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其等
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それら
ふりがな文庫
“
其等
(
それら
)” の例文
実に北国の冬は、笛を吹くか、歌を歌うか、酒を飲んで女に
悪戯
(
からかう
)
か、而して
其等
(
それら
)
の遊び方が原始的で、其処に言い知れぬ哀れがある。
越後の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
而
(
しか
)
して今は専門学者の高級にして精到な注釈書が幾つも出来ているから、私の評釈の不備な点は
其等
(
それら
)
から自由に補充することが出来る。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
言葉を換えていえば、左右両側は、断崖なり急斜面なり、
又
(
また
)
は深い沢或は平野でもよい、
其等
(
それら
)
に依って絶縁されていることが望ましい。
高原
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
家の周りの花園や畑や牧場や、
其等
(
それら
)
を取り巻く野鳥野獣を棲息させて猟をする雑木林の中の小路を突き
貫
(
ぬ
)
けて七・八丁も走りましたわ。
母と娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
部屋
(
へや
)
には
箪笥
(
たんす
)
の
外
(
ほか
)
に、
鏡台
(
きやうだい
)
もある。
針函
(
はりばこ
)
もある。
手文庫
(
てぶんこ
)
もある。
若
(
も
)
し
秘密
(
ひみつ
)
があるとすれば、
其等
(
それら
)
の
中
(
なか
)
にも
無
(
な
)
いとは
保
(
ほ
)
しがたい。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
其等
(
それら
)
の用をいいつける主人というのが、昼間は己の最も卑しい下僕である筈の男である。之が又ひどく意地悪で、次から次へと無理をいう。
南島譚:01 幸福
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
其等
(
それら
)
が「長十山、三国の峰の松風吹きはらふ国土にまぢる松風の音」だの、上に
梵字
(
ぼんじ
)
を書いて「
爰追福者為蛇虫之霊発菩提也
(
ここについふくするものはだちゅうのれいぼだいをはっせんがためなり
)
」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
却
(
かえ
)
って心配の
種子
(
たね
)
にて我をも
其等
(
それら
)
の
浮
(
うき
)
たる人々と同じ
様
(
よう
)
に
思
(
おぼ
)
し
出
(
いず
)
らんかと
案
(
あん
)
じ
候
(
そうろう
)
ては
実
(
げ
)
に/\頼み薄く
口惜
(
くちおし
)
ゅう覚えて、あわれ
歳月
(
としつき
)
の早く
立
(
たて
)
かし
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
火箸
(
ひばし
)
が
眞
(
ま
)
ッ
先
(
さき
)
に
飛
(
と
)
んで
來
(
き
)
て、それから
續
(
つゞ
)
いて
肉汁
(
スープ
)
鍋
(
なべ
)
や、
皿
(
さら
)
や
小鉢
(
こばち
)
の
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
つて
來
(
き
)
ました。
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は、
其等
(
それら
)
が
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
を
打
(
う
)
つをも
平氣
(
へいき
)
で
居
(
を
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
山「いえ
連
(
つれ
)
ではございません、手前は相州東浦賀で、高沢までは遠くも離れませんから
其等
(
それら
)
の訳をもちまして願いますので、何うか幾重にも御勘弁を」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其等
(
それら
)
工業的近世の光景と江戸名所の悲しき遺蹟とは、いづれも個々別々に私の感想を錯乱させるばかりである。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
篁村翁
(
くわうそんおう
)
が
読売新聞
(
よみうりしんぶん
)
で
軽妙
(
けいめう
)
な
短編
(
たんぺん
)
を
盛
(
さかん
)
に書いて
居
(
ゐ
)
ました、
其等
(
それら
)
を見て
山田
(
やまだ
)
は
能
(
よ
)
く話をした事ですが、
此分
(
このぶん
)
なら一二
年内
(
ねんない
)
には
此方
(
こつち
)
も打つて出て
一合戦
(
ひとかつせん
)
して見やう
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
地震
(
ぢしん
)
に
伴
(
ともな
)
ふ
火災
(
かさい
)
は
大抵
(
たいてい
)
地震
(
ぢしん
)
の
後
(
のち
)
に
起
(
おこ
)
るから、
其等
(
それら
)
に
對
(
たい
)
しては
注意
(
ちゆうい
)
も
行屆
(
ゆきとゞ
)
き、
小火
(
ぼや
)
の
中
(
うち
)
に
消止
(
けしと
)
める
餘裕
(
よゆう
)
もあるけれども、
潰家
(
かいか
)
の
下
(
した
)
から
徐々
(
じよ/″\
)
に
燃
(
も
)
え
上
(
あ
)
がるものは
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
尤
(
もつと
)
も
彼
(
かれ
)
の
前
(
まへ
)
にも
車
(
くるま
)
が
續
(
つゞ
)
いた。
爾時
(
そのとき
)
、
橋
(
はし
)
の
上
(
うへ
)
をひら/\
肩裾
(
かたすそ
)
