひと
)
つ/\の
不完全
(
ふくわんぜん
)
な
砕片
(
かけら
)
であるのに、
不思議
(
ふしぎ
)
はない
筈
(
はず
)
であつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
御幣担
(
ごへいかつ
)
ぎの多い
関西
(
かんさい
)
、
特
(
こと
)
に美しいローマンチックな迷信に富む
京都
(
きょうと
)
地方では、四季に空に
日在
(
あ
)
って雨降る夕立を呼んで、これを狐の
嫁入
(
よめいり
)
と言う
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
其
(
それ
)
に梅子などは
何
(
どう
)
やら其の
僻論
(
へきろん
)
に感染して居るらしいので、
大
(
おほい
)
に其の不心得を叱つたことだ、
特
(
こと
)
に近頃
彼女
(
あれ
)
の結婚に
就
(
つい
)
て相談最中のであるから
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
それが為にこうして出向いた、真砂町の様子を聞き度さに、
特
(
こと
)
に、似たもの夫婦の
譬
(
たとえ
)
、信玄流の沈勇の方ではないから、随分
飜然
(
ひらり
)
と
露
(
あらわ
)
れ兼ねない。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
忽ち人々の一齊に笑ふ聲して、老公の聲の
特
(
こと
)
さらに高く聞えければ、われは何事ならんとおもひつゝ、少しく歩み近づきたり。然るに我は何事をか聞きし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
六歳ばかりなるが、いと気の毒がり、女なればとて
特
(
こと
)
に拘留所を設け、
其処
(
そこ
)
に入れて
懇
(
ねんご
)
ろに
介抱
(
かいほう
)
しくれたり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
なぜわたしがかような解り切った事を書き出したかというと、日本人にはまだ考えるということが
甚
(
はなはだ
)
しく欠けている。
特
(
こと
)
に日本婦人にはその欠点が著しく感ぜられる。
婦人と思想
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
且
(
か
)
つ夫れ兇器の横威、人倫を
泯
(
みだ
)
し、天地を
冥
(
くら
)
うする事久し。
特
(
こと
)
に欧洲に於て然りとなす。甘妙なる宗教の光明も暗憺たる黒雲に蔽はれて、天魔幕上に哄笑するかとぞ思はる。
「平和」発行之辞
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
却つて我々が送るも新しからずやと
詞
(
ことば
)
はかけず
後
(
うしろ
)
について幸堂氏の家まで到り
此
(
こゝ
)
に新たに送別會を開きぬ我三人に
萬
(
よろづ
)
の失策皆な酒より生ず旅中は
特
(
こと
)
につゝしむべしと一句を示す
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
皇后陛下御
入輿
(
じゆよ
)
の儀に付ては、維新前年より二条殿、中山殿等
特
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
心配致され、両卿より忠至に心懸御依頼に付奔走の折柄、兼て山陵の事に付懇意たりし若江修理大夫娘薫儀
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
働
(
はたら
)
き其場所に取落し置たるに
相違
(
さうゐ
)
有
(
ある
)
まじ尋常に白状せよ
特
(
こと
)
に長庵が申立に其方事前日長庵方へ
藥取
(
くすりとり
)
に參り合せ十兵衞が娘を吉原町へ
賣
(
うり
)
其金を持て歸りし時の
容子
(
ようす
)
を
認
(
みと
)
め其方
惡意
(
あくい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私は
先達
(
せんだッ
)
て台湾に三月ばかり行ッていて、十日前に京都へ帰ッて、外国人に会ッて英語をしゃべるのに、平生でもそう
流暢
(
りゅうちょう
)
にしゃべるのではないが、
特
(
こと
)
にしゃべり
難
(
にく
)
かッた、そんなもので
人格の養成
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
主人は、口を
特
(
こと
)
に結びて、
睨
(
ね
)
みつけ居たりしが、今、江戸川にて自ら釣りしといひし鮒を、魚屋より取りしと披露されては、堪へきれず、其の説の
終
(
おわ
)
るを待たず、怒気を含みて声荒々しく
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
一は曰く
飽迄
(
あくまで
)
従前の如く水中を
溯
(
さかのぼ
)
らん、一は曰く山に
上
(
のぼ
)
り山脈を
通過
(
つうくわ
)
して水源の上に
出
(
い
)
でん、
特
(
こと
)
に人夫中冬猟の
経験
(
けいけん
)
ありて
雪中
(
せつちう
)
此辺に
来
(
きた
)
りしもの、皆曰く是より前途は
嶮
(
けん
)
更
(
さら
)
に嶮にして
幽
(
いう
)
更に幽
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
遠く源平時代より其証左は歴々と存していて、
特
(
こと
)
に
足利
(
あしかが
)
氏中世頃から敗軍の将士の末路は大抵土民の為に最後の血を
瀝尽
(
れきじん
)
