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今日
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こんにち
ふりがな文庫
“
今日
(
こんにち
)” の例文
母はもし自分というものがなかったなら
今日
(
こんにち
)
までこうして父のなくなった家にさびしく一人で暮してはおられなかったかも知れない。
寐顔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
沢庵より上る利益の計算のために必要な算盤や、コムパス達は、
今日
(
こんにち
)
の土曜と
明日
(
みやうにち
)
の日曜とを利用して、
魚釣
(
うをつ
)
りに出かけるのである。
工場の窓より
(新字旧仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
加之
(
おまけ
)
に
路
(
みち
)
が悪い。
雪融
(
ゆきど
)
けの時などには、夜は
迂濶
(
うっかり
)
歩けない位であった。しかし
今日
(
こんにち
)
のように
追剥
(
おいはぎ
)
や
出歯亀
(
でばかめ
)
の噂などは甚だ稀であった。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
十三世紀におけるフィレンツェの生活を知らなかったとしたら、自分は神曲を、
今日
(
こんにち
)
の如く鑑賞する事は出来なかったのに相違ない。
野呂松人形
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
例
(
たと
)
へば、
淡路
(
あはぢ
)
と
和泉
(
いづみ
)
の
間
(
あひだ
)
の
海
(
うみ
)
は、
古來
(
こらい
)
茅渟
(
ちぬ
)
の
海
(
うみ
)
と
稱
(
せう
)
し
來
(
き
)
たつたのを、
今日
(
こんにち
)
はこの
名稱
(
めいせう
)
を
呼
(
よ
)
ばないで
和泉洋
(
いづみなだ
)
または
大阪灣
(
おほさかわん
)
と
稱
(
せう
)
してゐる。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
▼ もっと見る
「
今日
(
こんにち
)
は、」と、声を掛けたが、フト
引戻
(
ひきもど
)
さるるようにして
覗
(
のぞ
)
いて見た、
心着
(
こころづ
)
くと、自分が
挨拶
(
あいさつ
)
したつもりの
婦人
(
おんな
)
はこの人ではない。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
このトトキの語が、
今日
(
こんにち
)
なお日本の農民間に残って、ツリガネソウ一名ツリガネニンジン、すなわちいわゆる
沙参
(
しゃじん
)
をそういっている。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
空
(
そら
)
を
焦
(
こが
)
す
狼火
(
のろし
)
……そして
最後
(
さいご
)
に
武運
(
ぶうん
)
いよいよ
尽
(
つ
)
きてのあの
落城
(
らくじょう
)
……四百
年後
(
ねんご
)
の
今日
(
こんにち
)
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
してみる
丈
(
だけ
)
でも
気
(
き
)
が
滅入
(
めい
)
るように
感
(
かん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
すべて狸一派のやり口は
今日
(
こんにち
)
開業医の用いておりやす催眠術でげして、昔からこの手でだいぶ
大方
(
たいほう
)
の諸君子をごまかしたものでげす。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『しかし、僕のよりも、君のお父さんのよりも、また
今日
(
こんにち
)
われわれが見る、どんな人の肩よりも広かったにちがいないと思うねえ。』
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
『いや
今日
(
こんにち
)
は、おゝ
君
(
きみ
)
は
今日
(
けふ
)
は
顏色
(
かほいろ
)
が
昨日
(
きのふ
)
よりも
又
(
また
)
ずツと
可
(
い
)
いですよ。まづ
結構
(
けつこう
)
だ。』と、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
挨拶
(
あいさつ
)
する。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
しかるに経済社会の
進捗
(
しんちょく
)
し
富財
(
ふざい
)
の
饒多
(
じょうた
)
となるに従って、昨日の
贅沢品
(
ぜいたくひん
)
も
今日
(
こんにち
)
は実用品と化し去り、贅沢品として愛翫せらるるものは
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
しかしそれも
今日
(
こんにち
)
はもう歴史である。
是
(
これ
)
から
先
(
さき
)
はどう変って行くか、私たちはまた一つの新しい経験を積まなければならぬのである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「
今日
(
こんにち
)
はその事で上つたのではないのですから、
今日
(
こんにち
)
の始末をお付け下さいまし。ではどうあつても書替は出来んと
仰有
(
おつしや
)
るのですな」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「
今日
(
こんにち
)
は結構な御演題で、聴衆一同多大な期待をもつて居るやうでございます。で、閣下の
仰
(
おほ
)
せられまする体育と申しますのは……」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それに、これを書いた当時と二十年後の
今日
(
こんにち
)
とでは、周囲の事情も異り、人も変り、そういう自分の心の持ち方も改まって来ている。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
不知庵主人
(
フチアンシユジン
)
の
譯
(
やく
)
に
成
(
な
)
りし
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
に
對
(
たい
)
する
批評
(
ひゝやう
)
仲々
(
なか/\
)
に
盛
(
さかん
)
なりとは
聞
(
きゝ
)
けるが、
病氣
(
びやうき
)
其他
(
そのた
)
の
事
(
こと
)
ありて
余
