道具どうぐ)” の例文
日の暮れ/″\に手車てぐるまの諸君も着いた。道具どうぐの大部分は土間に、残りは外にんで、荷車荷馬車の諸君は茶一杯飲んで帰って行った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
かれらは、んでいたテントをたたんで、いっさいの道具どうぐといっしょにくるまみ、そして、芸当げいとう使つかっていたうまかせてゆくのでした。
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どのへやにもじょうとうの道具どうぐがそろっていて、入り用なものは、すずやしんちゅうでまことにみごとにそなえつけができていました。
「これはこのごろにないしものだ。どうかして道具どうぐずきなお金持かねもちをつかまえて、いいらなければならない。」
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
もっともそのころは、まだ煙草たばこというものが南蛮なんばんから日本へわたったばかりで、そういう道具どうぐもすこぶる原始的げんしてきなものだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうなると、アラジンのお母さんは、少しばかりあった仕立物に使う道具どうぐを売りはらって、それから後は、糸をつむいでくらしを立てていました。
おそろしさでからだが、がたがたふるえてきた。大あわてで仕事しごとをすませ、道具どうぐを片づけると、あたふたと部屋へやをでていった。
アフリカ某地方ちはうの土人は土堀つちほり用のとがりたるぼう石製せきせいをばつばの如くにめてをもりとし、此道具どうぐ功力こうりよくを増す事有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
園丁えんていはまた唐檜とうひの中にはいり洋傘ようがさ直しは荷物にもつそこ道具どうぐのはいった引き出しをあけかんを持って水をりに行きます。
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
然うさ、阿父おやじの想は解かツてゐる、俺を家の番人ばんにんにしやうといふんだ………魂のある道具どうぐにして置かうといふんだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
さらにまたそのいしみがいてうつくしいかたち器物きぶつつくるようになり、あるひは自分じぶんつた動物どうぶつほね細工さいくくはへて、それを道具どうぐにしたりしたのでありますが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
とうとうおしまいに、いっぱい家具かぐのつまった、大きなへやに来ました。そのなかの道具どうぐやおきものは、このやしきのうちでも、一等りっぱなものでした。
青ひげ (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
「ワハハハ、おい、そこのやつ、おまえの道具どうぐは、こわしてしまったよ。もう、とぶことはできないぜ。」
仮面の恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
延宝元禄の頃続狂言つづききょうげん道具どうぐ口上こうじょうなど始まり俳優には中村伝九郎、中村七三しちさ永島茂右衛門ながしまもえもん、宮島伝吉、藤田小三郎、山中平九郎、市川団十郎ら声名ありし時代を中昔なかむかしとなしぬ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
患者等かんじゃら油虫あぶらむし南京虫なんきんむしねずみやからてられて、んでいることも出来できぬと苦情くじょうう。器械きかいや、道具どうぐなどはなにもなく外科用げかよう刄物はものが二つあるだけで体温器たいおんきすらいのである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
じょうに六じょうの二は、せまいようでも道具どうぐがないので、ひと住居ずまいにはひろかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
こしには、いわくだき、道具どうぐむすびつけていたので、しんぱくは、だれをあてにやってくるのか、すぐにさとったのでありました。
しんぱくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこに小さな五、六人の人かげが、何かり出すかめるかしているらしく、立ったりかがんだり、時々なにかの道具どうぐが、ピカッと光ったりしました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ああ、それで、矢来やらいにする竹や丸太まるたや、獄門台ごくもんだいをつくる道具どうぐをかついで、みんながさっき向こうへいったんだな」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此所ここ列擧れつきよしたる製造用の道具どうぐは皆發見物中に在り。石槍、石鏃、石錐、石匕の如く細工さいくの精巧なるものは打製だせい石斧よりは更に注意ちういして作り上げしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
船のなかでは、王さまがきん道具どうぐをひとつひとつ、王女に見せていました。おさらだの、さかずきだの、おわんだの、さては、鳥や、けものや、ふしぎな動物などを。
やりといふようなものは、あるひはありましたかもれませんが、弓矢ゆみやのような道具どうぐは、舊石器時代きゆうせつきじだいにはられないもので、じつ新石器時代しんせつきじだい新式武器しんしきぶきであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ひるちかくまでゆっくりねむって元気げんきをとりもどすと、研究けんきゅうに使った機械きかい道具どうぐを二度ともとにできないように、めちゃめちゃにしておき、ここからでていくじゅんびに取りかかった。
これはふたつとも、わたしのいちばん大事だいじ道具どうぐのはいっている大戸棚おおとだなのかぎだ。これはふだん使わない金銀の皿を入れた戸棚のかぎだ。これは金貨きんかと銀貨をいっぱい入れた金庫きんこのかぎだ。
青ひげ (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
