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太陽
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ひ
ふりがな文庫
“
太陽
(
ひ
)” の例文
吃驚
(
びっくり
)
したようにあたりを見ながら、夢に、
菖蒲
(
あやめ
)
の花を三本、
莟
(
つぼみ
)
なるを手に提げて、暗い処に立ってると、
明
(
あかる
)
くなって、
太陽
(
ひ
)
が
射
(
さ
)
した。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
樹々は暗くなる程繁り、
生籬
(
いけがき
)
や森は、葉が繁り、色が濃くなつて、間にある刈り取つたあとの牧場の
太陽
(
ひ
)
に
映
(
は
)
えた色と、いゝ對照をしてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
じょきり、じょきり、惜しげも無く切って、それから髪の毛を結び合せ、長い一本の綱を作りました。それは
太陽
(
ひ
)
のもとで最も美しい綱でした。
ろまん灯籠
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
一本
(
ひともと
)
の、木蓮の木があり、白絹細工のような花が、
太陽
(
ひ
)
に向かって咲き揃っているのを見、(美しくて清らかで、若々しくて、まるで頼母様のようですこと)
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
どりゃ、
太陽
(
ひ
)
が
其
(
その
)
燃
(
も
)
ゆるやうな
眼
(
まなこ
)
を
擧
(
あ
)
げて
今日
(
けふ
)
の
晝
(
ひる
)
を
慰
(
なぐさ
)
め、
昨夜
(
さくや
)
の
濕氣
(
しっき
)
を
乾
(
かわか
)
す
前
(
まへ
)
に、
毒
(
どく
)
ある
草
(
くさ
)
や
貴
(
たふと
)
い
液
(
しる
)
を
出
(
だ
)
す
花
(
はな
)
どもを
摘
(
つ
)
んで、
吾等
(
われら
)
の
此
(
この
)
籃
(
かご
)
を一
杯
(
ぱい
)
にせねばならぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
もう、
戸外
(
そと
)
には、
小禽
(
ことり
)
がチチと
啼
(
な
)
いていた。紙燭の
蝋
(
ろう
)
がとぼりきれると共に、朝は白々とあけて、
御葉山
(
みはやま
)
の丘の針葉樹に、若い
太陽
(
ひ
)
の光がチカチカと
耀
(
かがや
)
いていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
太陽
(
ひ
)
の傾くに連れて風の力も漸く衰え、垂れた雲は山膚を白く薄化粧したまま、
塒
(
ねぐら
)
を恋うる鳥のように元の頂きに返って、入日の光に暫し金茶色に燃えたかと思う間もなく
山と村
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
私たち三人の外には、看護婦と女中と、馬の
守
(
もり
)
をする下男とが住んでおりましたが、いずれも気立のよい人間ばかりで、一家には、いわばあかるい
太陽
(
ひ
)
が照り輝いておりました。
安死術
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
恰度
(
ちやうど
)
日盛
(
ひざかり
)
で
太陽
(
ひ
)
は
燦然
(
ぎら/\
)
と
煌
(
かゞや
)
き、
暑
(
あつさ
)
は
暑
(
あつ
)
し、
園
(
その
)
の
中
(
なか
)
は
森
(
しん
)
として
靜
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
少しは
紛
(
まぎ
)
れて貧家に
温
(
ぬく
)
き
太陽
(
ひ
)
のあたる
如
(
ごと
)
く
淋
(
さび
)
しき中にも貴き
笑
(
わらい
)
の唇に動きしが、さりとては
此子
(
このこ
)
の愛らしきを
見様
(
みよう
)
とも
仕玉
(
したま
)
わざるか
帰家
(
かえら
)
れざるつれなさ、子供心にも親は恋しければこそ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
室の正面には黄金のお
太陽
(
ひ
)
様
(
さま
)
と
白金
(
しろがね
)
のお月様を祭ってあります。
雪の塔
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
海若藍平
(著)
屋根の
太陽
(
ひ
)
は赤く
澱
(
おど
)
みて石だたみ古るき
歩道
(
ほだう
)
に暮れ落ちにけり
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
クリストフ
太陽
(
ひ
)
が傾いてきた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
肖
(
に
)
たとは
迂哉
(
おろか
)
。今年
如月
(
きさらぎ
)
、紅梅に
太陽
(
ひ
)
の白き朝、同じ町内、