させられている。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
我は汝を髮乾ける日に見しことあり、汝はルッカのアレッショ・インテルミネイなり、この故にわれ
特
(
こと
)
に目を汝にとゞむ 一二一—一二三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
一時
(
ひとしきり
)
世の中がラジウムばやりだった頃、
憑
(
つき
)
ものがしたように
賑
(
にぎわ
)
ったのだそうですが、汽車に遠い山入りの
辺鄙
(
へんぴ
)
で、
特
(
こと
)
に和倉の有名なのがある国です。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それに梅子さん
他
(
ほか
)
の方の
妻君
(
おくさん
)
など不思議だと思ひますよ、男子の不品行は日本の習慣だし、
特
(
こと
)
に外交官などは其れが職務上の
便宜
(
べんぎ
)
にもなるんだからなんて
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
込合へる人々の
面
(
おもて
)
は皆赤うなりて、
白粉
(
おしろい
)
の
薄剥
(
うすは
)
げたるあり、髪の
解
(
ほつ
)
れたるあり、
衣
(
きぬ
)
の
乱次
(
しどな
)
く
着頽
(
きくづ
)
れたるあり。女は
粧
(
よそほ
)
ひ飾りたれば、取乱したるが
特
(
こと
)
に著るく見ゆるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
特
(
こと
)
に
此
(
この
)
印度洋
(
インドやう
)
では
是等
(
これら
)
の
苦難
(
くなん
)
の
外
(
ほか
)
に、
今一個
(
いまひとつ
)
最
(
もつと
)
も
恐怖
(
おそ
)
る
可
(
べ
)
き『
海賊船
(
かいぞくせん
)
の
襲撃
(
しゆうげき
)
』といふ
禍
(
わざわい
)
がある。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
友なる士官がかく話頭を轉じたるとき、我はその
特
(
こと
)
なる
目
(
ま
)
なざしを見き。こはベルナルドオが學校にありしとき屡〻ハツバス・ダアダアに對してなしたる目なざしなりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
この
二人
(
ににん
)
を
特
(
こと
)
に典獄より預けられて、読み書き
算盤
(
そろばん
)
の技は更なり、人の道ということをも、説き聞かせて、及ぶ限りの世話をなすほどに、
頓
(
やが
)
て両女がここに来れる
仔細
(
しさい
)
を知りぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
而
(
しか
)
して
其中
(
そのうち
)
にも
學海先生
(
ガクカイセンセイ
)
が
國民
(
こくみん
)
の
友
(
とも
)
に
掲
(
かゝ
)
げられし
評文
(
ひようぶん
)
は
特
(
こと
)
に
見目立
(
みめた
)
ちて
見
(
み
)
えぬ。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
送らん
特
(
こと
)
に木曾とありては玉味噌と
蕎麥
(
そば
)
のみならん京味を忘れぬ爲め通り三丁目の嶋村にて汲まんと
和田鷹城子
(
わだおうじやうし
)
と共に勸められ南翠氏が
濱路
(
はまぢ
)
もどきに
馬琴
(
ばきん
)
そつくりの送りの
詞
(
ことば
)
に久しく飮まぬ
醉
(
ゑひ
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
机の前の座に着けば、常には、書損じの
反故
(
ほご
)
、用の済みし雑書など、山の如く積み重なりて、其の一方は崩れかゝり、満面塵に埋もれ在る小机も、今日だけは、
特
(
こと
)
に小さつぱりなれば、我ながら嬉し。
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
平八郎の手には高橋、堀井、安田、松本等の与党がゐる。次は渡辺、志村、近藤、深尾、父柏岡等
重立
(
おもだ
)
つた人々で、
特
(
こと
)
に平八郎に親しい白井や橋本も此中にゐる。一同
着込帯刀
(
きごみたいたう
)
で、多くは
手鑓
(
てやり
)
を持つ。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
我輩の
特
(
こと
)
に憐れむ所のものなり。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
特
(
こと
)
に
癇癖
(
かんぺき
)
荒気
(
あらき
)
の大将というので、月卿雲客も怖れかつ
諂諛
(
てんゆ
)
して、あたかも
古
(
いにしえ
)
の木曾
義仲
(
よしなか
)
の都入りに出逢ったようなさまであった。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
さればこそわが誰なるやまた何故にこの樂しき
群
(
むれ
)
の中にて
特
(
こと
)
によろこばしく見ゆるやを汝は我に問はざるなれ 五八—六〇
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
特
(
こと
)
に、小田原へ使いに参った娘から聞きますと、それをまた、宮で受け取った
神官
(
かんぬし
)
と申すのが、容易なりません風体。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
塀
(
へい
)
