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群
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むらが
ふりがな文庫
“
群
(
むらが
)” の例文
夜は
更
(
ふ
)
けた。彼女は椎の
梢
(
こずえ
)
の上に、
群
(
むらが
)
った
笹葉
(
ささば
)
の上に、そうして、
静
(
しずか
)
な暗闇に垂れ下った
藤蔓
(
ふじづる
)
の
隙々
(
すきずき
)
に、亡き
卑狗
(
ひこ
)
の
大兄
(
おおえ
)
の姿を見た。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
ふだんから梟娘の名ばかりを聞いてゐる町の人たちは一種の好奇心に駆られて、その正体を見とゞけようとして
群
(
むらが
)
つて来たのであつた。
梟娘の話
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あのテントの外には沢山の見物人が
群
(
むらが
)
っていました。テントの中には警官や興行者側の人達が四方から犯人を取り巻いていました。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ある時は天を
焦
(
こが
)
す
焔
(
ほのお
)
の中に無数の悪魔が
群
(
むらが
)
りて我家を焼いて居る処を夢見て居る。ある時は万感一時に胸に
塞
(
ふさ
)
がって涙は
淵
(
ふち
)
を為して居る。
恋
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
石畳
(
いしだたみ
)
で
穿下
(
ほりおろ
)
した
合目
(
あわせめ
)
には、このあたりに産する何とかいう
蟹
(
かに
)
、
甲良
(
こうら
)
が黄色で、足の赤い、小さなのが
数
(
かず
)
限
(
かぎり
)
なく
群
(
むらが
)
って動いて居る。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
林間に散つてゐる黄葉と、
林梢
(
りんせう
)
に
群
(
むらが
)
つてゐる
乱鴉
(
らんあ
)
と、——画面のどこを眺めても、うそ寒い秋の気が動いてゐない所はない。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
高柳利三郎と町会議員の一人が本町の往来で
出逢
(
であ
)
つた時は、盛んに斯雪を片付ける最中で、
雪掻
(
ゆきかき
)
を手にした
男女
(
をとこをんな
)
が
其処此処
(
そここゝ
)
に
群
(
むらが
)
り集つて居た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
南国の朝鮮だという感が深い。長い土橋を渡ると道は丘に上る。古びた
孔子廟
(
こうしびょう
)
を中心にして村の家々は斜面に
群
(
むらが
)
る。この村で見た書堂は忘れ難い。
全羅紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
後くだりつゝ
群
(
むらが
)
る小犬の己が力をかへりみずして吠え猛るを見ていやしとし、その顏を曲げて彼等をはなる 四六—四八
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
日本では海水浴場の岩角にこの烏貝が
群
(
むらが
)
っていて、うっかり
踏付
(
ふんづ
)
けて足の裏を切らないよう用心しなければならない。
異国食餌抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それをば土手に
群
(
むらが
)
る水鳥が幾羽となく飛入っては絶えず、羽ばたきの
水沫
(
しぶき
)
に
動
(
うごか
)
し砕く。岸に沿うて電車がまがった。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
彼等は
群
(
むらが
)
る自動車の
濤
(
なみ
)
を避けて、
濠端
(
ほりばた
)
の暗い並木道に肩を並べた。妙に犯すことの出来ない沈黙が二人を占めてゐた。明子が先にそれを破つて青年に言つた。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
若く美しき女子も
二人
(
ふたり
)
三人
(
みたり
)
見えたるが、その
周匝
(
めぐり
)
には少年紳士
群
(
むらが
)
り立ちて、何事をか語るさまなりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
鈴生
(
すずな
)
りに
群
(
むらが
)
って、波頭のせり上るように、噴水のたぎるように、おどっているところは、一個
大湊合
(
だいそうごう
)
の自然の花束とも見られよう、その花盛りの中に、どうかすると
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
右の死骸を藁小屋へ
突込
(
つっこ
)
みまして、それから
有合
