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暗夜
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あんや
ふりがな文庫
“
暗夜
(
あんや
)” の例文
螢
(
ほたる
)
、
淺野川
(
あさのがは
)
の
上流
(
じやうりう
)
を、
小立野
(
こだつの
)
に
上
(
のぼ
)
る、
鶴間谷
(
つるまだに
)
と
言
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
、
今
(
いま
)
は
知
(
し
)
らず、
凄
(
すご
)
いほど
多
(
おほ
)
く、
暗夜
(
あんや
)
には
螢
(
ほたる
)
の
中
(
なか
)
に
人
(
ひと
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
るばかりなりき。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
白井は女の背をさすりながら
暗夜
(
あんや
)
の空を仰ぎ、しみ/″\一人前の文学者になり、原稿料でこの女と二人新しい生活をしたらばと思ふ
来訪者
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
雪下
(
ゆきふる
)
事
盛
(
さかん
)
なる
時
(
とき
)
は、
積
(
つも
)
る雪家を
埋
(
うづめ
)
て雪と
屋上
(
やね
)
と
均
(
ひとし
)
く
平
(
たひら
)
になり、
明
(
あかり
)
のとるべき処なく、
昼
(
ひる
)
も
暗夜
(
あんや
)
のごとく
燈火
(
ともしび
)
を
照
(
てら
)
して家の内は
夜昼
(
よるひる
)
をわかたず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
爺は後生が恐ろしいと申すが、
彼岸
(
ひがん
)
に往生しょうと思う心は、それを
暗夜
(
あんや
)
の
燈火
(
ともしび
)
とも頼んで、この世の無常を忘れようと思う心には変りはない。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
このヘリコプターには、精巧なレーダー装置がついていたから、その着陸場を探し求めて、無事に
暗夜
(
あんや
)
の着陸をやりとげることは、わけのないことだった。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
寧
(
むし
)
ろ
好奇
(
ものずき
)
ではあるが
暗夜
(
あんや
)
の
甲板
(
かんぱん
)
に
出
(
い
)
でゝ、
暫時
(
しばし
)
新鮮
(
しんせん
)
の
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれんと
私
(
わたくし
)
は
唯
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
で
後部甲板
(
こうぶかんぱん
)
に
出
(
で
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼
(
かれ
)
は
勘次
(
かんじ
)
の
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
荒繩
(
あらなは
)
が
手
(
て
)
に
在
(
あ
)
つたことを
心
(
こゝろ
)
づいた
時
(
とき
)
、
柹
(
かき
)
の
木
(
き
)
の
低
(
ひく
)
い
枝
(
えだ
)
にそれを
引掛
(
ひつか
)
けようとして
投
(
な
)
げた。
彼
(
かれ
)
の
不自由
(
ふじいう
)
な
手
(
て
)
は
暗夜
(
あんや
)
に
其
(
そ
)
の
目的
(
もくてき
)
を
遂
(
と
)
げさせなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
去
(
さり
)
にける不仕合せも
續
(
つゞ
)
けば續くものにて
惣領
(
そうりやう
)
の松吉も
風邪
(
かぜ
)
の心地とて打臥しが是も程なく
冥土
(
よみぢ
)
の客となりしかば跡に殘りし母と
嫁
(
よめ
)
の悲歎云うばかりなく涙に
暮果
(
くれはて
)
暗夜
(
あんや
)
に
燈火
(
ともしび
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
暗夜
(
あんや
)
の空を一
文字
(
もんじ
)
にかけり、いまや三
角
(
かく
)
戦
(
せん
)
のまっ
最中
(
さいちゅう
)
である
人穴城
(
ひとあなじょう
)
