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こ
ふりがな文庫
“
小
(
こ
)” の例文
いい
塩梅
(
あんばい
)
に
小
(
こ
)
半月ばかりは何事もないので、少し安心する間もなく、六日前にまた一人、今度は日本人が行くえ不明になったんです。
麻畑の一夜
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あくる
朝
(
あさ
)
、
勇吉
(
ゆうきち
)
は、
起
(
お
)
きて
小
(
こ
)
ぶりになった
庭
(
にわ
)
を
見
(
み
)
ると、とんぼは、ぬれながら、じっとして、やはり
同
(
おな
)
じところに
止
(
と
)
まっていました。
雲のわくころ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
入江の出口から右の方に長く続いている
小
(
こ
)
が
崎
(
さき
)
の
端
(
はし
)
が突き出ている、その先きの小島に波が白く砕け始めるようになって来ました。
少年と海
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
この時は
小
(
こ
)
一時間も話した。駄洒落で執達吏を
煙
(
けむ
)
に巻く花痩が同席していたから、眉山も元気に
噪
(
はしゃ
)
いで少しもシンミリしなかった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
しかたがありませんから、その中に
入
(
はい
)
って、
雨
(
あめ
)
の
小
(
こ
)
やみになるのを
待
(
ま
)
っているうちに、いつか
日
(
ひ
)
はとっぷりくれてしまいました。
瘤とり
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
神田伯山
(
かんだはくざん
)
扇
(
おうぎ
)
を叩けば聴客『
清水
(
しみず
)
の
治郎長
(
じろちょう
)
』をやれと叫び、
小
(
こ
)
さん高座に
上
(
のぼ
)
るや『睨み返し』『鍋焼うどん』を願ひますとの声
頻
(
しきり
)
にかかる。
一夕
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
こ暗い
雑木林
(
マッキオ
)
の中にかすかに切り開かれた『
蛇の道
(
セキエール
)
』をくぐり抜け、黒柳の生えた大きな谷の縁を
小
(
こ
)
半日も廻って行くのである。
ノンシャラン道中記:05 タラノ音頭 ――コルシカ島の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
漆間
(
うるしま
)
小
(
こ
)
四郎
綱高
(
つなたか
)
は、こんど十七歳での出陣だった。初陣ではなく、何度かの合戦で、いつも敵の強豪を打ち、足利勢のうちでも
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まあ相手がまだ
小
(
こ
)
んまいせに話が聞けるわけでもなし、十分わかりませんけど、だいたい二メートルぐらい見えるげなようです。
大根の葉
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
一休
(
いっきゅう
)
さんや
小
(
こ
)
ぞうたちは しょうじの かげに かおを あつめて、じっと じくさいさんの ようすを のぞいていました。
一休さん
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
旦「松源てえば
彼処
(
あすこ
)
で五六
度
(
たび
)
呼んだ
小
(
こ
)
しめだのおいとだのと云う
好
(
い
)
い芸者の
中
(
うち
)
で、年若の何とか云ったッけ、
美代
(
みよ
)
ちゃんかえ」
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その時分はまだ一個の
荘
(
そう
)
、家も
小
(
こ
)
二十軒あったのが、娘が来て一日二日、ついほだされて
逗留
(
とうりゅう
)
した五日目から大雨が
降出
(
ふりだ
)
した。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それを見送って「ファイン・プレイをよ」と八重子は、お
小
(
こ
)
しゃな声をかけます。わたくしは「済みません」と言いました。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
当時の
髪結床
(
かみゆいどこ
)
は、今のように
小
(
こ
)
ざっぱりしたものではなく、特にこういう源空寺門前といったような場末では、そりゃ、じじむさいものでした。
幕末維新懐古談:05 その頃の床屋と湯屋のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
市街の夜景を見て歩きたいと思つたが、最終の
小
(
こ
)
蒸汽が午後四時に出る外、その
後
(
のち
)
は一切出さないと云ふ窮屈な規定を憤慨しつつ本船に帰つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
スッカリ気に入るまでには
小
(
こ
)
一年もかかりまして、僕が生れると間もない翌年の春狂言にやっと間に合った位だそうです。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私も
小
(
こ
)
むずかしい事はなるべく言わずにすましたいのです。けれども兄さんを理解するためには、ぜひともそこへ触れて来なければなりません。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
七八
間先
(
けんさき
)
を
小
(
こ
)
きざみに
往
(
い
)
く
渋蛇
(
しぶじゃ
)
の
目
(
め
)
の
横
(
よこ
)
を、一
文字
(
もんじ
)
に
駆脱
(
かけぬ
)
けたのも
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
、やがて
踵
(
くびす
)
を
返
(
かえ
)
すと、
鬼
(
おに
)
の
首
(
くび
)
でも
取
(
と
)
ったように、
