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形
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がた
ふりがな文庫
“
形
(
がた
)” の例文
少
(
わか
)
い女が持出した、
金蒔絵
(
きんまきえ
)
の大形の見事な
食籠
(
じきろう
)
……
形
(
がた
)
の菓子器ですがね。中には加賀の名物と言う、紅白の
墨形
(
すみがた
)
の
落雁
(
らくがん
)
が入れてありました。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
松葉
形
(
がた
)
で、右手になる方は一つで、
丁度
(
ちやうど
)
わたし等の渡つて
行
(
ゆ
)
く橋からは
二
(
ふた
)
筋に分れて居る水が地面とすれすれに静かに流れて居るのである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
ちょっと、
眼鏡
(
これ
)
へ目を当ててごらんなさい。梅ヶ辻から野中の観音のほうへうねっている一筋道を、桃色の日傘でゆく
痩
(
や
)
せ
形
(
がた
)
の女がありまさ。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時計屋へ直しに
遣
(
や
)
つてあつた八角
形
(
がた
)
の柱時計が
復
(
ま
)
た部屋の柱の上に掛つて、元のやうに音がし出した。その柱だけにも六年も掛つて居る時計だ。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
聴き終ると、鎮子は微かな驚異の色を
泛
(
うか
)
べたが、別に顔色も変えず、懐中から二枚に折った巻紙
形
(
がた
)
の上質紙を取り出した。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
中には一通の手紙と半紙に包んだ四角なものがはいっていた。手紙には
金釘
(
かなくぎ
)
のような字で、おぼつかなく別れの
紋切
(
もんき
)
り
形
(
がた
)
の言葉が書いてあった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
二人
(
ふたり
)
はお
庭
(
にわ
)
の
井戸
(
いど
)
のそばの
桃
(
もも
)
の木に、なたで
切
(
き
)
り
形
(
がた
)
をつけて、
足
(
あし
)
がかりにして木の上まで
登
(
のぼ
)
りました。そしてそっと
息
(
いき
)
を
殺
(
ころ
)
してかくれていました。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
前に
褥
(
とこ
)
を取り、桐の胴丸
形
(
がた
)
の火鉢へ
切炭
(
きりずみ
)
を
埋
(
い
)
け、其の上に利休形の鉄瓶がかゝって、チン/\と湯が
沸
(
たぎ
)
って居りまする。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
巨勢はわれ知らず話しいりて、かくいひ
畢
(
おわ
)
りし時は、モンゴリア
形
(
がた
)
の狭き目も光るばかりなりき。「いしくも語りけるかな、」と呼ぶもの
二人三人
(
ふたりみたり
)
。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
いつになく若々しく装った服装までが、皮肉な反語のように
小股
(
こまた
)
の切れあがったやせ
形
(
がた
)
なその肉を痛ましく
虐
(
しいた
)
げた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
堅木
(
かたぎ
)
を
久
(
きゅう
)
の
字
(
じ
)
形
(
がた
)
に切り組んで作ったその玄関の
床
(
ゆか
)
は、つるつる光って、時によると
馴
(
な
)
れない健三の足を滑らせた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「まっ先にきた
小桜縅
(
こざくらおどし
)
のよろい着て
葦毛
(
あしげ
)
の馬に乗り、
重籐
(
しげどう
)
の
弓
(
ゆみ
)
を持ってたかの
切斑
(
きりふ
)
の
矢
(
や
)
を負い、くわ
形
(
がた
)
のかぶとを馬の平首につけたのはあれは
楠正行
(
くすのきまさつら
)
じゃ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
友達の眼の長く切れた
痩
(
や
)
せ
形
(
がた
)
の
細君
(
さいくん
)
と、まだ處女で肉付に丸味のある妹とは、その色白の肌に海水着の黒いのを着て、ボートの
板子
(
いたご
)
に一緒に取り附いて
泳
(
およ
)
いだ。
地方主義篇:(散文詩)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
毛筋は細く柔かで、茶色になっていましたが、白髪は終るまで一本もないのが不思議でした。小作りな
痩
(
や
)
せ
形
(
がた
)
な人で、色は浅黒く、人並より鼻が高いのでした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
若い洋画家によくある型のとほり、
痩
(
や
)
せ
形
(
がた
)
で神経質な主人は、元来このX—新聞をあまり好かなかつた。それは妙に
刺戟
(
しげき
)
的な標題で人目を
惹
(
ひ
)
きつける小新聞だつた。
姉弟と新聞配達
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
サーチライトのようないなずま
形
(
がた
)
の光が、さっと、ガラスまどを通して、
貨車
(
かしゃ
)
の
内部
(
ないぶ
)
へさしこんだ。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
笹村が
硝子
(
ガラス
)
製の菓子器やコップのようなものを買って、
袂
(
たもと
)
へ入れて帰って来ると、茶の
