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微塵
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みぢん
ふりがな文庫
“
微塵
(
みぢん
)” の例文
綺麗さは二人に
劣
(
おと
)
らなかつたでせうが、これは働き者で親孝行で、お今、お三輪のやうに、浮いた噂などは
微塵
(
みぢん
)
もなかつたのです。
銭形平次捕物控:079 十七の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ドクトルは
其後
(
そのあと
)
を
睨
(
にら
)
めてゐたが、
匆卒
(
ゆきなり
)
ブローミウム
加里
(
カリ
)
の
壜
(
びん
)
を
取
(
と
)
るより
早
(
はや
)
く、
發矢
(
はつし
)
と
計
(
ばか
)
り
其處
(
そこ
)
に
投
(
なげ
)
付
(
つけ
)
る、
壜
(
びん
)
は
微塵
(
みぢん
)
に
粉碎
(
ふんさい
)
して
了
(
しま
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
流石に一寸意外に驚きはしたものの、それが為にお信さんを卑しむとか
蔑
(
さげす
)
むといふやうな心は、
微塵
(
みぢん
)
も起りはしなかつた。
乳の匂ひ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
知
(
し
)
らず
曵
(
ひき
)
しかばなど
堪
(
たま
)
るべき
微塵
(
みぢん
)
になりて
恨
(
うら
)
みを
地
(
ち
)
に
殘
(
のこ
)
しぬ
孃
(
ぢやう
)
さま
御覽
(
ごらん
)
じつけて
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
がり
給
(
たま
)
ひ
此
(
この
)
そこねたるは
我身
(
わがみ
)
に
取
(
と
)
らせよ
代
(
かは
)
りには
新
(
あた
)
らしきのを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
山岡氏の考へに
微塵
(
みぢん
)
も違つた所はない——何故といつて、頭の半分で米の値段を考へ、あとの半分で性慾の事を考へるのが一番進歩した人生観だから。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
「いや、
何
(
なん
)
とも
何
(
なん
)
とも。
今日
(
こんにち
)
の
閣下
(
かくか
)
の
昇天
(
しようてん
)
の
御勢
(
おんいきほひ
)
にはわたくし
共
(
ども
)
まるで
木
(
こ
)
つ
葉
(
ぱ
)
微塵
(
みぢん
)
の
有樣
(
ありさま
)
でございましたな。」
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
飛びつくといつたやうな
可憐
(
いぢら
)
しさは
微塵
(
みぢん
)
もなかつたが、決して卑屈ではなかつたし、柔順では尚更なかつた。
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
いや
蒼空
(
あをそら
)
の
下
(
した
)
へ
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
には、
何
(
なん
)
のことも
忘
(
わす
)
れて、
砕
(
くだ
)
けろ、
微塵
(
みぢん
)
になれと
横
(
よこ
)
なぐりに
体
(
からだ
)
を
山路
(
やまぢ
)
へ
打倒
(
うちたふ
)
した。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
怒
(
いか
)
らしコレ小僧
和主
(
てまへ
)
は
何處
(
どこ
)
の者かは知ねど大藤の娘お光さんに癲癇が有るるとは何の
謔言
(
たはごと
)
彼
(
あの
)
お光さんは
容貌
(
きりやう
)
能
(
よ
)
く親孝心で
優
(
やさし
)
くて癲癇所ろか病氣は
微塵
(
みぢん
)
聊
(
いさゝ
)
かない人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
眼の前の湯の中に動いてゐる
微塵
(
みぢん
)
に似た湯垢の一つ/\にはかすかに虹の樣な日光の影が宿り
樹木とその葉:32 伊豆西海岸の湯
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
御互
(
おたがひ
)
が
御互
(
おたがひ
)
に
飽
(
あ
)
きるの、
物足
(
ものた
)
りなくなるのといふ
心
(
こゝろ
)
は
微塵
(
みぢん
)
も
起
(
おこ
)
らなかつたけれども、
御互
(
おたがひ
)
の
頭
(
あたま
)
に
受
(
う
)
け
入
(
い
)
れる
生活
(
せいくわつ
)
の
内容
(
ないよう
)
には、
刺戟
(
