議論ぎろん)” の例文
これがさるほうちかいか、人間にんげんほうちかいかは、議論ぎろんがあるにしても、とにかく人間にんげんさるとの中間ちゆうかん動物どうぶつといつてつかへはありません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
かれはかくも神経質しんけいしつで、その議論ぎろん過激かげきであったが、まち人々ひとびとはそれにもかかわらずかれあいして、ワアニア、と愛嬌あいきょうもっんでいた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
子供こどもらはいろんなことをいって、議論ぎろんをしましたが、また、そんなことはわすれてしまって、みんなはあそびに夢中むちゅうになりました。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
どんな学校がよいかは議論ぎろんがあり得るけれども、正直に実状じつじょうを考えると、どうも子供のために格段の幸福こうふくがあるらしい。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
東京とうきやう仕事しごと如何どうです。新聞しんぶん毎々まい/\難有ありがたう、續々ぞく/\面白おもしろ議論ぎろんますなア』と先生せんせいぼくかほるやくちひらきました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
築城試合ちくじょうじあいも、じっさいに縄取なわどりの早さでも腕競うでくらべしてくれればありがたいが、議論ぎろんだけでは吾人ごじんには少しむずかしぎてかたがはるぞ、という顔つき。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はじめに寺などへ群居よりあひて狂言をさだめてのち、それ/\の役を定む。此群居よりあひ議論ぎろん紛々ふん/\として一度にてはたしたる㕝なし。
と、いつのまにか、すみの方で議論ぎろんめいた口調で話すものがありましたので、一同は、言いあわせたように、口をつぐんで、その議論ぎろんに耳をかたむけました。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
ところが「和解」丈けは、氏としては珍らしい程の長篇ちやうへんであり、亦、構圖こうづ表現へうげんの點に多少のなんがある爲めに、それに就ていろ/\の議論ぎろんを聞きました。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
もとわたし対岸むかうに大きな柳のつて、其処そこ脱衣婆ばあさんて、亡者まうじや衣服きものをふんばいて、六道銭だうせんを取つてましたが、わたしはいけないといふ議論ぎろんがありました
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
死刑しけいをば十ぶん利用りようしなければならぬといふ議論ぎろんてさせ、着々ちやく/\それを實行じつかうしようとした。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
巡査じゅんさの答えは、議論ぎろん必要ひつようはない、ただだまってわたしたちは服従ふくじゅうすればいいというのであった。
議論ぎろん上下じやうげするも大きいが、おたがひはなし数年前すうねんまえよりは真面目まじめつた、さて話をして見ると、山田やまだは文章をつて立たうと精神せいしんわたし同断どうだんだ、わたしこのこゝろざしいだいたのは
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それにまた理窟りくつで自分をやりこめるほどゴットフリートが利口りこうだなどとは、思いもよらないことだった。かれはやり返してやる議論ぎろん悪口あっこうを考えたが、思いあたらなかった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
それからぼくたちの心がいいとかわるいとか議論ぎろんするだろう。そして勝負しょうぶがつかないだろう。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
三人が議論ぎろんをしているあいだに、他の少年たちはもう上陸の準備じゅんびにとりかかった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
次郎君は議論ぎろんしていた日には自分が負けだと思って口をつぐんでしまいました。
決闘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
むずかしい議論ぎろんがはじまったり、ときには、大学だいがく教室きょうしつをそのまま、先生が学生をつれてこられて、そこで講義こうぎがつづけられることがあって、ほんとうに、きもちのいいはたらきばしょだった。
ラクダイ横町 (新字新仮名) / 岡本良雄(著)
銘々めい/\勝手かつてわかつた々々と自分じぶん議論ぎろん都合つがふはうにのみくばつて、がう學術的研究がくじゆつてきけんきうおこなはれず、一ぱうあとから彌生式やよひしき混入こんにふしたとひ、一ぱうは、いなしからずとひ。水掛論みづかけろんをはつてしまつた。
そこあいちやんは隨分かなりながあひだローリーてう議論ぎろんをしました、ローリーてうつひにはしぶつらしてねて背中せなかけて、『わたしはおまへより年上としうへだよ、わたしはうつてる』とたゞつたばかりなので
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