の
薄
(
うす
)
く
濃
(
こ
)
く、
月下
(
げつか
)
に
入亂
(
いりみだ
)
れて
對岸
(
たいがん
)
へ
渡
(
わた
)
つた四五
人
(
にん
)
の
影
(
かげ
)
も
見
(
み
)
えた。
其等
(
それら
)
は
徒歩
(
かち
)
で、
些
(
ち
)
と
早
(
はや
)
めに
宴會
(
えんくわい
)
を
辭
(
じ
)
した
連中
(
れんぢう
)
。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
国境の峠を越して来る祭客の中に交つて来る
少女
(
をとめ
)
達、大阪から来る親類の
少女
(
をとめ
)
達、
其等
(
それら
)
は
何
(
いづ
)
れも
平常
(
ふだん
)
に逢ふことが稀で、大方は一年振で祭に出逢ふ人達なのですから、その一
行
(
かう
)
一
行
(
かう
)
が
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
至極
(
しごく
)
そゝくさと
落
(
おち
)
つき
無
(
な
)
きが
差配
(
さはい
)
のもとに
來
(
きた
)
りて
此家
(
このいへ
)
の
見
(
み
)
たしといふ、
案内
(
あんない
)
して
其處此處
(
そここゝ
)
と
戸棚
(
とだな
)
の
數
(
かず
)
などを
見
(
み
)
せてあるくに、
其等
(
それら
)
のことは
片耳
(
かたみゝ
)
にも
入
(
い
)
れで、
唯
(
たゞ
)
四邊
(
あたり
)
の
靜
(
しづか
)
とさはやかなるを
喜
(
よろこ
)
び
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その歩きぶりは
其等
(
それら
)
の凡ての条件を全うすべき資格をもっているのである。
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
眦裂
(
ねめつけ
)
る體を見て重四郎は
奧
(
おく
)
へも行れねば
其儘
(
そのまゝ
)
そこ/\我が家へ立歸り獨り
倩々
(
つく/″\
)
考
(
かんが
)
ふるに
毎度
(
いつ
)
に變りし今日の樣子且番頭が我を
眦裂
(
ねめつけ
)
し事合點行ず扨は彼の文を父平兵衞に見せしにや
其等
(
それら
)
の事より我が足を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其等
(
それら
)
の、さま/″\の室の中には生活を
異
(
こと
)
にし、気持を異にした、いろ/\な、相互いに顔も知り合わないような人が住んでいる。
夕暮の窓より
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
然
(
しか
)
し
其等
(
それら
)
の説も後立山という一箇の山体が存在しているということを主として取扱ったものではなく、此立脚点から見れば
稍
(
や
)
や根本を離れたものであった。
後立山は鹿島槍ヶ岳に非ざる乎
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
巌
(
いは
)
のあたりは、
此
(
こ
)
の
二種
(
ふたいろ
)
の
花
(
はな
)
、
咲
(
さ
)
き
埋
(
うづ
)
むばかり
満
(
み
)
ちて
居
(
ゐ
)
る……
其等
(
それら
)
色
(
いろ
)
ある
陽炎
(
かげらふ
)
の、いづれ
手
(
て
)
にも
留
(
と
)
まらぬ
女
(
をんな
)
の
風情
(
ふぜい
)
した
中
(
なか
)
に、
唯
(
たゞ
)
一人
(
いちにん
)
濃
(
こまや
)
かに
雪
(
ゆき
)
を
束
(
つか
)
ねたやうな
美女
(
たをやめ
)
があつて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其等
(
それら
)
は所謂文明の手に
蠅
(
はえ
)
の如く
簑虫
(
みのむし
)
の
宿
(
やど
)
の如く払いのけられねばならぬのであろうか。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
驚
(
おどろ
)
きの
餘
(
あま
)
り、
怒
(
いか
)
り
叫
(
さけ
)
び、
其等
(
それら
)
を
拂
(
はら
)
ひ
除
(
の
)
けやうとして、
身
(
み
)
は
堤
(
どて
)
の
上
(
うへ
)
に、
※
(
ねえ
)
さんの
膝
(
ひざ
)
を
枕
(
まくら
)
に
臥
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
たのに
氣
(
き
)
がつきました、
※
(
ねえ
)
さんは
靜
(
しづか
)
に、
顏
(
かほ
)
に
散
(
ち
)
り
來
(
く
)
る
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
拂
(
はら
)
つて
居
(
を
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
宅
(
うち
)
には小供が三人まであるが、
其等
(
それら
)
は一切人の
好
(
い
)
い亭主に
敲
(
たゝき
)
つけておいて、年中近所の
放蕩子息
(
のらむすこ
)
や、若い浮氣娘と一緒になつて、芝居の
總見
(
そうけん
)
や、
寄席入
(
よせつぱい
)
りに、
浮々
(
うか/\
)
と日を送り、
大師詣
(
だいしまゐり
)
とか
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
私はすこしく書物を読むようになるが早いか、世に裁判と云い、懲罰と云うものの意味を疑うようになったのも、
或
(
あるい
)
は遠い昔の狐退治。
其等
(
それら
)
の記念が知らず知らずの原因になって居たのかも知れない。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
という是れが
決闘状
(
はたしじょう
)
の
取遣
(
とりや
)
りでございますが、
向
(
むこう
)
は盗賊の同類が
多人数
(
たにんず
)
居りますから、
其等
(
それら
)
が取巻いて飛道具でも向けられゝば其れ
切
(
ぎ
)
