決心けっしん)” の例文
ひとり、えだのこされたすずめは、このとき決心けっしんいたしました。それからまもなく、すずめも、きたをさして姿すがたしてしまったのです。
紅すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
するとおとこいたって志繰こころたしかな、やささしい若者わかもので、ほかおんななどにはもくれず、かたかた決心けっしんをしてることがよくわかりました。
しかし、このころから、こころなかでは、中津なかつからでていくことを決心けっしんして、その決心けっしんを、なんとしてでも実行じっこうしようと、おもいさだめました。
お前はゆめの中で決心けっしんしたとおりまっすぐにすすんで行くがいい。そしてこれからなんでもいつでも私のとこへ相談そうだんにおいでなさい
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それを聞くと、竹童ちくどうは、すぐにあとをしたって、三人にいつき、ひとまず小太郎山のとりでへ帰ろうと決心けっしんした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんどは、もう一度この御殿へ、たべられに帰って来るくらいなら、いっそ海へ身を投げて、死ぬ決心けっしんでした。
安藤はもちろん見込みこみがありさえすれば、すぐにも自分がって治療ちりょうをこころみんとの決心けっしんを語り、つづいて花前の不幸ふこうなりし十年まえの経歴けいれきかたった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
まだ二十二才のわかい科学者かがくしゃだったぼくには、これに一しょうをささげて、いつかは世間せけんのやつどもを、あっといわせるような研究けんきゅうをやりとげようと決心けっしんしたんだ
「いやいやいったかもしれぬ。そういえばきょうの林太郎はいつもとちがって、くちびるをくいしばってなにか決心けっしんしたような顔で、このうちを出ていったからな。」
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
たれもはいれない魔法まほうのお城をきりひらく名誉めいよが、自分のものになるとおもうと、もううしろからからだを押されるような気がして、さっそく、そのしごとにかかろうと決心けっしんしました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
そのとき六部ろくぶは、「どうもかみさまといっているが、これはきっとなにかのわるものちがいない、ちょうどさいわ今夜こんやはここに一晩ひとばんまって、悪神わるがみ正体しょうたい見届みとどけてやろう。」という決心けっしんをしました。
しっぺい太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
幼年時代ようねんじだいを通じて、その音楽家の面影おもかげは生きた手本てほんとなり、かれはそのうえをすえていた。わずか六歳の少年しょうねんたる彼が、自分もまた楽曲を作ってみようと決心けっしんしたのは、この手本にもとづいてであった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
海蔵かいぞうさんのむねうちには、拳骨げんこつのようにかた決心けっしんがあったのです。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
そう小田おださとると、自分じぶん行為こういまでがかえりみられて、これから、自分じぶんも、ほんとうのただしい、つよ人間にんげんになろうと決心けっしんしたのでした。
笑わなかった少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたくし決心けっしんあくまでかたいのをて、両親りょうしん無下むげ帰家きかをすすめることもできず、そのままむなしく引取ひきとってしまわれました。
イギリスからの文書ぶんしょを、諭吉ゆきちはほんやくさせられましたが、イギリスがどんなにつよい決心けっしんをもっているかがわかり、どうなることかと心配しんぱいになりました。
じぶんで決心けっしんしてやったことだが、こうして成功せいこうして全身ぜんしん透明とうめいになってしまうと、さすがのぼくも、たいへんなことをやったなと、心おだやかでなかった。
そして、こんな悲しい目にあうのは、きっとまほうのランプがなくなったせいにちがいない、だれがぬすんだかを見とどけなければならぬ、と、かたく決心けっしんしました。
さてその日、林太郎はしろ公をつれて、土浦の病院までおっかさんをたずねていこうと決心けっしんしました。土浦までは霞ガ浦のふちをぐるりとまわって、五里ちかくあります。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
大臣だいじんの子は決心けっしんしたようにつるぎをつるした帯革おびがわかたくしめなおしながらうなずきました。
手足をわなわなさして見ておったかれの母は、力のこもった決心けっしんのある声をひそめて、あなたころしてしまいなさい。殺してしまいなさい。つみはわたしがしょいます。ころしてしまってください。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
さてなかなかその決心けっしんもつきませんでした。
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
もし、このまま犬殺いぬころしにわたしてしまったら、ジャックはどんなに自分じぶんをうらむかしれない。よし、たすけてやろうと、決心けっしんしました。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それでも予定よてい場所ばしょころまでには、すこしはわたくしはらすはってまいりました。『縦令たとえ何事なにごとありともなみだすまい。』——わたくしかたくそう決心けっしんしました。
と、くろがねは、びっくりしてとめました。けれども、諭吉ゆきちはかたく決心けっしんしたことです。くろがねとわかれて、一人旅ひとりたびをつづけ、下関しものせきからふねにのりました。
ホールは、おかみさんにいくら聞いても、それいじょうは話さないとわかると、だまって決心けっしんをした。
林太郎は、うわ目でおっかさんのようすをしげしげと見ていましたが、なにか決心けっしんしたように
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