御殿町
(
ごてんまち
)
あたりのある家の門を、
内端
(
うちわ
)
な、しめやかな
葬式
(
とむらい
)
になって出た。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
観る物
悉
(
ことごと
)
く荒れ果てた中にただ一つだけ栄えているのは母屋や工場を
囲繞
(
いにょう
)
して立派に造られた花園だけで折柄秋の
太陽
(
ひ
)
を浴びてあらゆる薬草毒草の花が虹のように燦然と輝いている。
物凄き人喰い花の怪
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「まっ赤だな、今日の
太陽
(
ひ
)
は」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汝
(
みまし
)
また
太陽
(
ひ
)
にも
倦
(
あ
)
きしか
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「マア、面白い事。おかしい事。
一寸
(
ちょっと
)
ヒョットコさん、御覧なさいよ。何て奇麗なお月様でしょう。何て明るいお
太陽
(
ひ
)
様でしょう。
妾
(
わたし
)
すっかり感心しちゃったわよ。こんな有難い事は無いわよ。ホントに勿体ない——嬉しい事……オホホホホ」
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
美わしき喜びの
太陽
(
ひ
)
を
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「はあ、……」と、
聞
(
き
)
くのに
氣
(
き
)
の
入
(
はひ
)
つた
婦
(
をんな
)
の
顏
(
かほ
)
は、
途中
(
とちう
)
が
不意
(
ふい
)
に
川
(
かは
)
に
成
(
な
)
つたかと
思
(
おも
)
ふ、
涼
(
すゞ
)
しけれども
五月
(
ごぐわつ
)
半
(
なか
)
ばの
太陽
(
ひ
)
の
下
(
した
)
に、
偶
(
ふ
)
と
寂
(
さび
)
しい
影
(
かげ
)
が
映
(
さ
)
した。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
上段に冠って敵に向かい、来い! 切るぞ!
斃
(
たお
)
すぞと、構えている茅野雄の刀身であった。空の一所に雲があって、野茨の花が群れているように見えたが、ゆるゆると動いて
太陽
(
ひ
)
を蔽うた。
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と見る、偉大なる
煙筒
(
えんとつ
)
のごとき煙の柱が、
群湧
(
むらがりわ
)
いた、入道雲の頂へ、海ある空へ
真黒
(
まっくろ
)
にすくと立つと、
太陽
(
ひ
)
を横に並木の正面、根を
赫
(
かっ
)
と赤く焼いた。
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
太陽
(
ひ
)
は今空に輝いてはいるが
鬱蒼
(
うっそう
)
たる樹々に
遮
(
さえぎ
)
られて月夜のように薄暗い。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
処へ、毎朝海岸まで、お
太陽
(
ひ
)
さまを拝みに行きます、旦那が、出入りの賀の市という
按摩
(
あんま
)
と、連立って帰りました。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
太陽
(
ひ
)
が出ました!」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
狭いが、
群集
(
ぐんじゅ
)
の
夥
(
おびただ
)
しい町筋を、斜めに
奴
(
やっこ
)
を連れて帰る——
二個
(
ふたつ
)
、
前後
(
あとさき
)
にすっと並んだ薄色の
洋傘
(
こうもり
)
は、大輪の
芙蓉
(
ふよう
)
の
太陽
(
ひ
)
を浴びて、冷たく輝くがごとくに見えた。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
音
(
おと
)
に
鎗
(
やり
)
ヶ
嶽
(
だけ
)
と
中空
(
なかぞら
)
に
相聳
(
あひそび
)
えて、
月
(
つき
)
を
懸
(
か
)
け
太陽
(
ひ
)
を
迎
(
むか
)
ふると
聞
(
き
)
く……
此
(
こ
)
の
建物
(
たてもの
)
はさすがに
偉大
(
おほき
)
い。——
朧
(
おぼろ
)
の
中
(
なか
)
に
然
(
さ
)
ばかり
蔓
(
はびこ
)
つた
牛
(
うし
)
の
姿
(
すがた
)
も、
床
(
ゆか
)
走
(
はし
)
る
鼠
(
ねずみ
)
のやうに
見
(
み
)
えた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
渠
(
かれ
)
の
前
(
まへ
)
には、
一座
(
いちざ
)
滑
(
なめら
)
かな
盤石
(
ばんじやく
)
の、
其
(
そ
)
の
色
(
いろ
)
、
濃
(
こ
)
き
緑
(
みどり
)
に
碧
(
あを
)
を
交
(
まじ
)
へて、
恰
(
あだか
