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蝋燭
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らふそく
ふりがな文庫
“
蝋燭
(
らふそく
)” の例文
提灯は疊んで半分ほども使つた
蝋燭
(
らふそく
)
をむき出しにしてありますが、昨夜使つたものらしく、まだ蝋の煮える匂ひが殘つてゐさうです。
銭形平次捕物控:127 彌惣の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
手品師はそれを受取ると五尺ほどの足のついた台上に置いて、自らは
蝋燭
(
らふそく
)
を
点
(
とも
)
し、箱の上下左右を照して、
暫
(
しばら
)
くはぢつと目を
瞑
(
つぶ
)
つた。
手品師
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
桟橋
(
さんばし
)
に
出
(
で
)
て
見
(
み
)
ると、がらんとした
大桟橋
(
だいさんばし
)
の
上屋
(
うはや
)
の
下
(
した
)
に、三つ四つ
卓子
(
テーブル
)
を
列
(
なら
)
べて、
税関
(
ぜいくわん
)
の
役人
(
やくにん
)
が
蝋燭
(
らふそく
)
の
光
(
ひかり
)
で
手荷物
(
てにもつ
)
の
検査
(
けんさ
)
をして
居
(
ゐ
)
る。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
二人は中甲板へ降りて、うまさうな
匂
(
にほ
)
ひの放散してゐるコック部屋の側を通つて、薄暗い裸の
蝋燭
(
らふそく
)
の灯の見える機関室へ降りて行つた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
最後
(
さいご
)
に
丸
(
まる
)
い
穴
(
あな
)
の
開
(
あ
)
いた
反射鏡
(
はんしやきやう
)
を
出
(
だ
)
して、
宗助
(
そうすけ
)
に
蝋燭
(
らふそく
)
を
點
(
つ
)
けて
呉
(
く
)
れと
云
(
い
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
は
蝋燭
(
らふそく
)
を
持
(
も
)
たないので、
清
(
きよ
)
に
洋燈
(
らんぷ
)
を
點
(
つ
)
けさした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
廊下には裏の林の
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
が雨に
濡
(
ぬ
)
れて散り込んで来てゐる。
銀箭
(
ぎんせん
)
のやうな雨脚が烈しく庭に落ちて来てゐるのが、それと
蝋燭
(
らふそく
)
の光に見える。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
賊は火のついた
蝋燭
(
らふそく
)
を手にもつて、戸口を一歩踏み出すと、
忽
(
たちま
)
ち、何者にか足をさらはれて、バツタリとそこに
仆
(
たふ
)
れました。
ラマ塔の秘密
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
最後に「日本の聖母の寺」その
内陣
(
ないじん
)
のおん母マリア。
穂麦
(
ほむぎ
)
に
交
(
ま
)
じつた
矢車
(
やぐるま
)
の花。光のない真昼の
蝋燭
(
らふそく
)
の火。窓の外には遠いサント・モンタニ。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして向ふに一人の子供が丁度風で消えようとする
蝋燭
(
らふそく
)
の火のやうに光ったり又消えたりぺかぺかしてゐるのを見ました。
ひかりの素足
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それに
酷
(
ひど
)
いわ、
蝋燭
(
らふそく
)
も無しにひとりぼつちで閉ぢこめて置くなんて、
酷
(
ひど
)
いわ——まつたく酷いんで、決して、忘れないわ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
肩
(
かた
)
を
揃
(
そろ
)
へて、
雛
(
ひな
)
の
繪
(
ゑ
)
に
見
(
み
)
る……
袖
(
そで
)
を
左右
(
さいう
)
から
重
(
かさ
)
ねた
中
(
なか
)
に、どちらの
手
(
て
)
だらう、
手燭
(
てしよく
)
か、
臺
(
だい
)
か、
裸火
(
はだかび
)
の
蝋燭
(
らふそく
)
を
捧
(
さゝ
)
げて
居
(
ゐ
)
た。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
正面に祭壇があつて、
蝋燭
(
らふそく
)
の火がともり、花やお菓子や、そのほかいろんな供物が並んでゐまして、主キリストの像の前に、香の煙が立昇つてゐます。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
