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よつゆ
ふりがな文庫
“
夜露
(
よつゆ
)” の例文
其處
(
そこ
)
で、でこぼこと
足場
(
あしば
)
の
惡
(
わる
)
い、
蒼苔
(
あをごけ
)
と
夜露
(
よつゆ
)
でつる/\と
辷
(
すべ
)
る、
岸
(
きし
)
の
石壇
(
いしだん
)
を
踏
(
ふ
)
んで
下
(
お
)
りて、
笠
(
かさ
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
岸
(
きし
)
の
草
(
くさ
)
へ、
荷物
(
にもつ
)
を
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いゝえ! 駄目よ。それにあなたも、もう家に入る時間ですよ。
夜露
(
よつゆ
)
の
降
(
お
)
りる時に外にゐると、チブスにかゝりますよ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ベンヺ こりゃ
何
(
なん
)
でも、
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
に
隱
(
かく
)
れて、
夜露
(
よつゆ
)
と
濡
(
ぬ
)
れの
幕
(
まく
)
という
洒落
(
しゃれ
)
であらう。
戀
(
こひ
)
は
盲
(
めくら
)
といふから、
闇
(
やみ
)
は
恰
(
ちょう
)
どお
誂
(
あつら
)
へぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それをどこまでもいくと、
広
(
ひろ
)
い
原
(
はら
)
っぱへでました。そこは
霞
(
かすみ
)
ガ
浦
(
うら
)
のふちで、
一面
(
いちめん
)
に
夏草
(
なつくさ
)
がはえしげっています。夏草には
夜露
(
よつゆ
)
がしっとりとおりています。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
それは、もう
冬
(
ふゆ
)
に
近
(
ちか
)
い、
朝
(
あさ
)
のことでした。一ぴきのとんぼは、
冷
(
つめ
)
たい
地
(
つち
)
の
上
(
うえ
)
に
落
(
お
)
ちて、じっとしていました。
両方
(
りょうほう
)
の
羽
(
はね
)
は
夜露
(
よつゆ
)
にぬれてしっとりとしている。
寒い日のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
此
(
この
)
話
(
はなし
)
は一
同
(
どう
)
に
著
(
いちじる
)
しき
感動
(
かんどう
)
を
與
(
あた
)
へました。
中
(
なか
)
には
遁出
(
にげだ
)
した
鳥
(
とり
)
さへあり、
年老
(
としと
)
つた一
羽
(
わ
)
の
鵲
(
かさゝぎ
)
は
用心深
(
ようじんぶか
)
くも
身仕舞
(
みじまひ
)
して、『
家
(
うち
)
へ
歸
(
かへ
)
らう、
夜露
(
よつゆ
)
は
咽喉
(
のど
)
に
毒
(
どく
)
だ!』と
云
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
夜露
(
よつゆ
)
に
中
(
あ
)
てた
方
(
はう
)
が
可
(
よ
)
からうと
云
(
い
)
ふので、
崖下
(
がけした
)
の
雨戸
(
あまど
)
を
明
(
あ
)
けて、
庭先
(
にわさき
)
にそれを
二
(
ふた
)
つ
並
(
なら
)
べて
置
(
お
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
……こんな地面へ寝転がっていると
夜露
(
よつゆ
)
にあたるぜ、と言いますと、ああ、加賀屋の旦那ですか、手放しでお聞きにくいでしょうけど、あちきは毎晩ここで寝ているんです。
平賀源内捕物帳:山王祭の大像
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
伝吉はまず
雨落
(
あまお
)
ちの石へそっと
菅笠
(
すげがさ
)
を
仰向
(
あおむ
)
けに載せた。それから静かに
旅合羽
(
たびがっぱ
)
を脱ぎ、二つに
畳
(
たた
)
んだのを笠の中に入れた。笠も合羽もいつの
間
(
ま
)
にかしっとりと
夜露
(
よつゆ
)
にしめっていた。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
蟲
(
むし
)
の
中
(
なか
)
でもばつたは
賢
(
かしこ
)
い
蟲
(
むし
)
でした。この
頃
(
ごろ
)
は、
日
(
ひ
)
がな一
日
(
にち
)
月
(
つき
)
のよい
晩
(
ばん
)
などは、その
月
(
つき
)
や
星
(
ほし
)
のひかりをたよりに
夜露
(
よつゆ
)
のとつぷりをりる
夜闌
(
よふけ
)
まで、
母娘
(
おやこ
)
でせつせと
機
(
はた
)
を
織
(
を
)
つてゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
