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聊
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いさゝ
ふりがな文庫
“
聊
(
いさゝ
)” の例文
大「暫くお待ちを……此の身の出世ばかりでなく、
斯
(
か
)
く申す大藏も
聊
(
いさゝ
)
かお屋敷へ対して功がござる、それゆえ
強
(
し
)
いて願いますわけで」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
間
(
あひだ
)
に
泛
(
うか
)
ぶ
牡蠣舟
(
かきぶね
)
や
苔取
(
のりとり
)
の
小舟
(
こぶね
)
も今は唯
強
(
し
)
ひて江戸の昔を
追回
(
つゐくわい
)
しやうとする人の
眼
(
め
)
にのみ
聊
(
いさゝ
)
かの風趣を覚えさせるばかりである。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
かかる場合には裁判官は
聊
(
いさゝ
)
か態度を
慇懃
(
いんぎん
)
にし審理を鄭重にし成るべく被告の陳弁を静に聴いて居る。しかしそれはただ聴くだけである。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
自分に着せられた
濡衣
(
ぬれぎぬ
)
——
聊
(
いさゝ
)
か小便臭い濡衣を、手もなく乾かしてくれさうな氣がして、眞にイソイソと先に立つて案内して行きます。
銭形平次捕物控:188 お長屋碁会
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これには大腹中の大殿様も
聊
(
いさゝ
)
か御機嫌を損じたと見えまして、暫くは唯、黙つて良秀の顔を眺めて御居でになりましたが、やがて
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
私
(
わたし
)
はばけものといふものは
非常
(
ひぜう
)
に
面白
(
おもしろ
)
いものだと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
るので、
之
(
これ
)
に
關
(
くわん
)
するほんの
漠然
(
ばくぜん
)
たる
感想
(
かんさう
)
を、
聊
(
いさゝ
)
か
茲
(
こゝ
)
に
述
(
の
)
ぶるに
過
(
す
)
ぎない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
だが
其
(
そ
)
のいづれの
相乘
(
あひのり
)
にも、
齊
(
ひと
)
しく
私
(
わたし
)
の
關
(
くわん
)
せざる
事
(
こと
)
は
言
(
い
)
ふまでもない。とにかく、
色氣
(
いろけ
)
も
聊
(
いさゝ
)
か
自棄
(
やけ
)
で、
穩
(
おだや
)
かならぬものであつた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
上げ此事に付
假令
(
たとへ
)
如何樣の儀仰せ付らるゝ共
聊
(
いさゝ
)
か
相違
(
さうゐ
)
の儀申上ざるにより御取調べの程
偏
(
ひと
)
へに願ひ上奉つる尤も證據人忠兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
B
僕
(
ぼく
)
か。
僕
(
ぼく
)
は
政治
(
せいぢ
)
に
關係
(
くわんけい
)
がないのだから、そんな
事
(
こと
)
はどうでもいゝ。
然
(
しか
)
し
事苟
(
こといやし
)
くも
葉書
(
はがき
)
に
關
(
くわん
)
する
以上
(
いじやう
)
、
其點
(
そのてん
)
で
聊
(
いさゝ
)
か
僕
(
ぼく
)
の
注意
(
ちうい
)
を
引
(
ひ
)
いてるのだがな。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
「和尚様、ほんの
聊
(
いさゝ
)
かではござりまするが、こゝに
金子
(
きんす
)
が五百両ござりまするから、今度の三門の御
建立
(
こんりふ
)
へ是非お加へおき下されまするやうに。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「懐疑は悲観の
児
(
こ
)
なりサ、
彼女
(
かれ
)
芳紀
(
とし
)
既に二十二—三、
未
(
いま
)
だ
出頭
(
しゆつとう
)
の
天
(
てん
)
無しなのだ、御所望とあらば、僕
聊
(
いさゝ
)
か君の為めに
月下氷人
(
げつかひようじん
)
たらんか、ハヽヽヽヽヽ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
聊
(
いさゝ
)
かも野心なぞおありなさらぬ趣を仰せ開かれましたなら、やがては御疑念の晴れる時節もござりましょうと云う。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と続きて云ひ
