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對手
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あひて
ふりがな文庫
“
對手
(
あひて
)” の例文
新字:
対手
女同士
(
をんなどうし
)
はわあと
只
(
たゞ
)
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
を
發
(
はつ
)
して
各自
(
てんで
)
に
對手
(
あひて
)
を
突
(
つ
)
いたり
叩
(
たゝ
)
いたりして
亂
(
みだ
)
れつゝ
騷
(
さわ
)
いだ。
突然
(
とつぜん
)
一人
(
ひとり
)
がおつぎの
髮
(
かみ
)
へひよつと
手
(
て
)
を
掛
(
か
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と、あはれや
夕飯
(
ゆふめし
)
兼帶
(
けんたい
)
の
臺
(
だい
)
の
笊
(
ざる
)
に
箸
(
はし
)
を
投
(
な
)
げた。
地
(
ぢ
)
ものだと、
或
(
あるひ
)
はおとなしく
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
たらう。が、
對手
(
あひて
)
がばらがきだから
堪
(
たま
)
らない。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
上
(
うへ
)
に
趣味
(
しゆみ
)
が
廣
(
ひろ
)
く——
例
(
たと
)
へば
最近
(
さいきん
)
、その
三上
(
みかみ
)
を
對手
(
あひて
)
として、いい
齡
(
とし
)
をしながら(
失言
(
しつげん
)
?)
將棋
(
しやうぎ
)
を
稽古
(
けいこ
)
しかけたりしてゐる。
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
と細い聲で、靜に、冷笑的に謂ツて、チラと
對手
(
あひて
)
の顏を見る。そしてぐいと肩を
聳
(
そびやか
)
す。これは彼が得意の時に
屡
(
よ
)
く行る癖で。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
新聞
(
しんぶん
)
は
今朝
(
けさ
)
出
(
で
)
る
前
(
まへ
)
に
讀
(
よ
)
み
盡
(
つく
)
して
了
(
しま
)
つたし、
本
(
ほん
)
を
讀
(
よ
)
む
元氣
(
げんき
)
もなし、
眠
(
ねむ
)
くもなし、
喋舌
(
しやべ
)
る
對手
(
あひて
)
もなし、あくびも
出
(
で
)
ないし、さて
斯
(
か
)
うなると
空々然
(
くう/\ぜん
)
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
一生の重荷となれば、憎くもなり、
投
(
はふ
)
りだしたくなる方が道理で、これは『
細君
(
つま
)
』であるからの退屈ではない。花火的の情熱の
對手
(
あひて
)
なら、猶更その負擔と欠伸は早く來る。
こんな二人
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
甲田は何かの拍子で人と爭はねばならぬ事が起つても、直ぐ、一心になるのが莫迦臭いやうな氣がして、笑はなくても可い時に笑つたり、不意に自分の論理を
抛出
(
なげだ
)
して
對手
(
あひて
)
を笑はせたりする。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
獨語
(
ひとりごと
)
を
云
(
い
)
ひました『
朝鮮猫
(
てうせんねこ
)
だわ、
先
(
ま
)
づこれで
談話
(
はなし
)
對手
(
あひて
)
が
出來
(
でき
)
た』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
えゝ、
申兼
(
まをしか
)
ねましたが、
其
(
それ
)
が
其
(
それ
)
が、
些
(
ち
)
と
道
(
みち
)
なりませぬ、
目上
(
めうへ
)
のお
方
(
かた
)
に、もう
心
(
こゝろ
)
もくらんで
迷
(
まよ
)
ひましたと
云
(
い
)
ふのは、
對手
(
あひて
)
が
庄屋
(
しやうや
)
どのの、
其
(
そ
)
の。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
失望
(
しつはう
)
と
煩悶
(
はんもん
)
