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てんで
ふりがな文庫
“
各自
(
てんで
)” の例文
そうして
各自
(
てんで
)
に刀をもって
果合
(
はたしあ
)
いをやるのです。それには立会人があって、どっちの遣り方が善いとか悪いとかいう判断を下します。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
女同士
(
をんなどうし
)
はわあと
只
(
たゞ
)
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
を
發
(
はつ
)
して
各自
(
てんで
)
に
對手
(
あひて
)
を
突
(
つ
)
いたり
叩
(
たゝ
)
いたりして
亂
(
みだ
)
れつゝ
騷
(
さわ
)
いだ。
突然
(
とつぜん
)
一人
(
ひとり
)
がおつぎの
髮
(
かみ
)
へひよつと
手
(
て
)
を
掛
(
か
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
涙は
各自
(
てんで
)
に分て泣かうぞと因果を含めてこれも目を拭ふに、阿關はわつと泣いて夫れでは離縁をといふたも我まゝで御座りました
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お早うございますが
各自
(
てんで
)
に交換され、昨日のこと天気のよいことなど
喃々
(
なんなん
)
と交換されて、気の引き立つほどにぎやかになった。
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
当時の学生は
尚
(
ま
)
だそういう政治運動をする考がなく、硬骨連が
各自
(
てんで
)
に思い思いに退校届を学校へ
叩
(
たた
)
きつけて飛出してしまった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
『一、二、三、
進
(
すゝ
)
め』の
號令
(
がうれい
)
もなく、
各自
(
てんで
)
に
皆
(
みな
)
勝手
(
かつて
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
だ
)
して
勝手
(
かつて
)
に
止
(
と
)
まりましたから、
容易
(
ようい
)
に
競爭
(
きやうさう
)
の
終
(
をは
)
りを
知
(
し
)
ることが
出來
(
でき
)
ませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
水の講釈にかけては人一倍やかましい茶人達の事とて、あつちこつちの名水を
瓶
(
かめ
)
に入れて
各自
(
てんで
)
に持寄りをする事にきめた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
仮令
(
たとえ
)
性質は冷たくとも、とにもかくにも自分等の手で、
各自
(
てんで
)
に
鍬
(
くわ
)
を
担
(
かつ
)
いで来て、この鉱泉の脈に掘当てたという自慢話などを高瀬にして聞かせた。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この方には趣向を主として実物には重きを置きませんからまず百円の見積り……たりない所は
各自
(
てんで
)
の所持品を飾っても間に合わせるという考えです。
佐竹の原へ大仏をこしらえたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
が、筆のついでに、座中の
各自
(
てんで
)
が、
好
(
すき
)
、
悪
(
きらい
)
、その季節、花の名、声、人、鳥、虫などを書きしるして、揃った処で、
一
(
ひとつ
)
……
何某
(
なにがし
)
……
好
(
すき
)
なものは、美人。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
簑村と有野は、
各自
(
てんで
)
に頭の中で考へてゐる事を、とんちんかんに口先で話し合つては、又自分の勝手な話題の方へ相手を引つ張つてゆかうとしてゐた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
博士は簡単にその
理由
(
わけ
)
を教えて、まず自分で外へ出た。後に残った助手は同じく人数だけの自発器を持ち出して、
各自
(
てんで
)
にそれを被らせ、続いて外へ出た。
月世界跋渉記
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
この時二人は
身体
(
からだ
)
に巻いてあった布を取って、
各自
(
てんで
)
に綱を一本
宛
(
ずつ
)
身体
(
からだ
)
に結び付けますと、船の両側から一時に、
水煙
(
みずけむり
)
を高く揚げて、真青な波の底に沈みました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
そんな事を
各自
