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朝晩
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あさばん
ふりがな文庫
“
朝晩
(
あさばん
)” の例文
私
(
わたし
)
は、もう
幾
(
いく
)
十
年
(
ねん
)
の
昔
(
むかし
)
から、この
港
(
みなと
)
の
内
(
うち
)
で
朝晩
(
あさばん
)
送
(
おく
)
ってきたものだ。この
港
(
みなと
)
にはいってくるような
船
(
ふね
)
で
知
(
し
)
らない
船
(
ふね
)
は一つもない。
カラカラ鳴る海
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
毎日
(
まいにち
)
犬
(
いぬ
)
を
連
(
つ
)
れて山の中に
入
(
はい
)
って、
猪
(
いのしし
)
や
鹿
(
しか
)
を
追
(
お
)
い
出
(
だ
)
しては、
犬
(
いぬ
)
にかませて
捕
(
と
)
って
来
(
き
)
て、その
皮
(
かわ
)
をはいだり、
肉
(
にく
)
を
切
(
き
)
って
売
(
う
)
ったりして、
朝晩
(
あさばん
)
の
暮
(
く
)
らしを
立
(
た
)
てていました。
忠義な犬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
でも
小
(
ちい
)
さかった
時
(
とき
)
からあの
鐘
(
かね
)
に
朝晩
(
あさばん
)
したしんで
来
(
き
)
たことを
思
(
おも
)
えば、ちょっとさびしい
気
(
き
)
もする。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
所
(
ところ
)
が
丁度
(
ちやうど
)
五月目
(
いつつきめ
)
になつて、
御米
(
およね
)
は
又
(
また
)
意外
(
いぐわい
)
の
失敗
(
しくじり
)
を
遣
(
や
)
つた。
其頃
(
そのころ
)
はまだ
水道
(
すゐだう
)
も
引
(
ひ
)
いてなかつたから、
朝晩
(
あさばん
)
下女
(
げぢよ
)
が
井戸端
(
ゐどばた
)
へ
出
(
で
)
て
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
んだり、
洗濯
(
せんたく
)
をしなければならなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
東京
(
とうきやう
)
に
居
(
ゐ
)
て、
京都
(
きやうと
)
の
藝妓
(
げいこ
)
に、
石山寺
(
いしやまでら
)
の
螢
(
ほたる
)
を
贈
(
おく
)
られて、
其處等
(
そこら
)
露草
(
つゆぐさ
)
を
探
(
さが
)
して
歩行
(
ある
)
いて、
朝晩
(
あさばん
)
井戸
(
ゐど
)
の
水
(
みづ
)
の
霧
(
きり
)
を
吹
(
ふ
)
くと
云
(
い
)
ふ
了簡
(
れうけん
)
だと
違
(
ちが
)
ふんです……
矢張
(
やつぱ
)
り
故郷
(
ふるさと
)
の
事
(
こと
)
を
忘
(
わす
)
れた
所爲
(
せゐ
)
だ
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
高原
(
こうげん
)
に
生
(
う
)
まれた
花
(
はな
)
は、この
街
(
まち
)
の
中
(
なか
)
にきてから
体
(
からだ
)
がたいそう
弱
(
よわ
)
りました。
朝晩
(
あさばん
)
、
冷
(
ひ
)
ややかな
露
(
つゆ
)
を
吸
(
す
)
わないだけでも、
元気
(
げんき
)
をなくした
原因
(
げんいん
)
だったのでした。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
糸底
(
いとぞこ
)
を
上
(
うへ
)
にしてわざと
伏
(
ふ
)
せた
自分
(
じぶん
)
の
茶碗
(
ちやわん
)
と、
此
(
この
)
二三
年來
(
ねんらい
)
朝晩
(
あさばん
)
使
(
つか
)
ひ
慣
(
な
)
れた
木
(
き
)
の
箸
(
はし
)
を
眺
(
なが
)
めて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
元結
(
もつとゐ
)
よりだの、
早附木
(
はやつけぎ
)
の
箱
(
はこ
)
を
内職
(
ないしよく
)
にするものなんぞが、
目貫
(
めぬき
)
の
市
(
まち
)
へ
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
く
往帰
(
ゆきかへ
)
りには、
是非
(
ぜひ
)
母様
(
おつかさん
)
の
橋
(
はし
)
を
通
(
とほ
)
らなければならないので、百人と二百人づゝ
朝晩
(
あさばん
)
賑
(
にぎや
)
な
人通
(
ひとどほ
)
りがある。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それでみんなはへんな
姿
(
すがた
)
