健康けんこう)” の例文
窃盗せっとう姦淫かんいん詐欺さぎうえてられているのだ。であるから、病院びょういん依然いぜんとして、まち住民じゅうみん健康けんこうには有害ゆうがいで、かつ不徳義ふとくぎなものである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
(ハ)精神せいしん保養ほよう。 しかし、ずっと最近さいきんでは、森林しんりん利用りようを、もっとすゝめて、直接ちよくせつ人々ひとびと健康けんこうのために應用おうようすることをかんがへつきました。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
たとえ真理しんり発見はっけんするためとはいいながら、ほかには、健康けんこうで、自由じゆうに、生活せいかつする同類どうるいがあるのを、ぼくも、やはりかわいそうにおもったのでした。
世の中のために (新字新仮名) / 小川未明(著)
あだかもはるゆきれてかえってびるちから若草わかくさのように、生長しとなりざかりの袖子そでこ一層いっそういきいきとした健康けんこう恢復かいふくした。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いま本島ほんとう主人公しゆじんこうなる櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさ健康けんこうまでもなく、此頃このごろではほとん終日しうじつ終夜しうやを、秘密造船所ひみつぞうせんじよなかおくつてる。
その挙止きょし活溌かっぱつにして少しも病後びょうご疲労ひろうてい見えざれば、、心の内に先生の健康けんこう全くきゅうふくしたりとひそかに喜びたり。
第二に、健康けんこうになる。植物に趣味を持って山野さんやに草や木をさがし求むれば、自然に戸外こがいの運動がるようになる。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
これも、ほがらかな秋を謳歌おうかする人間か、きいていても筋肉きんにくがピクピクしてきそうな口笛だ。健康けんこう両足りょうあしで、軽快けいかい歩調ほちょうで、やってくるのがわかるような口笛だ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは親ごころの阿呆あほらしさに解説を加えたものであるが、まだ三十をすぎて間のない私は、身体も健康けんこうだったし、前途は洋々ようようたる希望と野心にふくれあがっていた。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
ただどうか健康けんこうに生き、人間らしい生活を果して呉れ、親はどうもこの上大したことは出来そうもないから、なるべく兄弟相救けやって進んで行ってくれと念願ねんがんする外はない。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
修学旅行から大石先生の健康けんこうはつまずいたようだった。三学期にはいってまもなくのこと、二十日近く学校を休んでいる大石先生のまくらもとへ、ある朝一通のはがきがとどいた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
マチアはもうけっして頭痛ずつうがしなかった。けっしてみじめではなかったし、やせこけても、悲しそうでもなかった。美しい太陽と、さわやかな空気がかれに健康けんこうと元気をあたえた。
「いや、やりましょう。よう、あなたの健康けんこうしゅくします。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
健康けんこうひと世界せかいと、病人びょうにん世界せかいと、もし二つの世界せかいべつであるなら、それをつつ空気くうき気分きぶん色彩しきさいが、またことなっているでありましょう。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから五ねん星霜せいさう※去すぎさつたが、かれ消息せうそくすこしもきこえません、其間そのあひだわたくし一日いちにちでもかれ健康けんこうと、かれ大事業だいじげふ成功せいこうとをいのらぬときはないのです。
はあ、病人びょうにん、しかしなんにん狂人きょうじん自由じゆうにそこらへんあるいているではないですか、それは貴方々あなたがた無学むがくなるにって、狂人きょうじんと、健康けんこうなるものとの区別くべつ出来できんのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
たびたびわたしはアーサが寝台ねだいゆわえつけられて、青い顔をしてねむっているところを見ると、わたしはかれをうらやんだ。健康けんこうと元気にちたわたしが、かえって病人の子どもをうらやんだ。
先生せんせいは、だい一が健康けんこうで、つぎは、正直しょうじきで、まじめであれとつねにわたしたちにいわれました。みなさんも記憶きおくがあるでしょう。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これはもう周囲まわりものうよりみとめているところで、只今ただいまもドクトル、エウゲニイ、フェオドロイチがうのには、貴方あなた健康けんこうためには、すべから気晴きばらしをして、保養ほようせん一とせんければならんと。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
