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伸上
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のびあが
ふりがな文庫
“
伸上
(
のびあが
)” の例文
車上から
伸上
(
のびあが
)
つて
覗
(
のぞ
)
くとクルツプ会社から寄贈したと云ふ李鴻章の銅像の手に白い革命旗を握らせ、
其
(
その
)
前に祭壇の様な物が設けてあつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
……と視るうちに、稚児は
伸上
(
のびあが
)
り、
伸上
(
のびあが
)
つては、いたいけな手を空に、すらりと動いて、伸上つては、又空に手を伸ばす。——
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
敦夫は悟られぬように注意しながら、蘆の隙間越しに
伸上
(
のびあが
)
って見た。すると黒い外套の男は、沼の右手にある裸岩の蔭へすっと隠れて
了
(
しま
)
った。
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
と
伸上
(
のびあが
)
り/\見送って
暇
(
いとま
)
を告げる者はどろ/\帰る。
此方
(
こちら
)
は
後
(
あと
)
に心が引かされるから振返り/\、
漸々
(
よう/\
)
のことで渡を越して水街道から戸頭へさして
行
(
ゆ
)
きます。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
眼は縁の柱に
伸上
(
のびあが
)
る手負に吸い付けられて、娘の
身体
(
からだ
)
はあまりの恐怖に
蟲
(
むし
)
ほども動きません。
芳年写生帖
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
四辺
(
あたり
)
が薄暗いので正体は知れぬが、人ならば
先
(
ま
)
ず十五六歳の少年かとも思われる。髪を
颯
(
さっ
)
と
振乱
(
ふりみだ
)
して、
伸上
(
のびあが
)
りつつ長い手をお杉の肩にかけた。
小児
(
こども
)
が親に甘えるように……。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と
清元
(
きよもと
)
の一派が他流の
模
(
も
)
すべからざる
曲調
(
きよくてう
)
の
美麗
(
びれい
)
を
托
(
たく
)
した
一節
(
いつせつ
)
である。
長吉
(
ちやうきち
)
は
無論
(
むろん
)
太夫
(
たいふ
)
さんが首と
身体
(
からだ
)
を
伸上
(
のびあが
)
らして
唄
(
うた
)
つたほど
上手
(
じやうず
)
に、
且
(
かつ
)
又
(
また
)
そんな大きな声で
唄
(
うた
)
つたのではない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
惜
(
をし
)
めども
斯
(
かく
)
てあるべきにあらざれば既に
袂
(
たもと
)
を
別
(
わか
)
ちしが跡には女房と
妹
(
いもと
)
との二人夫と
姉
(
あね
)
の後ろ
影
(
かげ
)
を我が
門口
(
かどぐち
)
へ立出て
伸上
(
のびあが
)
り/\
見送
(
みおく
)
るを
此方
(
こなた
)
も同じ思ひにて十兵衞お文の兩人も
妻
(
つま
)
と妹を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『ど、ど、ど、
何處
(
どこ
)
に! どの
人
(
ひと
)
が?。』と
伸上
(
のびあが
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
婦人
(
をんな
)
は
膝
(
ひざ
)
をついて
坐
(
すわ
)
つたが、
前
(
まへ
)
へ
伸上
(
のびあが
)
るやうにして
黄昏
(
たそがれ
)
にしよんぼり
立
(
た
)
つた
私
(
わし
)
が
姿
(
すがた
)
を
透
(
す
)
かし
見
(
み
)
て、(
何
(
なに
)
か
用
(
よう
)
でござんすかい。)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
縄をとかれると、お秋は
伸上
(
のびあが
)
って、余吾之介に絡みつくように、その胸に顔を埋めました。
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
清元
(
きよもと
)
の一派が他流の
模
(
も
)
すべからざる
曲調
(
きょくちょう
)
の美麗を托した
一節
(
いっせつ
)
である。長吉は無論
太夫
(
たゆう
)
さんが首と
身体
(
からだ
)
を
伸上
(
のびあが
)
らして唄ったほど上手に、かつまたそんな大きな声で唄ったのではない。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「今、人が
墜
(
お
)
ちたんだが……。」と、市郎は
伸上
(
のびあが
)
って底を覗くと、男は
首肯
(
うなず
)
いた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と
沈
(
しづ
)
んで
云
(
い
)
ふ。
果
(
はた
)
せる
哉
(
かな
)
、
殿
(
しんがり
)
の
痩按摩
(
やせあんま
)
で、
恁
(
か
)
う
口
(
くち
)
をきく
時
(
とき
)
、
靄
(
もや
)
を
漕
(
こ
)
ぐ、
杖
(
つゑ
)
を
櫂