ね、ぼくはもうあなたのためなら、つぎの汽車の来る時、がんばってうでを下げないことでも、なんでもするんですからね、わかったでしょう。あなたもそのくらいの決心けっしんはあるでしょうね。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
彼女かのじょは、あれほど、まよったすえに、ようやく決心けっしんをしてきたのを、いまさら代診だいしんにみてもらうまでもないと、いくぶん腹立はらだたしくなりました。
世の中のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
学生はしばらく立っていたが決心けっしんしたようにこしをおろした。
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
彼女かのじょが、手術しゅじゅつけることを覚悟かくごしたとったときに、彼女かのじょあんじた周囲しゅういひとたちは、それは、よく決心けっしんしたといって、よろこんだのでした。
世の中のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
なにかほんとうに決心けっしんしているように見えました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しかたなく、ふねとして、これにってゆこうと決心けっしんしました。それよりうみのかなたへ、わたみちはなかったのです。
赤い船とつばめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
それで、正坊まさぼうは、まさしくこのひとだとおもいましたから、そのおとこのすすめるままに、いってみようと、即座そくざ決心けっしんしました。
びんの中の世界 (新字新仮名) / 小川未明(著)
開帳かいちょうだって、つぎのには、あんなことがあったとかんがえると、旅費りょひのできたのをさいわいに、はやく目的地もくてきちをさしてゆこうと決心けっしんしたのであります。
石をのせた車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いよいよ三にん決心けっしんはつきました。そうして、かみさまから、おまえたちは、なにになるかとわれましたときに
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しん一は、もう洋服ようふくかえていました。だれがなんといっても自分じぶんは、いかなければならぬというかた決心けっしんをようすにみせて、二かいからりました。
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ものぐさの主人しゅじんを、てこずらせるほどの、元気げんきなねずみですから、電線でんせんわたっていこうと、冒険ぼうけん決心けっしんしました。
ねずみの冒険 (新字新仮名) / 小川未明(著)
少年しょうねんは、しろはなつめているうちに、こう決心けっしんしました。このとき、不思議ふしぎにもしろはなは、ポタリとおとをたてて、えだをはなれて、したちたのでした。
サーカスの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
松蔵まつぞうは、あのわすれがたいおじいさんのかたみである、そして、自分じぶん大事だいじなバイオリンをかえすためには、どんな苦労くろうをもいとわないと決心けっしんしました。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、少年しょうねんは、元気げんきでした。非常時国家ひじょうじこっかのために、りっぱに少年工しょうねんこうはたらきをしようと決心けっしんしていたのです。
へちまの水 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ははむすめは、おとうさんの決心けっしんかたいのをると、せめて、そのおかえりをつよりしかたのないのをさとりました。
青いランプ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼく、うちへっていって、おかあさんにねがってみよう。」と、まことさんが、決心けっしんかおあらわして、いいました。
僕たちは愛するけれど (新字新仮名) / 小川未明(著)
宝石商ほうせきしょうは、このそんをきっとつぐなうだけの宝石ほうせきをもう一きたくにへいってあつめてこなければならないと決心けっしんしました。かれあたまなかはそのことでいっぱいになりました。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
母親ははおやは、子供こどものようすから、すぐにでも手術しゅじゅつ決心けっしんしたらしく、いえなかをかたづけはじめたのです。
空にわく金色の雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
秀吉ひできちは、よくようすをくと、そこへいけば、毎日まいにちのように、有名ゆうめい音楽おんがくや、人気にんきのある大家たいかうたけるので、ぜひ奉公ほうこうをして、そこで勉強べんきょうしようと、決心けっしんしました。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「じゃ、あおいしえようよ。」と、ゆうちゃんは、メダルがほしいばかりに、つい決心けっしんしました。
青い石とメダル (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのたびにかなしんでくるいそうになり、ついに仕返しかえしをしようと決心けっしんするようになりました。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
不思議ふしぎなことに、小鳥ことりは、まったく元気げんきづいてしまいました。そして、もう一うみけきって広々ひろびろとした野原のはらいだして、自分じぶんらの仲間なかまがっしようと決心けっしんしました。
小さな金色の翼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たのむところはなし、どうすることもできなく、猟師りょうし自分じぶんのだいじな鉄砲てっぽうろうと決心けっしんしました。なぜならほかに、るような金目かねめ品物しなものは、なんにもなかったからです。
猟師と薬屋の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)