居
(
ゐ
)
給ふに
聊
(
いさゝ
)
か心落ち
居候
(
ゐさふら
)
ひぬ。この時起き上らんとする心ながら手の一つも私は動かず
候
(
さふら
)
ひき。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
造化は
奇
(
く
)
しき力を以て、万物に自からなる声を発せしむ、之を以て
聊
(
いさゝ
)
かその心を形状の外にあらはさしむ、之を以てその情を語らしめ、之を以てその意を言はしむ。
万物の声と詩人
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
曲線といっても、前に述べたような簡単なものではなく、その原理は
聊
(
いさゝ
)
か複雑である。
恋愛曲線
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
それも亡くなられるほんの三四ヶ月前に万世
橋
(
はし
)
のミカドホテルの
球突塲
(
たまつきば
)
で一
戰
(
せん
)
を
試
(
こゝろ
)
みたのだつたが、持
點
(
てん
)
も前に
擧
(
あ
)
げた人
達
(
たち
)
よりも
聊
(
いさゝ
)
か
群
(
ぐん
)
をぬいた六十
點
(
てん
)
で、その
突
(
つ
)
き
振
(
ふり
)
たるや
快活
(
くわいくわつ
)
奔放
(
ほんほう
)
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
日本
(
につぽん
)
は
地震國
(
ぢしんこく
)
であり、
又
(
また
)
地震學
(
ぢしんがく
)
の
開
(
ひら
)
け
始
(
はじ
)
めた
國
(
くに
)
である。これは
誤
(
あやま
)
りのない
事實
(
じじつ
)
であるけれども、もし
日本
(
につぽん
)
は
世界中
(
せかいじゆう
)
で
地震學
(
ぢしんがく
)
が
最
(
もつと
)
も
進
(
すゝ
)
んだ
國
(
くに
)
であるなどといふならば、それは
聊
(
いさゝ
)
かうぬぼれの
感
(
かん
)
がある。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
私はさういつてしまつてから
聊
(
いさゝ
)
か後悔に似た気持になつた。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
されども、われ
聊
(
いさゝ
)
かも悪びれず。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と云いさま、
此方
(
こちら
)
も元は会津の藩中
松山久次郎
(
まつやまきゅうじろう
)
…
聊
(
いさゝ
)
か腕に
覚
(
おぼえ
)
が有りまするから、庄三郎の片手を
抑
(
おさ
)
えたなり、ずうンと前にのめり出し。
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
勤
(
つと
)
めがらに
對
(
たい
)
しても、
聊
(
いさゝ
)
か
取
(
とり
)
つくろはずばあるべからずと、
胸
(
むね
)
のひもだけはきちんとしてゐて……
暑
(
あつ
)
いから
時々
(
とき/″\
)
だらける。……
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
少々はタガも釘も足りない男ですが、正直で生一本で
聊
(
いさゝ
)
かノウ天氣な八五郎が、怪盜鼬小僧などであるべき筈もありません。
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一人二人づつ無理にお宿を申ても此有樣に皆樣が門口よりして
逃
(
にげ
)
ゆかれ今日は
貴方
(
あなた
)
をお止め申し
聊
(
いさゝ
)
か父が藥の
代
(
しろ
)
になさんと存じて御無理にもお宿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「はゝア——イヤ
左様
(
さう
)
したこともありませう」と篠田は
聊
(
いさゝ
)
か怪しむ色さへに見えず、雨戸打つ雪の音又た
劇
(
はげ
)
し
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
伏見へはお越しなされますな、又
聊
(
いさゝ
)
かも左様な思召がござりませぬなら、なお此の城に御座なされて、一往も二往も
理
(
ことわり
)
をお盡しなされ、それでも御宥免がなければ
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
聊
(
いさゝ
)
か
匇卒
(
そうそつ
)
の説を為し、我が平民界の「侠」及び「粋」の由つて
来
(
きた
)
るところを
穿鑿
(
せんさく
)
したるに過ぎず。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
