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彼方
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あつち
ふりがな文庫
“
彼方
(
あつち
)” の例文
理髮店に歸ると、源助は黒い額に青筋立てて、長火鉢の
彼方
(
あつち
)
に怒鳴つてゐた。其前には十七許りの職人が
平蜘蛛
(
ひらくも
)
の如く
匍
(
うづくま
)
つてゐる。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「何んやこんなもん、こんなとこへ持つて來るんやない。
彼方
(
あつち
)
へ置いといで、
阿呆
(
あほ
)
んだら。」と
稀
(
めづ
)
らしくお駒を叱つて、眼に
角
(
かど
)
立
(
た
)
てた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「先生様のお為めなら、
俺
(
わし
)
い、
何時
(
いつ
)
だつて投票するだと、
彼方
(
あつち
)
からも
此方
(
こつち
)
からも持掛けるんで定めし先生様もお困りでがせうな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
厭
(
いや
)
だよ。
御父
(
おと
)
つちやんべい。
大
(
おほ
)
きい
御馬
(
おむま
)
買
(
か
)
つて
呉
(
く
)
れなくつちや、
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
い
)
かないよ」と
答
(
こた
)
へた。
聲
(
こゑ
)
は
小
(
ちひ
)
さい
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
の
聲
(
こゑ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「直道、阿父さんのお
帰来
(
かへり
)
だから、泣いてゐちや可けないよ、早く
彼方
(
あつち
)
へ行つて、……よ、今日は後生だから何も言はずに……」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
彼方
(
あつち
)
此方
(
こつち
)
と
搜
(
さが
)
す中、
漸
(
やつ
)
とのことで大きな
無花果
(
いちじく
)
の
樹蔭
(
こかげ
)
に
臥
(
ね
)
こんで
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
つけ
出
(
だ
)
し、
親父
(
おやぢ
)
は
恭々
(
うや/\
)
しく
近寄
(
ちかよ
)
つて
丁寧
(
ていねい
)
にお
辭儀
(
じぎ
)
をして
言
(
い
)
ふのには
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「まあ
賑
(
にぎ
)
やかなこつちやなあ、わしらは目鼻ほどに近うでも一年に一度も此所らにや来やせんがな……。」と老母は
彼方
(
あつち
)
を
眩
(
まぶ
)
しさうに眺めた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
私
(
わし
)
が見て
居
(
ゐ
)
ねえでは
歯骨
(
はつこつ
)
や
何
(
なに
)
か
分
(
わか
)
るまい。金「ナニ知つてるよ、ちやんと
心得
(
こゝろえ
)
てるんだ、
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
ゆ
)
け、
行
(
ゆ
)
かねえと
撲
(
なぐ
)
り
附
(
つ
)
けるぞ、
行
(
い
)
かねえか
畜生
(
ちくしやう
)
。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
甚麼話
(
どんなはなし
)
を
爲
(
す
)
るので
有
(
あ
)
らうか、
彼處
(
かしこ
)
へ
行
(
い
)
つても
處方書
(
しよはうがき
)
を
示
(
しめ
)
さぬでは
無
(
な
)
いかと、
彼方
(
あつち
)
でも、
此方
(
こつち
)
でも、
彼
(
かれ
)
が
近頃
(
ちかごろ
)
の
奇
(
き
)
なる
擧動
(
きよどう
)
の
評判
(
ひやうばん
)
で
持切
(
もちき
)
つてゐる
始末
(
しまつ
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「うるせえ、ちと
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
い
)
つててくれ」と
言
(
い
)
ひました。
虻
(
あぶ
)
のやんちやん、そんなことは
耳
(
みゝ
)
にもいれず、ますます
蠅
(
はひ
)
などまで
呼集
(
よびあつ
)
めて
飛
(
と
)
び
廻
(
まは
)
つてゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「さあ!