かごの垂れを
刎
(
は
)
ねて、そこへ出て来た人影を見ると、父楽翁とおもいのほか、黒い
夜露
(
よつゆ
)
頭巾を被り、黒つむぎの
袷
(
あわせ
)
に、袴もきちんと着け、年ごろ四十五、六の堅々しい感じの中に
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夜露
(
よつゆ
)
にぬれた
枯草
(
かれくさ
)
が気味わるく足にまとい、ともすれば
水溜
(
みずたま
)
りに踏み込みそうで、歩くのも難儀であったが、神谷は、
折角
(
せっかく
)
ここまで尾行した怪物を、このまま見捨てて帰るのも残り
惜
(
お
)
しく
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
見る/\
中
(
うち
)
満月が
木立
(
こだち
)
を離れるに従ひ
河岸
(
かはぎし
)
の
夜露
(
よつゆ
)
をあびた
瓦屋根
(
かはらやね
)
や、水に
湿
(
ぬ
)
れた
棒杭
(
ぼうぐひ
)
、
満潮
(
まんてう
)
に流れ寄る
石垣下
(
いしがきした
)
の
藻草
(
もぐさ
)
のちぎれ、船の
横腹
(
よこはら
)
、
竹竿
(
たけざを
)
なぞが、
逸早
(
いちはや
)
く月の光を受けて
蒼
(
あを
)
く輝き出した。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
水にも土手にも、しっとりと
闇
(
やみ
)
がおりて、かすかな
夜露
(
よつゆ
)
が足をなでた。
山県有朋の靴
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
夜露
(
よつゆ
)
に
濡
(
ぬ
)
れた
草
(
くさ
)
が、
地上
(
ちじやう
)
に
盛
(
も
)
り
溢
(
あふ
)
れさうな
勢
(
いきほ
)
ひで、
野
(
の
)
を
埋
(
うづ
)
めてゐた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
わしは、一と通りの探険注意を与えると、一行の先頭に立ち、静かに、
構内
(
こうない
)
を、第九工場に向って、行進を始めたのだった。地上を
匍
(
は
)
うレールの上には、既に、冷い
夜露
(
よつゆ
)
が、しっとりと、下りていた。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
風入
(
かぜい
)
れの
此
(
こ
)
の
窓
(
まど
)
も、
正西
(
まにし
)
を
受
(
う
)
けて、
夕日
(
ゆふひ
)
のほとぼりは
激
(
はげ
)
しくとも、
波
(
なみ
)
にも
氷
(
こほり
)
にも
成
(
な
)
れとて
觸
(
さは
)
ると、
爪下
(
つました
)
の
廂屋根
(
ひさしやね
)
は、さすがに
夜露
(
よつゆ
)
に
冷
(
つめた
)
いのであつた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると、
黒
(
くろ
)
い
石
(
いし
)
が、
夜露
(
よつゆ
)
にしっとりと
湿
(
ぬ
)
れて、
広場
(
ひろば
)
の
中
(
なか
)
で、
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
て
)
らされて
輝
(
かがや
)
いている
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
ました。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれども
長
(
なが
)
い
足
(
あし
)
を大きく動かした代助は、二三町も
歩
(
ある
)
かないうちに
額際
(
ひたひぎは
)
に
汗
(
あせ
)
を覚えた。彼は
頭
(
あたま
)
から鳥打を
脱
(
と
)
つた。黒い
髪
(
かみ
)
を
夜露
(
よつゆ
)
に打たして、
時々
(
とき/″\
)
帽子をわざと
振
(
ふ
)
つて
歩
(
ある
)
いた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんどの大地震には、御所の
築地
(
ついじ
)
も大破して、
内裏
(
だいり
)
の方々さえ幾夜か
夜露
(
よつゆ
)
の外に明かされたと聞えているほどなので、地震御見舞として上洛した家康のそうした
慎
(
つつし
)
みは、当然でもあった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もの
干棹
(
ほしざを
)
にさしかけの
茣蓙
(
ござ
)
の、しのぎをもれて、
外
(
そと
)
にあふれた
人
(
ひと
)
たちには、
傘
(
かさ
)
をさしかけて
夜露
(
よつゆ
)
を
防
(
ふせ
)
いだ。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あら、しつとりしてるわ、
夜露
(
よつゆ
)
が
酷
(
ひど
)
いんだよ。
直
(
ぢか
)
にそんなものに
