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みいだ
ふりがな文庫
“
見出
(
みいだ
)” の例文
其処
(
そこ
)
からならばS湖も見えるかも知れないと思って、そこまで出て行った彼はそれらしい方向には一帯の松林をしか
見出
(
みいだ
)
さなかった。
恢復期
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
しかし、ふと頭をもたげて、
燈明
(
とうみょう
)
と香煙のたちのぼる間に、あのすばらしい観音の姿を
見出
(
みいだ
)
したときの驚きはどんなであったろうか。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
依
(
よっ
)
て此間
中
(
じゅう
)
よりギボン、モンセン、スミス等諸家の著述を
渉猟
(
しょうりょう
)
致し
居候
(
おりそうら
)
えども
未
(
いま
)
だに発見の
端緒
(
たんしょ
)
をも
見出
(
みいだ
)
し得ざるは残念の至に
存候
(
ぞんじそろ
)
。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「全く、知らないです。謂って利益になることなら、何
秘
(
かく
)
すものですか。またちっとも秘さねばならない必要も
見出
(
みいだ
)
さないです。」
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
這
(
こ
)
んな
事
(
こと
)
で一
向
(
かう
)
に
要領
(
えうりやう
)
を
得
(
え
)
ず、
山頂
(
さんてう
)
の
方
(
はう
)
では、
僅
(
わづ
)
かに
埴輪
(
はにわ
)
の
破片
(
はへん
)
(
雲珠
(
うず
)
、
鞆等
(
ともなど
)
)を
見出
(
みいだ
)
したのみ、それで
大發掘
(
だいはつくつ
)
の
第
(
だい
)
一
回
(
くわい
)
を
終
(
をは
)
つた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
或朝、万太夫座の道具方が、楽屋の
片隅
(
かたすみ
)
の
梁
(
はり
)
に、
縊
(
くび
)
れて死んだ中年の女を
見出
(
みいだ
)
した。それは、紛れもなく
宗清
(
むねせい
)
の女房お梶であった。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
宗教はその生命を自分自身の中に
見出
(
みいだ
)
すことを忘れて、社会的生活に全然
遵合
(
コンフォーム
)
することによって、その存在を
僥倖
(
ぎょうこう
)
しようとしたからだ。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
言はんぢやない、実際言得んのじや、然し
猶能
(
なほよ
)
う考へて見て、貴方に誨へらるる方法を
見出
(
みいだ
)
したら、更にお目に掛つて申上げやう。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
がふとその時彼は赤茶色の
芥
(
あくた
)
の山のようなものを
見出
(
みいだ
)
して、その上にのしかかってみた。と思うまに激しいくさめの音が沈黙をやぶった。
作男・ゴーの名誉
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
細い流で近所の鳴らす
鍋
(
なべ
)
の音が町裏らしく聞えて来るところだ。激しく男女の労働する火山の
裾
(
すそ
)
の地方に、高瀬は自分と妻とを
見出
(
みいだ
)
した。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
これから読もうとする極端にばかげた話のなかにさえ慰安を
見出
(
みいだ
)
すかもしれない(精神錯乱の記録はこの種の変則に満ちているのだから)
アッシャー家の崩壊
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
でも、この
赤人
(
あかひと
)
といふ
人
(
ひと
)
は、かういふ
傾向
(
けいこう
)
の
景色
(
けしき
)
を
詠
(
よ
)
む
歌
(
うた
)
ひてを
亡
(
な
)
くして、だん/\
自分
(
じぶん
)
の
進
(
すゝ
)
むべき
領分
(
りようぶん
)
を
見出
(
みいだ
)
して
行
(
ゆ
)
きました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は月の
夜
(
よ
)
に連れられて来た
路地口
(
ろぢぐち
)
をば、これは
又
(
また
)
一層の苦心、一層の
懸念
(
けねん
)
、一層の疲労を
以
(
も
)
つて、やつとの事で
見出
(
みいだ
)
し得たのである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
婚姻の原因を娘の行状に
見出
(
みいだ
)
して、これというも平生の心掛がいいからだと、口を
極
(
きわ
)
めて
賞
(
ほ
)
める、
嫁
(
よめい
)
る事が
何故
(
なぜ
)
そんなに
手柄
(
てがら
)
であろうか
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その後ほどなくわたしは
竹柏園
(
ちくはくえん
)
先生のお宅の、お弟子たちの写真箱の中から、中島写真館で
見出
(
みいだ
)
したとおなじ人の、おなじ写真を見出した。
大橋須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
人相見が、わたしのように、前もって一つ二つ話を聞いていれば、風変りと情ぶかい心とが奇妙にまじりあっているのを
見出
(
みいだ
)
したであろう。
クリスマス・イーヴ
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
その画才と
篤信
(
とくしん
)
が、どういふ筋道だつたかは存じませんが司祭さんに
見出
(
みいだ
)
されて、だいぶ前からN会堂の教僕として住み込んでゐたのです。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
