“臙脂色”の読み方と例文
読み方割合
えんじいろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東京の方を見ると、臙脂色えんじいろそらに煙が幾条いくすじも真直に上って居る。一番南のが、一昨日火薬が爆発ばくはつして二十余名を殺傷さっしょうした目黒の火薬庫の煙だ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
濃紅色の花を群生させるが、少しはなれた所から見ると臙脂色えんじいろの団塊の周囲に紫色の雰囲気のようなものが揺曳しかげろうているように見える。
雑記帳より(Ⅱ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
病人の着せられている臙脂色えんじいろに白い粗い市松模様を置いた、クレプ・ド・シンの嵩高かさだか羽根布団はねぶとんが思いきり派手なのと、露台への出口が一間の引き違いの硝子戸になっていて
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)