(
ありあわ
)
した着替の衣類に百五六十両の金を引出して、逃げる支度をしている
中
(
うち
)
に、門前には百姓が一杯黒山のように
群
(
むらが
)
り寄り
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
蜻蛉
(
とんぼ
)
が何百万という程
群
(
むらが
)
って飛んでいた。私はこんなに沢山いるのを見たことがない。彼等は顔につき当り、帽子や衣服にとまり、実にうるさいことこの上なしであった。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
乾燥地
(
かんそうち
)
すなはち
岩地
(
いはち
)
、
砂地
(
すなじ
)
の
水分
(
すいぶん
)
の
少
(
すくな
)
いところでは、
植物
(
しよくぶつ
)
も
澤山
(
たくさん
)
群
(
むらが
)
つて
生
(
は
)
えることが
出來
(
でき
)
なくてそここゝと
岩石地
(
がんせきち
)
に
根
(
ね
)
をおろし、
風
(
かぜ
)
が
強
(
つよ
)
いので
葉
(
は
)
は
地
(
ち
)
にへばりついてをり
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
「何しろ一流会社中の一流で、秀才が雲と
群
(
むらが
)
っていますから、娘を持つ親は何うしてもこゝへ目をつけますよ。前途有望な婿を見つけてやりたいというのが人情でしょう?」
冠婚葬祭博士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
以来は三度の食事も
省略
(
しょうりゃく
)
するほどに時を
惜
(
おし
)
み、夜も眠らず、
眠気
(
ねむけ
)
がさせば眼に
薄荷
(
はっか
)
までさして、試験の準備に余念ない三千ちかくの青年が、第一高等学校の試験場に
群
(
むらが
)
り来たり
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
格子
(
こうし
)
の
外
(
そと
)
には
公衆
(
こうしゆう
)
が
次第
(
しだい
)
に
群
(
むらが
)
つて
來
(
く
)
る。アンドレイ、エヒミチは、ミハイル、アウエリヤヌヰチの
公務
(
こうむ
)
の
邪魔
(
じやま
)
を
爲
(
す
)
るのを
恐
(
おそ
)
れて、
話
(
はなし
)
は
其丈
(
それだけ
)
にして
立上
(
たちあが
)
り、
彼
(
かれ
)
と
別
(
わか
)
れて
郵便局
(
いうびんきよく
)
を
出
(
で
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
実際は雨天体操場などという新しい名前はなくて、私たちは
溜
(
たま
)
りと呼んでいた。十分の休み時間には、この溜り一杯
胡麻
(
ごま
)
を散らしたように、児童たちが
真黒
(
まっくろ
)
く
群
(
むらが
)
って走り
廻
(
まわ
)
っていた。
簪を挿した蛇
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
すでに
水平線上
(
すゐへいせんじやう
)
に
高
(
たか
)
く
昇
(
のぼ
)
つた
太陽
(
たいよう
)
は
燦爛
(
さんらん
)
たる
光
(
ひかり
)
を
水
(
みづ
)
に
落
(
おと
)
して
金波
(
きんぱ
)
洋々
(
やう/\
)
たる
海
(
うみ
)
の
面
(
おも
)
には
白帆
(
はくはん
)
の
影
(
かげ
)
一
點
(
てん
)
二
點
(
てん
)
、
其
(
その
)
間
(
あひだ
)
を
海鴎
(
かいおう
)
の
長閑
(
のどか
)
に
群
(
むらが
)
り
飛
(
と
)
んで
居
(
を
)
る
有樣
(
ありさま
)
などは
自然
(
しぜん
)
に
氣
(
き
)
も
心
(
こゝろ
)
も
爽
(
さはや
)
かになる
程
(
ほど
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そしてぼんやりしてゐた頭の中には急に種々な考へが雲のやうに
群
(
むらが
)
り出て来る。
惑ひ
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
東京の街角には、たった一日の間に、千
本針
(
ぼんばり
)
の腹巻を通行の
女人達
(
にょにんたち
)
に求める出征兵士の家族が
群
(
むらが
)
りでて、街の形を、変えてしまった。だが其の腹巻の多くは、間に合わなかったのだった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
うまんとて
鮏
(
さけ
)
の
搶
(
つれ
)
て
群
(
むらが
)
るを
漁師
(
れふし
)
のことばに
掘
(
ほり
)
につくざれにつくともいふ。(沙をほるにさま/″\のかたちをなすゆゑ、ざれことのざれならん)
女魚
(
めな
)
男魚
(
をな
)
ともに尾をもて
水中
(
すゐちゆう
)
の
沙
(
すな
)
を
掘
(
ほ
