夕焼ゆうや)” の例文
旧字:夕燒
あくるから、日暮ひぐがたになって夕焼ゆうやけが西にしそらいろどるころになると、三郎さぶろうほうへとあこがれて、ともだちのれからはなれてゆきました。
空色の着物をきた子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ゆめからさめた平三へいぞうは、ぼんやりとして、そとをながめました。めずらしく、よくそられて、夕焼ゆうやけが赤々あかあかゆき平野へいやをそめていました。
赤いガラスの宮殿 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夕焼ゆうやけはいくたびとなく、うみのかなたのそらめてしずみました。少女おとめ岩角いわかどって、なみだながらにそれをながめたのでありました。
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それですか、西にしあか夕焼ゆうやけのするくにです。毎日まいにち、あなたはそのほうるでしょう。いつもそのほうると、愉快ゆかいにはなりませんか。」
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
ことにさんらんとして夕焼ゆうやけのする晩方ばんがたなどに、あざやかといってもいいくらい、はっきりと、なつかしいあにこえをきくことがあります。
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このかみになんでも、おまえさんがたのしいとおもうものをいて、夕焼ゆうやけのした晩方ばんがたうみながせば、れることができる。
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうどれかかって夕焼ゆうやけのあかくもしずかないけみずうえうつっていました。いけ周囲しゅういにはうつくしいはなが、しろむらさきいていました。
空色の着物をきた子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まさちゃんは、さむい、木枯こがらしのきそうな、晩方ばんがたの、なんとなく、物悲ものかなしい、西空にしぞらの、夕焼ゆうやけのいろを、えがいたのです。
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
うまはついにはやしや、や、おかをえて、うみほとりにてしまいました。はようやくれかかって、うみのかなたはあかく、夕焼ゆうやけがしていました。
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、墨絵すみえかれたまちは、くろて、まち屋根やねあかめて、夕焼ゆうやけのそらが、ものがなしくえていたのです。
遠方の母 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これから、この文句もんくは、なが北国ほっこくのこって、子供こどもたちが、いまでも夕焼ゆうやぞらると、そのうたをうたうのであります。
北の不思議な話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのうちにれてきますと、西にしうみ真紅まっか夕焼ゆうやけのくもひたして、黄金色こがねいろなみがちらちらとかがやいたのであります。
海の少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
きたうみいろさおで、それに夕焼ゆうやけのあかいろながしたようにいろどってうつくしさはたとえるものがなかったのです。
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なつでありましたから、ちょうどうちわののように夕焼ゆうやけのした景色けしきが、まちなかでもられました。そのうちに、だんだんなつわりにちかづいたのです。
遠方の母 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夕焼ゆうやけのそらは、むかしも、いまも、このあかい、かなしいいろわりがありません。父親ちちおやは、夕焼ゆうやけのそらをながめました。
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)
愉快ゆかいになるよ。おれ夕焼ゆうやけのほうるのが大好だいすきだ。けれど、そんないいくにがあるなどとはらなかった。おまえは、ほんとうにいっててきたのか。」
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんをせたふねは、夕焼ゆうやけのする、あかうみのかなたにえてゆきました。少年しょうねんは、てしない、そのほうやって、ただかなしみのためにいていました。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある夕焼ゆうやけのうつくしい晩方ばんがたわたしどものれは、いよいよたびのぼりました。そして、一にちはやはないている、じゅくしているあたたかなくにかえろうとおもいました。
つばめの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
不思議ふしぎなことは、いまでもあの最後さいごた、うつくしい夕焼ゆうやぐも姿すがたが、ありありとのこっています。
夕雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夕焼ゆうやけのした晩方ばんがたに、うみうえを、電光でんこうがし、ゴロゴロとかみなりって、ちょうど馬車ばしゃけるように、黒雲くろくもがいくのがられます。それをると、このまち人々ひとびと
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しばらくすると、そらは、けろりとれて、うみいろあおく、それは、おかあさんのかんざしのたまよりもあおく、あちらの夕焼ゆうやけは、また、さんごよりもあかかったのでした。
お母さんのかんざし (新字新仮名) / 小川未明(著)
なつがきても、またおなじでありました。しずかな自然しぜんには、わりがないのです。日暮ひぐがたになると、うみのかなたが夕焼ゆうやけして、そのもついにるるのでした。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
まちみなみほうからするときもあれば、また、夕焼ゆうやけのした西にしうみほうからすることもあります。」