然
(
しか
)
し、三四年前に半年あまり一
緒
(
しよ
)
に
萩
(
はぎ
)
原
淳
(
じゆん
)
七
段
(
だん
)
の高弟(?)となつて
大
(
おほ
)
いに切
磋
(
さ
)
琢磨
(
たくま
)
したのだが、二人とも一
向
(
こう
)
棋
(
き
)
力が
進
(
しん
)
歩しない所まで
似
(
に
)
てゐるのだから、
聊
(
いさゝ
)
か
好敵
(
こうてき
)
手
過
(
す
)
ぎる
嫌
(
きら
)
ひもある。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
衣食
足
(
た
)
つて深沈
大勇
(
たいゆう
)
な思索研究に
耽
(
ふけ
)
つた
為
(
た
)
め、
或
(
あるひ
)
は表面的な士気に
聊
(
いさゝ
)
か弛緩の姿を示したかも知らぬが、其れは一
時
(
じ
)
の事であつて、光栄あるラテン文明の歴史に根ざした国民の実質は衰へる
由
(
よし
)
も無く
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
葉
(
は
)
がくれに、ああ
聊
(
いさゝ
)
かの
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
富「無礼至極の富彌、お手打になっても苦しからん処、格別のお言葉を頂戴いたし、富彌死んでも
聊
(
いさゝ
)
か
悔
(
くや
)
む所はございません」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……
内
(
うち
)
に
二三年
(
にさんねん
)
遊
(
あそ
)
んで
居
(
ゐ
)
た、
書生
(
しよせい
)
さんの
質實
(
じみ
)
な
口
(
くち
)
から、
然
(
しか
)
も
實驗談
(
じつけんだん
)
を
聞
(
き
)
かされたのである。が、
聊
(
いさゝ
)
か
巧
(
たくみ
)
に
過
(
す
)
ぎると
思
(
おも
)
つた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
打ち森田屋の
娘子
(
むすめご
)
お專どのにて在しよなお前が此所に御座るとは
夢
(
ゆめ
)
聊
(
いさゝ
)
かも知らざりし我等も江戸へ
赴
(
おもむ
)
きて今度古郷へ歸るゆゑ柏原へ立ち寄りお宅を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この
逞
(
たくま
)
しい惡相と言つてもよいほどの、大きな道具から發散する、精力的なものを浴びせられると、平次ほどの者も、
聊
(
いさゝ
)
かたじろがないわけには行きません。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
然れ共余は今ま幸に彼等人民の情態と意志と希望とを
聊
(
いさゝ
)
か写して之を政府に通じ得ることを喜ぶなり。
鉱毒飛沫
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
若し日本の固有の宗教を解剖して情熱と相関するところを発見するを得ば、文学史上に愉快なる研究なるべけれども、之れ余が今日の業にあらず、
聊
(
いさゝ
)
か記して識者に問ふのみ。
情熱
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
君は
聊
(
いさゝ
)
か御不満のお顔つきで、いかに、左衛門尉、そちを見込んで間者の役目を云いつけたのに、あれからもはや二年近くも聚楽の様子を窺いながら、いつも/\判で
捺
(
お
)
したように
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
母「思い掛けないことでお助け下さいまして、お礼の申そうようはございませんから、お餞別代りに
聊
(
いさゝ
)
かではございますが」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかし、
其
(
そ
)
の
當時
(
たうじ
)
、
風
(
かぜ
)
は
荒
(
あら
)
かつたが、
眞南
(
まみなみ
)
から
吹
(
ふ
)
いたので、
聊
(
いさゝ
)
か
身
(
み
)
がつてのやうではあるけれども、
町内
(
ちやうない
)
は
風上
(
かざかみ
)
だ。
差
(
さし
)
あたり、
火
(
ひ
)
に
襲
(
おそ
)
はるゝ
懼
(
おそれ
)
はない。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「相濟みません、——ところで話は元へ戻つて、秋岳先生の愛妾お照の方、年は二十四で、
聊
(
いさゝ
)
か傳法で、
搗
(
つ
)
き立ての羽二重餅のやうにポチヤポチヤしたのが——」
銭形平次捕物控:259 軍学者の妾
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今の世往々にして
聊
(
いさゝ