輕氣球
(
けいききゆう
)
の
上
(
うへ
)
では、
忽
(
たちま
)
ち
吾等
(
われら
)
の
所在
(
ありか
)
を
見出
(
みいだ
)
したと
見
(
み
)
へ、
搖藍
(
ゆれかご
)
の
中
(
なか
)
から
誰人
(
たれ
)
かの
半身
(
はんしん
)
が
現
(
あら
)
はれて、
白
(
しろ
)
い
手巾
(
ハンカチーフ
)
が、
右
(
みぎ
)
と、
左
(
ひだり
)
にフーラ/\と
動
(
うご
)
いた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
若き女あの顔を見なばそのまま気絶やせんと
囁
(
ささや
)
けば相手は、
明朝
(
あすあさ
)
あの松が枝に翁の足のさがれるを
見出
(
みいだ
)
さんもしれずという
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それから店の
下婢
(
かひ
)
のなかから珍らしく
可憐
(
かれん
)
なうら寂しい、そして
何処
(
どこ
)
か
愛嬌
(
あいきょう
)
ぶかいお作といふ小娘を
見出
(
みいだ
)
したこともあつた。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
表現の直接の目的は、社会の実情を観照し、人情を
究
(
きわ
)
め、風俗を知り、旅行の到るところに観察を
見出
(
みいだ
)
すことに存している。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
そして図らずもその群の中から彼女を
見出
(
みいだ
)
す。さては彼女は洋行をして帰って来たのかとそう思っても、男は最早や彼女に近づく勇気もない。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
買つてくれと
云
(
い
)
はれないやうに
瑾
(
きず
)
を
見出
(
みいだ
)
して、
惜
(
をし
)
い
事
(
こと
)
には
何
(
ど
)
うも
些
(
ち
)
と
軸
(
ぢく
)
ににゆうが
有
(
あ
)
りますと
云
(
い
)
つてにゆうなぞを
見出
(
みいだ
)
さなくツちやアいかねえ。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
要次郎の云つた通り、この
極月
(
ごくげつ
)
の寒い夜に、影を踏んで騒ぎまはつてゐるやうな子供のすがたは一人も
見出
(
みいだ
)
されなかつた。
影を踏まれた女:近代異妖編
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これは我々の
宗教
(
おしえ
)
から見て許し難い罪悪じゃ!
見出
(
みいだ
)
してこの山から追い出さねばならぬ。何んとそうではあるまいかな?
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
秘密な会合をお島に
見出
(
みいだ
)
されたその女は、その時から
頭脳
(
あたま
)
に変調を来して、幾夜かのあいだお島たちの
店頭
(
みせさき
)
へ立って、
呶鳴
(
どな
)
ったり泣いたりした。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
與吉
(
よきち
)
は
紙包
(
かみづゝ
)
みの
小豆飯
(
あづきめし
)
を
盡
(
つく
)
して
暫
(
しば
)
らく
庭
(
には
)
の
騷
(
さわ
)
ぎを
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たが
寮
(
れう
)
の
内
(
うち
)
に
㷀然
(
ぽつさり
)
として
居
(
ゐ
)
る
卯平
(
うへい
)
を
見出
(
みいだ
)
して
圍爐裏
(
ゐろり
)
に
近
(
ちか
)
く
迫
(
せま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そのなかに、
伊那丸
(
いなまる
)
のすがたを
見出
(
みいだ
)
したので、忍剣は、思いやりの深い
主君
(
しゅくん
)
の心がわかって、
無言
(
むごん
)
のうちに
涙
(
なみだ
)
がうかんだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
要求せられた「殉国の情熱」を、自発的な、人間自らの生き方の中に
見出
(
みいだ
)
すことが不可能であろうか。それを思う私が間違っているのであろうか。
特攻隊に捧ぐ
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
お幸はその中に新しい
貼紙
(
はりがみ
)
の一つあるのを
見出
(
みいだ
)
したのです。それは
大津
(
おほつ
)
の郵便局で郵便配達見習を募集するものでした。
月夜
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
匈奴
(
きょうど
)
はまたしても、元の遠巻き戦術に
還
(
かえ
)
った。五日め、漢軍は、
平沙
(
へいさ
)
の中にときに
見出
(
みいだ
)
される
沼沢地
(
しょうたくち
)
の一つに踏入った。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
この春夏秋冬四季の変化に心を留めて、その中に安住の世界を
見出
(
みいだ
)
すという事は我が日本人の特に天より授かった幸福ではないでありましょうか。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
ひとは自分が破滅したと考えるようになる、ところが
一旦
(
いったん
)
何か緊急の用事が出来ると、彼は自分の生命が完全であるのを
見出
(
みいだ
)
すといった例は多い。
人生論ノート
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
涙
(
なみだ
)
をかくして
見出
(
みいだ
)
せば
此子
(
このこ
)
、おゝ
宜
(
よ
)
く
來
(
き
)
たとも
言
(
い
)
はれぬ
仕義
(