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
榎の高い
梢
(
こずえ
)
には
鵯
(
ひよどり
)
が
群
(
むらが
)
って来た。銀杏のてっぺんで
百舌
(
もず
)
の
高啼
(
たかな
)
く日もあった。
果樹
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
端山
(
はやま
)
の広い
群
(
むらが
)
りの
先
(
さき
)
は、白い砂の光る河原だ。目の下遠く続いた輝く
大佩帯
(
おほおび
)
は、石川である。その南北に渉つてゐる長い光りの筋が、北の端で急に拡つて見えるのは、
凡河内
(
おほしかふち
)
の邑のあたりであらう。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
おつぎは
低
(
ひく
)
い
檐
(
のき
)
の
下
(
した
)
を一
歩
(
ぽ
)
踏
(
ふ
)
み
出
(
だ
)
したら、
北風
(
きたかぜ
)
は
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
たといふやうに、
其
(
そ
)
の
亂
(
みだ
)
れた
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
を
吹
(
ふ
)
き
捲
(
まく
)
つて、
大粒
(
おほつぶ
)
な
雪
(
ゆき
)
が
爭
(
あらそ
)
つて
首筋
(
くびすぢ
)
へ
群
(
むらが
)
り
落
(
おち
)
て
瞬間
(
しゆんかん
)
に
消
(
き
)
えた。さうして
又
(
また
)
衣物
(
きもの
)
の
上
(
うへ
)
に
輕
(
かる
)
く
軟
(
やはら
)
かに
止
(
とま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ゝゝゝ瓜に
群
(
むらが
)
るゝゝゝゝ 啓生
俳句の作りよう
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
石疊
(
いしだたみ
)
で
穿下
(
ほりおろ
)
した
合目
(
あはせめ
)
には、
此
(
こ
)
のあたりに
産
(
さん
)
する
何
(
なん
)
とかいふ
蟹
(
かに
)
、
甲良
(
かふら
)
が
黄色
(
きいろ
)
で、
足
(
あし
)
の
赤
(
あか
)
い、
小
(
ちひ
)
さなのが
數限
(
かずかぎり
)
なく
群
(
むらが
)
つて
動
(
うご
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は眼前に犬と
戯
(
たわむ
)
れている、十六人の女たちを見るが早いか、
頭椎
(
かぶつち
)
の太刀を引き抜きながら、この女たちの
群
(
むらが
)
った中へ、我を忘れて突進した。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
附近の道路には数万の男女の学生が会議の結果を待って
群
(
むらが
)
っていた。議題は学生団の提出した外人に対する
罷市
(
ひし
)
敢行の決議にちがいないのだ。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
特に歓楽の激しい地域を指示するように所々に
群
(
むらが
)
るネオンサインが光のなかへ更に強い光の
輪郭
(
りんかく
)
を重ねている。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ニーロの
邊
(
ほとり
)
に
冬籠
(
ふゆごも
)
る鳥、空に
群
(
むらが
)
り
集
(
つど
)
ひて後、なほも速かに飛ばんため
達
(
つらな
)
り行くことあるごとく 六四—六六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
丑松がすこし
蒼
(
あを
)
ざめた顔をして、下宿の軒を潜つて入つた時は、未だ人々が長い廊下に
群
(
むらが
)
つて居た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
こゝではいろんなものが
伸
(
の
)
び/\と
群
(
むらが
)
つて
茂
(
しげ
)
り、
美
(
うつく
)
しいさま/″\な
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
き
誇
(
ほこ
)
ります。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
格子
(
こうし
)
の
外
(
そと
)
には
公衆
(
こうしゅう
)
が
次第
(
しだい
)
に
群
(
むらが
)
って
来
(
く
)
る。アンドレイ、エヒミチは、ミハイル、アウエリヤヌイチの
公務
(
こうむ
)
の
邪魔
(
じゃま
)
をするのを
恐
(
おそ
)
れて、
話
(
はなし
)
はそれだけにして
立上
(
たちあが
)
り、
彼
(
かれ
)
と
別
(
わか
)
れて
郵便局
(
ゆうびんきょく
)
を
出
(
で
)
