トップ
>
手元
>
てもと
ふりがな文庫
“
手元
(
てもと
)” の例文
さて
引金
(
ひきがね
)
を引きたれども火
移
(
うつ
)
らず。
胸騒
(
むなさわ
)
ぎして銃を検せしに、
筒口
(
つつぐち
)
より
手元
(
てもと
)
のところまでいつのまにかことごとく土をつめてありたり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
御身
(
おんみ
)
も
知
(
し
)
るとおり、こちらの
世界
(
せかい
)
では
心
(
こころ
)
の
純潔
(
じゅんけつ
)
な、
迷
(
まよ
)
いの
少
(
すく
)
ないものはそのまま
側路
(
わきみち
)
に
入
(
い
)
らず、すぐに
産土神
(
うぶすなのかみ
)
のお
手元
(
てもと
)
に
引
(
ひ
)
きとられる。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
下部
(
かぶ
)
の
貝塚
(
かひづか
)
が、
普通
(
ふつう
)
ので、
其上
(
そのうへ
)
に
彌生式
(
やよひしき
)
の
貝塚
(
かひづか
)
が
重
(
かさ
)
なつて
居
(
ゐ
)
るとか、たしかそんな
事
(
こと
)
であつた。
今
(
いま
)
雜誌
(
ざつし
)
が
手元
(
てもと
)
に
無
(
な
)
いので
委
(
くは
)
しくは
記
(
しる
)
されぬ。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
因果の尽くるとき、彼と吾らの間にふっと音がして、彼一人は
否応
(
いやおう
)
なしに運命の
手元
(
てもと
)
まで
手繰
(
たぐ
)
り寄せらるる。残る吾らも
否応
(
いやおう
)
なしに残らねばならぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
然
(
しか
)
し
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
のお
糸
(
いと
)
の
家
(
うち
)
はさほどに困つても
居
(
ゐ
)
なかつたし、第一に
可愛
(
かあい
)
い
盛
(
さかり
)
の子供を手放すのが
辛
(
つら
)
かつたので、親の
手元
(
てもと
)
でせいぜい芸を仕込ます事になつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
七歳の時から感應院の
手元
(
てもと
)
で
育
(
そだ
)
ち殊には
利發
(
りはつ
)
で
愛敬者
(
あいきやうもの
)
なり誰か
違背
(
いはい
)
すべき
孰
(
いづれ
)
も其儀然るべしと
相談
(
さうだん
)
爰
(
こゝ
)
に決したり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかし手島が渋江氏を
訪
(
と
)
うて、お
手元
(
てもと
)
不如意
(
ふにょい
)
のために、
今年
(
こんねん
)
は返金せられぬということが数度あって、維新の年に至るまでに、還された金は
些
(
すこし
)
ばかりであった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
其時
(
そのとき
)
には
頑固
(
ぐわんこ
)
な
教頭自身
(
けうとうじしん
)
もモウ
好
(
い
)
い
加減不安
(
かげんふあん
)
を
感
(
かん
)
じてゐたのだから、お
前
(
まへ
)
までがソウ
云
(
い
)
ふならと
云
(
い
)
ふ
樣
(
やう
)
な
譯
(
わけ
)
で、それをキツカケにして
早速
(
さつそく
)
校長
(
かうちやう
)
の
手元
(
てもと
)
に
辭表
(
じへう
)
を
出
(
だ
)
した。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
(
父親
(
ちやん
)
は
何故
(
なぜ
)
魚
(
さかな
)
を
食
(
た
)
べないのだらう、)とおもひながら
膝
(
ひざ
)
をついて、
伸上
(
のびあが
)
つて、
鋸
(
のこぎり
)
を
手元
(
てもと
)
に
引
(
ひ
)
いた。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
乳母
(
うば
)
めに、
情
(
じゃう
)
が
燃
(
も
)
えてゐたら、
若
(
わか
)
い
温
(
あたゝ
)
かい
血
(
ち
)
があったら、テニスの
球
(
たま
)
のやうに、
予
(
わし
)
が
吩咐
(
いひつ
)
くるや
否
(
いな
)
や
戀人
(
こひゞと
)
の
許
(
とこ
)
へ
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
き、また
戀人
(
こひゞと
)
の
返辭
(
へんじ
)
と
共
(
とも
)
に
予
(
わし
)
の
手元
(
てもと
)
へ
飛返
(
とびかへ
)
って
來
(
き
)
つらうもの。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
誰
(
たれ
)
が
思
(
がも
)
ひにか
比
(
ひ
)
す
螢
(
ほたる
)
一
ツ
風
(
かぜ
)
にたゞよひて
只
(
たゞ
)
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
、いと
子
(
こ
)
及
(
およ
)
ぶまじと
知
(
し
)
りても
只
(
たゞ
)
は
有
(
あ
)
られず、ツト
團扇
(
うちわ
)
を
高
(
たか
)
くあぐればアナヤ
螢
(
ほたる
)
は
空遠
(
そらとほ
)
く
飛
(
と
)
んで
手元
(
てもと
)
いかゞ
緩
(
ゆ
)
るびけん、
團扇
(
うちわ
)
は
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
垣
(
がき
)
越
(
こ
)
えて
落
(
お
)
ちぬ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
俺
(
わし
)
は
古
(
ふる
)
くからこの
瀑布
(
たき
)
を
預
(
あず
)
かっている
老人
(
としより
)
の
竜神
(
りゅうじん
)
じゃが、
此度
(
このたび
)
縁
(
えん