しげき
)
に
乏
(
とぼ
)
しい
或物
(
あるもの
)
が
潛
(
ひそ
)
んでゐる
樣
(
やう
)
な
鈍
(
にぶ
)
い
訴
(
うつたへ
)
があつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
空の鋼は奇麗に
拭
(
ぬぐ
)
はれ気圏の
淵
(
ふち
)
は
青黝
(
あをくろ
)
ぐろと澄みわたり一つの
微塵
(
みぢん
)
も置いてない。
柳沢
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
瞻
(
なが
)
むれば一
隻
(
せき
)
の
海賊船
(
かいぞくせん
)
は
轟然
(
ごうぜん
)
たる
響
(
ひゞき
)
諸共
(
もろとも
)
に、
船底
(
せんてい
)
微塵
(
みぢん
)
に
碎
(
くだ
)
け、
潮煙
(
てうゑん
)
飛
(
と
)
んで
千尋
(
ちひろ
)
の
波底
(
はてい
)
に
沈
(
しづ
)
み
去
(
さ
)
つた、つゞいて
起
(
おこ
)
る
大紛擾
(
だいふんじやう
)
、
一艘
(
いつそう
)
は
船尾
(
せんび
)
逆立
(
さかだ
)
ち
船頭
(
せんとう
)
沈
(
しづ
)
んで、
惡魔印
(
あくまじるし
)
の
海賊旗
(
かいぞくき
)
は、
二度
(
にど
)
、
三度
(
さんど
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ここには勿論、今彼の心に影を落した悠久なものの姿は、
微塵
(
みぢん
)
もない。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
賜
(
たま
)
ひ、
爾
(
なんち
)
之
(
これ
)
を
以
(
もつ
)
て
桃奴
(
もゝめ
)
が
腰骨
(
こしぼね
)
微塵
(
みぢん
)
に
碎
(
くた
)
けよとありければ
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
まさやけく夏の
微塵
(
みぢん
)
の澄むところみ空は青し眼の極み見ゆ
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
微塵
(
みぢん
)
もまた
玉
(
たま
)
の如く光りながら波打ち
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
ドツと幕の後ろに殺到した五六人、相手が何んであらうと、
微塵
(
みぢん
)
に掴み潰しさうな意氣込みでしたが、——其處にはもう
曲者
(
くせもの
)
の姿もなかつたのです。
銭形平次捕物控:177 生き葬ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
宜
(
よき
)
ぞと竊に
目配
(
めくばせ
)
すれば赤川大膳藤井左京
直
(
つゝ
)
と寄て次助佐助が後に
立寄
(
たちより
)
突落
(
つきおと
)
せば
哀
(
あは
)
れや兩人は
數
(
すう
)
千
丈
(
ぢやう
)
の
谷底
(
たにそこ
)
に
眞逆樣
(
まつさかさま
)
に落入て
微塵
(
みぢん
)
に碎けて死失たりまた常樂院は五人の者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
聞けば病中の有樣の亂暴狼藉、あばれ次第にあばれ、狂ひ放題くるひて、今も額に殘るおそよが向ふ疵は、我が投げつけし湯呑の痕と
説明
(
とか
)
れて、
微塵
(
みぢん
)
立腹氣もなき笑顏氣の毒に
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
が、
彼
(
あ
)
の
頂上
(
ちやうじやう
)
から
飛
(
とん
)
だ
日
(
ひ
)
には、
二人
(
ふたり
)
とも
五躰
(
ごたい
)
は
微塵
(
みじん
)
だ。
五躰
(
ごたい
)
が
微塵
(
みぢん
)
ぢや、
顔
(
かほ
)
も
視
(
み
)
られん、
何
(
なん
)
にも
成
(
な
)
らない。
然
(
さ
)
うすりや、
何
(
なに
)
を
救
(
すく
)
ふんだか、
救
(
すく
)
はれるんだか、……
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
ふんだか、はゝはゝ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あらゆる
防水
(
ぼうすい
)
の
方便
(
てだて
)
は
盡
(
つく
)
されたが、
微塵
(
みぢん
)
に
打碎
(
うちくだ
)
かれたる
屹水下
(
きつすいか
)
からは
海潮
(
かいてう
)
瀧
(
たき
)
の
如
(
ごと
)
く
迸
(
ほとばしり
)
入
(
い
)
つて、
其
(
その
)
近傍
(
きんぼう
)
には
寄
(
よ
)
り
附
(
つ
)
く
事
(
こと
)
も
出來
(
でき
)
ない。十
臺
(
だい
)
の
喞筒
(
ポンプ
)
は、