彼方
(
あつち
)
へいらつしやい。お客様が皆、探してゐるのよ。」二三人彼のモーニングコートの腕に縋つた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
「獨身主義かね。」自分は笑ひかけたがお花の樣子が餘りに氣の毒に見えたので、「もう
好
(
い
)
い片付けて呉れ。其れから直ぐ
彼方
(
あつち
)
へ蒲團を敷いて置いて呉れ。」
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
と見ると——釣竿を忘れずに
舁
(
かつ
)
いで来た程、
其様
(
そんな
)
に
酷
(
ひど
)
く酔つて居るとも思はれないが、しかし不規則な、覚束ない
足許
(
あしもと
)
で、
彼方
(
あつち
)
へよろ/\、
是方
(
こつち
)
へよろ/\
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「宿屋つて、どうせ
彼方
(
あつち
)
へ行つちやさう好い
旅舎
(
やどや
)
なんかねえさ、泊るぐれえなことは出来るけえど」
伊良湖の旅
(新字旧仮名)
/
吉江喬松
(著)
御神輿
(
おみこし
)
の
柱
(
はしら
)
の、
飾
(
かざり
)
の
珊瑚
(
さんご
)
が
𤏋
(
ぱつ
)
と
咲
(
さ
)
き、
銀
(
ぎん
)
の
鈴
(
すゞ
)
が
鳴据
(
なりすわ
)
つて、
鳳凰
(
ほうわう
)
の
翼
(
つばさ
)
、
鷄
(
にはとり
)
のとさかが、
颯
(
さつ
)
と
汗
(
あせ
)
ばむと、
彼方
(
あつち
)
此方
(
こつち
)
に
揉
(
も
)
む
状
(
さま
)
は
團扇
(
うちは
)
の
風
(
かぜ
)
、
手
(
て
)
の
波
(
なみ
)
に、ゆら/\と
乘
(
の
)
つて
搖
(
ゆ
)
れ
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「ま、錢形の親分さん、——お玉は
彼方
(
あつち
)
へ行つてお出でよ——時々變なのが來るものですから、滅多な人には逢はないことにしてをります。飛んだことを申しあげました」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
義男が何を云つても自分は自分で
彼方
(
あつち
)
を向いてる時が多くなつた。みのるを支配するものは義男ではなくなつた。みのるを支配するものは初めてみのる自身の力によつてきた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
爲樣
(
しやう
)
があらうが有るまいが、それは
私
(
わたし
)
の知ツたことぢやない! といふやうな顏をして、
近子
(
ちかこ
)
はぷうと
膨
(
ふく
)
れてゐた。そして
軈
(
やが
)
て
所天
(
をつと
)
の
傍
(
そば
)
を離れて、
椽側
(
えんがは
)
を
彼方
(
あつち
)
此方
(
こつち
)
と歩き始めた。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
祖父は
歿
(
な
)
くなる、親は追出す、もう誰一人その
我儘
(
わがまゝ
)
を
抑
(
と
)
めるものが無くなつたので、初めの中は自分の家の財産を抵当に、
彼方
(
あつち
)
此方
(
こつち
)
から金を工面して、
猶
(
なほ
)
その
放蕩
(
はうたう
)
を続けて居た。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「何だか解つたものぢやないわね。また
彼方
(
あつち
)
で何かやり損なつたのぢやないの?」
眠い一日
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
不具になつても
御厭
(
おいと
)
ひなさらぬか、へ、自分がドンなに
別嬪
(
べつぴん
)
だと思つて居るんだ、
彼方
(
あつち
)
からも
此方
(
こつち
)
からも
引手
(
ひくて
)
数多
(
あまた
)
のは何の為めだ、
容姿
(
きりやう
)
や学問やソンな詰まらぬものの為めと思ふのか
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
彼方
(
あつち
)
でも
此方
(
こつち
)
でも禁を犯してゐた。
避病院
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
かねて自分を愚弄する様な気がするので、矢っ張り平生の代助の通り、のらくらした所を、
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
い
)
つたり
此方
(
こつち
)
へ
来
(
き
)
たりして、飲んでゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この
頃
(
ごろ
)
欧羅巴
(
ヨーロツパ
)
の西部戦線にゐる英軍の
塹壕
(
ざんがう
)
内では、
彼方
(
あつち
)
でも
此方
(
こつち
)
でもキツチナア元帥に遭つたといふ風説が
盛
(
さかん
)
に行はれてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
うむ、
彼方
(
あつち
)
に支度がしてあるから、来たら言ひに来る? それは善い、西洋室の寄鍋なんかは風流でない、あれは
長火鉢
(
ながひばち
)
の
相対
(
さしむかひ
)
に限るんさ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「まあ! お兄様! 何を遊ばすのです。さあ!
