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ばんちやう
ふりがな文庫
“
番町
(
ばんちやう
)” の例文
處
(
ところ
)
で——
番町
(
ばんちやう
)
も
下六
(
しもろく
)
の
此邊
(
このへん
)
だからと
云
(
い
)
つて、
石
(
いし
)
の
海月
(
くらげ
)
が
踊
(
をど
)
り
出
(
だ
)
したやうな、
石燈籠
(
いしどうろう
)
の
化
(
ば
)
けたやうな
小旦那
(
こだんな
)
たちが
皆無
(
かいむ
)
だと
思
(
おも
)
はれない。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
安
(
やす
)
さんは、まだ
歸
(
かへ
)
らないんでせうかね。
貴方
(
あなた
)
今度
(
こんだ
)
の
日曜
(
にちえう
)
位
(
ぐらゐ
)
に
番町
(
ばんちやう
)
迄
(
まで
)
行
(
い
)
つて
御覽
(
ごらん
)
なさらなくつて」と
注意
(
ちゆうい
)
した
事
(
こと
)
があるが、
宗助
(
そうすけ
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
千駄木
(
せんだぎ
)
の
奥
(
おく
)
の
此
(
こ
)
の
私
(
わたし
)
の
家
(
いへ
)
から
番町
(
ばんちやう
)
までゞは、
可也
(
かなり
)
遠
(
とほ
)
いのであるが、
出
(
で
)
てからもう
彼此
(
かれこれ
)
一
時間
(
じかん
)
も
経
(
た
)
つから、
今頃
(
いまごろ
)
は
父
(
ちゝ
)
と
母
(
はゝ
)
とに
右
(
みぎ
)
と
左
(
ひだり
)
から
笑顔
(
ゑがほ
)
を
見
(
み
)
せられて
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
番町
(
ばんちやう
)
の
旦那
(
だんな
)
といふは
口數
(
くちかず
)
少
(
すくな
)
き
人
(
ひと
)
と
見
(
み
)
えて、
時
(
とき
)
たま
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したやうにはた/\と
團扇
(
うちは
)
づかひするか、
卷煙草
(
まきたばこ
)
の
灰
(
はひ
)
を
拂
(
はら
)
つては
又
(
また
)
火
(
ひ
)
をつけて
手
(
て
)
に
持
(
もつ
)
てゐる
位
(
くらゐ
)
なもの
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いま山の手の
番町
(
ばんちやう
)
の
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
まだ
可笑
(
をか
)
しい
事
(
こと
)
がある、ずツと
後
(
あと
)
で……
此
(
こ
)
の
番町
(
ばんちやう
)
の
湯
(
ゆ
)
へ
行
(
ゆ
)
くと、かへりがけに、
錢湯
(
せんたう
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
が「
先生々々
(
せんせい/\
)
」
丁
(
ちやう
)
ど
午
(
ひる
)
ごろだから
他
(
ほか
)
に
一人
(
ひとり
)
も
居
(
ゐ
)
なかつた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それはお
前
(
まへ
)
が
知
(
し
)
らぬから
其樣
(
そん
)
な
憎
(
にく
)
ていな
事
(
こと
)
も
言
(
い
)
へるものゝ
三日
(
みつか
)
交際
(
つきあひ
)
をしたら
植村樣
(
うゑむらさま
)
のあと
追
(
お
)
ふて
三途
(
さんづ
)
の
川
(
かは
)
まで
行
(
ゆ
)
きたくならう、
番町
(
ばんちやう
)
の
若旦那
(
わかだんな
)
を
惡
(
わる
)
いと
言
(
い
)
ふではなけれど
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
會話
(
くわいわ
)
はそこで
別
(
べつ
)
の
題目
(
だいもく
)
に
移
(
うつ
)
つて、
再
(
ふたゝ
)
び
小六
(
ころく
)
の
上
(
うへ
)
にも
叔母
(
をば
)
の
上
(
うへ
)
にも
歸
(
かへ
)
つて
來
(
こ
)
なかつた。それから二三
日
(
にち
)
すると
丁度
(
ちやうど
)
土曜
(
どえう
)
が
來
(
き
)
たので、
宗助
(
そうすけ
)
は
役所
(
やくしよ
)
の
歸
(
かへ
)
りに、
番町
(