(
よ
)
が
今日
(
こんにち
)
までに
見
(
み
)
たるは
僅
(
わづか
)
に
四五種
(
しごしゆ
)
のみ
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
今日
(
こんにち
)
の平尾家はその頃よりも一層盛大で、今の当主は二代であるが、先代の賛平氏時代も相当な資産家で化粧品をやっていました。
幕末維新懐古談:74 初めて家持ちとなったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「おじいさん、
今日
(
こんにち
)
は、いいお
天気
(
てんき
)
だから、どこかへお
出
(
で
)
かけなさい。」と、
家
(
うち
)
のものがいうと、おじいさんは、はげ
頭
(
あたま
)
を
空
(
そら
)
に
向
(
む
)
けて
ものぐさじじいの来世
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
現に
今日
(
こんにち
)
でも、彼のことといえば僕の祖母は大いに同情して、もし誰かがその悪口でも言おうならば烈火のごとくに怒り出すのだ。
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
さうして、この
二
(
ふた
)
つながら、
竝
(
なら
)
んで
行
(
おこな
)
はれてゐました。その
稱
(
とな
)
へ
言
(
ごと
)
が、
今日
(
こんにち
)
でも、
社々
(
やしろ/\
)
の
神主
(
かんぬし
)
さんたちの
稱
(
とな
)
へる、
祝詞
(
のりと
)
なのであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「
今日
(
こんにち
)
は、ハンス・ハンゼン。相変らずかわいい前髪だね。まだ一番なのかい。パパとママによろしく。ほんとにきれいな子だね……」
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
此時たるや、精神上に言うべからざるの感を為すは、これ終身忘るる事能わざるべきなり。故に
今日
(
こんにち
)
に於ても時々思い出す事あり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
始めて男性に心身を許してしまった
今日
(
こんにち
)
、私の結婚生活に対する幻影は早くもさめてしまった。古人が結婚は恋愛の墓だといっている。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
さてさういふ
猿
(
さる
)
と
人間
(
にんげん
)
との
中間
(
ちゆうかん
)
のものゝ
骨
(
ほね
)
が
今日
(
こんにち
)
までにいかほど
發見
(
はつけん
)
されたかといふに、
殘念
(
ざんねん
)
ながら
中々
(
なか/\
)
思
(
おも
)
ふように
出
(
で
)
てまゐりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
防波堤が無かつたら直ちに
印度
(
インド
)
洋の
荒海
(
あらうみ
)
に面したコロムボは決して
今日
(
こんにち
)
の如く多数の
大船
(
たいせん
)
を引寄せ
得
(
う
)
る良港とは成らなかつたであらう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
奉「黙れ
今日
(
こんにち
)
其の方に尋ぬるは余の儀ではない、友之助が北割下水にて重傷を負い、其の方宅へ持込まれたと云うは何月何日じゃ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
離れて大に暖かみを覺ふ昨日車中より見たる畑の麥はわづかに穗を
出
(
いだ
)
したるのみなりしが
今日
(
こんにち
)
馬上に見れば風に波寄る程に伸びたり山を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
つまり
今日
(
こんにち
)
尊氏に従っている者も、かつては、ここの探題屋敷を攻めて英時を自滅させた当時の下手人ならざるはないのであった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これはただに
儒学
(
じゅがく
)
のみでなく、仏教においても同然で、
今日
(
こんにち
)
もなお
解
(
と
)
き
難
(
がた
)
き句あれば「
珍聞漢
(
ちんぷんかん
)
」とか、あるいは「お
経
(
きょう
)
の
様
(
よう
)
」なりという。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
實
(
じつ
)
に
著者
(
ちよしや
)
の
如
(
ごと
)
きは、
地震學
(
ぢしんがく
)
が
今日
(
こんにち
)
以上
(
いじよう
)
に
進歩
(
しんぽ
)
しなくとも、
震災
(
しんさい
)
の
殆
(
ほと
)
んど
全部
(
ぜんぶ
)
はこれを
免
(
まぬか
)
れ
得
(
う
)
る
手段
(
しゆだん
)
があると
考
(
かんが
)
へてゐるものゝ
一人
(
ひとり
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
今日
(
こんにち
)
、この詩を読むと、すでに古典風で隔世の感があるが、内容からいえばこの詩人の思いには堂々とした、重い西欧名画の接触がある。
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
遠き故事を引くにも及ばず、近き
例
(
ためし
)
は源氏の
末路
(
まつろ
)
。
仁平
(
にんぺい
)
、
久壽
(
きうじゆ
)
の盛りの頃には、六條判官殿、
如何
(
いか
)
でか其の一族の
今日
(
こんにち
)
あるを思はれんや。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「
今日
(
こんにち
)
は」と、加集は聲をかけた。そして窓の奧から婆アさんが一人、樹の濡れ縁のところへ出て來たのに向つて、「まだ來ませんか?」
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
今日
(
こんにち
)
、ひのき、すぎ
等
(
など
)
の
林
(
はやし
)
をこの
帶
(
たい
)
の
中
(
なか
)
に
見
(
み
)
るのは、
人
(
ひと
)
が
移
(
うつ
)
し
植
(
う
)
ゑたもので、もと/\ひのき、すぎ
等
(
など
)
は
温帶林
(
おんたいりん
)
に
生育
(
せいいく
)
してゐたものです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
可哀
(
かわい
)
そうに!
