くし
町から少し離て家根が処々に見える村だ。空は暗く曇っていた。お島という病婦が織っている機の音が聞える。その家の前に鮮かな紫陽花が咲いていて、小さな低い窓が見える。途の上に、二人の女房が立って話をしている。 「この頃は悪い風邪が流行ますそうです …