(
てんで
)
に言って墨を
摺
(
す
)
る。短かくなると竹の墨ばさみにはさんでグングンと摺る。それを大きな鉢に
溜
(
た
)
めてゆくと、上級の子がまたそれを
濃
(
こ
)
く摺り直す。
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
隣家の者は、「それこそ
妖怪
(
ばけもの
)
だ、逃がすな」と云って、
各自
(
てんで
)
に棒や鍬を持って主翁に跟いて来た。
怪しき旅僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
三人
(
さんにん
)
が
各自
(
てんで
)
に
手分
(
てわけ
)
をして、
会員
(
くわいゝん
)
を
募集
(
ぼしう
)
する事に
成
(
な
)
つた、学校に
居
(
を
)
る者、
並
(
ならび
)
に
其以外
(
それいぐわい
)
の者をも
語合
(
かたら
)
つて、
惣勢
(
そうぜい
)
二十五
人
(
にん
)
も
得
(
え
)
ましたらうか、
其内
(
そのうち
)
過半
(
くわはん
)
は
予備門
(
よびもん
)
の学生でした
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
各自
(
てんで
)
に藥瓶の數多く並んだ棚や粉藥を分量してゐる小生意氣な藥局生の手先などを眺めてゐた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
寝苦しいと見えて、一度寝に帰って行った人々までがまた甲板へ上って来たりしていたがいつの間にか皆
各自
(
てんで
)
の室へ引きとってしまって、残っているのは私一人きりだった。
妖影
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
馬
(
うま
)
と
馬
(
うま
)
は
仲善
(
なかよ
)
く、
鼻
(
はな
)
をならべて
路傍
(
みちばた
)
の
草
(
くさ
)
を
噛
(
か
)
みながら、
二人
(
ふたり
)
が
半死半生
(
はんしはんしやう
)
で
各自
(
てんで
)
の
荷馬車
(
にばしや
)
に
這
(
は
)
ひあがり、なほ
毒舌
(
どくぐち
)
を
吐
(
は
)
きあつて、
西
(
にし
)
と
東
(
ひがし
)
へわかれるまで、こんな
話
(
はなし
)
をしてゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
自分の世界が二つに割れて、割れた世界が
各自
(
てんで
)
に働き出すと苦しい矛盾が起る。多くの小説はこの矛盾を得意に
描
(
えが
)
く。小夜子の世界は新橋の
停車場
(
ステーション
)
へぶつかった時、
劈痕
(
ひび
)
が入った。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
夕日の残る
枯尾花
(
かれおばな
)
、
何処
(
どこ
)
やらに鳴く
夕鴉
(
ゆうがらす
)
の声も、いとどさすらえ人の感を深くし、余も妻も唯
黙
(
だま
)
って歩いた。
我儕
(
われら
)
の行衛は
何処
(
どこ
)
に落ちつくのであろう? 余等は
各自
(
てんで
)
に斯く案じた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
彼等は
各自
(
てんで
)
に振分け荷物や、一眼で安物だと判るやうなトランクをぶら提げてゐた。大部分が百姓であることはその着物の着こなしやシャツや、赤黒く陽焼けした顔や手で明かである。
青年
(新字旧仮名)
/
北条民雄
(著)
旅人四人はこう云いながら、
各自
(
てんで
)
に
菅笠
(
すげがさ
)
の紐を絞め、明神の境内を出て行った。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
鍋被
(
なべかぶり
)
の女だけ陰気な顔で、
何処
(
どこ
)
を睨むというでなく立っていた。二人の女房は
各自
(
てんで
)
に家へ入って、その場にはただ一人鍋被の女だけ取り残された。この黒衣の女は
暫
(
しば
)
らく石の如く動かなかった。
櫛
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
涙は
各自
(
てんで
)
に
分
(
わけ
)
て泣かうぞと因果を含めてこれも目を拭ふに、阿関はわつと泣いてそれでは離縁をといふたも我ままで御座りました
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
先驅
(
さきがけ
)
の
光
(
ひかり
)
が
各自
(
てんで
)
の
顏
(
かほ
)
を
微明
(
ほのあか
)
るくして
日
(
ひ
)
が
地平線上
(
ちへいせんじやう
)
に
其
(
そ
)
の
輪郭
(
りんくわく
)
の一
端
(
たん
)
を
現
(
あら
)
はさうとする
時間
(
じかん
)
を
誤
(
あやま
)
らずに
彼等
(
かれら
)
は
揃
(
そろ
)
つて
念佛
(
ねんぶつ
)