だ、へんな
姿
(
すがた
)
だといって
気味
(
きみ
)
を
悪
(
わる
)
がって、
鉢
(
はち
)
かつぎとはろくろく口も
利
(
き
)
きませんでしたけれど、
宰相
(
さいしょう
)
だけは
朝晩
(
あさばん
)
手水
(
ちょうず
)
の
水
(
みず
)
や
洗足
(
せんそく
)
の
湯
(
ゆ
)
を
運
(
はこ
)
んで
来
(
く
)
るたんびに
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
その
娘
(
むすめ
)
は、
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
って、その
花
(
はな
)
を
庭
(
にわ
)
に
植
(
う
)
えました。そうして、
朝晩
(
あさばん
)
、
花
(
はな
)
に
水
(
みず
)
をやって、
彼女
(
かのじょ
)
はじっとその
花
(
はな
)
の
前
(
まえ
)
にかがんで、その
花
(
はな
)
に
見入
(
みい
)
りました。
夕焼け物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
朝晩
(
あさばん
)
見馴
(
みな
)
れて
珍
(
めづ
)
らしくもない
猿
(
さる
)
だけれど、いまこんなこと
考
(
かんが
)
え
(
ママ
)
出
(
だ
)
していろんなこと
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
ると、また
殊
(
こと
)
にものなつかしい、あのおかしな
顔
(
かほ
)
早
(
はや
)
くいつて見たいなと、さう
思
(
おも
)
つて
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
君のような
重厚
(
ちょうこう
)
な人間から見たら僕はいかにも軽薄なお
喋舌
(
しゃべり
)
に違ない。しかし僕はこれでも口で云う事を実行したがっているんだ。実行しなければならないと
朝晩
(
あさばん
)
考え続けに考えているんだ。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
りんご
畑
(
ばたけ
)
には、
朝晩
(
あさばん
)
、
鳥
(
とり
)
がやってきました。
子供
(
こども
)
は、よく
口笛
(
くちぶえ
)
を
吹
(
ふ
)
いて、いろいろな
鳥
(
とり
)
を
集
(
あつ
)
めました。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そんなことは
私
(
わたし
)
聞
(
き
)
かないで
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
る、
朝晩
(
あさばん
)
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
るもの。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
身
(
み
)
につけよと、
上官
(
じょうかん
)
からいわれたのであるが、
何事
(
なにごと
)
にも
内気
(
うちき
)
で、
遠慮勝
(
えんりょが
)
ちな
清作
(
せいさく
)
さんは、
同
(
おな
)
じ
軍隊
(
ぐんたい
)
におって
朝晩
(
あさばん
)
辛苦
(
しんく
)
をともにした
仲間
(
なかま
)
で、
死
(
し
)
んだものもあれば、また
村へ帰った傷兵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そうすれば、
私
(
わたし
)
は、その
方
(
かた
)
のために、
朝晩
(
あさばん
)
、どんなにでも
働
(
はたら
)
こうと
思
(
おも
)
っていました。……それが、こんな
有
(
あ
)
り
様
(
さま
)
になってしまった。これというのも
私
(
わたし
)
の
不運
(
ふうん
)
です……。
脊の低いとがった男
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かよ
子
(
こ
)
は、
歩
(
ある
)
きながら、まだ
見
(
み
)
ぬ
都会
(
とかい
)
のことを
考
(
かんが
)
えていました。これから二、三
年
(
ねん
)
勉強
(
べんきょう
)
にいく、そして、
朝晩
(
あさばん
)
いっしょに
暮
(
く
)
らさなければならぬ
従兄
(
いとこ
)
や、
従妹
(
いとこ
)
のことを——。
汽車は走る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
黒
(
くろ
)
ねこは、
家
(
うち
)
の
人
(
ひと
)
たちが、
遠方
(
えんぽう
)
へ
引
(
ひ
)
っ
越
(
こ
)
していくときに、
捨
(
す
)
てていってしまったので、その
日
(
ひ
)
から
寝
(
ね
)
るところもなければ、また、
朝晩
(
あさばん
)
食
(
た
)
べ
物
(
もの
)
をもらうこともできませんでした。
ねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
