病気びょうき)” の例文
旧字:病氣
すると、おっと病気びょうきにかかりました。病気びょうきはだんだんとおもくなって、医者いしゃにみてもらうと、とてもたすからないということでありました。
ちょうと三つの石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
するとだんだんがふさいで、病気びょうきになりました。それから八つきったときに、おんなおっとところって、きながら、こういました。
「ころされるかどうか、そこのところはどうもわかりませんが、とにかく、ただいまのところは、病気びょうきもせず、元気げんきでいます。」
腹部おなか病気びょうきでございました。はりされるようにキリキリと毎日まいにちなやみつづけたすえに、とうとうこんなことになりまして……。』
ハバトフは折々おりおり病気びょうき同僚どうりょう訪問ほうもんするのは、自分じぶん義務ぎむであるかのように、かれところ蒼蠅うるさる。かれはハバトフがいやでならぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
私たちの仲間なかまではだれかが病気びょうきにかかったときはあの糸をほんのすこうしもらって来てしずかにからだをさすってやります
おきなぐさ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
なに滅相めっそうなことじゃ、わらわがまいって、浜村屋はまむらや病気びょうきなおしてらせるのじゃ。——邪間じゃまだてせずと、そこ退きゃ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
むずかしい病気びょうきをなおしたりおにをおいはらったり、ときには、死人しにんをよみがえらしたりするほど、ふしぎな力をそなえていられるというひょうばんでした。
活人形 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
その後カションはいかなる病気びょうきかかりけん、盲目もうもくとなりたりしを見てこれ等の内情を知れる人々は、因果いんが覿面てきめん気味きみなりとひそかかたり合いしという。
それから幾年いくねんかたちました。むすめもだんだん大きくなりました。ちょうど十五になったとき、おかあさんはふと病気びょうきになって、どっと寝込ねこんでしまいました。
松山鏡 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
病気びょうきのおばあさんをこわがることはないじゃありませんか。それに、部屋へやの中まではいっていかなくても、戸口に立って、すきまからのぞいてくれりゃいいんですもの。」
林太郎さんのおっかさんは、もう病気びょうきもよくなり、少しは外へもでられるようになっていましたので、おとっつあんがたずねたというしらせをうけると、ひとりで玄関げんかんへでていきました。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
少年は、朝からなんべんも、いたでできた寝床ねどこのほうへ行ってみた。そこには、まるでせんべいのようにうすい下じきをしいて、何かのつつみをまくらのかわりにあてて、病気びょうきのおかあさんが寝ている。
旦那だんなさん、袖子そでこさんのは病気びょうきではありません。」
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いまでは、いいくすりがたくさんにありますけれど、まだ世間せけんひらけなかった、むかしは、家伝薬かでんぐすりなどをもちいて病気びょうきをなおしたものであります。
おばあさんと黒ねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
下男げなんおとこ使用人しようにん)が病気びょうきになれば、みずくみもしました。女中じょちゅうおんなのおてつだいさん)にさしつかえがあれば、台所だいどころのてつだいもしました。
「おかしとブドウしゅ。きのう、おうちでいたのよ。おばあさんが病気びょうきで、よわっているでしょう。これをあがると、からだに力がつくからよ。」
つまり病気びょうきには病気びょうきなおしの神様かみさま武芸ぶげいには武芸専門ぶげいせんもん神様かみさま、そのほか世界中せかいじゅうのありとあらゆる仕事しごとは、それぞれみな受持うけもち神様かみさまがあるのでございます。
百姓ひゃくしょうの仕事の中ではいちばんいやだとみんながいます。このへんではこの仕事を夏の病気びょうきとさえ云います。けれどもまったくそんな風に考えてはすみません。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
貴方あなたなどは、才智さいちすぐれ、高潔こうけつではあり、ははちちとも高尚こうしょう感情かんじょう吸込すいこまれたかたですが、実際じっさい生活せいかつるやいなやただちつかれて病気びょうきになってしまわれたです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あるとき竜王りゅうおうのおきさきが、ふとしたことからたいそうおも病気びょうきになりました。いろいろにをつくして、くすりというくすりをのんでみましたが、ちっともきめがありません。
くらげのお使い (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
あの若い灰色ガンが、病気びょうきのまま、たったひとりのこされて、いまにもうえにするのではないかと思いますと、モルテンはみんなといっしょにいくことが、できなくなったのです。
月日つきひのたつのははやいもので、そのときから、もう六、七ねんはたちました。そのあいだ叔父おじさんは、病気びょうきでなくなってしまわれました。
人の身の上 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところが、つぎのとし正月しょうがつごろから、にいさんがリューマチという病気びょうきをわずらって、右手みぎて自由じゆうがきかなくなりました。
おばあさんは病気びょうきで、よわっていらっしゃるけれど、こういうものをあがると、きっと元気になるのよ。じゃ、あつくならないうちに、いってらっしゃい。
医学いがく原則げんそくは、医者等いしやらをして貴方あなたじつわしめたのです。しかしながらわたし軍人風ぐんじんふう真向まっこう切出きりだします。貴方あなた打明うちあけています、すなわ貴方あなた病気びょうきなのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ところがポーセは、十一月ころ、にわかに病気びょうきになったのです。おっかさんもひどく心配しんぱいそうでした。