ばんちやう
)
の
叔母
(
をば
)
の
所
(
ところ
)
へ
寄
(
よ
)
つて
見
(
み
)
た。
叔母
(
をば
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
東京
(
とうきやう
)
——
番町
(
ばんちやう
)
——では、
周圍
(
しうゐ
)
の
廣
(
ひろ
)
さに、みゝづくの
聲
(
こゑ
)
は
南北
(
なんぼく
)
にかはつても、その
場所
(
ばしよ
)
の
東西
(
とうざい
)
をさへわきまへにくい。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
番町
(
ばんちやう
)
の
旦那樣
(
だんなさま
)
お
出
(
いで
)
と
聞
(
き
)
くより
雪
(
ゆき
)
や
兄樣
(
にいさん
)
がお
見舞
(
みまひ
)
に
來
(
き
)
て
下
(
くだ
)
されたと
言
(
い
)
へど、
顏
(
かほ
)
を
横
(
よこ
)
にして
振向
(
ふりむか
)
うともせぬ
無禮
(
ぶれい
)
を、
常
(
つね
)
ならば
怒
(
いか
)
りもすべき
事
(
こと
)
なれど、あゝ、
捨
(
す
)
てゝ
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
さい
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
宗助
(
そうすけ
)
が
行
(
ゆ
)
く
行
(
ゆ
)
くと
云
(
い
)
つて、
日
(
ひ
)
を
暮
(
く
)
らしてゐるうちに
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
漸
(
やうや
)
く
秋
(
あき
)
になつた。その
朗
(
ほが
)
らかな
或
(
ある
)
日曜
(
にちえう
)
の
午後
(
ごご
)
に、
宗助
(
そうすけ
)
はあまり
佐伯
(
さへき
)
へ
行
(
ゆ
)
くのが
後
(
おく
)
れるので、
此
(
この
)
要件
(
えうけん
)
を
手紙
(
てがみ
)
に
認
(
したゝ
)
めて
番町
(
ばんちやう
)
へ
相談
(
さうだん
)
したのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
もう
一人
(
ひとり
)
お
連
(
つれ
)
は、
南榎町
(
みなみえのきちやう
)
へ
淺草
(
あさくさ
)
から
引越
(
ひつこ
)
した
万
(
まん
)
ちやんで、
二人
(
ふたり
)
番町
(
ばんちやう
)
から
歩行
(
ある
)
いて、その
榎町
(
えのきちやう
)
へ
寄
(
よ
)
つて
連立
(
つれだ
)
つた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
東京
(
とうきやう
)
かね——
番町
(
ばんちやう
)
——
海水浴
(
かいすゐよく
)
、
避暑
(
ひしよ
)
にくる
人
(
ひと
)
はありませんかな。……この
景氣
(
けいき
)
だから、
今年
(
ことし
)
は
勉強
(
べんきやう
)
ぢやよ。
八疊
(
はちでふ
)
に
十疊
(
じふでふ
)
、
眞新
(
まあたら
)
しいので、
百五十圓
(
ひやくごじふゑん
)
の
所
(
ところ
)
を
百
(
ひやく
)
に
勉強
(
べんきやう
)
するですわい。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
麹町
(
かうぢまち
)
、
番町
(
ばんちやう
)
の
火事
(
くわじ
)
は、
私
(
わたし
)
たち
鄰家
(
りんか
)
二三軒
(
にさんげん
)
が、
皆
(
みな
)
跣足
(
はだし
)
で
逃出
(
にげだ
)
して、
此
(
こ
)
の
片側
(
かたがは
)
の
平家
(
ひらや
)
の
屋根
(
やね
)
から
瓦
(
かはら
)
が
土煙
(
つちけむり
)
を
揚
(
あ
)
げて
崩
(
くづ
)
るゝ
向側
(
むかうがは
)
を
駈拔
(
かけぬ
)
けて、いくらか
危險
(
きけん
)
の
少
(
すく
)
なさうな、
四角
(
よつかど
)
を
曲
(
まが
)
つた
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
用
(
よう
)
をきいて、ところを
尋
(
たづ
)
ねるから、
麹町
(
かうぢまち
)
を
知
(
し
)
らして
歸
(
かへ
)
ると、すぐその
翌日
(
よくじつ
)
、二十四——の
赤帽君
(
あかばうくん
)
が、わざ/\
山
(
やま
)
の
手
(
て
)
の
番町
(
ばんちやう
)
まで、「
御免
(