を
唱
(
とな
)
へる
筈
(
はず
)
なので
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その頃はモウかなり戦術が開けて来たのだが、大将株が
各自
(
てんで
)
に自由行動を取っていて軍隊なぞは有るのか無いのか解らない。
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
けれども
各自
(
てんで
)
に一
時間半
(
じかんはん
)
か
其所
(
そこ
)
いら
走
(
はし
)
り
續
(
つゞ
)
けた
時
(
とき
)
に、
全
(
まつた
)
く
乾
(
かわ
)
いて
了
(
しま
)
ひました、ドード
鳥
(
てう
)
は
急
(
きふ
)
に、『
止
(
や
)
めッ!』と
叫
(
さけ
)
びました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
畜生
乍
(
なが
)
らに、亡くなつた主人を慕ふかと、人々も憐んで、
是
(
これ
)
から雪の降る時節にでも成らうものなら何を食つて山籠りする、と
各自
(
てんで
)
に言ひ合つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
この方には趣向を主として実物には重きを置きませんからまず百円の見積り……足りない所は
各自
(
てんで
)
の所持品を飾っても間に合わせるという考えです。
幕末維新懐古談:63 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
ある日
商人
(
あきんど
)
は、
市街
(
まち
)
の
関羽
(
くわんう
)
の
廟
(
べう
)
で行はれるお祭りを見に往つた。居合はす人達は
各自
(
てんで
)
に蝋燭を持つて、それを振りかざして何かの式をするらしかつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
もうそうなると、気の
上
(
あが
)
った
各自
(
てんで
)
が、自分の手足で、茶碗を
蹴飛
(
けと
)
ばす、
徳利
(
とっくり
)
を踏倒す、
海嘯
(
つなみ
)
だ、と
喚
(
わめ
)
きましょう。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここまで説明して言葉を切ると、耳を澄ましていた一同は
各自
(
てんで
)
に夢の醒めたような顔を上げた。そうして如何にも感服した
体
(
てい
)
で私の顔を見た。飯村部長は低い嘆息の声さえ洩らした。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
面々
各自
(
てんで
)
の挨拶がある。鎮守の宮にねり込んで、取りあえず
神酒
(
みき
)
一献
(
いっこん
)
、古顔の在郷軍人か、若者頭の
音頭
(
おんど
)
で、大日本帝国、天皇陛下、大日本帝国陸海軍、何々丑之助君の万歳がある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
玄関には、腰掛けたのや、上込んだのや、薄汚い
扮装
(
なり
)
をした通ひの患者が八九人、詰らな相な顔をして、
各自
(
てんで
)
に薬瓶の数多く並んだ棚や
粉薬
(
こぐすり
)
を分量してゐる小生意気な薬局生の手先などを眺めてゐた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
各自
(
てんで
)
に
槓杆
(
てこ
)
よりも立派な腕を
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
涙
(
なみだ
)
は
各自
(
てんで
)
に
分
(
わけ
)
て
泣
(
な
)
かうぞと
因果
(
いんぐわ
)
を
含
(
ふく
)
めてこれも
目
(
め
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ふに、
阿關
(
おせき
)
はわつと
泣
(
な
)
いて
夫
(
そ
)
れでは
離縁
(
りゑん
)
をといふたも
我
(
わが
)
まゝで
御座
(
ござ
)
りました
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すると最前からそれを見て居た
富豪連
(
かねもちれん
)
は、いつの間にか
各自
(
てんで
)
にそつと画絹を抱へ込んで
遁
(
に
)
げ出した。そして言ひ合はせたやうに米華の前に
集
(
たか
)
つて来た。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
雖然
(
けれども
)
、いざ、
分
(
わか
)
れると
成
(
な
)
れば、
各自
(
てんで
)
が
心
(
こゝろ
)
寂
(
さび
)
しく、
懷
(
なつ
)
かしく、
他人
(
たにん
)
のやうには
思
(
おも
)
はなかつたほど
列車
(
れつしや
)
の
中
(
なか
)
は
人
(
ひと
)
稀
(
まれ
)