どんなにさむでも、健康けんこうわかひとたちは、いえにじっとしていられず、なんらかたのしみのかげうて、よろこびにむねをふくらませ、往来おうらいあるいています。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いわば、ここは、病人びょうにんだけがいるところであり、健康けんこうなもののじっとして、いられるところではありませんでした。
だまされた娘とちょうの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
健康けんこうであれば、どこへいっても生活せいかつができる。」と、学校がっこう先生せんせいのおっしゃった言葉ことばかんできました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
この健康けんこうそうなあかぼうほどもある人形にんぎょうは、そのひょうきんなかおつきでは、いまにも、足音あしおとにおどろいて、をくるくるさし、とおりかかるひとになにか悪口わるくちをいって
戦争はぼくをおとなにした (新字新仮名) / 小川未明(著)
二郎じろうは、いつか、みんなからおくれて、あせながしてあるいていったびっこのうまおもしました。また、同時どうじに、足早あしばやあるいていった健康けんこううま姿すがたおもしました。
びっこのお馬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうちゃん、ご健康けんこうはたらいていますか、むらのおてらのいちょうのが、はや、こんなにいろづきました。
いちょうの葉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もし、すこしぐらいのいたさを我慢がまんをして、手術しゅじゅつけるなら、十ぶん健康けんこうかえすことができるのを、どうしても、その婦人ふじんは、手術しゅじゅつけることをほっしなかったのです。
世の中のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほんとうに、あのかたは、快活かいかつな、陰気いんきなことのだいきらいのおかたでしたわ。それに、ごろあんなに健康けんこうそうにえましたのに……人間にんげんいのちというものは、わからんものですわね。
死と話した人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
は、いつものごとく時計とけいが十つとにつきました。子供こどもたちは、二かいがって、まくらにあたませると、すぐかすかな、健康けんこう心地ここちよさそうな鼻息はないきをたてていました。
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あの健康けんこうな、意志いしつよおとこが、もうけっして、もどることがないとおもったからでした。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、いかにやさしい、信仰深しんこうぶかいおかあさんでも、つかれれば、しぜんと眠気ねむけもよおし、ねむることによって、気力きりょく回復かいふくする、わかい、健康けんこう肉体にくたいぬしたることにわりはありません。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
先生せんせいも、これからの子供こどもは、だい一が健康けんこうで、つぎは、正直しょうじきはたらくことだ。それがすなわちおくにのためにつくすことになるとおっしゃったろう。ぼくなどより、きみのほうがよっぽどえらいんだ。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしは、きぬくちからというものをかんじました。それは、学校がっこうにいる時分じぶん先生せんせいからもいた、健康けんこうで、まじめにはたらくということですが、同窓どうそう小泉こいずみくんについて、最近さいきんわたしむねたれました。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もう、十七、八になりましたときに、かれは、ある南方なんぽう工場こうじょうはたらいていました。しかし、だれでもいつも健康けんこう気持きもちよく、らされるものではありません。この若者わかもの病気びょうきにかかりました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わかい、健康けんこう男女だんじょは、それぞれ工場こうじょうへいき、活溌かっぱつはたらいたのですが、正吉しょうきちは、それらのひとたちとおなじことはできず、ある電気工場でんきこうじょうつとめて、体力たいりょくにふさわしい仕事しごととして、ニクロムせんいたり
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「これは、ほんとうにいいところだ。」と、すずめはおもいました。もの心配しんぱいもなく、にはいって、療治りょうじをするうちに、はねきずもだんだんになおって、まったく健康けんこうからだとなったのであります。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
りょう一は、はは健康けんこうなのが、なによりもうれしかったのです。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)