試
(
こゝろ
)
みに
蝋燭
(
らふそく
)
が
吹
(
ふ
)
き
消
(
け
)
された
後
(
あと
)
の
燄
(
ほのふ
)
の
樣
(
さま
)
を
想像
(
さうざう
)
して
見
(
み
)
ました、
前
(
まへ
)
に
其麽
(
そんな
)
物
(
もの
)
を
見
(
み
)
たことを
記憶
(
きおく
)
して
居
(
ゐ
)
ませんでしたから。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
急ぎしゆゑ少しも早くと思ふ
念
(
ねん
)
より八ツを七ツと
聞違
(
きゝちが
)
へて我を
起
(
おこ
)
し
呉
(
くれ
)
しならんまだ
勿
(
な
)
か/\に夜は明まじ
偖
(
さて
)
蝋燭
(
らふそく
)
の
無
(
なく
)
ならば
困
(
こま
)
つたものと立止り
灯影
(
ほかげ
)
に中を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
蝋燭
(
らふそく
)
がそれでは短いやろ、竹ちやんこれ持つといで。」と、
床頭臺
(
しやうとうだい
)
の
抽斗
(
ひきだし
)
から十本ばかりの蝋燭を取り出し、白紙に包んで、竹丸の方へ手を差し伸した。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
私等は奥の院の裏手に廻り、提灯を消して
暗闇
(
くらやみ
)
に腰をおろした。
其処
(
そこ
)
は暗黒であるが、その向うに大きな
唐銅
(
からかね
)
の
鼎
(
かなへ
)
があつて、
蝋燭
(
らふそく
)
が幾本となくともつてゐる。
仏法僧鳥
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
彼は闇のなかでマッチを手さぐり、枕もとの
蝋燭
(
らふそく
)
に灯をともすと寝床から起き上つた。さうしてその燭台を、隣に眠つて居る妻の顔の上へ、ぢつとさしつけた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
丑松も叔父に導かれ、すこし腰を
曲
(
こゞ
)
め、薄暗い
蝋燭
(
らふそく
)
の灯影に是世の最後の
別離
(
わかれ
)
を告げた。見れば父は孤独な牧夫の生涯を終つて、牧場の土深く横はる時を待つかのやう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
唯
(
た
)
だ一体に清潔なのと観望に富んで居るのとが
遊客
(
いうかく
)
を喜ばせる。
永代
(
えいたい
)
供養を捧げる
富家
(
ふか
)
の信者が在住支那人中に多いと見えて
何
(
いづ
)
れの堂にも朱
蝋燭
(
らふそく
)
の
明
(
あかり
)
と香煙とを絶たない。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
燈
(
あかり
)
がつけられると思つてネ、
万
(
よろづ
)
やへボツ/\いつて
蝋燭
(
らふそく
)
一
挺
(
ちやう
)
買つてネ、
直
(
す
)
ぐ帰らうとすると
万
(
よろづ
)
やの
五郎兵衛
(
ゴロベイ
)
どんが、おとめさん
久振
(
ひさしぶ
)
りだ一服吸つていきなつて愛想するから
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
綿打弓
(
わたうちゆみ
)
でびんびんとほかした
綿
(
わた
)
は
箸
(
はし
)
のやうな
棒
(
ぼう
)
を
心
(
しん
)
にして
蝋燭
(
らふそく
)
位
(
ぐらゐ
)
の
大
(
おほ
)
きさにくる/\と
丸
(
まる
)
める。それがまるめである。
此
(
こ
)
のまるめから
不器用
(
ぶきよう
)
な
百姓
(
ひやくしやう
)
の
手
(
て
)
が
自在
(
じざい
)
に
絲
(
いと
)
を
引
(
ひ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
清ちやんは、さういふ中に
蝋燭
(
らふそく
)
のやうに白い顏を横たへて、辛うじて
呼吸
(
いき
)
をつゞけてゐた。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
而
(
しか
)
も、その
暗記
(
あんき
)
の
仕方
(
しかた
)
といふのが、
先
(
ま
)
づ
日光
(
につくわう
)
の
中
(
なか
)
で、
次
(
つぎ
)
は
曇
(
くも
)
り
日
(
び
)
、
次
(
つぎ
)
は
夕方
(
ゆふがた
)
、
次
(
つぎ
)
は
電燈
(
でんとう
)
、
結局
(
けつきよく
)
最後
(
さいご
)
に
蝋燭
(
らふそく
)
の
光
(
ひかり
)
の
中
(
なか
)
でといふ
風
(
ふう
)
に
明暗
(
めいあん
)
の
順序
(
じゆんじよ
)
を
追
(
お
)
つて
眼
(
め
)
を
慣
(
な
)
らしながら
研究
(
けんきう
)
暗記
(
あんき
)
し
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