で、……
稀
(
まれ
)
と
云
(
い
)
ふより、
殆
(
ほとん
)
ど
誰
(
たれ
)
も
居
(
ゐ
)
ないのであつた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それで一
切
(
さい
)
の
草木
(
さうもく
)
は
土
(
つち
)
と
直角
(
ちよくかく
)
の
度
(
ど
)
を
保
(
たも
)
つて
居
(
ゐ
)
る、
冬季
(
とうき
)
の
間
(
あひだ
)
は
土
(
つち
)
と
平行
(
へいかう
)
することを
好
(
この
)
んで
居
(
ゐ
)
た
人
(
ひと
)
も
鐵
(
てつ
)
の
針
(
はり
)
が
磁石
(
じしやく
)
に
吸
(
す
)
はれる
如
(
ごと
)
く
土
(
つち
)
に
直立
(
ちよくりつ
)
して
各自
(
てんで
)
に
手
(
て
)
に
農具
(
のうぐ
)
を
執
(
と
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
いわばなるだけ面倒な事には関係しないで仕事に励み忠実熱心である方ですから、こういう不条理な規約書が郵便で、
各自
(
てんで
)
の
許
(
もと
)
に舞い込んで来て見ると、甚だ迷惑に感じた。
幕末維新懐古談:47 彫工会の成り立ちについて
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
乃
(
そこ
)
で
皆
(
みン
)
な
息喘
(
いきせ
)
きながら
其周圍
(
そのしうゐ
)
へ
集
(
あつま
)
つて
來
(
き
)
て、『だが、
誰
(
だれ
)
が
勝
(
か
)
つたの?』と
各自
(
てんで
)
に
訊
(
き
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「女も変った」と原は力を入れて、「田舎から出て来て見ると、女の風俗の変ったのに驚いて了う。実に、
華麗
(
はで
)
な、大胆な風俗だ。見給え、通る人は
各自
(
てんで
)
に思い思いの
風
(
なり
)
をしている」
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それっというと
俄
(
にわか
)
に元気百倍して駈け出したが、どう
為
(
し
)
たものか十人が十人共、
各自
(
てんで
)
に一人は東、一人は西と違った方に声を聞いて、こっちだこっちだと云いながら、八方に散って行った。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
各自
(
てんで
)
に米が五合に銭十五銭宛持寄って、飲んだり食ったり
驩
(
かん
)
を尽すのだ。まだ/\と云うて居る内に、そろ/\
畑
(
はた
)
の用が出て来る。
落葉
(
おちば
)
掻
(
か
)
き寄せて、
甘藷
(
さつま
)
や
南瓜
(
とうなす
)
胡瓜
(
きゅうり
)
の
温床
(
とこ
)
の仕度もせねばならぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
何故といつて、聖書で見ると、どんな
人間
(
ひと
)
だつて乗合馬車位の「罪」は、
各自
(
てんで
)
にみんな
背負
(
しよ
)
つてるのだから。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
戦い
歇
(
や
)
んで昼過ぎ、騒ぎは一段落附いたようなものの、それからまた一騒ぎ起ったというのは、
跡見物
(
あとけんぶつ
)
に出掛けた市民で、
各自
(
てんで
)
に
刺子袢纏
(
さしこばんてん
)
など着込んで押して行き、非常な雑踏。
幕末維新懐古談:19 上野戦争当時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
唯今
(
ただいま
)
は凄いほど、星がきらついて参りましたが、先刻、その時分は、どんよりして、まるで四月なかばの
朧月夜
(
おぼろづきよ
)
見たような空合、
各自
(
てんで
)
に血が上っておりましたせいか、今日の寒さに
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そうして
髪毛
(
かみのけ
)
や、
眼色
(
めいろ
)
や、顔色が赤や、白や、
鳶色
(
とびいろ
)
や、黒等とそれぞれに違った人々が、
各自
(
てんで
)
に好きな仕立ての着物を着て、華やかに飾り立てた店の間を、押し合いへし
合
(
あい
)
して行き違う有様は
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
と一同声を揃へて、
各自
(
てんで
)
に頭を下げるのであつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
各
常用漢字
小4
部首:⼝
6画
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
“各自”で始まる語句
各自方
各自区々