)
も
千尋
(
せんじん
)
の
淵
(
ふち
)
の
底
(
そこ
)
に
沈
(
しづ
)
んだ
平
(
たひら
)
かな
巌
(
いは
)
を、
太陽
(
ひ
)
の
色
(
いろ
)
も
白
(
しろ
)
いまで、
霞
(
かすみ
)
の
満
(
み
)
ちた、
一塵
(
いちぢん
)
の
濁
(
にご
)
りもない
蒼空
(
あをぞら
)
に
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
榎
(
えのき
)
の
枝
(
えだ
)
からは
時
(
とき
)
々はら/\と
雫
(
しづく
)
が
落
(
お
)
ちる、
中流
(
ちうりう
)
へ
太陽
(
ひ
)
がさして、みつめて
居
(
ゐ
)
るとまばゆいばかり。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
というもので、
筵
(
むしろ
)
を並べて、笠を
被
(
かぶ
)
って坐った、山茱萸、山葡萄の
婦
(
おんな
)
どもが、
件
(
くだん
)
のぼやけさ加減に何となく誘われて、この姿も、またどうやら
太陽
(
ひ
)
の色に
朧々
(
おぼろおぼろ
)
として見える。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
皆
(
みな
)
まで
言
(
い
)
はせず、
老爺
(
ぢい
)
が
其
(
そ
)
の
眉
(
まゆ
)
、
白銀
(
しろがね
)
の
如
(
ごと
)
き
光
(
ひかり
)
を
帯
(
お
)
びて、
太陽
(
ひ
)
に
向
(
むか
)
ふ
目
(
め
)
を
輝
(
かゞや
)
かした。
手拍子
(
てべうし
)
拍
(
う
)
つやう、
腰
(
こし
)
の
麻袋
(
あさぶくろ
)
をはた/\と
敲
(
たゝ
)
いたが、
鬼
(
おに
)
に
向
(
むか
)
つて
臀
(
いしき
)
を
掻
(
か
)
く、
大胆不敵
(
だいたんふてき
)
の
状
(
さま
)
が
見
(
み
)
えた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
幽
(
かすか
)
に小さい、楓の樹のこんもり葉の繁ったのが見えて、その緑色が濡れているのに、
太陽
(
ひ
)
がさして、空が
蒼
(
あお
)
く晴れた処に、キラキラとうつくしいものが
振下
(
ぶらさが
)
って……それにね、白い手で
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
電車の
塵
(
ちり
)
も冬空です……
澄透
(
すみとお
)
った空に
晃々
(
きらきら
)
と
太陽
(
ひ
)
が照って、五月頃の
潮
(
うしお
)
が押寄せるかと思う人通りの激しい中を、薄い霧一筋、岸から離れて、さながら、東海道で富士を
視
(
なが
)
めるように、あの
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
我
(
われ
)
勝
(
が
)
ち、
鳥
(
とり
)
が
飛
(
と
)
ぶやうに、ばら/\
散
(
ち
)
ると、さすがは
救世主
(
キリスト
)
のお
乳母
(
うば
)
さん、のさつと
太陽
(
ひ
)
の
下
(
した
)
に
一人
(
ひとり
)
堆
(
うづたか
)
く
黒
(
くろ
)
い
服
(
ふく
)
で
突立
(
つゝた
)
つて、
其
(
そ
)
の
狂人
(
きちがひ
)
と
向合
(
むきあ
)
つて
屈
(
かゞ
)
みましたつけが、
叶
(
かな
)
はなく
成
(
な
)
つたと
見
(
み
)
えて
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
山の根を
畝
(
うね
)
り、岩に躍り、
渚
(
なぎさ
)
に
飜
(
かえ
)
って、沖を高く中空に動けるは、我ここに天地の間に
充満
(
みちみち
)
たり、何物の怪しき影ぞ、
円
(
まどか
)
なる
太陽
(
ひ
)
の光を
蔽
(
おお
)
うやとて、大紅玉の悩める
面
(
おもて
)
を、
拭
(
ぬぐ
)
い洗わんと、苛立ち
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ぞんざいに黒い裏を見せて
引
(
ひっ
)
くり返っているのを、白い指でちょいと直し、素足に
引懸
(
ひっか
)
け、がたり腰障子を左へ開けると、十時過ぎの
太陽
(
ひ
)
が、向うの井戸端の、柳の上から
斜
(
はす
)
っかけに、
遍
(
あまね
)
く
射込
(
さしこ
)
んで
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
中流へ
太陽
(
ひ
)
がさして、みつめているとまばゆいばかり。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
太陽
(
ひ
)
はたけなわに白い。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
太
常用漢字
小2
部首:⼤
4画
陽
常用漢字
小3
部首:⾩
12画
“太陽”で始まる語句
太陽様
太陽汗
太陽神
太陽の岸
太陽光
太陽樣
太陽虫
太陽の門
太陽崇拜
太陽広場