と云つて、ふところから、
蝋燭
(
らふそく
)
とマツチと、白い木綿糸をからげた糸巻を出しました。私はびつくりして時男さんの顔を見ますと、時男さんはうれしさうにニコ/\してゐました。
時男さんのこと
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
窟外
(
くつぐわい
)
からは、
角燈
(
かくとう
)
、
蝋燭
(
らふそく
)
なんど、
點火
(
てんくわ
)
して、
和田
(
わだ
)
、
大野
(
おほの
)
、
水谷
(
みづたに
)
といふ
順序
(
じゆんじよ
)
で
入來
(
いりきた
)
つた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
翁が
妻
(
つま
)
水のうちよりもゆる火を見せ申さんとて、
混堂
(
ゆや
)
のうしろに
僅
(
わづか
)
の山田ある所にいたり、田の水の中に少し
湧
(
わく
)
ところあるにつけぎの火をかざししに、水中の火
蝋燭
(
らふそく
)
のもゆるが如し。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その男は
蝋燭
(
らふそく
)
をつけて俵の下を覗いてみると、大きな鼠がうろ/\してゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「こいつは夜ふけてから持ち出しませう。」二人は
蝋燭
(
らふそく
)
の灯の下にこゞまつて、こんなことを言ひながら一つの荷造りをといて、時計の函をすつかり取り出し、それを又一つにしばつて、片わきへ
勇士ウ※[#小書き片仮名ヲ]ルター(実話)
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
Nとわれとの間なる
蝋燭
(
らふそく
)
の火は幾度か揺れたり。
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
西洋
蝋燭
(
らふそく
)
の大理石よりも白きを
硝子
(
がらす
)
の鉢に
燃
(
もや
)
し
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
あかあかと
据
(
す
)
ゑし
蝋燭
(
らふそく
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
喜太郎が立つと、廊下の側にゐる人間はなくなるが、廊下に向いた障子はあちこち開けてあるし、部屋中には燭臺が十六、百目
蝋燭
(
らふそく
)
を
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
机代用のリンゴ箱の上の
蝋燭
(
らふそく
)
の灯が静かに上下に
揺
(
ゆら
)
いでゐる。それを眺めてゐると、遠からず来るであらう自分のお
通夜
(
つや
)
のさまが聯想された。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
彼はみづから燃え尽きようとする一本の
蝋燭
(
らふそく
)
にそつくりである。彼の所業やジヤアナリズムは即ちこの蝋燭の
蝋涙
(
らふるゐ
)
だつた。
続西方の人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
香の煙が幕のなかにいつぱいひろがり、
蝋燭
(
らふそく
)
の火がゆらめいて、お祷りが始まりました。しいんとしたなかに、神父さまの声だけが厳かに響きました。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
かれは一本持つて来た
蝋燭
(
らふそく
)
を取出して、それにマッチをすつて火を
点
(
とも
)
した。本堂の中はもう真暗であつた。蝋燭の火は青くかれの
鬚
(
ひげ
)
の濃い顔を照した。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
其
(
そ
)
の
暗夜
(
やみよ
)
から、
風
(
かぜ
)
が
颯
(
さつ
)
と
吹通
(
ふきとほ
)
す。……
初嵐
(
はつあらし
)
……
可懷
(
なつかし
)
い
秋
(
あき
)
の
聲
(
こゑ
)
も、いまは
遠
(
とほ
)
く
遙
(
はるか
)
に
隅田川
(
すみだがは
)
を
渡
(
わた
)
る
數萬
(
すまん
)
の
靈
(
れい
)
の
叫喚
(
けうくわん
)
である。……
蝋燭
(
らふそく
)
がじり/\とまた
滅入
(
めい
)
る。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
些
(
や
)
や
薄氣味惡
(
うすぎみわる
)
くなつて
來
(
き
)
たと
見
(
み
)
えて、『
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つた
先
(
さき
)
で、
私
(
わたし
)
は
蝋燭
(
らふそく
)
のやうに
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せて