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
んで
駆
(
か
)
け
戻
(
もど
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
昼間または
中間
(
ちゅうかん
)
のマという言葉をはじめとし、ハシマも
小
(
こ
)
バサマもケンズイも、もとはすべて間食ということであった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
実際男にとつて、
女房
(
かない
)
の里方のおせつかい程
小
(
こ
)
うるさいものはないが、それを思ふと、村井氏が米国婦人を妻に迎へて帰つたのは悧巧な仕方だつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
もし、お
父
(
とう
)
さまが
生
(
い
)
きておられたら、おまえは、いまごろは、どこかのお
寺
(
てら
)
の
小
(
こ
)
ぞうさんになっているところだよ。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
我国の餅花は春なり。正月十四日までを
大
(
おほ
)
正月といひ、十五日より廿日までを
小
(
こ
)
正月といふ、是
我
(
わが
)
里俗の
習
(
ならは
)
せなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼は先ず一時預けの
小
(
こ
)
行李を受取ってから、駅の便所に入って例の変装をとりはずし、元の人見廣介に戻ると、その足で霊岸島の汽船発着所へと急ぎました。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
江戸は
本所
(
ほんじょ
)
の方に住んでおられました人で——本所という処は余り位置の高くない武士どもが多くいた処で、よく本所の
小
(
こ
)
ッ
旗本
(
ぱたもと
)
などと江戸の
諺
(
ことわざ
)
で申した位で
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
僕は
小
(
こ
)
えんの不しだらには、
呆
(
あき
)
れ返らざるを得ないと云った。しかし若槻の話を聞いている内に、だんだん僕を動かして来たのは、小えんに対する同情なんだ。
一夕話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
四
尺
(
しゃく
)
に足らぬ
小
(
こ
)
男にも、六
尺
(
しゃく
)
ちかい
大兵
(
だいひょう
)
にも、一
反
(
たん
)
の反物をもって不足もしなければあまりもせぬ。もっとも仕立の方法によりてはいかようにもなし得られる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
歩
(
ある
)
いた
道程
(
みちのり
)
は一
里
(
り
)
あまりでございましょうか、やがて一つの
奥深
(
おくふか
)
い
入江
(
いりえ
)
を
𢌞
(
まわ
)
り、二つ三つ
松原
(
まつばら
)
をくぐりますと、そこは
欝葱
(
うっそう
)
たる
森蔭
(
もりかげ
)
の
小
(
こ
)
じんまりとせる
別天地
(
べってんち
)
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
仕事
(
しごと
)
を
頼
(
たの
)
むの
何
(
なに
)
が
何
(
ど
)
うしたとか
小
(
こ
)
うるさく
這入込
(
はいりこ
)
んでは
前
(
まへ
)
だれの
半襟
(
はんえり
)
の
帶
(
おび
)
つ
皮
(
かは
)
のと
附屆
(
つけとゞけ
)
をして
御機嫌
(
ごきげん
)
を
取
(
と
)
つては
居
(
ゐ
)
るけれど、つひしか
喜
(
よろこ
)
んだ
挨拶
(
あいさつ
)
をした
事
(
こと
)
が
無
(
な
)
い
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
他
(
ほか
)
貝殼
(
かひがら
)
ばかりを
竝
(
なら
)
べた
貝類博物館
(
かひるいはくぶつかん
)
、
電氣
(
でんき
)
に
關
(
かん
)
するものを
竝
(
なら
)
べた
電氣博物館
(
でんきはくぶつかん
)
といふように、
陳列品
(
ちんれつひん
)
の
種類
(
しゆるい
)
は
大
(
おほ
)
わけにも
小
(
こ
)
わけにも
隨意
(
ずいい
)
に
區別
(
くべつ
)
することが
出來
(
でき
)
ます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
小
(
こ
)
さんの落語が半ばに至った時、春の日は暮懸っての命が長く、水を隔てゝ御蔵橋を駈下りる車にまだ
提灯
(
かんばん
)
は
点
(
つ
)
いて居なかったが、座敷にははや燭台の花が咲いて
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
「おい、すずの兵隊」と、その
小
(
こ
)
おには言いました。「そんなに、いつまでもながめているなよ」
すずの兵隊さん
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
さうして京都迄の
小
(
こ
)
一時間に所謂水上瀧太郎廢嫡問題なるものの由來を同氏によつて傳へられた。
貝殻追放:002 新聞記者を憎むの記
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
律師が立って行ったあとで、
小
(
こ
)
少将を呼んで、こうこうしたことを聞いたとまず御息所は言った。
源氏物語:39 夕霧一
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
今や
遲
(
おそ
)
しと待居たり既に其
日
(
ひ
)
も
暮近
(
くれちか
)
き頭一人
足輕
(
あしがる
)
八ツ
字蔦
(
じつた
)
と云字の
目引
(
めひき
)
に
紺
(
こん
)
の
看板
(
かんばん
)
着
(
き
)
たる
小
(
こ
)
者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「電車をおりて、十
丁
(