(新字新仮名) / 小川未明(著)
「ほんとうに?」と、ほかの子供こどもたちは、夕焼ゆうやけのした遠方えんぽうそらをながめながらいいました。
熊さんの笛 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、ほんとうに、あちらのはてしない夕焼ゆうやけのそらまで、たっするごとくにおもわれました。
熊さんの笛 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのから、白鳥はくちょううみうえいはじめました。よりもあかい、西にし夕焼ゆうやけが、なみおもていろどるころには、そら白鳥はくちょうは、とおい、故郷こきょうにあこがれるもののごとくいたのです。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うつくしいおんなたちは、かなしい、やるせないうたをうたいながら、酒場さかばまえをあるいていました。若者わかものたちは、夕焼ゆうやけのようにあかい、サフランしゅさかずきを、くちびるにあててあじわっていました。
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夕焼ゆうやけのした、あちらのそらには、うつくしいくもが、ちょうど、はなびらのったように、ただよっていました。そこで、つめたそうななみが、ただそれをあらっているようにみえるばかりでした。
熊さんの笛 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そうさ。ぼくも、満洲まんしゅうへいこうかとおもったんだ。しかしおふくろをうしなって、もないので、ちちがさびしがるとおもったので、見合みあわせたのさ。」と、正吉しょうきちは、西にしあか夕焼ゆうやけした
世の中へ出る子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
むすめ昼間ひるま仕事しごとて、れかかるといえかえってきました。まどけると、かなたにあおうみえました。しずかに、うみのかなたが、あか夕焼ゆうやけがしてれてゆくときもあります。
ろうそくと貝がら (新字新仮名) / 小川未明(著)
あか夕焼ゆうやけのするなつがすぎて、やがてあきとなり、そして、ふゆは、北国ほっこくはやくおとずれました。ゆきって、やまめてしまい、それがえると、黄昏時たそがれどきながはるとなりました。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どこのどももおんなじだね。ぼくなども、夕焼ゆうやけのした、はるばんがた、おてらかねのなるころまで、よく、かくれんぼうをしてあそんだものだ。そして、おそくかえって、しかられた。
春さきの朝のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
こういって、むすめははは、毎日まいにちのように、海岸かいがんっては、ふねのはいってくる、かげっていました。しかし、夕焼ゆうやけのうつくしかったなつには、とうとうおとうさんはかえってこられませんでした。
青いランプ (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、いつしか二人ふたりは、あか夕焼ゆうやぞらなかはいってしまったゆめました。
金の輪 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、少年しょうねんあしもとにあった小石こいしひろって、みずうえうつっていた夕焼ゆうやけのあかくもかってげますと、しずかないけおもてにはたちまちさざなみがこって、夕焼ゆうやけのくもかげみだしました。
空色の着物をきた子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むすめは、毎日まいにち晩方ばんがたそらをながめて、おとうさんをおもっていました。赤々あかあかと、うみほうの、西にしやまめて、いくたびか、夕焼ゆうやけは、え、そして、えたのです。そのうちに、あきとなりました。
お父さんの見た人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、夕暮ゆうぐれは、ちょうど、そのさんごのように夕焼ゆうやけがいろどるのですよ。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まちからはなれた野原のはらくさは、毎夜まいよしものために、黄色きいろれていました。新吉しんきちは、一人ひとりみちうえで、夕焼ゆうやけのうすれた西にしそらをのぞんで、ゆきのきた、とおくのやまのけしきをながめていました。
はととりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
ろうそくの火影ほかげがちらちらとさかずきのふちや、さけうえうつるのをて、そこには、この現実げんじつとはちがった世界せかいがあり、いまその世界せかいが、夕焼ゆうやけのなかにまどろむごとくおもわれたこともありました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりっているふねは、その夕焼ゆうやけのほうしてすすみました。そして、おおくの日数ひかずてから、ついにふねは、みなみこころざしたくにみなときました。おとこは、さっそく霊薬れいやくおうさまにけんじたのであります。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「きのうは、あちらのやまにいってみました。夕焼ゆうやけがあかかったから、ゆきになろうとおもったのですよ。自分じぶんうたが、西にしそらひびくようながしました。」と、こまどりは、自分じぶんこえ自慢じまんしたのです。
美しく生まれたばかりに (新字新仮名) / 小川未明(著)
はまったくれて、いつしか、夕焼ゆうやけの名残なごりすらなく、青々あおあおとしてみわたった、そらのたれかかるはてに、黒々くろぐろとして、山々やまやまかげかびがって、そのいただきのあたりに、きらきらと、一つ
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
真紅まっかうつくしい夕焼ゆうやけに
古巣 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夕焼ゆうやけのそらへ。
にじの歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)