の真上まで飛んできた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんなに
大
(
おお
)
きくもなかったが、
黒
(
くろ
)
い
船
(
ふね
)
で一そう
浪
(
なみ
)
にもまれて、いまにも
沈
(
しず
)
みかかっていたのを
見
(
み
)
ました。けれど
暗夜
(
あんや
)
のことで、それにあの
大暴風雨
(
だいぼうふうう
)
ではどうすることもできなかった。
カラカラ鳴る海
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
〔譯〕一
燈
(
とう
)
を
提
(
ひつさ
)
げて、
暗夜
(
あんや
)
を行く。暗夜を
憂
(
うれ
)
ふる勿れ、只だ一
燈
(
とう
)
を
頼
(
たの
)
め。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
逃れたのは嬉しいが、
扨
(
さて
)
其先
(
そのさき
)
に
種々
(
いろいろ
)
の困難が
横
(
よこた
)
わっていた。
路
(
みち
)
は
屡々
(
しばしば
)
記す通りの
難所
(
なんじょ
)
である、
加之
(
しか
)
も
細雨
(
こさめ
)
ふる
暗夜
(
あんや
)
である。
不知案内
(
ふちあんない
)
の女が暗夜に
此
(
こ
)
の難所を越えて、
恙
(
つつが
)
なく里へ出られるであろうか。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
康頼 重盛に秘して、
暗夜
(
あんや
)
に
刺客
(
しかく
)
を
忍
(
しの
)
び込ませましたか。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
暗夜
(
あんや
)
を照らす不斷の燈
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
原口
(
はらぐち
)
の
瀧
(
たき
)
、いはれあり、
去
(
さん
)
ぬる
八日
(
やうか
)
大雨
(
たいう
)
の
暗夜
(
あんや
)
、十
時
(
じ
)
を
過
(
す
)
ぎて
春鴻子
(
しゆんこうし
)
來
(
きた
)
る、
俥
(
くるま
)
より
出
(
い
)
づるに、
顏
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
慘
(
いたま
)
しく
濡
(
ぬ
)
れ
漬
(
ひた
)
りて、
路
(
みち
)
なる
大瀧
(
おほたき
)
恐
(
おそろ
)
しかりきと。
逗子だより
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此時はかならず
暴風
(
はやて
)
力をそへて粉に
砕
(
くだき
)
たる
沙礫
(
こじやり
)
のごとき雪を
飛
(
とば
)
せ、白日も
暗夜
(
あんや
)
の如くその
慄
(
おそろ
)
しき事
筆帋
(
ひつし
)
に
尽
(
つく
)
しがたし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
渡
(
わた
)
りに
船
(
ふね
)
を
得
(
え
)
たるが如く
暗夜
(
あんや
)
にともし火を
得
(
え
)
たるが如なり
將
(
はた
)
經文
(
きやうもん
)
の心を
得
(
え
)
たるが如く也此
經文
(
きやうもん
)
の心にて見ればうゑたるもの
食
(
しよく
)
を得たるか
旅人
(
りよじん
)
のこめなればひとへに
裸
(
はだか
)
なる者
衣類
(
いるゐ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
想
(
おも
)
ふに
大佐
(
たいさ
)
は
暗夜
(
あんや
)
に
乘
(
じよう
)
じて、
竊
(
ひそ
)
かに
其
(
その
)
部下
(
ぶか
)
を
引連
(
ひきつ
)
れ
本邦
(
ほんぽう
)
をば
立去
(
たちさ
)
りしものならん、
此事
(
このこと
)
は
海軍部内
(
かいぐんぶない
)
に
於
(
おい
)
ても
極
(
きは
)
めて
秘密
(
ひみつ
)
とする
處
(
ところ
)
にして、
何人
(
なんぴと
)
も
其
(
その
)
行衞
(
ゆくえ
)
を
知
(
し
)
る
者
(
もの
)
なし、
只
(
たゞ
)
心當
(
こゝろあた
)
りとも
云
(
い
)
ふ
可
(
べ
)
きは
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
先任将校は
欄干
(
らんかん
)
につかまったまま、
暗夜
(
あんや
)
の海上をすかしてみました。
太平洋雷撃戦隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あたかも、
暗夜