全力
(
ぜんりよく
)
で
水
(
みづ
)
を
吐出
(
はきだ
)
して
居
(
を
)
るが
何
(
なん
)
の
效能
(
こうのう
)
もない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
うち沈む黒き
微塵
(
みぢん
)
の照りにして
暑
(
しよ
)
は果しなし
金
(
きん
)
の
向日葵
(
ひまはり
)
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
銀の
微塵
(
みぢん
)
のちらばるそらへ
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
突つかひ棒は苦もなく取れて、百貫近い石の蓋が落ちると、間に挾んだ木の小箱は、
微塵
(
みぢん
)
に
碎
(
くだ
)
かれてしまつたのです。
銭形平次捕物控:127 彌惣の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
折
(
をり
)
ふしの
庭
(
には
)
あるきに
微塵
(
みぢん
)
きずなき
美
(
うつ
)
くしさを
認
(
みと
)
め、
我
(
わ
)
れならぬ
召使
(
めしつか
)
ひに
優
(
やさ
)
しき
詞
(
ことば
)
をかけ
給
(
たま
)
ふにても
情
(
なさけ
)
ふかき
程
(
ほど
)
は
知
(
し
)
られぬ、
最初
(
はじめ
)
の
想像
(
さう/″\
)
には
子細
(
しさい
)
らしく
珠數
(
じゆす
)
などを
振袖
(
ふりそで
)
の
中
(
なか
)
に
引
(
ひ
)
きかくし
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
物
(
もの
)
の
數
(
かず
)
にも
足
(
た
)
らぬ
海獸
(
かいじう
)
なれど、あれを
敵國
(
てきこく
)
の
艦隊
(
かんたい
)
に
譬
(
たと
)
ふれば
如何
(
いか
)
にと、
電光艇
(
でんくわうてい
)
は
矢庭
(
やにわ
)
に
三尖衝角
(
さんせんしようかく
)
を
運轉
(
うんてん
)
して、
疾風
(
しつぷう
)
電雷
(
でんらい
)
の
如
(
ごと
)
く
突進
(
とつしん
)
すれば、あはれ、
海
(
うみ
)
の
王
(
わう
)
なる
巨鯨
(
きよげい
)
の
五頭
(
ごとう
)
七頭
(
しちとう
)
は
微塵
(
みぢん
)
となつて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
まつぶさに
繁
(
しみ
)
みに見れば
星雲
(
ほしぐも
)
の
微塵
(
みぢん
)
の光渦巻きにけり
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
搖上
(
ゆりあ
)
げ
搖下
(
ゆりおろ
)
され今にも
逆卷
(
さかまく
)
浪
(
なみ
)
に引れ
那落
(
ならく
)
に
沈
(
しづ
)
まん計りなれば八
寒
(
かん
)
八
熱
(
ねつ
)
の
地獄
(
ぢごく
)
の樣も
斯
(
かく
)
やとばかり
怖
(
おそ
)
ろしなんども
愚
(
おろ
)
かなり
看々
(
みる/\
)
山の如き
大浪
(
おほなみ
)
は天神丸の
胴腹
(
どうはら
)
へ打付たれば
哀
(
あはれ
)
やさしも
堅固
(
けんご
)
に
營
(
しつ
)
らへし天神丸も
忽地
(
たちまち
)
巖石
(
がんせき
)
に打付られ
微塵
(
みぢん
)
に
成
(
なつ
)
て
碎
(
くだ
)
け失たり
氣早
(
きばや
)
き吉兵衞は此時早くも
身構
(
みがま
)
へして所持の品は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
岡つ引として異常な事件に臨む緊張といふよりは、女の兒が、美しい人形を取落して、
微塵
(
みぢん
)
に碎いた時の心持です。
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
孟甞君今の世にあらばいざ知らず、癖づきし心は組糸をときたる如く、はても無くこぢれて
微塵
(
みぢん
)
愛敬のなきに、仕業も拙なりや某博士誰れ院長の玄關先に熱心あふるゝ辨舌さはやかならず
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
宵空の
微塵
(
みぢん
)
の光おぎろなし人は牛曳き家路をたどる
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
煙管
(
きせる
)
なんか
咥
(
くは
)
へて覗く奴があるか。そいつは
煙硝
(
えんせう
)
だよ。——火が移つて見ろ、お前も俺達も木ツ端
微塵
(
みぢん
)
だぞ」
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
詞
(
ことば
)
交
(
か
)
はすが
懶
(
ものう
)
くて、
病氣
(
びやうき
