責任せきにん)” の例文
じゆく家族的かぞくてき組織そしきであるから各人かくじん共同きようどうものである、塾生じゆくせい此處こゝ自分じぶんいへ心得こゝろえ何事なにごと自分じぶん責任せきにんつてらねばなりません。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
もししんじられぬとすれば、こののちこるであろうできごとに、自分じぶんはまったく責任せきにんがないとはいえぬのであるとかんがえられるのでした。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
斯樣かやうに、墮落だらく方面はうめんをとくに誇張こちやうした冒險者アドヹンチユアラーあたまなかこしらあげ宗助そうすけは、その責任せきにん自身じしん一人ひとりまつたはなければならないやうがした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
理屈りくつまうすぢやありません、わたくし越權えつけんわたくし責任せきにんひます。貴下あなたしんじませんか、いまげん難破船なんぱせん救助きゆうじよもとめるのを。
それになによりこまったことは、それがわたしの責任せきにんだということであった。わたしはねむりさえしなかったら、かれらも出て行きはしなかった。
わたくし今更いまさらながらにあまる責任せきにんおもさをかんずると同時どうじに、かぎりなき神恩しんおんかたじけなさをしみじみとあじわったことでございました。
「ふん。こうさえしてしまえば、あとはむこうへとどこうが届くまいが、郵便屋ゆうびんや責任せきにんだ。」と先生はつぶやきました。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
拙者せっしゃの考えでは、小太郎山こたろうざんかたきにうばわれたことを、じぶんひとりの責任せきにんのように感じて、それを深くじ、どこぞへ姿すがたをかくしたのであろうと思う」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが國民こくみん今後こんご責任せきにんます/\重大ぢうだいならんとするのとき活動くわつどう根本機關こんぽんきくわんとも身體しんたい攝養せつやうにはもつと注意ちゆういえうす。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
我家の雨戸あまども熱くなったと見え、火の子がいつまでもくいついている。もう駄目だ。町会長の責任せきにんもすんだ。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
してみると、かれに義務ぎむ責任せきにんなどいう考えのありようもなければ、きゅうくつも心配も不安もないわけだ。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
彼が不埒ふらちを働いたとすれば、自分もまたその責任せきにんを分かたねばならぬと思い、西郷が来るやいなや、ただちに彼を兵庫ひょうごに引連れ、明日君が君公の前にすれば、生命はないぞ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
これならどんな責任せきにんでも背負せおつててると、つく/\蠻勇ばんゆう難有ありがたさをおぼえた。
しからば幕府の内情は如何いかんというに攘夷論じょういろんさかんなるは当時の諸藩しょはんゆずらず、な徳川を一藩として見れば諸藩中のもっとも強硬きょうこうなる攘夷じょうい藩というも可なるほどなれども、ただ責任せきにんの局にるがゆえ
彼等かれらいはゆる『世界改造せかいかいざう偉業ゐげふ』に參加さんかすべき責任せきにんいうしているんぢやないか。國内政治機關こくないせいぢきくわん改造かいざう要求えうきうする人民じんみんこゑ無視むしするわけくまいぢやないか。どうだいきみきみはサウおもはないんか。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
かれは大きな責任せきにんを感ずるとともに、勇気がますます加わった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
責任せきにんといふことおもききたいのもこれがめ、依頼心いらいしんおほいのもこれめ、また意志いし強固きやうこでないといふのもこれめであらうとおもひます。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
今夜こんや御誘おさそまをしますから、これから夕方ゆふがたまでしつかり御坐おすわりなさいまし」と眞面目まじめすゝめたとき、宗助そうすけまた一種いつしゆ責任せきにんかんじた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「いったい、だれが、修繕しゅうぜんしなければならぬのだろうかね。」と、清吉せいきちは、いいました。責任せきにんをもつものの怠慢たいまんがはらだたしかったのです。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
むかしは貴族きぞくの家の長子に生まれると福分ふくぶんを一人じめにすることができたが、今日の労働者ろうどうしゃの家庭では、総領そうりょうはいちばん重い責任せきにんをしょわされる。
これは人間の生きものである。自分が責任せきにんをもって、人類の実際の単位たんいにしあげて行かねばならぬとの覚悟が、その柔かい日影の中からき出してせまりくるようだ。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
ふとまなこつたのは、いまこのふね責任せきにん双肩さうけんになへる船長せんちやうが、卑劣ひれつにも此時このとき舷燈げんとうひかり朦朧もうろうたるほとりより、てんさけび、ける、幾百いくひやく乘組人のりくみにんをば此處ここ見捨みすてゝ
それというのも、義務ぎむとか責任せきにんとかいうことを、まじめに正直しょうじきに考えておったらば、実際じっさい人間のはない。手足をばくして水中すいちゅうにおかれたとなんのわるところもない。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
と同時に咲耶子さくやこはまた、自分と竹童のかたにあずけられている責任せきにんをつよく思う。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おれは重大な責任せきにんをせおってるのだ
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
返事へんじいから二けましたがそれでも返事へんじいからじゆくではどうなつたことかと非常ひじやう心配しんぱいして責任せきにんつたものは一ねむらなかつたくらゐ
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
ふゆへかけてのたびは、はげしい北風きたかぜこうしてすすまなければならなかった。としとったがんは、みんなをれているという責任せきにんかんじていました。
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分じぶん責任せきにんすこしでもくははつたため、こゝろ緊張きんちやうしたものとえて、かへつて平生へいぜいよりは、甲斐々々かひ/″\しくをつと小六ころく世話せわをした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
親方もわたしも二人とも刑務所けいむしょに入れられたら、犬やさるはどうなるだろう。わたしは自分の位置いち責任せきにんを感じていた。
おやたちは、ものうのは、責任せきにんがあるから、なるだけ、いぬやねこをうのは、けたいとおもっていました。
小ねこはなにを知ったか (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしは自分のからだをだいじにしなければならなかった。わたしのしょっている責任せきにんは重かった。わたしが病気になったらわたしたちみんなどうなるだろう。
その責任せきにんなら、なれたおとうさんにあるのだよ、いえのことは、なんでもおとうさんの意見いけんできめたのだからね。
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしたちはまたたよりにする目標もくひょうができた。教育もなければ、資産しさんもないいなか女としてかの女にふりかかった責任せきにんは重かった。びんぼうになった一家の総領そうりょうはまだ十六にならない。
「どこかに責任せきにんはあっても、あまりおおすぎてがつけられないのだろう。」と、こたえました。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
天職てんしょく自覚じかくせず、また、それにたいする責任せきにんかんぜず、うえのものは、したのものに好悪こうお感情かんじょう露骨ろこつにあらわして平気へいきだった、いまよりは、もっとくらかった時代じだいはなしであります。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そうだね。ぼくたちのはらっぱへてられたいぬやねこは、ぼくたちの責任せきにんとなるからね。」
野菊の花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
最初さいしょしろおとこて、汽車きしゃ脱線だっせんさしたばかりでなく、自分じぶん負傷ふしょうした運転手うんてんしゅは、神経衰弱しんけいすいじゃくから、むだえたのだと判断はんだんされたものの、とにかく汽車きしゃ脱線だっせんさした責任せきにんから退職たいしょくさせられて
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おしょうさんが、いわれたように、子供こどもつみはない。すべてが大人おとな責任せきにんなんだ。子供こどもは、いつもうつくしいし、子供こどもこころは、いつもほがらかだ。それを、なんと大人おとなが、ひとたびみちあやまったばかりに……。
子供は悲しみを知らず (新字新仮名) / 小川未明(著)