(
かい
)
に、
斜
(
なゝ
)
めに
握
(
にぎ
)
つて、
坂
(
さか
)
の二三
歩
(
ぽ
)
低
(
ひく
)
い
處
(
ところ
)
に、
伸上
(
のびあが
)
るらしく
仰向
(
あをむ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
伸上
(
のびあが
)
る
背戸
(
せど
)
に、
柳
(
やなぎ
)
が
霞
(
かす
)
んで、こゝにも
細流
(
せゝらぎ
)
に
山吹
(
やまぶき
)
の
影
(
かげ
)
の
映
(
うつ
)
るのが、
繪
(
ゑ
)
に
描
(
か
)
いた
螢
(
ほたる
)
の
光
(
ひかり
)
を
幻
(
まぼろし
)
に
見
(
み
)
るやうでありました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
打込む、それよ、カーンカーンと五寸釘……あの
可恐
(
おそろし
)
い、藁の人形に五寸釘ちゅうは、はあ、その事でござりますかね。(下より神職の手に
伸上
(
のびあが
)
る。)
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と女が高く
仰
(
あお
)
ぐに
連
(
つ
)
れ、高坂も
葎
(
むぐら
)
の中に
伸上
(
のびあが
)
った。草の緑が深くなって、
倒
(
さかさま
)
に雲に
映
(
うつ
)
るか、
水底
(
みなそこ
)
のような
天
(
てん
)
の色、
神霊秘密
(
しんれいひみつ
)
の
気
(
き
)
を
籠
(
こ
)
めて、
薄紫
(
うすむらさき
)
と見るばかり。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この
根際
(
ねぎわ
)
に
膝
(
ひざ
)
をついて、
伸上
(
のびあが
)
っては挽き下ろし、伸上っては挽き下ろす、大鋸の歯は
上下
(
うえした
)
にあらわれて、両手をかけた与吉の姿は、鋸よりも小さいかのよう。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この
根際
(
ねぎは
)
に
膝
(
ひざ
)
をついて、
伸上
(
のびあが
)
つては
挽
(
ひ
)
き
下
(
お
)
ろし、
伸上
(
のびあが
)
つては
挽
(
ひ
)
き
下
(
お
)
ろす、
大鋸
(
おほのこぎり
)
の
齒
(
は
)
は
上下
(
うへした
)
にあらはれて、
兩手
(
りやうて
)
をかけた
與吉
(
よきち
)
の
姿
(
すがた
)
は、
鋸
(
のこぎり
)
よりも
小
(
ちひ
)
さいかのやう。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
(
わし
)
は
唯
(
たゞ
)
呆気
(
あつけ
)
に
取
(
と
)
られて
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
ると、
爪立
(
つまだて
)
をして
伸上
(
のびあが
)
り、
手
(
て
)
をしなやかに
空
(
そら
)
ざまにして、二三
度
(
ど
)
鬣
(
たてがみ
)
を
撫
(
な
)
でたが。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
路も
大分
(
だいぶん
)
上
(
のぼ
)
りになって、ぐいと
伸上
(
のびあが
)
るように、思い切って
真暗
(
まっくら
)
な中を、草を
挘
(
むし
)
って、身を
退
(
ひ
)
いて高い
処
(
ところ
)
へ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
婦人
(
おんな
)
は
膝
(
ひざ
)
をついて
坐
(
すわ
)
ったが、前へ
伸上
(
のびあが
)
るようにして、
黄昏
(
たそがれ
)
にしょんぼり立った
私
(
わし
)
が姿を
透
(
す
)
かして見て
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
父親
(
ちゃん
)
は
何故
(
なぜ
)
魚を食べないのだろう、)とおもいながら
膝
(
ひざ
)
をついて、
伸上
(
のびあが
)
って、鋸を手元に引いた。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
父親
(
ちやん
)
は
何故
(
なぜ
)
魚
(
さかな
)
を
食
(
た
)
べないのだらう、)とおもひながら
膝
(
ひざ
)
をついて、
伸上
(
のびあが
)
つて、
鋸
(
のこぎり
)
を
手元
(
てもと
)
に
引
(
ひ
)
いた。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
不思議や、
蒔絵
(
まきえ
)
の車、雛たちも、それこそ
寸分
(
すんぶん
)
違
(
たが
)
わない
古郷
(
ふるさと
)
のそれに似た、と思わず
伸上
(
のびあが
)
りながら、ふと心づくと、前の雛壇におわするのが、いずれも
尋常
(
ただ
)
の形でない。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
黄昏
(
たそがれ
)
に三人で、
時雨
(
しぐれ
)
の松の
見霽
(
みはらし
)
へ出掛けるのを、縁の柱で、
悄乎
(
しょんぼり
)
と、藤棚越に
伸上
(
のびあが
)
って見ていると、二人に連れられて、私の行くのが、山ではなしに、干潟を沖へ出て
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
正面
(
