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腰衣
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こしごろも
ふりがな文庫
“
腰衣
(
こしごろも
)” の例文
船尾
(
とも
)
の方に坐っている。青い頭の小法師である。年はようやく十四、五らしい。可愛い
腰衣
(
こしごろも
)
をつけている。帆をあやつっているのである。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と
腰衣
(
こしごろも
)
の素足で立って、すっと、経堂を出て、
朴歯
(
ほおば
)
の
高足駄
(
たかあしだ
)
で、
巻袖
(
まきそで
)
で、寒く
細
(
ほっそ
)
りと草を
行
(
ゆ
)
く。清らかな僧であった。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「もう一つ、これは黙っているつもりでしたが、裏口の
盥
(
たらい
)
の中に、濡れた
腰衣
(
こしごろも
)
と、
白無垢
(
しろむく
)
と、
襦袢
(
じゅばん
)
とがありましたよ」
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
木綿ではございますが、鼠の着物に鼠の
腰衣
(
こしごろも
)
を着け、気力の有りそうなお比丘尼でございまする。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と拍子ごとに云ふ踊で、姿は
白衣
(
びやくえ
)
に
腰衣
(
こしごろも
)
を穿いた
所化
(
しよけ
)
を装つて居るのです。踊手は三人程で、音頭とりが長い傘をさして真中に立ち、その傘の柄を木で叩くのが拍子なのです。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
生れて初めての強敵を
刺止
(
しと
)
めし事とて、ほつと一息、長き溜息しつゝ、あたり見まはす折しもあれ最前の若衆、
血飛沫
(
ちしぶき
)
乱れ流れたる
明障子
(
あかりしやうじ
)
を
颯
(
さつ
)
と開きて走り寄り、わが
腰衣
(
こしごろも
)
に縋り付きつゝ
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
半ぺん坊主はこの時、
腰衣
(
こしごろも
)
の上へ酒をこぼしたので、あわててそれを拭い
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
黒い頭巾に
腰衣
(
こしごろも
)
は、飛んだ意氣なやつさ。
序
(
ついで
)
にそのおえのを生捕つて、昨夜幾松が何刻までゐたか聽いてくれ。どうせ晝は高瀬舟に乘つてゐるわけぢやあるめえ。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
なるほど説明を聞いてみれば、何んでもないことではあったけれど、鼠の衣裳に
腰衣
(
こしごろも
)
を付けた、
縹緻
(
きりょう
)
のいい愛くるしい鯱丸が、真面目な顔をして話すのであった。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
カン/\と
鉦
(
かね
)
を
叩
(
たゝ
)
きながら、
提灯
(
ちやうちん
)
の
燈
(
ひ
)
を
含
(
ふく
)
みましたやうに、
鼠
(
ねずみ
)
の
腰衣
(
こしごろも
)
をふは/\と
薄明
(
うすあか
)
るく
膨
(
ふく
)
らまして、
行掛
(
ゆきが
)
けに、
鼻
(
はな
)
の
下
(
した
)
を
伸
(
の
)
ばして、
足
(
あし
)
を
爪立
(
つまだ
)
つて、
伸上
(
のびあが
)
つて、
見返
(
みかへ
)
つて
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
火が移り燃上る
焚火
(
たきび
)
の光で比丘尼
婆
(
ばゝあ
)
の顔を見ると、年頃五十五六ではあるが、未だでっぷり肥ったみず/\しい婆さんで、無地の
濃花色
(
こいはないろ
)
の
布子
(
ぬのこ
)
に
腰衣
(
こしごろも
)
を着けて居りますのを
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
破れ障子から面を出したのは
腰衣
(
こしごろも
)
をつけた人相のよくない大入道。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
二十歳ばかりの目鼻立ちの柔和な若い弟子が、
腰衣
(
こしごろも
)
を着けたまま井戸端で水を汲んでいたのです。
銭形平次捕物控:104 活き仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
無地
(
むぢ
)
の
行衣
(
ぎやうえ
)
見
(
み
)
たやうなものに、
鼠
(
ねずみ
)
の
腰衣
(
こしごろも
)
で、ずんぐり
横肥
(
よこぶと
)
りに、ぶよ/\と
皮
(
かは
)
がたるんで、
水氣
(
すゐき
)
のありさうな、
蒼
(
あを
)
い
顏
(
かほ
)
のむくんだ
坊主
(
ばうず
)
が、……あの、
居
(
ゐ
)
たんですつて——そして
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
切り下げ髪を風に
靡
(
なび
)
かせ、また
腰衣
(
こしごろも
)
を風に靡かせ、数百の尼が走って行く。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
腰衣
(
こしごろも
)
を着けた六十近い尼が
御燈明
(
おとうみょう
)
を
点
(
つ
)
けに参りましたから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
二十歳ばかりの目鼻立の柔和な若い弟子が、
腰衣
(
こしごろも
)
を着けたまゝ井戸端で水を汲んで居たのです。
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一ツ狭い間を
措
(
お
)
いた、障子の
裡
(
うち
)
には、
燈
(
ひ
)
があかあかとして、二三人居残った講中らしい影が
映
(
さ
)
したが、御本尊の前にはこの
雇和尚
(
やといおしょう
)
ただ一人。もう
腰衣
(
こしごろも
)
ばかり
袈裟
(
けさ
)
もはずして、早やお扉を閉める処。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「竹の笠に墨染めの
腰衣
(
こしごろも
)
、乞食坊主にやつしたらどうかな」
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
黒い
頭巾
(
ずきん
)
に
腰衣
(
こしごろも
)
は、とんだ粋なやつさ。ついでにそのおえのを生捕って、昨夜幾松が何刻から何刻までいたか聴いてくれ。どうせ昼は高瀬舟に乗っているわけじゃあるめえ。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それが済むと、寺の小坊主、年の頃十二三ばかりのが、墨染めの
腰衣
(
こしごろも
)
を着け、手に
長柄
(
ながえ
)
の
錐
(
きり
)
を持って現われ、世話人の手で、厳重に目隠しをされ、札箱の後ろへ立たされました。
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
腰
常用漢字
中学
部首:⾁
13画
衣
常用漢字
小4
部首:⾐
6画
“腰”で始まる語句
腰
腰掛
腰巾着
腰元
腰障子
腰骨
腰巻
腰部
腰間
腰蓑