り、左もない所が相手も粥河圖書だからおめ/\とも討たれまい
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さてまた、
其等
(
それら
)
各種の虫の多きに過ぐれば
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
付
(
つけ
)
追出し候儀と存じ奉つり候其後右九助多分の金子にて質地取戻し
其上
(
そのうへ
)
新
(
あら
)
たに
田地
(
でんぢ
)
買請
(
かひうけ
)
當時名主役
仕
(
つかま
)
つり候へ共
私欲
(
しよく
)
押領
(
あふりやう
)
宜しからざる儀共多く有之に付惣内
歸役
(
きやく
)
願ひも致させ
度
(
たく
)
小前
(
こまへ
)
の百姓共
時々
(
とき/″\
)
寄合も有之由之に依て
其等
(
それら
)
の儀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其等
(
それら
)
の薬は何でも遠くへ行って、旅へ出て売るということだ。けれど人の噂に聞いていたことで、実際にあることだとは思われなかった。
捕われ人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其等
(
それら
)
の歌は『夫木集』や『甲斐国志』に載っている。
其
(
その
)
中の一首で『夫木集』にある権大納言長家の
マル及ムレについて
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
其等
(
それら
)
は
枝
(
えだ
)
から
枝
(
えだ
)
に
溜
(
たま
)
つて
居
(
ゐ
)
て
何十年
(
なんじうねん
)
ぶりではじめて
地
(
つち
)
の
上
(
うへ
)
まで
落
(
おち
)
るのか
分
(
わか
)
らぬ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其等
(
それら
)
に半死の心臓を
温
(
あた
)
ためながら
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
猶
(
なほ
)
ひたすらに
其等
(
それら
)
を追ふ。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
發
(
はつ
)
せられオヽ九郎兵衞
能
(
よく
)
こそ
委細
(
ゐさい
)
に申
立
(
たて
)
たりコリヤ九助其方は只今九郎兵衞が申立に
因
(
よれ
)
ば
左右
(
とかく
)
伯父女房とも無體に追出したる樣なり此儀
如何
(
いか
)
なるぞと問るゝに九助は
愼
(
つゝし
)
んで
答
(
こたふ
)
るやう
其等
(
それら
)
の儀は先日御詮議の節も申上し通り先妻里儀は惣内と
不義
(
ふぎ
)
仕つりし
而已
(
のみ
)
か藤八へ預け候金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其等
(
それら
)
の人々の踏んで来、踏んで去った足跡は、自然、微かな道となって、この
仄白
(
ほのじろ
)
い月の下に認めることが出来るだろう。
薔薇と巫女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其等
(
それら
)
の
中
(
うち
)
のどれが利根川の水源と文殊とを結び付けた最初の記文であるか、精しく調べては見ないが、出所は一つであって、それが各書に引用されたものに相違ないと想うのである。
利根川水源地の山々
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
其等
(
それら
)
みな我の
傍
(
かたへ
)
を離れざりしを。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
一時、この村には、隔った町から移って来た人などもあって、
其等
(
それら
)
の人々の中には、
病身勝
(
びょうしんがち
)
な者や、気の狂っている者もあった。秋も末になると寒い風が吹く。
僧
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
而して、床の上に
其等
(
それら
)
の人々が使っていた
瓶
(
かめ
)
や、
壜
(
びん
)
や、食器が転っているばかりだと思う。
日没の幻影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また賽銭箱の上にはだらりと赤、白、紫の交りの紐が
垂下
(
たれさが
)
っていて、青錆の出た鈴が上に吊されていた。
其等
(
それら
)
の紐は、多くの人々の手垢に汚れて下の方が黒くなっていたことを覚えている。
黄色い晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
偶然
(
ふと
)
した北の故郷にあった
幼児
(
おさなご
)
の昔を懐想して、黄色な雲——灰色の空——白衣の行者——波の音——眼に尚お残っている
其等
(
それら
)
の幻が私の心から
拭
(
ぬぐ
)
い去られないで、いかにも神秘に感ぜられる。
北の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
まだ後に腐れた畳や、紙の
煤
(
すす
)
けた障子などがその儘
圃
(
はたけ
)
の中に置いてあったが、どういうものか
其等
(
それら
)
のものは、その明る日になっても、ついに幾日たっても持って行かずに、
其処
(
そこ
)
で腐れてしまった。
凍える女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
森に居る小鳥の他
何
(
ど
)
うして家の内の
其等
(
それら
)
の人はいるかを知らなかった。
僧
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其等
(
それら
)
は多分宿屋の
目標
(
めじるし
)
であるなと思った。
暗い空
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
等
常用漢字
小3
部首:⽵
12画
“其”で始まる語句
其
其処
其方
其處
其様
其許
其奴
其所
其儘
其後