ちょう
)
ぐらいだと聞いたが、どうして
小
(
こ
)
一里もあるじゃないか、やれ、やれ」
藍瓶
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
小
(
こ
)
一里のぼるだよ。せば北村と近くなるべ。んでなえと
見
(
め
)
付かつたどき、うるせえべよ。」
防雪林
(旧字旧仮名)
/
小林多喜二
(著)
破
(
やぶ
)
れたシャツは
家
(
うち
)
に置いて
来
(
き
)
たから、今この
職務
(
しょくむ
)
に
忠実
(
ちゅうじつ
)
な
教育家
(
きょういくか
)
のこわばった手の動きにつれて、新しい
小
(
こ
)
ざっぱりしたシャツがさやさやと、かすかな
音
(
おと
)
を立てているのだ。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
さて
小
(
こ
)
一時間も経つたかとおもふころ、しきりに赤彦君を呼ぶこゑがする。それは不二子さんのこゑである。それから初瀬さんのこゑである。それから周介君のこゑである。
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
町から
小
(
こ
)
一里も行くとかの字港に出る、そこから船でつの字崎の浦まで海上五里、
夜
(
よ
)
のうちに乗って、
天明
(
あけがた
)
にさの字浦に着く、それから鹿狩りを初めるというのが手順であった。
鹿狩り
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
ところで汽車が発つと何うにも胸が収まらない。
例
(
いつも
)
よりは少し
小
(
こ
)
つ
酷
(
ぴど
)
く
譴
(
や
)
られたのでな。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
真正の彼岸ザクラすなわち Prunus subhirtella Miq. は
往時
(
むかし
)
から彼岸ザクラと称え、それ以外の名は
小
(
こ
)
ザクラがその一名であるように思われるけれど
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
そう云う場合には、お島はいつも荒れ馬のように暴れて、
小
(
こ
)
ッぴどく男の手顔を引かくか、さもなければ人前でそれを
素破
(
すっぱ
)
ぬいて
辱
(
はじ
)
をかかせるかして、自ら
悦
(
よろこ
)
ばなければ止まなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
乳母と云ふ鏡子の望む方の事は月に
小
(
こ
)
二十円の
費
(
かゝ
)
りが入ると云ふので靜の
恩家
(
おんか
)
への遠慮で実行する事が出来ずに、里へ預ける事になつた時、
未
(
ま
)
だ産後十七日
位
(
ぐらゐ
)
の
身体
(
からだ
)
で神田の小川町へ
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
勘定奉行は重任だ、大蔵卿だからな。
公卿
(
くげ
)
の大蔵卿は名前倒れの看板だが、傾きかけた幕府の大台所を一手に
賄
(
まかな
)
う役目は重いよ、辛いよ。
小
(
こ
)
っ
旗本
(
ぱたもと
)
の家にしてからが、勘定方は辛いぞ。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
子供なんかも、へんに
小
(
こ
)
ましゃくれて、素直な元気なところが、ちっともない。
女生徒
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「円枝は、若えから無理もねえが、
小
(
こ
)
うるせえ話しぶりでごぜえますね。」
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
これ
山川
(
さんせん
)
風土
(
ふうど
)
氣候等
(
きこうとう
)
、
地理的關係
(
ちりてきくわんけい
)
の
然
(
しか
)
らしむる
所
(
ところ
)
であつて、
凡
(
すべ
)
てのものは
小
(
こ
)
じんまりとして
居
(
を
)
り、
隨
(
したが
)
つて
化物
(
ばけもの
)
も
皆
(
みな
)
小規模
(
せうきも
)
である。
希臘
(
ぎりしや
)
の
神
(
かみ
)
は
皆
(
みな
)
人間
(
にんげん
)
で
僅
(
はづか
)
にお
化
(
ばけ
)
はあるが、
怖
(
こわ
)
くないお
化
(
ばけ
)
である。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
さればといって
家
(
うち
)
での取扱いが変ったのではない。相変らず書生扱にされて、
小
(
こ
)
ッ
甚
(
ぴど
)
くコキ使われ、果は下女の担任であった靴磨きをも私の役に振替えられて了った。無論其時は私は憤激した。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
此
(
こ
)
の
日
(
ひ
)
も
周三
(
しうざう
)
は、
畫架
(
ぐわか
)
に
向
(
むか
)
ツて、
何
(
どう
)
やらボンヤリ
考込
(
かんがへこ
)
むでゐた。モデルに
使
(
つか
)
ツてゐる
彼
(
かれ
)
の
所謂
(
いわゆる
)
『
平民
(
へいみん
)
の
娘
(
むすめ
)
』は、
小
(
こ
)
一
時間
(
じかん
)
も
前
(
まへ
)
に
歸
(
かへ
)
ツて
行
(
い
)
ツたといふに、周三は
尚
(
ま
)
だ畫架の前を
動
(
うご
)
かずに考へてゐる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
磯長
(
しなが
)
の
小
(
こ
)
ゆるぎの浜、この浜や荒浪高し。この夜ごろいよいよ高し。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“小”の意味
《名詞》
(ショウ)ちいさいこと。
(出典:Wiktionary)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
“小”を含む語句
小便
小女
小刀
小屋
小僧
小路
小児
小舟
小童
小人
小竹
矮小
小兒
小娘
小角
小波
小野
小説
小婢
小字
...