しやうめん
)
に
伸上
(
のびあが
)
つて
見
(
み
)
れば、
向
(
むか
)
ふから、ひよこ/\
来
(
く
)
る
三個
(
みつゝ
)
の
案山子
(
かゝし
)
も、
同
(
おな
)
じやうな
坊主
(
ばうず
)
に
見
(
み
)
えた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
カン/\と
鉦
(
かね
)
を
叩
(
たゝ
)
きながら、
提灯
(
ちやうちん
)
の
燈
(
ひ
)
を
含
(
ふく
)
みましたやうに、
鼠
(
ねずみ
)
の
腰衣
(
こしごろも
)
をふは/\と
薄明
(
うすあか
)
るく
膨
(
ふく
)
らまして、
行掛
(
ゆきが
)
けに、
鼻
(
はな
)
の
下
(
した
)
を
伸
(
の
)
ばして、
足
(
あし
)
を
爪立
(
つまだ
)
つて、
伸上
(
のびあが
)
つて、
見返
(
みかへ
)
つて
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「や、
伯父
(
をぢ
)
さん」と
蒋生
(
しやうせい
)
蘇生
(
よみがへ
)
つたやうに
思
(
おも
)
つて、はじめて
性分
(
しやうぶん
)
の
黄
(
き
)
な
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
して
伸上
(
のびあが
)
る。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
出家は、
真直
(
まっす
)
ぐに
御廚子
(
みずし
)
の前、かさかさと
袈裟
(
けさ
)
をずらして、
袂
(
たもと
)
からマッチを出すと、
伸上
(
のびあが
)
って
御蝋
(
おろう
)
を点じ、
額
(
ひたい
)
に
掌
(
たなそこ
)
を合わせたが、
引返
(
ひきかえ
)
してもう一枚、
彳
(
たたず
)
んだ人の前の戸を開けた。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
泣
(
な
)
くのが、
身體
(
からだ
)
が
縁側
(
えんがは
)
へ
橋
(
はし
)
に
反
(
そ
)
つて、
其
(
そ
)
のまゝ
納戸
(
なんど
)
の
絲車
(
いとぐるま
)
の
上
(
うへ
)
へ、
眞綿
(
まわた
)
を
挫
(
ひしや
)
いだやうに
捻倒
(
ねぢたふ
)
されたのを、
松原
(
まつばら
)
から
伸上
(
のびあが
)
つて、
菜畠越
(
なばたけごし
)
に、
遠
(
とほ
)
くで
見
(
み
)
て、
舌
(
した
)
を
吐
(
は
)
いて、
霞
(
かすみ
)
がくれの
鼻唄
(
はなうた
)
で
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
膝行
(
いざ
)
り
寄
(
よ
)
つて、……
雪枝
(
ゆきえ
)
が
伸上
(
のびあが
)
るやうに
膝
(
ひざ
)
を
支
(
つ
)
いて、
其
(
そ
)
の
袖
(
そで
)
のあたりを
拝
(
をが
)
んだ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
絣
(
かすり
)
の
衣服
(
きもの
)
の、あの
弟御
(
おとうとご
)
が、
廂帽子
(
ひさしばうし
)
を
横
(
よこ
)
ツちよに、
土間
(
どま
)
に
駈足
(
かけあし
)
で、
母樣
(
おつかさん
)
の
使
(
つかひ
)
に
來
(
き
)
て、
伸上
(
のびあが
)
るやうにして
布施
(
ふせ
)
する
手
(
て
)
から、
大柄
(
おほがら
)
な
老道者
(
らうだうじや
)
は、
腰
(
こし
)
を
曲
(
ま
)
げて、
杖
(
つゑ
)
を
持
(
も
)
つた
掌
(
たなそこ
)
に
受
(
う
)
けて、
奴
(
やつこ
)
と
兩方
(
りやうはう
)
へ
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
父親
(
おやじ
)
は
墨
(
すみ
)
をすりながら、
伸上
(
のびあが
)
って、とその仮名を読んで……
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、黒繻子の帯の色艶やかに、夜を招いて
伸上
(
のびあが
)
る。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雪枝
(
ゆきえ
)
は
伸上
(
のびあが
)
つた
時
(
とき
)
、
膝
(
ひざ
)
を
草
(
くさ
)
に
支
(
つ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お嬢さんは、
伸上
(
のびあが
)
るやうに見えたの。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
孃
(
ぢやう
)
さんは、
伸上
(
のびあが
)
るやうに
見
(
み
)
えたの。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
崕
(
がけ
)
のふちで
危
(
あぶな
)
っかしそうに
伸上
(
のびあが
)
って
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
伸
常用漢字
中学
部首:⼈
7画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“伸”で始まる語句
伸
伸々
伸縮
伸掛
伸子
伸出
伸一先生
伸縮自在
伸懸
伸伸