お父さんはいつも議論ぎろんをやつてゐるんだなあ
わたしたちは、もう、おんばこで相撲すもうることなどは、わすれてしまって、おばさんのいったことが、ほんとうかと議論ぎろんしました。
草原の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それでどうてつふたつのうち、いづれかゞ使用しようされることになりましたが、はたしてどちらがさき使用しようされたかについてはいまなほ議論ぎろんがあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
で、わたくしはうとおもふのは、貴方あなたわたくしとが思想しさうするもの、相共あひとも思想しさうしたり、議論ぎろんたりするちからるものとみとめてゐるといふことです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
はじめに寺などへ群居よりあひて狂言をさだめてのち、それ/\の役を定む。此群居よりあひ議論ぎろん紛々ふん/\として一度にてはたしたる㕝なし。
従来じゅうらい築城試合ちくじょうじあいがさきであったが、ゆみ兵家へいか表道具おもてどうぐ、これがほんとだという意見いけんがある、あまり信玄しんげん遺風いふうをまねているのは、徳川家とくがわけとしても権威けんいにかかわるという議論ぎろんがあって
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その一つ一つにちがった特質とくしつがあった。色の赤いのもあったし、白いのもあった。もちろんそんなことがいちいちマチアとわたしとの間に議論ぎろんをひき起こした。やがて獣医じゅういがやって来た。
とき神學しんがく議論ぎろんまであらはれて一しきりはシガーのけむ熢々濛々ぼう/\もう/\たるなかろくしち人面じんめん隱見いんけん出沒しゆつぼつして、甲走かんばしつた肉聲にくせい幾種いくしゆ一高一低いつかういつてい縱横じゆうわうみだれ、これにともな音樂おんがくはドスンとたくおと
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それ/″\の作家さくかに就て度毎たびごとに議論をし合ひますが、三人の意見が、例へば前に擧げた四つの作では完全くわんぜんに一して居ながら「和解」に於ては全くちがつてゐて、今でもまだ議論ぎろんをし合ひます。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
いまはたれだってそれをうたがやしない。実験じっけんしてみるとほんとうにそうなんだから。けれどもむかしはそれを水銀すいぎんしおでできているとったり、水銀すいぎん硫黄いおうでできているとったりいろいろ議論ぎろんしたのだ。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
で、わたくしおうとおもうのは、貴方あなたわたくしとが思想しそうするもの、相共あいとも思想しそうしたり、議論ぎろんをしたりするちからがあるものとみとめているということです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかし、どうしてかようなかたちつか出來できたかといふことについては、種々しゆ/″\議論ぎろんもありますが、どうもはつきりはわかりません。(第五十一圖だいごじゆういちずした
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
星晴ほしばれのしたさむそらに、二つはたかあたまをもたげていましたが、このあさ昨日きのうどちらの工場こうじょう汽笛きてきはやったかということについて、議論ぎろんをしました。
ある夜の星たちの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人びとはその仕事を仕上げるにどのくらいかかるかというとりとめのない議論ぎろんを始めた。結局けっきょくすくなくともこのはかの中にこの後八日ははいっていなければならないことに意見が一致いっちした。八日。
もう、ぜひの議論ぎろんにはおよばない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かかる議論ぎろんにまるでこころあっしられたアンドレイ、エヒミチはついさじげて、病院びょういんにも毎日まいにちかよわなくなるにいたった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
なかにはこのふねさえてしまおうというもの、とどたほうがいいというもの、またはすぐにこのみなとからいたててしまったほうがいいというもので議論ぎろんはもめたのでした。
カラカラ鳴る海 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かゝ議論ぎろん全然まるでこゝろあつしられたアンドレイ、エヒミチはつひさじげて、病院びやうゐんにも毎日まいにちかよはなくなるにいたつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
にいさんたちは、こののち、ペスをどうしてかばってやったらいいかと議論ぎろんをしました。
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
『では一つ哲學てつがく議論ぎろんでもおんなさい。』と、イワン、デミトリチは冷笑れいせうする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)