手紙 四 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
った御礼おれいまいりにいでおおいのは病気びょうき平癒へいゆ祈願きがん就中なかんずく小供こども病気びょうき平癒へいゆ祈願きがんでございます。
天子様てんしさまのおそばにつかえて、天文てんもんうらないでは日本にっぽん一の名人めいじんという評判ひょうばんだったのをさいわい、あるとき悪右衛門あくうえもん道満どうまんたのんで、てもらいますと、奥方おくがた病気びょうきはただのくすりではなおらない
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
みずうみこおりは、ヤッローが病気びょうきでねているうちに、すっかりとけてしまいました。
「なに、こればかしの病気びょうきは、じきになおってしまう。あとになって、また、あのくすり必要ひつようなときがあるだろう。」と、あにこたえました。
村の兄弟 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから、ふたりは、しばらくのあいだ、なに不足ふそくなく、しあわせにくらしておりました。ところがあるとき、ふと、わかいおきさきさまがおもい病気びょうきにかかりました。
まったく人はあるかないでいられない。病気びょうきながとこの上にる人はどんなに歩きたいだろう。
なんだ、そんなことなのか。わたしのぎもで、竜王りゅうおうのおきさきさんの病気びょうきがなおるというのなら、ぎもぐらいいくらでもげるよ。だがなぜそれをはじめからわなかったろうなあ。
くらげのお使い (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
おばあさんには、べつに身内みうちのものというほどのものもなかった。病気びょうきになるとむらひとたちが、しんせつに世話せわをしてやりました。
おばあさんと黒ねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
王さまは病気びょうきで、もう、この寝床ねどこが、どうやらじぶんの臨終りんじゅうとこになるらしい、と思っていました。
せがれのいのちをおたすけくださいましてまことにありがとうぞんじます。あなたさまはそのために、ご病気びょうきにさえおなりになったとの事でございましたが、もうおよろしゅうございますか
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
なんでもくなったこの子のおかあさんが、この子のうんがいいようになにかいい名前なまえをつけようと、三日みっか三晩みばんかんがえぬいて、病気びょうきになって、いよいよ目をつぶるというときに、かすかなこえ
長い名 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
新吉しんきちは、九つのとき、ほんの一病気びょうきになってたばかりでんでしまいました。弥吉やきちじいさんの、なげきは一通ひととおりでありません。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
それからは、毎日まいにち毎日まいにちことばかりかんがえていたが、いくらしがっても、とてべられないとおもうと、それがもとで、病気びょうきになって、日増ひましせて、あおくなってきます。
うう、お前かい、今度こんどの下男は。おれはいま病気びょうきでね、どうもくるしくていけないんだ。
サガレンと八月 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
田村麻呂たむらまろはそののち鈴鹿山すずかやまおに退治たいじしたり、藤原仲成ふじわらのなかなりというものの謀反むほんたいらげたり、いろいろの手柄てがらてて、日本一にほんいち将軍しょうぐんとあがめられましたが、五十四のとし病気びょうきくなりました。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
あるところにのよくえないむすめがありました。おかあさんは、むすめが、まだちいさいときに、むすめをのこして、病気びょうきのためんでしまいました。
めくら星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夫は、航海こうかいのあいだに、きゅうに病気びょうきになりまして、んでしまいました。もしこの感心な船頭せんどうが手をかしてくれませんでしたら、あたしはとんだめにあうところでした。
ところがねえ、つぎが大へんなんですよ、耕牧舎こうぼくしゃ飼牛かいうしがね、結核けっかくにかかっていたんですがある日とうとうんだんです。ところが病気びょうきのけだものは死んだらてなくちゃいけないでしょう。
バキチの仕事 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
医者いしゃというお医者いしゃ行者ぎょうじゃという行者ぎょうじゃあつめて、いろいろ手をつくして療治りょうじをしたり、祈祷きとうをしたりしているが、一向いっこうにしるしがえない。それはそのはずさ、あれは病気びょうきではないんだからなあ。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
かれは、どうかして、はやく、はは病気びょうきをなおしたいとねがいました。会社かいしゃにいてはたらいているも、たえずこころは、いえへひかれました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むすめよるひるもおかあさんのまくらもとにつきっきりで、ろくろくねむひまもなく、一生懸命いっしょうけんめいにかんびょうしましたが、病気びょうきはだんだんおもるばかりで、もう今日きょう明日あすがむずかしいというまでになりました。
松山鏡 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
あるお金持かねもちのうちで、そのうちのおくさんが病気びょうきになりました。
「おっかさんが病気びょうきなんですから今晩こんばんでないとこまるんです」
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)