とがごツちやになツて
耐
(
た
)
へず
胸頭
(
むなさき
)
に
押掛
(
おしか
)
ける………其の
苦惱
(
くなう
)
、其の
怨
(
うらみ
)
、誰に
訴
(
うつた
)
へやうと思ツても訴へる
對手
(
あひて
)
がない。
喧嘩
(
けんくわ
)
は、
獨
(
ひとり
)
だ。
悪腕
(
わるあがき
)
を
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「
此
(
こ
)
らまあ、どうしたもんだ」おつぎが
驚
(
おどろ
)
いて
叫
(
さけ
)
んだ
時
(
とき
)
、
對手
(
あひて
)
はおつぎの
櫛
(
くし
)
を
奪
(
うば
)
つて
混雜
(
こんざつ
)
した
群集
(
ぐんしふ
)
の
中
(
なか
)
へ
身
(
み
)
を
沒
(
ぼつ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『
貴君
(
あなた
)
も
隨分
(
ずゐぶん
)
口
(
くち
)
が
惡
(
わる
)
いね』とか
何
(
なん
)
とか
義母
(
おつかさん
)
が
言
(
い
)
つて
呉
(
く
)
れると、
益々
(
ます/\
)
惡口雜言
(
あくこうざふごん
)
の
眞價
(
しんか
)
を
發揮
(
はつき
)
するのだけれども、
自分
(
じぶん
)
のは
合憎
(
あいに
)
く
甘
(
うま
)
い
言
(
こと
)
をトン/\
拍子
(
びやうし
)
で
言
(
い
)
ひ
合
(
あ
)
ふやうな
對手
(
あひて
)
でないから
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
醉
(
よ
)
ふ
奴
(
やつ
)
があるものかと、
皆
(
みな
)
が
笑
(
わら
)
ふと、「
醉
(
よ
)
ひますさ。」とぶつ/\
言
(
い
)
ふ。
對手
(
あひて
)
にしないと「
僕
(
ぼく
)
は
醉
(
よ
)
ふと
信
(
しん
)
ずるさ。」と
頬
(
ほゝ
)
を
凹
(
へこ
)
まして
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
てた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女
(
をんな
)
は
五月繩
(
うるさ
)
い
時
(
とき
)
には
一時
(
ちよつと
)
踊
(
をどり
)
の
手
(
て
)
を
止
(
や
)
めて
對手
(
あひて
)
を
叱
(
しか
)
つたり
叩
(
たゝ
)
いたり、
然
(
しか
)
も
其
(
その
)
特性
(
とくせい
)
のつゝましさを
保
(
たも
)
つて
拍子
(
ひやうし
)
を
合
(
あは
)
せ
乍
(
なが
)
ら
多勢
(
おほぜい
)
の
間
(
あひだ
)
に
揉
(
も
)
まれつゝ
同
(
どう
)
一
線
(
せん
)
を
反覆
(
はんぷく
)
しつゝ
踊
(
をど
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
旅
(
たび
)
は
道連
(
みちづれ
)
、
世
(
よ
)
は
情
(
なさけ
)
といふが、
世
(
よ
)
は
情
(
なさけ
)
であらうと
無
(
な
)
からうと
別問題
(
べつもんだい
)
として
旅
(
たび
)
の
道連
(
みちづれ
)
は
難有
(
ありが
)
たい、マサカ
獨
(
ひと
)
りでは
喋舌
(
しやべ
)
れないが
二人
(
ふたり
)
なら
對手
(
あひて
)
が
泥棒
(
どろぼう
)
であつても
喋舌
(
しやべ
)
りながら
歩
(
ある
)
くことが
出來
(
でき
)
る。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
けれども、
對手
(
あひて
)
が
守子
(
もりつこ
)
や
飯炊
(
めしたき
)
でない、
人
(
ひと
)
もこそあれ
一大事
(
いちだいじ
)
だ、と
思
(
おも
)
ふから、
其
(
そ
)
の
後
(
のち
)
とても
皆
(
みな
)
口
(
くち
)
をつぐんで
何
(
なん
)
にも
言
(
い
)
はず
無事
(
ぶじ
)
にしばらく
日
(
ひ
)
は
經
(
た
)
つた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
坂上
(
さかがみ
)
は
外套
(
ぐわいたう
)
の
袖
(
そで
)
を
捻
(
ね
)
ぢて、
踵
(
くびす
)
を
横
(
よこ
)
ざまに
踏
(
ふ
)
みながら、