了
(
しま
)
うのではないかしら、まァ
何
(
ど
)
うなるでせう?』と
呟
(
つぶや
)
いて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
わたしも
粟
(
あは
)
アくつて、「なにかへ、
芳
(
ヨシ
)
んとこから来たんぢやねいか」ツていふと、これだといふのさ、
挨拶
(
あいさつ
)
もろくにしねいでうちへけいて
蝋燭
(
らふそく
)
うつけてぢいさんに読んで
貰
(
もら
)
ふと
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
翁が
妻
(
つま
)
水のうちよりもゆる火を見せ申さんとて、
混堂
(
ゆや
)
のうしろに
僅
(
わづか
)
の山田ある所にいたり、田の水の中に少し
湧
(
わく
)
ところあるにつけぎの火をかざししに、水中の火
蝋燭
(
らふそく
)
のもゆるが如し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
みんなは懐中電気やら、
炬火
(
たいまつ
)
やら、
蝋燭
(
らふそく
)
やらを壁だの天井だのにさしつけて、秘密の出入口でもありはしないかと、しきりにさがしましたけれど、一向それらしいものが見当りません。
ラマ塔の秘密
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
取出し
漸々
(
やう/\
)
蝋燭
(
らふそく
)
へ
點
(
とも
)
しければさあ/\音吉
注意
(
きをつけ
)
て又風に火を取れぬやう急げ/\と
急立
(
せきたつ
)
れば音吉は見返りつゝ旦那樣
近道
(
ちかみち
)
に致しませうかと問に平兵衞如何樣
小篠堤
(
をざさつゝみ
)
の
近道
(
ちかみち
)
を行ふと音吉を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
燐寸
(
まつち
)
を
擦
(
す
)
つて
蝋燭
(
らふそく
)
を
點
(
とも
)
して、それを
臺所
(
だいどころ
)
にあつた
小桶
(
こをけ
)
の
中
(
なか
)
へ
立
(
た
)
てゝ、
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
へ
出
(
で
)
たが、
次
(
つぎ
)
の
部屋
(
へや
)
には
細君
(
さいくん
)
と
子供
(
こども
)
が
寐
(
ね
)
てゐるので、
廊下傳
(
らうかづた
)
ひに
主人
(
しゆじん
)
の
書齋
(
しよさい
)
へ
來
(
き
)
て、
其所
(
そこ
)
で
仕事
(
しごと
)
をしてゐると
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
室
(
へや
)
にはほんの小さな
蝋燭
(
らふそく
)
が一本
点
(
つ
)
いて、その下に扇風機が置いてありました。
毒蛾
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
妻はやつと目を覚したが、
眩
(
まぶ
)
しさうに、揺れて居る
蝋燭
(
らふそく
)
の光を避けて、目をそむけた。さうして未だ十分に目の覚めて居ない人がよくする通りに口をもがもがと動かして、半ば口のなかで
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
線香の煙に交る室内の夜の空気の中に、
蝋燭
(
らふそく
)
の
燃
(
とぼ
)
るのを見るも悲しかつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
赤い色で
障子
(
しやうじ
)
に大きく
蝋燭
(
らふそく
)
の形を
畫
(
ゑが
)
いた家が、其の先の方にあつた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ああ、
蝋燭
(
らふそく
)
はすでに三度も取り代へられ
呼子と口笛
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
白き
蝋燭
(
らふそく
)
の銀の光を高くさしかざせば
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
その右手に持たせる恰好にし
蝋燭
(
らふそく
)
を吹き消して——こいつはやり過ぎだつたが、家持の町人はどんな場合でも火の用心は忘れない——
銭形平次捕物控:182 尼が紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“蝋燭(ろうそく)”の解説
ろうそく(漢字表記:蝋燭あるいは蠟燭「蝋燭」は簡易慣用字体で、正字は「蠟燭」、en: candle キャンドル)は、綿糸などの糸あるいはイグサ(灯芯草)をにして、その周囲に円柱状に蝋(ろう)を固めて成型した灯火用具。ロウソク、ローソクとも。
(出典:Wikipedia)
蝋
漢検準1級
部首:⾍
14画
燭
漢検準1級
部首:⽕
17画
“蝋燭”で始まる語句
蝋燭屋
蝋燭立
蝋燭代
蝋燭火
蝋燭位
蝋燭台
蝋燭岩
蝋燭持
蝋燭焼
蝋燭瘡