た。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
雨のしとしとと降る晩など、ふけるにつれて、ちょいとちょいとの声も途絶えがちになると、家の
内外
(
うちそと
)
に
群
(
むらが
)
り鳴く蚊の声が耳立って、いかにも場末の裏町らしい
侘
(
わび
)
しさが感じられて来る。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
金の如き水楊のわくら葉を振り乱して、
鳧
(
かも
)
が幾十羽となく、
群
(
むらが
)
って魚を喰べに来るというほどの、静かな谷になって、青々とした森林は、肥沃な新火山岩の分解した土が、その根を
培
(
つち
)
かっている
日本山岳景の特色
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
あまりのおそろしさに、かの柱頭にひたと抱きつきて、聖母の御名をとなふれども、物騷がしさは未だ止まず。この怪しき物共の
群
(
むらが
)
りたる間にも、幸なるかな、大なる十字架の
屹
(
きつ
)
として立てるあり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
すると二、三百人の連中は一かたまりになっていないで、二十人ないし五十人ぐらいずつ別々に
群
(
むらが
)
っている。いずれも先の地理学新説の
鼓吹者
(
こすいしゃ
)
と同じように、談話的に
互
(
たが
)
いの説を交換し合っている。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
黒けぶり
群
(
むらが
)
りたたせ手もすまに
吹鑠
(
ふきとろ
)
かせばなだれ
落
(
おつ
)
るかね
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
実に多くの女たちが彼の周囲には
群
(
むらが
)
つてゐた。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
「馬ばかり
群
(
むらが
)
っている県でしょう」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
曇ると見る
間
(
ま
)
に、
群
(
むらが
)
りかさなる
黒雲
(
くろくも
)
は、さながら
裾
(
すそ
)
のなき滝の
虚空
(
こくう
)
に
漲
(
みなぎ
)
るかと
怪
(
あやし
)
まれ、
暗雲
(
あんうん
)
忽
(
たちま
)
ち陰惨として、灰に血を
交
(
ま
)
ぜた雨が飛んだ。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それでも時たまその松が、
鹿
(
しか
)
でも水を飲みに来るせいか、
疎
(
まばら
)
に
透
(
す
)
いている所には不気味なほど赤い
大茸
(
おおたけ
)
が、薄暗い中に
簇々
(
そうそう
)
と
群
(
むらが
)
っている朽木も見えた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その時、頂上の窪地の傍で
群
(
むらが
)
った一団の兵士たちが、血に染った訶和郎と卑弥呼を包んで喧騒した。二人を見られぬ人たちは、遠く人垣の外で口々にいい合った。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
四番の上りは二十分も後れたので、それを待つ旅客は『プラットホオム』の上に
群
(
むらが
)
つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
折からの日曜で、海岸へ一日がえりが、
群
(
むらが
)
り
掛
(
かか
)
る
勢
(
いきおい
)
だから、汽車の中は、さながら
野天
(
のでん
)
の蒸風呂へ、
衣服
(
きもの
)
を着て
浸
(
つか
)
ったようなありさまで。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その「ろおれんぞ」が、乞食の姿のまま、
群
(
むらが
)
る人々の前に立つて、目もはなたず燃えさかる家を眺めて居る。と思うたのは、まことに
瞬
(
またた
)
く間もない程ぢや。
奉教人の死
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“群”の意味
《名詞》
(グン) 多くの同類のものが集まっているもの。むれ。群がり。集まり。
(グン) 空でない集合 G とその上の二項演算 μ: G × G → G の組 (G, μ) について、結合法則、単位元の存在、逆元の存在の三つの性質をもつものをいう。
(むれ) 人や動物が集まっていること。特に目的なく集まっているときに用いる。
(出典:Wiktionary)
群
常用漢字
小4
部首:⽺
13画
“群”を含む語句
群集
群衆
人群
一群
家群
群立
群雀
群生
群鶴
群青
拔群
大群
群山
群青色
群行
群島
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