)
などゝ
有
(
あり
)
もせぬ
僞
(
いつは
)
りは
何
(
なに
)
ゆゑに
云
(
い
)
ひけん、
空
(
そら
)
おそろしさに
身
(
み
)
も
打
(
うち
)
ふるへて、
腹
(
はら
)
たちしならば
雪三
(
せつざう
)
ゆるしてよ、
隔
(
へだ
)
つる
心
(
こゝろ
)
は
微塵
(
みぢん
)
もなけれど、
主
(
しゆう
)
の
家來
(
けらい
)
の
昔
(
むか
)
しは
兎
(
と
)
もあれ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その前に坐つた鈴川主水は、膝に手を置いて、
地頭
(
ぢがしら
)
でも勤めるやうに、謹しみ愼しんで差控へます。もう
先刻
(
さつき
)
までの、高ぶつた氣色などは
微塵
(
みぢん
)
もありません。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
後生願ひの投資に一生懸命で、人に彼れこれ言はれるやうなサモしい行ひなどは
微塵
(
みぢん
)
もなかつたのです。
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「格子と雨戸を
微塵
(
みぢん
)
に叩き碎いて、石は寢てゐる隱居の上へ落ちる筈でしたが、運の良いことに」
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「主人は
微塵
(
みぢん
)
流の達人だつたといふから、まさか竹光で突かれて死ぬやうなことはあるまい」
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
庵室がそのまゝ九天に吹き上げられるやうな恐ろしい
轟音
(
ぐわうおん
)
と爆風です。同時に四方の雨戸も壁も
微塵
(
みぢん
)
に碎けて、
大火焔
(
だいくわえん
)
の洪水が十八尺四方の庵室を包んでドツと吹き入るのです。
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ざまア見あがれ、明日は龍の口の評定所へ駈け込み訴へだ。一萬二千石は三月經たないうちに
木
(
こ
)
つ
片
(
ぱ
)
微塵
(
みぢん
)
さ。それが嫌なら、娘をお屋敷へ呼返した上、下手人に繩付けて來い」
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
町人もそれに信頼する氣は
微塵
(
みぢん
)
もありませんから、これ程の事件を、何處へ屆け出るでもなく、八十何人の奉公人や、一家身内の者が寄つてたかつて、唯もうワイワイと騷ぐばかりです。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お勢の妖艶な顏も、さすがに蒼く引緊つて、日頃の寛濶さは
微塵
(
みぢん
)
もありません。
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
少し脹れつぽい顏には、
微塵
(
みぢん
)
も又六の柔和なおもかげが殘つては居りません。
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この若くて艱難をした新領主に
楯
(
たて
)
を突く心は
微塵
(
みぢん
)
もなくなつて居たのです。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「私が見たところでは、この娘の顏には、そんな惡氣が
微塵
(
みぢん
)
もない——」
銭形平次捕物控:009 人肌地藏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眞つ向
微塵
(
みぢん
)
の素つ破拔きで、暫らくは辯解の言葉も見當らない樣子です。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
天に
冲
(
ちう
)
する火焔の中に、高田御殿は
微塵
(
みぢん
)
に
崩
(
くづ
)
れ落ちてしまひました。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八百屋お七の生れ變りと言つたのは錢形平次の作で、本人はそんな暗い蔭などの
微塵
(
みぢん
)
もない、明けつ放しで、無邪氣で、誰にでも好感を持つて居さうな、世にもすぐれた生ひ立ちらしく見えるのです。
銭形平次捕物控:197 罠に落ちた女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“微塵”の意味
《名詞》
細かい埃や塵。
物が割れるなどして細かい破片となること。
(みじん)(「も」および打ち消しの語を伴い)量や程度がわずかであるさま。すこしも。
(みじん)(仏教)非常に微細な物質。
(出典:Wiktionary)
微
常用漢字
中学
部首:⼻
13画
塵
漢検準1級
部首:⼟
14画
“微塵”で始まる語句
微塵棒
微塵数
微塵流
微塵光
微塵切
微塵劫
微塵動
微塵気
微塵玉
微塵縞