中折
(
なかをれ
)
の
庇
(
ひさし
)
から、
對手
(
あひて
)
の
眉間
(
みけん
)
を
透
(
す
)
かし
視
(
み
)
つつ
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
對手
(
あひて
)
もなければ
小遣
(
こづかひ
)
もなく、まさか
小盜賊
(
こどろばう
)
をするほどに、
當人
(
たうにん
)
氣位
(
きぐらゐ
)
が
高
(
たか
)
いから
身
(
み
)
を
棄
(
す
)
てられず。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「えゝ、
申兼
(
まをしか
)
ねましたが、
其
(
それ
)
が
其
(
そ
)
の、
些
(
ち
)
と
道
(
みち
)
なりませぬ、
目上
(
めうへ
)
のお
方
(
かた
)
に、
身
(
み
)
も
心
(
こゝろ
)
もうちこんで
迷
(
まよ
)
ひました、と
云
(
い
)
ふのは、
對手
(
あひて
)
が
庄屋
(
しやうや
)
どのの、
其
(
そ
)
の、」と
口早
(
くちばや
)
に
云
(
い
)
ひたした。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人間
(
にんげん
)
恁
(
か
)
うまでに
成
(
な
)
りませずば、
表向
(
おもてむ
)
き
貴下
(
あなた
)
のお
供
(
とも
)
をいたしまして、
今夜
(
こんや
)
なんぞ、たとひ
對手
(
あひて
)
は
藝者
(
げいしや
)
でも、
御新姐樣
(
ごしんぞさま
)
には
齋檀那
(
ときだんな
)
、
施主方
(
せしゆがた
)
の
下足番
(
げそくばん
)
でもしませうものを、
早
(
は
)
や
全
(
まつた
)
く
腑甲斐
(
ふがひ
)
ない
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
對手
(
あひて
)
が
百日紅
(
さるすべり
)
だと
燒討
(
やきうち
)
にも
及
(
およ
)
ぶ
處
(
ところ
)
、
柳
(
やなぎ
)
だけに
不平
(
ふへい
)
も
言
(
い
)
へぬが、
口惜
(
くちをし
)
くない
事
(
こと
)
はなかつた——
其
(
それ
)
さへ、
何
(
なん
)
となく
床
(
ゆか
)
しいのに、
此
(
こ
)
の
邊
(
あたり
)
にしては
可
(
か
)
なり
廣
(
ひろ
)
い、
其
(
そ
)
の
庭
(
には
)
に
石燈籠
(
いしどうろう
)
が
据
(
すわ
)
つたあたりへ
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
どこか
近郊
(
きんこう
)
へ
出
(
で
)
たら、と
近
(
ちか
)
まはりで
尋
(
たづ
)
ねても、
湯屋
(
ゆや
)
も
床屋
(
とこや
)
も、
釣
(
つり
)
の
話
(
はなし
)
で、
行々子
(
ぎやう/\し
)
などは
對手
(
あひて
)
にしない。ひばり、こま
鳥
(
どり
)
、うぐひすを
飼
(
か
)
ふ
町内
(
ちやうない
)
名代
(
なだい
)
の
小鳥
(
ことり
)
ずきも、
一向
(
いつかう
)
他人
(
たにん
)
あつかひで
對手
(
あひて
)
にせぬ。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これは
力
(
ちから
)
を
入
(
い
)
れて
對手
(
あひて
)
に
其
(
その
)
意
(
い
)
を
得
(
え
)
させようとしたのである。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
對手
(
あひて
)
が
戀
(
こひ
)
の
仇
(
かたき
)
でも
許
(
ゆる
)
して
通
(
とほ
)
す
習
(
ならひ
)
である。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
對手
(
あひて
)
は
忽
(
たちま
)
ち
元氣
(
げんき
)
づいた
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
して
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
對
部首:⼨
14画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“對”で始まる語句
對
對岸
對面
對照
對象
對話
對抗
對向
對坐
對局