)
かの自力をも
恃
(
たの
)
まずして他力を専らにするものあり、神に祈念するを以て惟一の施為となすや、
恰
(
あたか
)
も彼の念仏講の愚輩の為すところを学ばんとするものゝ如し。
各人心宮内の秘宮
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
勿体なくも白妙の御手を汚し候、愚老はかくても
聊
(
いさゝ
)
か動ずる気色もなく死せるが如くにて候ひしかば、さりとては辛抱強き坊主よとてお笑ひなされしかども、さすがに興ざめ給ひしにや
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
聊
(
いさゝ
)
か兼吉を怨む筋は無いと
悔
(
く
)
いて居りまするが、母親の方は非常な
剣幕
(
けんまく
)
で、生涯楽隠居の
金蔓
(
かねづる
)
を題無しにしたと云ふ立腹です、——
女性
(
をんな
)
と云ふものは、果して
此
(
かく
)
の如く残忍酷薄なものでせうか
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
と
胸
(
むね
)
に
氣
(
き
)
を
入
(
い
)
れたやうに
頷
(
うなづ
)
いて
云
(
い
)
つたが、
汽車
(
きしや
)
に
搖
(
ゆ
)
られて
來
(
き
)
た
聊
(
いさゝ
)
かの
疲勞
(
つかれ
)
も
交
(
まじ
)
つて、
山
(
やま
)
の
美
(
うつく
)
しさに
魅
(
み
)
せられて
身
(
み
)
の
萎々
(
なえ/\
)
と
成
(
な
)
つた、
歎息
(
ためいき
)
のやうにも
聞
(
きこ
)
えた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
織江の方でも知って居ながら
聊
(
いさゝ
)
かでも申した事はない、手前と己だけの話だが手前は
嘸
(
さぞ
)
厭
(
いや
)
だろうと思って可愛相だ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
主人千本金之丞の貧乏臭くヒヨロ長く、
聊
(
いさゝ
)
かキヨトンとしたのと比べては、大變な違ひです。
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
余
(
よ
)
は
平生
(
へいぜい
)
學海居士
(
ガクカイコジ
)
が
儒家
(
じゆか
)
らしき
文氣
(
ぶんき
)
と
馬琴
(
バキン
)
を
承
(
う
)
けたる
健筆
(
けんひつ
)
に
欽羨
(
きんせん
)
するものなるが、
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
に
對
(
たい
)
する
居士
(
コジ
)
の
評文
(
ひようぶん
)
の
餘
(
あま
)
りに
居士
(
コジ
)
を
代表
(
だいひよう
)
する
事
(
こと
)
の
多
(
おほ
)
きには
聊
(
いさゝ
)
か
當惑
(
とうわく
)
するところなき
能
(
あた
)
はざりし。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
初め女中共は、今夜の彼の思い付きが
聊
(
いさゝ
)
か
突飛
(
とっぴ
)
過ぎるので、此れは殿様と道阿弥とが豫め示し合わせて、彼女たちを恐がらせようと云う悪戯かも知れないと、半ばそんな風に疑ぐっていた。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
笹
(
さゝ
)
の
雪
(
ゆき
)
の
前
(
まへ
)
を
通返
(
とほりかへ
)
して、
此
(
こ
)
の
微醉
(
ほろゑひ
)
の
心持
(
こゝろもち
)
。
八杯
(
はちはい
)
と
腹
(
はら
)
に
積
(
つも
)
つた
其
(
そ
)
の
笹
(
さゝ
)
の
雪
(
ゆき
)
も、
颯
(
さつ
)
と
溶
(
と
)
けて、
胸
(
むね
)
に
聊
(
いさゝ
)
かの
滯
(
とゞこほり
)
もない。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
誠に孝行な事と感服して
聊
(
いさゝ
)
か恵みをしたのが
却
(
かえ
)
って害に成って、
不図
(
とんだ
)
災難を
被
(
き
)
せて気の毒で有ったが、
明日
(
あす
)
私が訴えて娘子は
屹度
(
きっと
)
帰れる様にして上げるが
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
金があるにまかせての遊蕩三昧で、書畫骨董の有難味などは
聊
(
いさゝ
)
かも身に沁みない樣子です。
銭形平次捕物控:226 名画紛失
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
聊
漢検1級
部首:⽿
11画
“聊”を含む語句
無聊
聊爾
聊斎志異
露聊
不聊
無聊至極
無聊頼
聊復爾
聊生
聊齋
鰥居無聊