(
あんや
)
に見うしなった肉親の姿でも見つけたように——
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
次第に
積
(
つもり
)
たる雪
所
(
ところ
)
として雪ならざるはなく、
雪光
(
せつくわう
)
暗夜
(
あんや
)
を
照
(
てら
)
して水の
流
(
ながる
)
るありさま、おそろしさいはんかたなし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と
高
(
たか
)
く
低
(
ひく
)
く、
声々
(
こゑ/″\
)
に
大沼
(
おほぬま
)
のひた/\と
鳴
(
な
)
るのが
交
(
まざ
)
つて、
暗夜
(
あんや
)
を
刻
(
きざ
)
んで
響
(
ひゞ
)
いたが、
雲
(
くも
)
から
下
(
お
)
りたか、
水
(
みづ
)
から
湧
(
わ
)
いたか、
沼
(
ぬま
)
の
真中
(
まんなか
)
あたりへ
薄
(
うす
)
い
煙
(
けむり
)
が
朦朧
(
もうろう
)
と
靡
(
なび
)
いて
立
(
た
)
つ……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ト
暗夜
(
あんや
)
の
如
(
ごと
)
き
山懐
(
やまふところ
)
を、
桜
(
さくら
)
の
花
(
はな
)
は
矢
(
や
)
を
射
(
ゐ
)
るばかり、
白
(
しろ
)
い
雨
(
あめ
)
と
散
(
ち
)
り
灌
(
そゝ
)
ぐ。
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
をくわつと
輝
(
かゞや
)
く、
電光
(
いなびかり
)
の
縫目
(
ぬいめ
)
から
空
(
そら
)
を
破
(
やぶ
)
つて
突出
(
つきだ
)
した、
坊主
(
ばうず
)
の
面
(
つら
)
は
物凄
(
ものすさま
)
しいものである……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
暗夜
(
あんや
)
にその玉の入りたる箱の内ばかり白きやうに見えなば金五十両にもとむべし、又その玉にて闇夜に大なる文字一字にても
読
(
よみ
)
えられなば金百両にもとむべし、又
書状
(
しよぢやう
)
よむほどならば三百金
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と
背後
(
うしろ
)
から
視
(
なが
)
めて
意気
(
いき
)
昂
(
あが
)
つて、
腕
(
うで
)
を
拱
(
こまぬ
)
いて、
虚空
(
こくう
)
を
睨
(
にら
)
んだ。
腰
(
こし
)
には、
暗夜
(
あんや
)
を
切
(
き
)
つて、
直
(
たゞ
)
ちに
木像
(
もくざう
)
の
美女
(
たをやめ
)
とすべき、
一口
(
ひとふり
)
の
宝刀
(
ほうたう
)
を
佩
(
お
)
びたる
如
(
ごと
)
く、
其
(
そ
)
の
威力
(
ゐりよく
)
に
脚
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
胸
(
むね
)
を
反
(
そ
)
らした。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
憤慨と、軽侮と、
怨恨
(
えんこん
)
とを満たしたる、視線の赴くところ、
麹
(
こうじ
)
町一番町英国公使館の
土塀
(
どべい
)
のあたりを、柳の木立ちに隠見して、角燈あり、南をさして行く。その光は
暗夜
(
あんや
)
に怪獣の
眼
(
まなこ
)
のごとし。
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
アツといつて、むつくと
起
(
お
)
き、
外套
(
ぐわいたう
)
を
頭
(
あたま
)
から、
硝子戸
(
がらすど
)
へひつたりと
顏
(
かほ
)
をつけた。——
之
(
これ
)
だと、
暗夜
(
あんや
)
の
野
(
の
)
も
山
(
やま
)
も、
朦朧
(
もうろう
)
として
孤家
(
ひとつや
)
の
灯
(
ともしび
)
も
透
(
す
)
いて
見
(
み
)
える。……
一
(
ひと
)
つお
覺
(
おぼ
)
え
遊
(
あそ
)
ばしても、
年内
(
ねんない
)
の
御重寶
(
ごちようはう
)
。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“暗夜”の意味
《名詞》
光のない暗い夜。
(出典:Wiktionary)
暗
常用漢字
小3
部首:⽇
13画
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
“暗夜”で始まる語句
暗夜行
暗夜白狐退治事