彼方
(
あつち
)
へ行らつしやい。」優しく制してゐる女の声が聞えた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
「
明後日
(
あさつて
)
帰つて来てそれから
又
(
また
)
彼方
(
あつち
)
へ
去
(
い
)
つてしまふんだらう。え。お
糸
(
いと
)
ちやんはもう
其
(
そ
)
れなり
向
(
むか
)
うの人になつちまふんだらう。もう
僕
(
ぼく
)
とは会へないんだらう。」
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
『あら、変だわ。声のするのは
彼方
(
あつち
)
ぢやありませんか?』と、稍あつて松子は川下の方を指した。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
おい……ハヽヽ
彼方
(
あつち
)
へ
逃
(
に
)
げて
往
(
い
)
きやアがつた、
馬鹿
(
ばか
)
な
奴
(
やつ
)
だなア……
先刻
(
さつき
)
むぐ/\
喰
(
く
)
つてゐた
粟饅頭
(
あはまんぢう
)
……ムンこゝに
烟
(
けむ
)
の
出
(
で
)
る
饅頭
(
まんぢう
)
がある、
喰
(
くひ
)
かけて
残
(
のこ
)
して
往
(
い
)
きやアがつたな。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れかゝると
彼方
(
あつち
)
に
一
(
ひと
)
ならび、
此方
(
こつち
)
に
一
(
ひと
)
ならび
縦横
(
じうわう
)
になつて、
梅
(
うめ
)
の
樹
(
き
)
が
飛
(
とび
)
々に
暗
(
くら
)
くなる。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「よし/\、解つてゐる。お前は
彼方
(
あつち
)
へ行け、女が來ると話がこんがらかる」
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
彼方
(
あつち
)
へ行き。……」と睨んだ。自分の親しい味方で、父とはまた別な懷かし味を有つてゐる平七も、何うしたものか、難かしい顏をして、話を途切れさせつゝ横を向いて、タバコの煙を吐いた。
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
何しろ六月から七月へかけて、螢の出る
季節
(
とき
)
になると、自分の村は螢の光で明るい……だから、日が暮れて、新樹の
木立
(
こだち
)
の上に、宵の明星が
鮮
(
あざやか
)
な光で
煌
(
きらめ
)
き出すのを合圖で、
彼方
(
あつち
)
でも、
此方
(
こつち
)
でも盛に
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「おだてちやいけませんよ、先生! 尤も了見は私に似て呉れゝば、少くとも愚図にはなるまいが——生活は真似られたくありません、あゝして
彼方
(
あつち
)
へ離れてゐるのもその分では好いあんばいだとは思つてゐるんです。」
夏ちかきころ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
と
彼方
(
あつち
)
此方
(
こつち
)
から声が懸る。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
駅長は前よりは一層丁寧にお辞儀をして、小走りに
彼方
(
あつち
)
へ往つたと思ふと、暫くすると、貨車はまたごとごとと音を立てて、
後退
(
あとじさ
)
りを始めた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「もう
廃
(
よ
)
しませう。
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
い
)
つて、
御飯
(
ごはん
)
でも
食
(
たべ
)
ませう。
叔父
(
おぢ
)
さんもゐらつしやい」と云ひながら立つた。部屋のなかはもう
薄暗
(
うすぐら
)
くなつてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
嗚呼
(
ああ
)
、私はどうしたら可からう! 若し私が
彼方
(
あつち
)
へ
嫁
(
い
)
つたら、貫一さんはどうするの、それを聞かして下さいな」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「主人公が、こんな所に、逃げ込んでゐては困りますね。さあ、
彼方
(
あつち
)
へ行きませう。先刻も我党の総裁が、
貴方
(
あなた
)
を探してゐた。まだ挨拶をしてゐないと云つて。」
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
さあ、それからは、
宛然
(
さながら
)
人魂
(
ひとだま
)
の
憑
(
つき
)
ものがしたやうに、
毛
(
け
)
が
