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やはり
ふりがな文庫
“
矢張
(
やはり
)” の例文
暁方
(
あけがた
)
目を覚すと霧が間近の木から木へ鼠色の幕を張り渡していた。夜中に焚火の煙だと思ったのは
矢張
(
やはり
)
この霧であったかも知れない。
秋の鬼怒沼
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
是迄
(
これまで
)
だつて、私は貴方のことに就いて、
何
(
なんに
)
も世間の人に話した覚は無し、是から
将来
(
さき
)
だつても
矢張
(
やはり
)
其通り、何も話す必要は有ません。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
平中の腹の底には
矢張
(
やはり
)
そう云う風な
己惚
(
うぬぼ
)
れがあるので、あれ程にされてもなお
懲
(
こ
)
りず、まだほんとうには
諦
(
あきら
)
めていなかったのであった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
半次郎
(
はんじらう
)
が雨の
夜
(
よ
)
の
怪談
(
くわいだん
)
に始めてお
糸
(
いと
)
の手を取つたのも
矢張
(
やはり
)
斯
(
かゝ
)
る家の
一間
(
ひとま
)
であつたらう。
長吉
(
ちやうきち
)
は
何
(
なん
)
とも
云
(
い
)
へぬ
恍惚
(
くわうこつ
)
と
悲哀
(
ひあい
)
とを感じた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
実に年は
往
(
ゆ
)
かないが、是は
矢張
(
やはり
)
松山さんのお
胤
(
たね
)
だけ有って、私ア聞いて居てぽろりと来ました、いやこれは誰でもポロときますよ
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
其
(
その
)
中でアマン・ジヤン氏の「地水火風」セカリエ・ベリユウス氏の「踊子」などが目を惹くのを思ふと
矢張
(
やはり
)
群を抜いて居るのであらう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「えゝ、
其
(
そ
)
れが
矢張
(
やはり
)
、
手前
(
てまへ
)
心
(
こゝろ
)
から
仕方
(
しかた
)
がないのでござりまして、
以前
(
いぜん
)
、お
家
(
うち
)
に
居
(
を
)
りました
時分
(
じぶん
)
から、
何
(
ど
)
うも
此
(
こ
)
の
目
(
め
)
が
惡
(
わる
)
いので、」
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夏の日に
照
(
てら
)
されて、墓地の土は白く乾いて、どんな
微
(
かす
)
かな風にもすぐ
埃
(
ちり
)
が立ちさうである。
私
(
わたし
)
の記憶も
矢張
(
やはり
)
この白い土のやうに乾いて
居
(
ゐ
)
た。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
私は心の
舒
(
の
)
びるのを感じた。同時に自説は曲げずにゐても、
矢張
(
やはり
)
文献に証拠のないのが、今までは多少寂しかつたのを知つた。(二月三日)
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大
(
たい
)
した事は無いがこの家は
全然
(
そつくり
)
お前に譲るのだ、お前は
矢張
(
やはり
)
私の家督よ、なう。で、洋行も為せやうと思ふのだ。必ず悪く取つては困るよ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
次に今の文壇で長塚君を除いたら誰が書けるだろうと物色して見た。すると
矢張
(
やはり
)
誰にも書けそうにないという結論に達した。
『土』に就て:長塚節著『土』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『マア、
左様
(
さう
)
で御座いますか!』と一層驚いて、『
私
(
わたし
)
もアノ、
其家
(
そこ
)
へ参りますので……渡辺さんの
妹様
(
いもうとさん
)
と、私と
矢張
(
やはり
)
同じ
級
(
クラス
)
で御座いまして。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
中國四國九州の探題の公用方なれば
矢張
(
やはり
)
御直參
(
ごぢきさん
)
同樣
(
どうやう
)
に候と答へける戸村
然
(
しから
)
ば御城代諸司代御老中と夫々の公用人何れも帶劔を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しからば
矢張
(
やはり
)
失戀
(
しつれん
)
であらう!