室
(
ま
)
の長火鉢のところに、
素人
(
しろうと
)
とも茶屋女ともつかぬ若い女と、細面の
痩
(
や
)
せ
形
(
がた
)
の
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
道子
(
みちこ
)
は
廊下
(
らうか
)
の
突当
(
つきあた
)
りに
襖
(
ふすま
)
のあけたまゝになつた
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
へ、
客
(
きやく
)
と
共
(
とも
)
に
入
(
はい
)
ると、
枕
(
まくら
)
二
(
ふた
)
ツ
並
(
なら
)
べた
夜具
(
やぐ
)
が
敷
(
し
)
いてあつて、
窓
(
まど
)
に
沿
(
そ
)
ふ
壁際
(
かべぎは
)
に
小形
(
こがた
)
の
化粧鏡
(
けしやうかゞみ
)
とランプ
形
(
がた
)
のスタンドや
灰皿
(
はひざら
)
。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
そしてきょうこそ
子
(
こ
)
どもらがみんないっしょに
旅
(
たび
)
にたつのです。おかあさんはそれをあんまり
悲
(
かな
)
しんでおうぎ
形
(
がた
)
の
黄金
(
きん
)
の
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
をきのうまでにみんな
落
(
お
)
としてしまいました。
いちょうの実
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
すすけた
黄褐色
(
おうかっしょく
)
の
千切
(
ちき
)
り
形
(
がた
)
あるいは分銅形をしたものの、両端にぼんやり青みがかった雲のようなものが見える。ニコルを回転すると、それにつれて、この斑点もぐるぐる回る。
錯覚数題
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
もし
鎔融状
(
ようゆうじよう
)
のまゝのものが
地上
(
ちじよう
)
に
落
(
お
)
ちる
際
(
さい
)
、ある
程度
(
ていど
)
に
冷却
(
れいきやく
)
してゐたならば、
空中旅行中
(
くうちゆうりよこうちゆう
)
回轉運動
(
かいてんうんどう
)
のために
取
(
と
)
つた
形
(
かたち
)
を
維持
(
いじ
)
し、そのまゝ、つむ
形
(
がた
)
、
鰹節形
(
かつぶしがた
)
、
皿形樣
(
さらがたよう
)
の
火山彈
(
かざんだん
)
となり
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
僕はなほ念の為にこの二人を通り越しながら、ちらりと顔を
物色
(
ぶつしよく
)
した。確かにこの二人は
姉妹
(
しまい
)
である。のみならずどちらも同じやうにスペイド
形
(
がた
)
の髪に
結
(
ゆ
)
つた
二十
(
はたち
)
前後の美人である。
鷺と鴛鴦
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これを助けて働く者はお
絹
(
きぬ
)
お
常
(
つね
)
とて
一人
(
ひとり
)
は
主人
(
あるじ
)
の
姪
(
めい
)
、一人は女房の姪、お絹はやせ
形
(
がた
)
の年上、お常は丸く
肥
(
ふと
)
りて色白く、都ならば看板娘の役なれどこの
二人
(
ふたり
)
は
衣装
(
なり
)
にも振りにも
頓着
(
とんちゃく
)
なく
置土産
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
痩せ
形
(
がた
)
の顔や腰に比較して、頸から肩から胸へかけ、わりに厚ぼったい肉付があるのに、一寸眼を惹かされた。それに自ら気が付くと、急いで眼を外らしながら、続けざまに杯を重ねた。
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
子爵
(
ししやく
)
の
君
(
きみ
)
最愛
(
さいあい
)
のおもひ
者
(
もの
)
など、
桐壼
(
きりつぼ
)
の
更衣
(
かうい
)
めかしき
優
(
や
)
さ
形
(
がた
)
なるが、
此奧方
(
このおくがた
)
の
妬
(
ねた
)
みつよさに、
可惜
(
あたら
)
花
(
はな
)
ざかり
肺病
(
はいびやう
)
にでもなりて、
形見
(
かたみ
)
の
止
(
とゞ
)
めし
令孃
(
ひめ
)
ならんには、
父君
(
ちヽぎみ
)
の
愛
(
あい
)
いかばかり
深
(
ふか
)
かるべきを
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
たとえば、
帯
(
おび
)
や、
羽織
(
はおり
)
や、
着物
(
きもの
)
にしろ、
刺繍
(
ししゅう
)
をしてでき
上
(
あ
)
がった、
花
(
はな
)
や、ちょうや、
鳥
(
とり
)
は、ただひな
形
(
がた
)
に
似
(
に
)
せたのであり、
絵本
(
えほん
)
から
写
(
うつ
)
したものであるから、
死
(
し
)
んでいて、
生
(
い
)
きている
姿
(
すがた
)
でなかった。
心の芽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
でも稲妻
形
(
がた
)
に歩く癖は直されますまい。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
その上にモザイク
形
(
がた
)
の影を
落
(
おと
)
す
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
歴史六十巻、小説百巻、と申しまするデュオデシモ
形
(
がた
)
と申す有名な版本の事を……お聞及びなさいまして、
御姉君
(
おあねぎみ
)
、乙姫様が御工夫を遊ばしました。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ただその言語動作が普通の
半可通
(
はんかつう
)