赫
(
かつ
)
と
赤
(
あか
)
く
成
(
な
)
つて、
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
を
彼方
(
あつち
)
へ、
此方
(
こつち
)
へ、たゞ、
伊達卷
(
だてまき
)
で
身
(
み
)
についたばかりのしどけない
媚
(
なまめ
)
かしい
寢着
(
ねまき
)
の
婦
(
をんな
)
を
追𢌞
(
おひまは
)
す。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何方
(
どれ
)
だツて二人並んで
居
(
ゐ
)
るだらう。梅「へえ……。首を動かし見て、「
成程
(
なるほど
)
此方
(
こつち
)
で首を
振
(
ふ
)
るやうに向うでも
振
(
ふ
)
り、
舌
(
した
)
を出せば
彼方
(
あつち
)
でも出しますな。近「
止
(
よ
)
しねえ、
見
(
みつ
)
ともねえから。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
彼方
(
あつち
)
へ行け、彼方へ。』と、健は烈しい調子で、隣室にも聞える樣に叱つた。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と
彼方
(
あつち
)
此方
(
こつち
)
から声が懸る。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
彼方
(
あつち
)
の水は
苦
(
にが
)
いな
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「さあ、
御前達
(
おまへたち
)
は
此所
(
こゝ
)
で
騷
(
さわ
)
ぐんぢやない。
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
い
)
つて
御出
(
おいで
)
。
御客
(
おきやく
)
さまだから」と
制
(
せい
)
した。
其時
(
そのとき
)
、
誰
(
だれ
)
だかすぐに
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
オウクネエ島附近で溺死した元帥が今頃
蘇生
(
いきかへ
)
つてゐる筈もないが、それでも
彼方
(
あつち
)
でも見た、
此方
(
こつち
)
でも見た。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
然
(
さ
)
ればその
頃
(
ころ
)
は、
町々
(
まち/\
)
、
辻々
(
つじ/\
)
を、
彼方
(
あつち
)
からも、いなだ一
枚
(
まい
)
、
此方
(
こつち
)
からも、いなだ一
枚
(
まい
)
。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
エヘ、
御免
(
ごめん
)
なさい、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
頂戴
(
ちやうだい
)
しませう、一
体
(
たい
)
に
黒
(
くろ
)
くなりやしたな、
何
(
ど
)
うも、
南無阿弥陀仏
(
なむあみだぶつ
)
々々
(
/\
)
々々
(
/\
)
々々
(
/\
)
、
成程
(
なるほど
)
此木
(
このき
)
の
箸
(
はし
)
と
竹
(
たけ
)
の
箸
(
はし
)
で
斯
(
か
)
うするんですな、お
前
(
まい
)
さん
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
い
)
つてゝお
呉
(
く
)
んなさい。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
彼方
(
あつち
)
には男生徒が沢山行つてるから、お前達には取れませんよ。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
けれども、大体に於て、舞台にはもう
厭
(
あき
)
が
来
(
き
)
てゐた。
幕
(
まく
)
の
途中
(
とちう
)
でも、双眼鏡で、
彼方
(
あつち
)
を見たり、
此方
(
こつち
)
を見たりしてゐた。双眼鏡の
向
(
むか
)
ふ所には芸者が沢山ゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“彼方”の意味
《名詞》
いずれも離れた場所の意
かなた
あちら
あっち
あなた
(出典:Wiktionary)
“彼方”の解説
『彼方』(かなた、Là-Bas)は、フランスの作家、J・K・ユイスマンスによる長編小説。
日本語版は田辺貞之助訳によるもの(創元推理文庫、改版2002年)が刊行されている。
(出典:Wikipedia)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“彼方”で始まる語句
彼方此方
彼方是方
彼方側
彼方向
彼方岸
彼方様
彼方詰
彼方此處