-
トップ
>
-
手先
>
-
てさき
その
帽子や
着物や
靴はもとより、
顔や
手先まで、うすぐろくよごれていて、長年のあいだ
旅をしてあるいたようすが見えています。
さうして
御米が
絣の
羽織を
受取つて、
袖口の
綻を
繕つてゐる
間、
小六は
何にもせずに
其所へ
坐つて、
御米の
手先を
見詰めてゐた。
手先の
火傷は
横頬のやうな
疼痛も
瘡痍もなかつたが
醫者は
其處にもざつと
繃帶をした。
與吉は
目ばかり
出して
大袈裟な
姿に
成つて
歸つて
來た。
ぐっと
伸ばした
松五
郎の
手先へ、
春重は
仰々しく
糠袋を
突出したが、さて
暫くすると、
再び
取っておのが
額へ
押し
当てた。
「はつ‥‥」と、
田中はあわてて
路上を
腹這ひになつて
手を
延ばした。が、
手はなかなか
届かなかつた。
手先と
銃身とが
何度か
空間で
交錯し
合つた。
似ず
止めれば
振きる
袖袂まづ
今しばしと
詫びつ
恨みつ
取りつく
手先うるさしと
立蹴にはたと
蹴倒されわつと
泣く
聲我れとわが
耳に
入りて
起き
返るは
何處
案内せし
我々は江戸南町奉行大岡越前守樣御組中田甚太夫殿の
手先の
岡引なりと云ければ用右衞門は
増々驚きけり
といつて
手先へ
柔な
掌が
障ると
第一番に
次作兄いといふ
若いのゝ(りやうまちす)が
全快、お
苦しさうなといつて
腹をさすつて
遣ると
水あたりの
差込の
留まつたのがある
と止める
手先を
振切つて
戸外へ出る
途端に、感が悪いから池の中へずぶり
陥りました。梅
去年の
夏頃から
此の
稼場に
姿を
見せ
初め、
川風の
身に
浸む
秋も
早く
過ぎ、
手袋した
手先も
凍るやうな
冬になつても
毎夜休まずに
出て
来るので、
今では
女供の
中でも一
番古顔になつてゐる。
駆けつけて来た与力、お
手先。五里霧中のていでぼんやり引上げて行った。
猶も
探りし
手先に
障しは
正しく熊也。
彼は
自由を
失うた
其手先が
暖い
春の
日が
積つて
漸次に
和らげられるであらうといふ
微かな
希望をさへ
起さぬ
程身も
心も
僻んでさうして
苦しんだ。
隙さず
咽喉へ
突貫さんとしけれども
手先狂ひて
頬より口まで
斬付たり源八
悶ながら顏を見ればお
高なりしにぞ
南無三と
蹴倒して
其所を
飛出し
連の
佐七と
倶に
後を
一體が、
一寸手先で、
障子の
破穴の
樣な
顏を
撫でる、
額の
白い
洒落もので。……
手紙は
細かい字で
書いてあつた。一行二行と読むうちに、読み終つた
分が、代助の
手先から長く
垂れた。それが二尺
余になつても、まだ尽きる気色はなかつた。代助の
眼はちらちらした。
肩から
乳へと
流れるほうずきのふくらみをそのままの
線に、
殊にあらわの
波を
打たせて、
背から
腰への、
白薩摩の
徳利を
寝かしたような
弓なりには、
触ればそのまま
手先が
滑り
落ちるかと
其の人々の中に
長吉は
偶然にも若い一人の芸者が、口には桃色のハンケチを
啣へて、
一重羽織の
袖口を
濡すまい
為めか、
真白な
手先をば腕までも見せるやうに長くさし
伸してゐるのを認めた。
と
揺り
起され、
欠伸をしながら
手先を
掻き、梅
「
爺は
手も
痛くしてんだつけな、そんぢや
先刻藥貼つて
貰あとこだつけな」おつぎは
卯平の
手先を
手にして
見た。
葬禮の納め物となすならば寺へこそ
納める
筈なれ何ぞ
燒場へ納めると云
法の
有んやサア
尋常に白状致せ不屆者め
夫責よと言葉の下より
手先の者共
笞を
揚て左右より彌十の
股を