のごとく、
文切
(
もんき
)
り
形
(
がた
)
の厭味を帯びてないのはいささかの
取
(
と
)
り
得
(
え
)
でもあろう。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ちぇっ……」舌打ちして戻りかけた侍、ひょいと淀屋橋の上を仰ぐと、のしお
形
(
がた
)
に顔を包んだ
美
(
い
)
い女が、橋の
手欄
(
てすり
)
に頬杖ついて、こっちへニッコリ笑ったものだ。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ばかな
山姥
(
やまうば
)
だなあ、びんつけをつけて木に
登
(
のぼ
)
れるものか。なたで
切
(
き
)
り
形
(
がた
)
をつけて
登
(
のぼ
)
るんだ。」
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
と、女はきまって、男の膝をぴしゃりと平手で打って、これほど思って苦労しているのにという
紋切
(
もんき
)
り
形
(
がた
)
の表情をしてみせた。それからいま一人
塚崎
(
つかざき
)
の金持ちの百姓の
息子
(
むすこ
)
が通って来た。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
やせ
形
(
がた
)
な、すらりとして色の白いところは相手の秋山とはまるで違っている。秋山は二十五か六という年輩で、丸く肥えて赤ら顔で、目元に
愛嬌
(
あいきょう
)
があって、いつもにこにこしているらしい。
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
すたすた歩いて行く痩せ
形
(
がた
)
の姿は、或る近づき難い冷たさを持っていた。
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
群集は門衛に切符を渡し、一列に成つて電灯の
点
(
つ
)
いて居る狭い螺旋
形
(
がた
)
の
石階
(
いしだん
)
を
徐徐
(
じよ/\
)
と地下へ降り始めた。戯れに
御経
(
おきやう
)
を唱へ出す男の
群
(
むれ
)
があつて皆を笑はせた。日本ならば念仏と云ふ所であらう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
また
内部
(
ないぶ
)
から
蒸氣
(
じようき
)
を
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
すためぱん
形
(
がた
)
のものとなるのである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
達吉
(
たつきち
)
の
母親
(
ははおや
)
は、やせ
形
(
がた
)
な、
女
(
おんな
)
らしい、
優
(
やさ
)
しい
性質
(
せいしつ
)
の
人
(
ひと
)
でした。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さかづきの
形
(
かた
)
、とんぼ
形
(
がた
)
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
山姥
(
やまうば
)
は
井戸
(
いど
)
のそこをのぞいてみましたが、とても手がとどかないので、くやしがって、
物置
(
ものおき
)
から
鎌
(
かま
)
をさがして
来
(
き
)
て、
桃
(
もも
)
の木のびんつけを
削
(
けず
)
り
落
(
お
)
として、
新
(
あたら
)
しく
切
(
き
)
り
形
(
がた
)
をつけはじめました。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
お孝が
凜々
(
りり
)
しい娘
形
(
がた
)
、——さながらのその娘風の
艶
(
えん
)
に
媚
(
なまめ
)
かしいものであった。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
併
(
しか
)
し
是
(
これ
)
等は従来から有つた型で今年の新流行と云ふ物は
未
(
ま
)
だ出ない様だ。
併
(
しか
)
し
明日
(
あす
)
にも
屹度
(
きつと
)
帽子屋が新
形
(
がた
)
を
拵
(
こしら
)
へて知名な女優に贈り
夫
(
それ
)
を
被
(
かぶ
)
つた姿を写真に
撮
(
とら
)
せて貰つて一般に
流行
(
はや
)
らせる事であらう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
先生
(
せんせい
)
は、やせ
形
(
がた
)
の
背
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い
生徒
(
せいと
)
の
方
(
ほう
)
をごらんになりました。
汽車は走る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
桟敷
形
(
がた
)
の
伊香保
(
いかほ
)
の街。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
と
罵
(
ののし
)
るか、笑うか、一つ大声が響いたと思うと、あの長靴なのが、つかつかと進んで、半月
形
(
がた
)
の講壇に上って、ツと身を一方に開くと、一人、
真
(
まっ
)
すぐに進んで、正面の黒板へ
白墨
(
チョオク
)
を手にして
雪霊続記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白がさねして、
薄紅梅
(
うすこうばい
)
に銀のさや
形
(
がた
)
の
衣
(
きぬ
)
、
白地
(
しろじ
)
金襴
(
きんらん
)
の帯。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
形
常用漢字
小2
部首:⼺
7画
“形”を含む語句
形容
形相
人形
異形
形成
形態
形状
円形
形体
形象
大形
地形
花形
外形
印形
弓形
扇形
形式
形勢
女形
...