しぎ
)
を
何
(
なん
)
とせん、
姉
(
あね
)
さま
這入
(
はい
)
つても
叱
(
し
)
かられはしませぬか、
約束
(
やくそく
)
の
物
(
もの
)
は
貰
(
もら
)
つて
行
(
ゆ
)
かれますか
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
この
)
小
(
ちひ
)
さな
戸
(
と
)
の
傍
(
そば
)
に
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
ても
仕方
(
しかた
)
がないと、
愛
(
あい
)
ちやんは
洋卓
(
テーブル
)
の
所
(
ところ
)
へ
戻
(
もど
)
つて
行
(
ゆ
)
きました、
半
(
なかば
)
は
他
(
た
)
の
鍵
(
かぎ
)
を
見出
(
みいだ
)
したいと
望
(
のぞ
)
みながら、さもなければ
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
叔母
(
おば
)
ルウスタン夫人に音楽的才能を
見出
(
みいだ
)
され、しばらくはイタリー人からピアノの手ほどきを受けたこともあった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
このような
海岸線
(
かいがんせん
)
の
組合
(
くみあは
)
せは
地球上
(
ちきゆうじよう
)
至
(
いた
)
る
所
(
ところ
)
に
見出
(
みいだ
)
されるが、
紅海
(
こうかい
)
の
東海岸
(
ひがしかいがん
)
と
西海岸
(
にしかいがん
)
との
如
(
ごと
)
きも
著
(
いちじる
)
しい
一組
(
ひとくみ
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
また「いき」が言語として成立していることも事実である。しからば「いき」という語は各国語のうちに
見出
(
みいだ
)
されるという普遍性を備えたものであろうか。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
私
(
わたし
)
とほかの二、三のものだけが、やっと一そうの
船
(
ふね
)
を
見出
(
みいだ
)
して、そのほばしらに
止
(
と
)
まって
命
(
いのち
)
が
助
(
たす
)
かりました。
私
(
わたし
)
は、
太郎
(
たろう
)
さんにそのことを
知
(
し
)
らせにまいりました。
つばめの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ふしぎなことだと人々が
呆
(
あき
)
れ返つてるうちに、子供の姿と大きなシャボン玉とは空高く消えてしまひました。そしてハボンスの姿はどこにも
見出
(
みいだ
)
せませんでした。
シャボン玉
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
彼女はそう思いながら、それでも春着の膝の上へ、やはり涙を落している彼女自身を
見出
(
みいだ
)
したのだった。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
とにかく気のついたときには、旗男は、まっくらな
畦道
(
あぜみち
)
をまるで犬かなんかのように四ンばいになり、ハアハア息を切りながら先を急いでいる自分自身を
見出
(
みいだ
)
した。
空襲警報
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
教室の焼跡には、生徒の骨があり、校長室の跡には校長らしい白骨があった。が、Nの妻らしいものは
遂
(
つい
)
に
見出
(
みいだ
)
せなかった。彼は大急ぎで自宅の方へ引返してみた。
夏の花
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
讓は窓の
硝子
(
ガラス
)
窓に顔をぴったりつけてむこうを見た。その讓の眼はそこで奇怪な光景を
見出
(
みいだ
)
した。
蟇の血
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
人類の歴史を動かす第一義の要因を種族闘争に
見出
(
みいだ
)
すものは、グムプロヴィッツやラッツェンホーファーなどから、ゴビノーやヒットラーに至るまで決して少なくない。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
そして、それを
見出
(
みいだ
)
したのだ、味わったのだ。ただ万人を哀れみ、万人万物を解する神様ばかりが、我々を哀れんでくださる。神は
唯一人
(
ゆいいつにん
)
で、そしてさばきに当たる人だ。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
現実に立帰った私は、そこに、夢の貴公子とは似てもつかない、哀れにも醜い、自分自身の姿を
見出
(
みいだ
)
します。そして、今の先、私にほほえみかけて呉れた、あの美しい人は。
人間椅子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
社長女婿の
見出
(
みいだ
)
しにあずかったのが一つ、同時に養子は誇るべきものだと大悟一番したのがもう一つだった。元来頭は悪くない。それは連れ添う雪子夫人が
夙
(
つと
)
に認めている。
秀才養子鑑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
また暫く歩きて、突然為事机の
傍
(
そば
)
に寄り、机の上の物を上を下へといじり廻し、終りに壁に掛けたる袋の中よりブラシを
見出
(
みいだ
)
して手に取り、上着の塵を払う。戸を叩く音す。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
男ども
苅置
(
かりお
)
きたる
秣
(
まぐさ
)
を出すとて三ツ歯の
鍬
(
くわ
)
にて
掻
(
か
)
きまわせしに、大なる
蛇
(
へび
)
を
見出
(
みいだ
)
したり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見下
見上
見送
見透
見做
見当
見廻