を高くし門を固めて暖き夢に
耽
(
ふけ
)
つて居るのを見ては、暗黒の空を
睨
(
にらん
)
で皇天の不公平——ぢやない其の卑劣を
痛罵
(
つうば
)
したくなるンだ、
特
(
こと
)
に近来仙台阪の中腹に三菱の奴が
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
特
(
こと
)
に
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
の
朗々
(
らう/\
)
たる
詩吟
(
しぎん
)
につれて、
何時
(
いつ
)
覺
(
おぼ
)
えたか、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
の
勇
(
いさ
)
ましき
劍舞
(
けんぶ
)
は
當夜
(
たうや
)
の
華
(
はな
)
で、
私
(
わたくし
)
が
無藝
(
むげい
)
のために、
只更
(
ひたすら
)
頭
(
あたま
)
を
掻
(
か
)
いたのと
共
(
とも
)
に、
大拍手
(
だいはくしゆ
)
大喝釆
(
だいかつさい
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
有繋
(
さすが
)
に通常罪人を以て遇せず言葉も
丁寧
(
ていねい
)
に監守長の如きも時々見廻りて、
特
(
こと
)
に談話をなすを喜び、中には用もなきに話しかけては、ひたすら妾の意を迎えんとせし看守もありけり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
明日
(
あす
)
の祭は
特
(
こと
)
に尊きものゝ如く思はれぬ。我喜は兒童の喜に
遜
(
ゆづ
)
らざりき。横街といふ横街には「コンフエツチイ」の
丸
(
たま
)
賣る
浮鋪
(
とこみせ
)
簷
(
のき
)
を列べて、その卓の上には美しき
貨物
(
しろもの
)
を盛り上げたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
豪傑英雄は
特
(
こと
)
に至粋のインスピレイションを
享
(
うく
)
る者にてあれど、シイザルはシイザルにて、
拿翁
(
ナポレオン
)
は拿翁たるが如く、至粋を享くる量は同じくとも、其英雄たるの質は本然に一任するのみ。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
出
(
いで
)
たる目には何事も都めくに
特
(
こと
)
に此の
橋力
(
はしりき
)
といふは
中山道
(
なかせんだう
)
第一といふべき評判の
上旅籠屋
(
じやうはたごや
)
にて座敷も廣く取扱ひも屆き酒もよく肴もよし近年料理屋より今の業に轉じ專心一意の勉強に斯く繁昌を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
出
(
い
)
でてはさすがに
労
(
つか
)
れて日暮に帰り来にける貫一は、彼の常として、
吾家
(
わがいへ
)
ながら人気無き居間の内を、旅の木蔭にも
休
(
やすら
)
へる想しつつ、
稍
(
やや
)
興冷めて坐りも
遣
(
や
)
らず、物の悲き
夕
(
ゆふべ
)
を
特
(
こと
)
に
独
(
ひとり
)
の感じゐれば
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
漁史自ら「
鈎政
(
はりまさ
)
」に型を授けて、
特
(
こと
)
に造らせしものに係る。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
特
(
こと
)
に玉を展べたる様の美しき人なれば、自己が生の女の婿がねにと叔母の思ひつきぬるも然ることながら、其望みの思ふがまゝにならで
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
特
(
こと
)
に
炬燵
(
こたつ
)
が
出来
(
でき
)
て
居
(
ゐ
)
たから
私
(
わたし
)
は
其
(
その
)
まゝ
嬉
(
うれ
)
しく
入
(
はい
)
つた。
寐床
(
ねどこ
)
は
最
(
も
)
う一
組
(
くみ
)
同一
(
おなじ
)
炬燵
(
こたつ
)
に
敷
(
し
)
いてあつたが、
旅僧
(
たびそう
)
は
之
(
これ
)
には
来
(
きた
)
らず、
横
(
よこ
)
に
枕
(
まくら
)
を
並
(
なら
)
べて、
火
(
ひ
)
の
気
(
け
)
のない
臥床
(
ねどこ
)
に
寐
(
ね
)
た。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
されどかしこにて
特
(
こと
)
に
危險
(
あやふき
)
を顧みざるは船手を
統
(
す
)
ぶる人々なるべし
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
特
(
こと
)
に此頃流行の何玉何々玉といふ類、まるで
薬玉
(
くすだま
)
かなんぞのやうなのは、
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
から出戻りの種で、余り好い感じがしないが
菊 食物としての
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
“特”の意味
《形容動詞》
特に(トクに)
外に例がなく。独特で。
とりわけ。その中でも。
(主として否定文で)別に。特段。
(出典:Wiktionary)
特
常用漢字
小4
部首:⽜
10画
“特”を含む語句
加特力
特長
特徴
特有
特種
特色
特殊
羅馬加特力
奇特
特別
御奇特
特異
特權
特質
特性
獨特
周利槃特
特殊人
特得
独特
...