“腰衣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こしごろも85.7%
こしぎぬ4.8%
こしご4.8%
スカート4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
船尾ともの方に坐っている。青い頭の小法師である。年はようやく十四、五らしい。可愛い腰衣こしごろもをつけている。帆をあやつっているのである。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
老母は縁へ出て来て、上の掻着かいぎの裾を、腰衣こしぎぬとともに短くくくりはじめた。夕方の寒さではあるし雪もある。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あたりのすすけた闇をそこだけ切り抜いたように、霞に小桜染の小袖を着、それへ紅梅色の腰衣こしごをまとった十七、八のうるわしい処女おとめのすがたが、その白い手に持たれている明りの中に揺々ゆらゆらと見えた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれども、その箍骨たがぼね張りの腰衣スカート美斑いれぼくろとでも云いたい古典的な美しさの蔭には、やはり、脈搏の遅い饒舌じょうぜつみ嫌うような、静寂主義者キエティストらしい静けさがあった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)