むかし、上野国こうずけのくに館林たてばやしに、茂林寺もりんじというおてらがありました。このおてら和尚おしょうさんはたいそうおちゃがすきで、いろいろとかわったおちゃ道具どうぐあつめてまいにち、それをいじってはたのしみにしていました。
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
せめて道具どうぐらしいかおをしているくらいがせきやま
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
めずらしいかいがらもあれば、金光かなびかりのするいしもあり、またりの道具どうぐもまじっていれば、かたちわったべいごまもはいっていました。
すいれんは咲いたが (新字新仮名) / 小川未明(著)
ですからおまえたちはすこしも早く、だいじな品物や、仕事の道具どうぐを取りまとめて、めいめいのさとへお帰りなさい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此類このるゐの石器にしてはたして粉製こつくりの臺たらば、これたいする粉潰こつぶしの道具どうぐも有る可きはづなり。事實じじつ如何いかんと云ふに日向和田においては實際じつさい石皿と伴ふてこれ適合てきがふする橢圓石だゑんせき發見はつけんされしなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
なほ、あるはかからは漆器しつきでつくつた化粧箱けしようばこて、そのはこなかにはべに白粉おしろいれたちひさな蓋物ふたものれてありましたが、そのころひとも、かういふ道具どうぐでお化粧けしようをしたことがわかります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
そのなかの一トンを、国じゅうの金細工師きんざいくしにおいいつけになって、いろいろなうつわや、道具どうぐや、またありとあらゆる種類しゅるいの鳥や、けものや、めずらしい動物のかたちにこしらえるようになさいませ。
すると、ちいさな古道具屋ふるどうぐやがありました。みせは、せまく、なんとなくむさくるしかったけれど、いろいろな道具どうぐならべてあった。
お父さんの見た人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まれに、お勝手かって道具どうぐ農具のうぐなどをならべたものがあったけれど、スケートのくつをおくようなみせは、つかりませんでした。
緑色の時計 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いってみると、いえなかのうすぐらい、喫茶店きっさてんでありました。こわれた道具どうぐや、不用ふようのがらくたをってくれというのでした。
おじいさんが捨てたら (新字新仮名) / 小川未明(著)
さよは、それでほおずきをおうか、南京玉なんきんだまおうか、それともなにかおままんごとの道具どうぐおうかと、いろいろ空想くうそうにふけったのであります。
善いことをした喜び (新字新仮名) / 小川未明(著)
またそこには、いろいろとりの道具どうぐっていたので、おじさんははりきなどをていらっしゃいました。
花かごとたいこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこには、田舎いなかでつくられたおりものとか、道具どうぐとか、おもちゃのようなものがならべられてありました。
田舎のお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのいく十たび、いく百たび、いろいろなふる道具どうぐみせにはいって、バイオリンをいたでしょう。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
乞食こじきは、まだまれてから一も、そんなうつくしい人形にんぎょうや、おもちゃ道具どうぐって、あそんだことがなかったのです。乞食こじきは、おみよの幸福こうふくうえをうらやみました。
なくなった人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なんで、そんな意地悪いじわるをするんですか。りにいくときは、道具どうぐをみんなちいさなおとうとたせるくせに、機嫌きげんよくつれていかれないのですか?」と、政二まさじくんにおっしゃいました。
草を分けて (新字新仮名) / 小川未明(著)
松蔵まつぞういえが、貧乏びんぼうのために、いっさいの道具どうぐ競売きょうばいせられたことであります。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
りの道具どうぐを、しらべようとして、しん一は、物置小舎ものおきごやなかはいって、あちらこちら、かきまわしているうちに、あきかんのなかに、かみにつつんだものが、はいっているのをつけしました。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
それにくらべると、ちゃだなのうえかざられてあるぎん湯沸ゆわかしや、たばこぼんや、そののきれいな道具どうぐたちは、一にちはたらきもせずに、じっとしていて、それでも、みんなに大事だいじにされていました。
人間と湯沸かし (新字新仮名) / 小川未明(著)
どこのおうちにも、ふるくから使つかれた道具どうぐはあるものです。そしてそのわりあいに、みんなからありがたがられていないものです。えいちゃんのおうちのふるいはさみもやはりその一つでありましょう。
古いはさみ (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、こまったときは、道具どうぐなどを片端かたはしからってべていました。
くわの怒った話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「じゃ、また明日あしたから、紙芝居かみしばい道具どうぐってきますかな。」
夏の晩方あった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、その少年しょうねんはいって、さっさと道具どうぐをかたづけてしまうと
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
兵蔵へいぞうは、仕事しごとわって、道具どうぐかたづけてかえりかけた。
生きている看板 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、もうみせには道具どうぐがなかったのです。
すいれんは咲いたが (新字新仮名) / 小川未明(著)