風
(
かぜ
)
は
寒
(
さむ
)
かったけれど、
朝晩
(
あさばん
)
、
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
は、
弱
(
よわ
)
く、
悲
(
かな
)
しかったけれど、そして
夜
(
よる
)
には、
霜
(
しも
)
が
降
(
ふ
)
って、
私
(
わたし
)
たちを
悩
(
なや
)
ましたけれど、やはり、あの
時分
(
じぶん
)
がいちばんよかったように
思
(
おも
)
います。
花と人の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
朝晩
(
あさばん
)
、
兄
(
あに
)
は、このくつをはいて、
通勤
(
つうきん
)
もすれば、また
会社
(
かいしゃ
)
の
用事
(
ようじ
)
で、
方々
(
ほうぼう
)
をあるきまわったのでした。ときどきは、
映画館
(
えいがかん
)
の
前
(
まえ
)
にも
立
(
た
)
てば、
喫茶店
(
きっさてん
)
へも
立
(
た
)
ちよったでありましょう。
兄の声
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小僧
(
こぞう
)
は、
自分
(
じぶん
)
が、
朝晩
(
あさばん
)
、
餌
(
え
)
をやったり、
水
(
みず
)
を
換
(
か
)
えてやったこともあるので、よくその
鳥
(
とり
)
を
覚
(
おぼ
)
えていましたから、はたして、そのこまどりにちがいないか、どうかとしらべてみました。
こまどりと酒
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
兄
(
あに
)
は、それを
庭先
(
にわさき
)
の
石
(
いし
)
の
上
(
うえ
)
にのせて、
朝晩
(
あさばん
)
、
水
(
みず
)
をやって、
大事
(
だいじ
)
にしていました。
びっこのお馬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「どこへ、あの
鳥
(
とり
)
は、いったろう。」と、
主人
(
しゅじん
)
は
朝晩
(
あさばん
)
いっているのでした。
こまどりと酒
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
唄
(
うた
)
を
歌
(
うた
)
うことの
好
(
す
)
きな
少女
(
しょうじょ
)
は、やはり
自分
(
じぶん
)
の
家
(
うち
)
にいる
時分
(
じぶん
)
、
朝晩
(
あさばん
)
、
歌
(
うた
)
っていましたので、
唄
(
うた
)
をきらいな、
気
(
き
)
むずかしいお
父
(
とう
)
さんは、
娘
(
むすめ
)
をしかって、どこへでもいってしまえといいました。
初夏の空で笑う女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「この
草
(
くさ
)
も
都
(
みやこ
)
へ
持
(
も
)
ってゆこう。そして、
朝晩
(
あさばん
)
ながめて、
故郷
(
こきょう
)
のことを
思
(
おも
)
い、
子供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
のことを
考
(
かんが
)
えよう……。」と、
彼
(
かれ
)
は、
紫色
(
むらさきいろ
)
の
花
(
はな
)
の
咲
(
さ
)
いている
草
(
くさ
)
を、
根
(
ね
)
をつけて
掘
(
ほ
)
り
取
(
と
)
ったのであります。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
母親
(
ははおや
)
は、いったものの、これまで
長
(
なが
)
い
間
(
あいだ
)
、
二人
(
ふたり
)
は、むつまじく、
朝晩
(
あさばん
)
、
顔
(
かお
)
を
見合
(
みあ
)
って、
暮
(
く
)
らしてきたのに、この
後
(
のち
)
は、べつべつに
生活
(
せいかつ
)
しなければならぬと
知
(
し
)
ると、なんとなくさびしくなりました。
おさくの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
日
(
ひ
)
から
娘
(
むすめ
)
は、
朝晩
(
あさばん
)
唄
(
うた
)
をうたいながら、その
花
(
はな
)
を
摘
(
つ
)
んで
遊
(
あそ
)
びました。
ろうそくと貝がら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
もう、
山
(
やま
)
は、
朝晩
(
あさばん
)
寒
(
さむ
)
くなって、
都
(
みやこ
)
が
恋
(
こい
)
しくなったからです。
銀のペンセル
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“朝晩”の意味
《名詞》
朝と晩。
(出典:Wiktionary)
朝
常用漢字
小2
部首:⽉
12画
晩
常用漢字
小6
部首:⽇
12画
“朝”で始まる語句
朝
朝夕
朝飯
朝臣
朝餉
朝日
朝食
朝陽
朝靄
朝鮮