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けて、あなた
冷
(
つめた
)
いでせう。
眞
(
ほん
)
とに
養生深
(
やうじやうぶか
)
い
方
(
かた
)
が、
其
(
それ
)
に
御病氣
(
ごびやうき
)
擧句
(
あげく
)
だといふし、
惡
(
わる
)
いわねえ。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あら、しっとりしてるわ、
夜露
(
よつゆ
)
が
酷
(
ひど
)
いんだよ。
直
(
じか
)
にそんなものに腰を掛けて、あなた
冷
(
つめた
)
いでしょう。
真
(
ほん
)
とに
養生深
(
ようじょうぶか
)
い
方
(
かた
)
が、それに御病気
挙句
(
あげく
)
だというし、悪いわねえ。」
木精(三尺角拾遺)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
草場
(
くさつぱ
)
の
夜露
(
よつゆ
)
が
酷
(
ひど
)
うございますで、
旦那
(
だんな
)
、お
袴
(
はかま
)
の
裾
(
すそ
)
が
濡
(
ぬ
)
れませう。
乘
(
の
)
つていらつしやいまし。ええ、
何
(
な
)
んでござります、
最
(
も
)
う
彼是
(
かれこれ
)
然
(
さ
)
うして
待
(
ま
)
ちますほどの
事
(
こと
)
もござりますまい。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
渇くのは
尚
(
な
)
ほ
辛
(
つら
)
くつて、雨のない日の続く時は
帆布
(
ほぬの
)
を拡げて、
夜露
(
よつゆ
)
を受けて、
皆
(
みんな
)
が口をつけて吸つたんだつて——大概唇は破れて血が出て、——助かつた此の話の
孫一
(
まごいち
)
は、
余
(
あんま
)
り激しく吸つたため
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
渇
(
かわ
)
くのは
尚
(
な
)
ほ
辛
(
つら
)
くつて、
雨
(
あめ
)
のない
日
(
ひ
)
の
續
(
つゞ
)
く
時
(
とき
)
は
帆布
(
ほぬの
)
を
擴
(
ひろ
)
げて、
夜露
(
よつゆ
)
を
受
(
う
)
けて、
皆
(
みんな
)
が
口
(
くち
)
をつけて
吸
(
す
)
つたんだつて——
大概
(
たいがい
)
唇
(
くちびる
)
は
破
(
やぶ
)
れて
血
(
ち
)
が
出
(
で
)
て、——
助
(
たす
)
かつた
此
(
こ
)
の
話
(
はなし
)
の
孫一
(
まごいち
)
は、
餘
(
あんま
)
り
激
(
はげ
)
しく
吸
(
す
)
つたため
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
框
(
かまち
)
を
納涼台
(
すずみだい
)
のやうにして、
端近
(
はしぢか
)
に、
小造
(
こづく
)
りで二十二三の
婦
(
おんな
)
が、しつとりと
夜露
(
よつゆ
)
に重さうな
縞縮緬
(
しまちりめん
)
の
褄
(
つま
)
を投げつゝ、
軒下
(
のきした
)
を
這
(
は
)
ふ霧を軽く踏んで、すらりと、くの字に腰を掛け、
戸外
(
おもて
)
を
視
(
なが
)
めて居たのを
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なに
)
か、自分は世の中の
一切
(
すべて
)
のものに、
現在
(
いま
)
、
恁
(
か
)
く、
悄然
(
しょんぼり
)
、
夜露
(
よつゆ
)
で
重
(
おも
)
ッくるしい、
白地
(
しろじ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
の、しおたれた、細い姿で、
首
(
こうべ
)
を垂れて、唯一人、由井ヶ浜へ通ずる砂道を
辿
(
たど
)
ることを、
見
(
み
)
られてはならぬ
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なに
)
か、
自分
(
じぶん
)
は
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
一切
(
すべて
)
のものに、
現在
(
いま
)
、
恁
(
か
)
く、
悄然
(
しよんぼり
)
、
夜露
(
よつゆ
)
で
重
(
おも
)
ツくるしい、
白地
(
しろぢ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
の、しほたれた、
細
(
ほそ
)
い
姿
(
すがた
)
で、
首
(
かうべ
)
を
垂
(
た
)
れて、
唯一人
(
たゞひとり
)
、
由井
(
ゆゐ
)
ヶ
濱
(
はま
)
へ
通
(
つう
)
ずる
砂道
(
すなみち
)
を
辿
(
たど
)
ることを、
見
(
み
)
られてはならぬ
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
露
常用漢字
中学
部首:⾬
21画
“夜”で始まる語句
夜
夜半
夜更
夜中
夜叉
夜具
夜鷹
夜寒
夜明
夜業