ごめん
)
下
(
くだ
)
さいまし。」と
丁寧
(
ていねい
)
に
門
(
かど
)
をおとづれて
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
番町
(
ばんちやう
)
へ
越
(
こ
)
して
十二三年
(
じふにさんねん
)
になる。あの
大地震
(
おほぢしん
)
の
前
(
まへ
)
の
年
(
とし
)
の
二月四日
(
にぐわつよつか
)
の
夜
(
よ
)
は
大雪
(
おほゆき
)
であつた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
蛙
(
かへる
)
が
居
(
ゐ
)
ても、
騷
(
さわ
)
がしいぞ、と
申
(
まを
)
されて、
鳴
(
な
)
かせなかつたのである。
其處
(
そこ
)
へ
行
(
ゆ
)
くと、
今時
(
いまどき
)
の
作家
(
さくか
)
は
恥
(
はづか
)
しい——
皆
(
みな
)
が
然
(
さ
)
うではあるまいが——
番町
(
ばんちやう
)
の
私
(
わたし
)
の
居
(
ゐ
)
るあたりでは
犬
(
いぬ
)
が
吠
(
ほ
)
えても
蛙
(
かへる
)
は
鳴
(
な
)
かない。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……たとへば、
地震
(
ぢしん
)
から、
水道
(
すゐだう
)
が
斷水
(
だんすゐ
)
したので、
此邊
(
このへん
)
、
幸
(
さいは
)
ひに
四五箇所
(
しごかしよ
)
殘
(
のこ
)
つた、むかしの
所謂
(
いはゆる
)
、
番町
(
ばんちやう
)
の
井戸
(
ゐど
)
へ、
家毎
(
いへごと
)
から
水
(
みづ
)
を
貰
(
もら
)
ひに
群
(
むれ
)
をなして
行
(
ゆ
)
く。……
忽
(
たちま
)
ち
女
(
をんな
)
には
汲
(
く
)
ませないと
言
(
い
)
ふ
邸
(
やしき
)
が
出來
(
でき
)
た。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
もはや、……
少々
(
せう/\
)
なりとも
荷
(
に
)
もつをと、きよと/\と
引返
(
ひきかへ
)
した。が、
僅
(
わづか
)
にたのみなのは、
火先
(
ひさき
)
が
僅
(
わづか
)
ばかり、
斜
(
なゝめ
)
にふれて、
下
(
しも
)
、
中
(
なか
)
、
上
(
かみ
)
の
番町
(
ばんちやう
)
を、
南
(
みなみ
)
はづれに、
東
(
ひがし
)
へ……
五番町
(
ごばんちやう
)
の
方
(
はう
)
へ
燃進
(
もえすゝ
)
む
事
(
こと
)
であつた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
又
(
また
)
か、とむかしの
名僧
(
めいそう
)
のやうに、お
叱
(
しか
)
りさへなかつたら、こゝで、
番町
(
ばんちやう
)
の
七不思議
(
なゝふしぎ
)
とか
稱
(
とな
)
へて、
其
(
そ
)
の
一
(
ひと
)
つに
數
(
かぞ
)
へたいくらゐである。が、
何
(
なに
)
も
珍
(
めづら
)
しがる
事
(
こと
)
はない。
高臺
(
たかだい
)
だから
此
(
こ
)
の
邊
(
へん
)
には
居
(
ゐ
)
ないのらしい。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
臭
(
くさ
)
さと
云
(
い
)
つては、
昇降口
(
しようかうぐち
)
の
其方
(
そつち
)
の
端
(
はし
)
から、
洗面所
(
せんめんじよ
)
を
盾
(
たて
)
にした、いま
此方
(
こなた
)
の
端
(
はし
)
まで、むツと
鼻
(
はな
)
を
衝
(
つ
)
いて
臭
(
にほ
)
つて
來
(
く
)
る。
番町
(
ばんちやう
)
が、
又
(
また
)
大袈裟
(
おほげさ
)
な、と
第一
(
だいいち
)
近所
(
きんじよ
)
で
笑
(
わら
)
ふだらうが、いや、
眞個
(
まつたく
)
だと
思
(
おも
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“番町”の解説
番町(ばんちょう、en: Bancho)は、東京都千代田区西部に位置する一番町から六番町までを指す6つの町丁の総称。すべて「丁目」の設定のない単独町名である。
(出典:Wikipedia)
番
常用漢字
小2
部首:⽥
12画
町
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
“番町”で始まる語句
番町邊
番町學校
番町辺
番町小學校
番町袖振坂