)
あって
汝
(
そなた
)
を
手元
(
てもと
)
に
預
(
あず
)
かることになって
甚
(
はなは
)
だ
歓
(
よろこ
)
ばしい。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
凡
(
すべ
)
てを
差
(
さ
)
し
引
(
ひ
)
いて
手元
(
てもと
)
に
殘
(
のこ
)
つた
有金
(
ありがね
)
は、
約
(
やく
)
二千
圓
(
ゑん
)
程
(
ほど
)
のものであつたが、
宗助
(
そうすけ
)
は
其内
(
そのうち
)
の
幾分
(
いくぶん
)
を、
小六
(
ころく
)
の
學資
(
がくし
)
として、
使
(
つか
)
はなければならないと
氣
(
き
)
が
付
(
つ
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
自由には
取扱
(
とりあつか
)
ひ難く殊に
只今
(
たゞいま
)
手元
(
てもと
)
には一兩の金も是無しと云と雖も三五郎は
遙々
(
はる/″\
)
是迄
(
これまで
)
來りしゆゑ何卒
貸
(
か
)
し
呉
(
くれ
)
よと申に段右衞門
我等
(
われら
)
今
(
いま
)
は
別
(
べつ
)
に
金儲
(
かねまう
)
けも無れば是非もなしと
斷
(
ことわ
)
るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さゝ
身
(
み
)
の
煮
(
に
)
くたらしを、ほう/\と
吹
(
ふ
)
いてうまがつて、
燒豆府
(
やきどうふ
)
ばかりを
手元
(
てもと
)
へ
取込
(
とりこ
)
み、
割前
(
わりまへ
)
の
時
(
とき
)
は、
鍋
(
なべ
)
の
中
(
なか
)
の
領分
(
りやうぶん
)
を、
片隅
(
かたすみ
)
へ、
群雄割據
(
ぐんゆうかつきよ
)
の
地圖
(
ちづ
)
の
如
(
ごと
)
く
劃
(
しき
)
つて、
眞中
(
まんなか
)
へ
埋
(
うめ
)
た
臟
(
ざう
)
もつを
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時
(
とき
)
なる
哉
(
かな
)
松澤
(
まつざは
)
はさる
歳
(
とし
)
商法上
(
しやうはふじやう
)
の
都合
(
つがふ
)
に
依
(
よ
)
り
新田
(
につた
)
より
一時
(
いちじ
)
借
(
か
)
り
入
(
い
)
れし
二千許
(
にせんばかり
)
の
金
(
かね
)
ことしは
既
(
すで
)
に
期限
(
きげん
)
ながら
一兩年
(
いちりやうねん
)
引
(
ひき
)
つゞきての
不景氣
(
ふけいき
)
に
流石
(
さすが
)
の
老舖
(
しにせ
)
も
手元
(
てもと
)
豐
(
ゆた
)
かならず
殊
(
こと
)
に
織元
(
おりもと
)
その
外
(
ほか
)
にも
仕拂
(
しはら
)
ふべき
金
(
かね
)
いと
多
(
おほ
)
ければ
新田
(
につた
)
は
親族
(
しんぞく
)
の
間柄
(
あひだがら
)
なり
且
(
かつ
)
は
是迄
(
これまで
)
我
(
わ
)
が
方
(
かた
)
より
立
(
たて
)
かへし
分
(
ぶん
)
も
少
(
すくな
)
からねばよもや
事情
(
じじやう
)
打
(
うち
)
あけて
延期
(
えんき
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御米
(
およね
)
は
又
(
また
)
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
つて、
洋燈
(
らんぷ
)
を
手
(
て
)
にした
儘
(
まゝ
)
、
間
(
あひ
)
の
襖
(
ふすま
)
を
開
(
あ
)
けて
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
へ
出
(
で
)
た。
暗
(
くら
)
い
部屋
(
へや
)
が
茫漠
(
ぼんやり
)
手元
(
てもと
)
の
灯
(
ひ
)
に
照
(
て
)
らされた
時
(
とき
)
、
御米
(
およね
)
は
鈍
(
にぶ
)
く
光
(
ひか
)
る
箪笥
(
たんす
)
の
環
(
くわん
)
を
認
(
みと
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
母
(
はは
)
などは、
他
(
ほか
)
の
多
(
おお
)
くの
人達
(
ひとたち
)
と
同
(
おな
)
じく、こちらに
参
(
まい
)
ってから、
産土神様
(
うぶすなのかみさま
)
のお
手元
(
てもと
)
で、ある一
室
(
しつ
)
を
宛
(
あ
)
てがわれ、そこで
静
(
しず
)
かに
修行
(
しゅぎょう
)
をつづけているだけなのです……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
賣
(
うつ
)
たなどと云れては此長兵衞が
面目
(
めんぼく
)
なし如何にも
捨
(
すて
)
ては置れぬことなら
最初
(
さいしよ
)
より
斯樣
(
かやう
)
々々の
譯也
(
わけなり
)
と
咄
(
はな
)
しもあれば
假令
(
たとへ
)
手元
(
てもと
)
に金は
無
(
なく
)
ても廿五兩位の金は何れとも
融通
(
ゆうづう
)
は出來る者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一層
(
いつそ
)
の事
無
(
な
)
ければ
無
(
な
)
いなりに、
何
(
ど
)
うか
斯
(
か
)
うか
工面
(
くめん
)
も
付
(
つ
)
いたかも知れないが、なまじい、
手元
(
てもと
)
に
有
(
あ
)
つたものだから、
苦
(
くる
)
し
紛
(
まぎ
)
れに、
急場
(
きうば
)
の
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
はして仕舞つたので、肝心の証書を入れた
借銭
(
しやくせん
)
の方は
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
元
常用漢字
小2
部首:⼉
4画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