僕
(
ぼく
)
はお
絹
(
きぬ
)
を
自分
(
じぶん
)
の
物
(
もの
)
、
自分
(
じぶん
)
のみを
愛
(
あい
)
すべき
人
(
ひと
)
と、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
思込
(
おもひこ
)
んで
居
(
ゐ
)
たのであらう。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
半時間毎
(
はんじかんごと
)
位
(
くらい
)
に
彼
(
かれ
)
は
書物
(
しょもつ
)
から
眼
(
め
)
を
離
(
はな
)
さずに、ウォッカを一
杯
(
ぱい
)
注
(
つ
)
いでは
呑乾
(
のみほ
)
し、そうして
矢張
(
やはり
)
見
(
み
)
ずに
胡瓜
(
きゅうり
)
を
手探
(
てさぐり
)
で
食
(
く
)
い
欠
(
か
)
ぐ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
老人の
許
(
もと
)
を問いしは藻西太郎に
非
(
あら
)
ずして藻西に似たる別人なること明かなれば、老人を殺せしも
矢張
(
やはり
)
其別人にして藻西の無罪は明白に分り来らん
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
夜の目も寝ずに五十両たらずかと思うても、
矢張
(
やはり
)
まとまった金だ。持て帰って、
古箪笥
(
ふるだんす
)
の奥にしまって茶一ぱい飲むと直ぐ畑に出なければならぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それ
故
(
ゆゑ
)
規則
(
きそく
)
でやつた
事
(
こと
)
は
何處
(
どこ
)
へも
通用
(
つうよう
)
するといふ
譯
(
わけ
)
には
參
(
まゐ
)
りません。
矢張
(
やはり
)
本人
(
ほんにん
)
の
獨立心
(
どくりつしん
)
に
任
(
まか
)
せなければなりません。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
古今の哲學者及審美學者が用ゐなれたる理想の語は
矢張
(
やはり
)
その用ゐなれたる義に使はるゝこと止まざるべく、逍遙子は斷えずこれと戰はざること能はず。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
息子
(
むすこ
)
の
嗜好
(
すき
)
な
色々
(
いろ/\
)
の
物
(
もの
)
を
御馳走
(
ごちさう
)
して「さて、
忰
(
せがれ
)
や、お
前
(
まへ
)
は
此頃
(
このごろ
)
はどうしておいでだえ。
矢張
(
やはり
)
惡
(
わる
)
い
業
(
しわざ
)
を
改
(
あらた
)
めませんのかえ。」と
涙
(
なみだ
)
ながらに
諫
(
いさ
)
めかけると
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
やたらに水を飲んだもので、とうとう翌日に
下痢
(
げり
)
で苦しんだよ、それ故まあ、一時はおどかしてやったものの
矢張
(
やはり
)
私の方が
結句
(
けっく
)
負けたのかも知れないね。
狸問答
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
初め我がしかおもひしは、其髮の黒く、其瞳の暗きと其境界とのために惑はされしのみ。今思へば姫は
矢張
(
やはり
)
基督教の民なり。終には樂土に生るべき人なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
初めから大丈夫だねい大丈夫だねと云ってた、十二のが、
矢張
(
やはり
)
安心し切れないと見え、そう云うのであった。
大雨の前日
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
私は其人の傍へ下りて行つて伯林で降りる事をもう一度交渉して見て下さいと頼んだ。紳士は直ぐ來て呉れてボオイにさう云つて呉れたが
矢張
(
やはり
)
駄目だと云ふ。
巴里まで
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
その友達は
矢張
(
やはり
)
西洋人で、しかも僕より二つ位
齢
(
とし
)
が上でしたから、
身長
(
せい
)
は見上げるように大きい子でした。
一房の葡萄
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
襖で立切つた三畳は
矢張
(
やはり
)
薄暗い。そこに坐つて封筒を張つている弟の姿がボンヤリと見える。紙の音の断続。その側にヂツト正面を向いて坐つている阪井の姿。
疵だらけのお秋
(新字旧仮名)
/
三好十郎