普通
(
なみ
)
の者なら、何ぼ何でも
其様
(
そん
)
なにされちゃ、手を
下
(
おろ
)
せた
訳合
(
わけあい
)
のもんじゃございません、——ね、
今日
(
こんにち
)
人情としましても。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
併
(
しか
)
し、貴様の持っている例の品物を元の持主に返し(送り先は知っている筈だ)
今日
(
こんにち
)
以後かたく秘密を守ると誓うなら、命は助けてやる。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
勿論
(
もちろん
)
、
今日
(
こんにち
)
に
於
(
おい
)
ても
潜水器
(
せんすいき
)
の
發明
(
はつめい
)
は
未
(
いま
)
だ
充分
(
じゆうぶん
)
完全
(
くわんぜん
)
の
度
(
ど
)
には
進
(
すゝ
)
んで
居
(
を
)
らぬから、
此
(
この
)
手段
(
しゆだん
)
とて
絶對的
(
ぜつたいてき
)
に
應用
(
おうよう
)
する
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
ぬのは
言
(
い
)
ふ
迄
(
まで
)
もない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
殊
(
こと
)
に
今日
(
こんにち
)
は鉄道も有り電信も有る世界にて警察の力を
潜
(
くゞ
)
り
果
(
おお
)
せるとは
到底
(
とうてい
)
出来ざる所にして、
晩
(
おそ
)
かれ早かれ露見して罰せらるゝは一つなり。
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
お経の文句を知ってる人が一人もありませんので……
今日
(
こんにち
)
こうしてあなた様がお見えになったのは、ほとけ様のお引合せに違いありません。
でたらめ経
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
詰まり僕の
今日
(
こんにち
)
までの生活は此点に到達しようとする、秘密な序幕である。僕はかうしなくてはならないやうに前から極められてゐるのだ。
不可説
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
そこで、
今日
(
こんにち
)
まで「足が早いから名誉の勝利を得たのだ」という言葉を、亀や、かたつむり類は、そのままに信用しています。
兎と亀
(新字新仮名)
/
ロード・ダンセイニ
(著)
筆一本握る事もせずに朝から晩まで葉子に
膠着
(
こうちゃく
)
し、感傷的なくせに恐ろしくわがままで、
今日
(
こんにち
)
今日の生活にさえ事欠きながら
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
馳け悩まして行く、その怪活躍ぶりが
今日
(
こんにち
)
まで、頭山満翁と同様に、新青年誌上に紹介されないのは嘘だという事を知っているのみである。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「老師がお亡くなりになった
今日
(
こんにち
)
、必然的に
後継
(
あとめ
)
の問題が起こっておるであろう。イヤ、身どもが萩乃どのとひとこと話しさえすれば……」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
今日
(
こんにち
)
、
之
(
これ
)
を
復興
(
ふくこう
)
するを
得
(
う
)
べし、而して
其
(
その
)
復興
(
ふくこう
)
の
方
(
はう
)
たるや、
安楽椅子
(
あんらくいす
)
に
倚
(
よ
)
り
罹
(
かゝ
)
り、或は
柔軟
(
じうなん
)
なる
膝褥
(
しつぢよく
)
の
上
(
うへ
)
に
跪
(
ひざまづ
)
き
如何程
(
いかほど
)
祈祷
(
きたう
)
叫号
(
きうごう
)
するも
無益
(
むえき
)
なり
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
今日
(
こんにち
)
不図
(
ふと
)
鉄道馬車
(
てつだうばしや
)
の窓より
浅草
(
あさくさ
)
なる
松田
(
まつだ
)
の絵
看板
(
かんばん
)
を
瞥見致候
(
べつけんいたしそろ
)
。ドーダ五十
銭
(
せん
)
でこんなに腹が張つた
云々
(
うん/\
)
野性
(
やせい
)
は
遺憾
(
ゐかん
)
なく
暴露
(
ばうろ
)
せられたる事に
候
(
そろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
詩人 僕が聞きたいつていふのは、その成立ちでなく、あなた方
今日
(
こんにち
)
現在の関係、つまりその、世帯休業といふものに関する規約の条文です。
世帯休業
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
ところが
独逸
(
ドイツ
)
文化の力はすべての方面に入り満ちているのである。これが
四方
(
しほう
)
に敵を受けて
今日
(
こんにち
)
なお防禦より攻勢を取っているゆえんである。
吾人の文明運動
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
今日
(
こんにち
)
、一同に改めて話すことがある。ほかでもないが
儂
(
わし
)
も老年に及んで、一、二年このかたとかく体の工合が思わしくない。
半化け又平
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
今
常用漢字
小2
部首:⼈
4画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“今日”で始まる語句
今日迄
今日日
今日様
今日明日
今日は
今日限
今日此頃
今日等
今日丈
今日中