地方ちはう)” の例文
中央ちうあうおよび地方ちはう財政ざいせい整理緊縮せいりきんしゆく國債こくさい整理せいり國民こくみん消費節約せうひせつやくとが相俟あひまつて其效果そのかうくわもつと國際貸借こくさいたいしやくうへあらはれたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
アフリカ某地方ちはうの土人は土堀つちほり用のとがりたるぼう石製せきせいをばつばの如くにめてをもりとし、此道具どうぐ功力こうりよくを増す事有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
あね小柄こがらの、うつくしいあいらしいからだかほ持主もちぬしであつた。みやびやかな落着おちついた態度たいど言語げんごが、地方ちはう物持ものもち深窓しんそうひととなつた処女しよぢよらしいかんじを、竹村たけむらあたへた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
法学士はふがくし一人ひとり工学士こうがくし二人ふたり地方ちはう病院長びやうゐんちやう一人ひとり生命保険せいめいほけん会社員くわいしやいん一人ひとり日本鉄道にほんてつだう駅長えきちやう一人ひとり商館番頭しやうくわんばんたう築地つきぢ諸機械しよきかい)と横浜よこはま生糸きいと)とで二人ふたり
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
観湖楼くわんころう羽織袴はおりはかまは、とくわたしたちのためではない、をりから地方ちはう顕官けんくわん巡遊じゆんいうがあつた、その送迎そうげい次手ついでである。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼女等はこの地方ちはうの山地の出生で、この日はじめて海に這入はいるのだが、黒色のどう人魚にんぎよで無からうかと幻覺を起させるほど、ここの風景に調和した慣海性があつた。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
うちつて彼是かれこれまぎれてゐるうちに、はや半月はんつきつたが、地方ちはうにゐる時分じぶんあんなににしてゐた家邸いへやしきことは、ついまだ叔父をぢさずにゐた。あるとき御米およね
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼女かのぢよが、戀人こひびと片山かたやまと一しよ生活せいくわつしたのは、わづかかに三ヶげつばかりだつた。かれがそのぞくしてゐるたう指令しれいのもとに、ある地方ちはう派遣はけんされたのち彼等かれら滅多めつた機會きくわいもなかつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
彼女かのぢよ長男ちやうなんつとむゆめのやうに成人せいじんした。小學時代せうがくじだいから學業がくげふ品行ひんかうとも優等いうとう成績せいせきで、今年ことし中學ちうがくへると、すぐに地方ちはう專問學校せんもんがくかう入學試驗にふがくしけんけるためにつたのである。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
廉直れんちよくなる方針はうしん地方ちはう新聞紙しんぶんし芝居しばゐ學校がくかう公會演説こうくわいえんぜつ教育けういくある人間にんげん團結だんけつ是等これらみな必要ひつえうからざるものである。また社會しやくわいみづかさとつておどろくやうになければならぬとかなどとのことで。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それゆゑ地方ちはう公共團體こうきようだんたい財政ざいせい中央ちうあう同樣どうやう整理緊縮せいりきんしゆく方針はうしんつて昭和せうわ年度ねんど實行豫算じつかうよさんうへおいては二おく三千九百萬圓まんゑん整理緊縮せいりきんしゆくおこなふたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
地方ちはうより出でたる糸掛け石も形状けいじやう大さとも概ね此例このれいの如し。此石器せききの用は未だ詳ならざれども切り目の樣子やうすを見れば糸を以てくくりたるものなる事疑ひ無し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
地方ちはう風物ふうぶつ變化へんくわすくない。わけてたゞ一年いちねん、ものすごいやうにおもふのは、つきおなつきはたゞ前後ぜんごして、——谿川たにがはたふれかゝつたのもほとんおな時刻じこくである。むすめ其處そこ按摩あんま彼處かしこに——
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ある地方ちはう郡立病院ぐんりつびやうゐんに、長年ながねん看護婦長かんごふちやうをつとめてるもとめは、今日けふにち時間じかんからはなたれると、きふこゝろからだたるんでしまつたやうな氣持きもちで、れて廊下らうかしづかにあるいてゐた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
漁業者ぎよげふしや建築家けんちくかとで阿米利加あめりかもの二人ふたり地方ちはう中学教員ちうがくけういん一人ひとり某省ぼうせう属官ぞくくわん二人ふたり大阪おほさか横浜よこはまとで銀行員ぎんかういん二人ふたり三州さんしうざいかくれてゑてるのが一人ひとり石炭せきたん売込屋うりこみや一人ひとり
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
みな盜人ぬすびとのやうな奴等計やつらばかりだとか、乘馬じようばけば一にちに百ヴエルスタもばせて、其上そのうへ愉快ゆくわいかんじられるとか、我々われ/\地方ちはう不作ふさくなのはピンぬまなどをからしてしまつたからだ、非常ひじやう亂暴らんばうをしたものだとか
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
是等これらは皆現今用ゐらるるものの例なれど、古代に在ても地方ちはうに由り人種に由つては種々樣々しゆ/″\さま/″\なる住居ぢうきよ有りし事疑ふべからず。コロボックルは如何なる種類しゆるゐの住居をいうせしや。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
なほまた財政ざいせい膨脹ぼうちやう中央政府ちうあうせいふかぎらず、地方ちはう公共團體こうきようだんたい財政ざいせいはより以上いじやう膨脹ぼうちやうしてつて
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
地方ちはうでも其界隈そのかいわいは、封建ほうけんころきはめてふうわる士町さむらひまちで、妙齡めうれい婦人ふじん此處こゝ連込つれこまれたもの、また通懸とほりかゝつたもの、して腰元妾奉公こしもとめかけぼうこうになどつたもののきてかへつたためしはない、とあとでいた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今日こんにちになつて見ると、右の会員の変遷へんせんおどろもので、其内そのうち死亡しばうしたもの行方不明ゆくへふめいもの音信不通いんしんふつうものなどが有るが、知れてぶんでは、諸機械しよきかい輸入ゆにふ商会しやうくわいもの一人ひとり地方ちはう判事はんじ一人ひとり
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼女かのぢよ病院びやうゐん生活せいくわつつてから三年目ねんめあきに、ある地方ちはうから一人ひとりわか醫者いしやて、その病院びやうゐん醫員いゐんになつた。かれ所謂いはゆる人好ひとずきのするをとこで、こと院内ゐんない看護婦達かんごふたちをすぐになづけてしまうことが出來できた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
おなじことを、東京とうきやうでは世界一せかいいち地方ちはうでは日本一につぽんいちほこる。
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)