(著)
かういふ考が
矢張
(
やはり
)
私の心にあつた。私の足の下には堅い、確かな、それで温かい土がある。私の
踵
(
かかと
)
をとほしてその土のもつ深い喜びと沈静とが私の脈搏に通ふ。
愛は、力は土より
(新字旧仮名)
/
中沢臨川
(著)
小生なども道の事をば修行中なれば、
矢張
(
やはり
)
おきみさん同様の迷もをりをり生じ候へども、決して其迷を増長せしめず候。迷といふも
悪
(
あ
)
しき事といふにはあらず。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
私には
如何
(
どう
)
してもそれが冗談として
打消
(
うちけ
)
されない、
矢張
(
やはり
)
何か一種の神秘作用としか思われないのである
頭上の響
(新字新仮名)
/
北村四海
(著)
これは
矢張
(
やはり
)
自分の
迷
(
まよい
)
であったかと思って、悠然と
其処
(
そこ
)
を出て、手を洗って
手拭
(
てぬぐい
)
で手を拭きながら、
一寸
(
ちょっと
)
庭を見ると彼は
呀
(
あっ
)
と驚いた、また立っていたのだ、同じ顔
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
そこで、その翌晩は二人がその室に寝たら、一人は
矢張
(
やはり
)
前晩の通り見たが、一人は非常に
魘
(
うな
)
された。
取り交ぜて
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
やがて
吻
(
ほっ
)
という息を
吐
(
つ
)
いてみると、
蘇生
(
よみがえ
)
った様に
躯
(
からだ
)
が楽になって、女も
何時
(
いつ
)
しか、もう
其処
(
そこ
)
には居なかった、
洋燈
(
ランプ
)
も
矢張
(
やはり
)
もとの如く
点
(
つ
)
いていて、本が
枕許
(
まくらもと
)
にあるばかりだ。
女の膝
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
二
回目
(
くわいめ
)
には
矢張
(
やはり
)
其人數
(
そのにんず
)
で、
此方
(
こちら
)
は
鏟
(
シヨブル
)
や、
鍬
(
くわ
)
で
遣
(
や
)
つて
見
(
み
)
たが、
如何
(
どう
)
も
巧
(
うま
)
く
行
(
ゆ
)
かぬものだから、三
回目
(
くわいめ
)
には
汐干
(
しほひ
)
の
時
(
とき
)
に
用
(
もち
)
ゐた
熊手
(
くまで
)
(
小萬鍬
(
せうまんくわ
)
)が四五
本
(
ほん
)
有
(
あ
)
つたのを
持出
(
もちだ
)
した
處
(
ところ
)
が
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
お花を連出すときも、
男女
(
ふたり
)
の遊び場所は
矢張
(
やはり
)
同じお茶屋であったが、お島はお花と一緒に、浅草へ遊びにやって貰ったりした。お島はお花と
俥
(
くるま
)
で上野の方から浅草へ出て往った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
殊に
此
(
この
)
辺では、此ごろ大分、日本式の庭園や植物に興味をもって、ジャルディノ・ジャポネーゼなんて、名のりをあげてるのが少なくないが、
矢張
(
やはり
)
日本に於ける洋式庭園と同じくで
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
設
(
よ
)
しや事業熱は
冷
(
さ
)
めても、失敗を取返へさう、損害を
償
(
つくの
)
はうといふ
妄念
(
まうねん
)
が
熾
(
さかん
)
で、頭は
熱
(
ほて
)
る、
血眼
(
ちまなこ
)
になる。それでも
逆上氣味
(
のぼせぎみ
)
になツて、危い橋でも何んでも
妄
(
やたら
)
と渡ツて見る………
矢張
(
やはり
)
失敗だ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
此困難な
為事
(
しごと
)
の全部を今の裁判官に任せてしまつてあるのが、そもそも誤判を生む原因である。陪審制度はそこの欠点を補はうとするのが目的だ。陪審官も人間であるから、
矢張
(
やはり
)
神通力がない。
畜生道
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
第
(
だい
)
五の
怪動物
(
くわいどうぶつ
)
は、
人間
(
にんげん
)
の
想像
(
さうざう
)
で
捏造
(
ねつざう
)
したもので、
日本
(
にほん
)
の
鵺
(
ぬえ
)
、
希臘
(
ぎりしや
)
のキミーラ
及
(
および
)
グリフイン
等
(
とう
)
之
(
これ
)
に
屬
(
ぞく
)
する。
龍
(
りう
)
麒麟等
(
