「全く大箆棒さ、こちとらなら、その三千兩で八方の借を拂つて、あの娘に半襟の一と掛も買つてやつて、大福餅の暴れ喰ひをやる」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
その夜もまたおのぶのために、縫取りのある半襟を買い、栄二に預かってもらっていったのだが、すみよしの店の、いつもの小座敷へあがると、栄二は包みをさぶに返した。
何が私をこうさせたか:――獄中手記―― (新字新仮名) / 金子ふみ子(著)
銭形平次捕物控:098 紅筆願文 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)