“腰蓑”の読み方と例文
読み方割合
こしみの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
船にはきっと腰蓑こしみのを着けた船頭がいて網を打った。いなだのぼらだのが水際まで来て跳ねおどる様が小さな彼の眼に白金しろがねのような光を与えた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
屋根へ手をかけそうな大蛸おおだこが居るかと思うと、腰蓑こしみの村雨むらさめが隣の店に立っているか、下駄屋にまで飾ったな。みんな極彩色だね。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこらにあった腰蓑こしみのをまとって、散所者の舟人ふなびとに似せた姿も、それらしい。たちまち出屋敷の水門を離れ、舟は一と筋の川へかび出ていた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)