きりんとう
)
も
此中
(
このなか
)
に
入
(
い
)
るものと
思
(
おも
)
ふ。
天狗
(
てんぐ
)
は
印度
(
いんど
)
では
鳥
(
とり
)
としてあるから、
矢張
(
やはり
)
此中
(
このうち
)
に
入
(
い
)
る。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
「それはわたくしにも判りませんよ。」と、半七は
矢張
(
やはり
)
笑つてゐた。
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
紙には
矢張
(
やはり
)
粟田爺さんの手らしく
青年僧と叡山の老爺
(新字新仮名)
/
若山牧水
(著)
... 説明した処で、けっきょく
矢張
(
やはり
)
解らないでしょうよ」問「では解ったとして置いて、その『今日の思想』なるものは、大衆文芸のみならず、純文芸へも織り込む可きでしょう?」答「それは云うまでもありません。だが併し大衆文芸へは、特に織り込まなければならないのです」問「それはどうしたわけでしょう?」答
大衆文芸問答
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
後考に拠れば、三宝は
矢張
(
やはり
)
三方から来たものらしく、梓山で甲武信岳を三方山と唱えていたことが、三度目の登山の時に判然した。
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
目をあげて見れば、空とても
矢張
(
やはり
)
地の上と同じやうに、音も無ければ声も無い。風は死に、鳥は隠れ、
清
(
すゞ
)
しい星の姿ところ/″\。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
世の人は少年少女を目して
他
(
た
)
日の社会の一員だと考へる様ですが、自分は彼等を
以
(
もつ
)
て
矢張
(
やはり
)
現在の社会の若き一員だと考へる所から
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
どうか承わりますれば新規お抱えに相成った權六と申す者と前々から知るお間柄ということを一寸屋敷で聞きましたが、
御生国
(
ごしょうこく
)
は
矢張
(
やはり
)
美作で
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
氷嚢
(
ひようなう
)
や、
注射
(
ちうしや
)
より、たゞ
髮
(
かみ
)
の
冷
(
つめた
)
いのが、きつけに
成
(
な
)
つて、
幾度
(
いくたび
)
も、
甦
(
よみがへ
)
り、
甦
(
よみがへ
)
り、
甦
(
よみがへ
)
る
度
(
たび
)
に、
矢張
(
やはり
)
同
(
おな
)
じ
所
(
ところ
)
に、ちやんと
膝
(
ひざ
)
に
手
(
て
)
を
組
(
く
)
んで
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
ます。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
町には
矢張
(
やはり
)
樺火
(
かばび
)
が盛んに燃えてゐた。彼は裏口から廻つて
霎時
(
しばし
)
お利代と話した。そして石炭酸臭い一封の手紙を渡された。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
しかし其れにも
係
(
かゝは
)
らず東京市中の散歩に於て、
今日
(
こんにち
)
猶
(
なほ
)
比較的興味あるものは
矢張
(
やはり
)
水流れ船動き橋かゝる処の景色である。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それから二月
経過
(
たつ
)
と磯吉はお源と
同年輩
(
おなじとしごろ
)
の女を女房に持って、渋谷村に住んでいたが、
矢張
(
やはり
)
豚小屋同然の
住宅
(
すまい
)
であった。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
不断
(
ふだん
)
は
今頃
(
いまごろ
)
もう
家
(
うち
)
へ
帰
(
かへ
)
つてゐるんだらう。
此間
(
このあひだ
)
僕が
訪
(
たづ
)
ねた時は
大分
(
だいぶ
)
遅
(
おそ
)
かつた様だが」と聞いた。すると、平岡は
矢張
(
やはり
)
問題を
回避
(
くわいひ
)
する様な語気で
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
矢
常用漢字
小2
部首:⽮
5画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“矢張”で始まる語句
矢張大根卸