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奈良
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なら
ふりがな文庫
“
奈良
(
なら
)” の例文
夕ばえ近い町を、伝六は左へ、名人は右へ、——お
奈良
(
なら
)
茶漬
(
ちゃづけ
)
宇治料理とかいたのれんが、吸いこむように右門の姿をかくしました。
右門捕物帖:38 やまがら美人影絵
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
慶州
(
けいしゆう
)
には
周圍
(
しゆうい
)
に
低
(
ひく
)
い
山
(
やま
)
があつて、
一方
(
いつぽう
)
だけ
少
(
すこ
)
し
開
(
ひら
)
けてゐる
地勢
(
ちせい
)
は、ちょうど
内地
(
ないち
)
の
奈良
(
なら
)
に
似
(
に
)
て、まことに
景色
(
けしき
)
のよいところであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
自分の研究所のW君のにいさんが
奈良
(
なら
)
県の技師をしておられるというので、これに依頼して、本場の奈良で
詮議
(
せんぎ
)
してもらったら
錯覚数題
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
贏
(
か
)
ちえたところは物
寂
(
さ
)
びている。
奈良
(
なら
)
の大仏の鐘をついて、そのなごりの響が、東京にいる自分の耳にかすかに届いたと同じことである。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのほかの人形は——
京
(
きょう
)
、
伏見
(
ふしみ
)
、
奈良
(
なら
)
、
博多
(
はかた
)
、
伊勢
(
いせ
)
、
秋田
(
あきた
)
、
山形
(
やまがた
)
など、どなたも御存知のものばかりで、例の
今戸焼
(
いまどやき
)
もたくさんあります。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
悩ましい日の色は、思い疲れた私の眼や肉体を一層
懊悩
(
おうのう
)
せしめた。
奈良
(
なら
)
からも
吉野
(
よしの
)
からも
到
(
いた
)
るところから絵葉書などを書いて送っておいた。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
尚
(
な
)
ほ
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
が、
嘗
(
かつ
)
て
修學旅行
(
しうがくりよかう
)
をした
時
(
とき
)
、
奈良
(
なら
)
の
然
(
さ
)
る
尼寺
(
あまでら
)
の
尼
(
あま
)
さんに
三體
(
さんたい
)
授
(
さづ
)
けられたと
云
(
い
)
ふ。
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
から
一體
(
いつたい
)
私
(
わたし
)
に
分
(
わ
)
けられた
阿羅漢
(
あらかん
)
の
像
(
ざう
)
がある。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
父
(
とう
)
さんが
奈良
(
なら
)
で
見
(
み
)
て
来
(
き
)
た
鐘
(
かね
)
というのは、
直径
(
ちょっけい
)
が二
米
(
メートル
)
ぐらいあったそうだから、そんなのにくらべれば、ごんごろ
鐘
(
がね
)
は
鐘
(
かね
)
の
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ぼう
)
にすぎない。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
泉州
(
せんしゅう
)
の
沢庵
(
たくあん
)
などが見えた日は、病室には談笑の声さえ聞えた。
奈良
(
なら
)
の
宝蔵院胤栄
(
ほうぞういんいんえい
)
は、かれよりも十数年まえに歿していた。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
摂津
(
せっつ
)
の
大阪
(
おおさか
)
にある
四天王寺
(
してんのうじ
)
、
大和
(
やまと
)
の
奈良
(
なら
)
に
近
(
ちか
)
い
法隆寺
(
ほうりゅうじ
)
などは、みな
太子
(
たいし
)
のお
建
(
た
)
てになった
古
(
ふる
)
い
古
(
ふる
)
いお
寺
(
てら
)
でございます。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
私
(
わたし
)
はとうとう
山城川
(
やましろがわ
)
をのぼり、
奈良
(
なら
)
や
小楯
(
おだて
)
をも通りすぎて、こんなにあちこちさまよってはいるけれど、それもどこを
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
昨日
(
きのう
)
奈良
(
なら
)
より宇治に宿りて、平等院を見、扇の芝の昔を
弔
(
とむら
)
い、
今日
(
きょう
)
は
山科
(
やましな
)
の停車場より
大津
(
おおつ
)
の
方
(
かた
)
へ行かんとするなり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
実際、もしシナ古代の青銅器具または唐代および
奈良
(
なら
)
時代の宗教的美術品を研究してみれば均斉を得るために不断の努力をしたことが認められるであろう。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
ことに、仏像の部屋には、
奈良
(
なら
)
時代から
鎌倉
(
かまくら
)
時代までの、国宝や重要美術品がいっぱいならんでいるのです。
妖星人R
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
こちらはその大きな西瓜をうゑた
人達
(
ひとたち
)
です。その人達は
奈良
(
なら
)
の大仏を二つも合した程の
巨人
(
おほびと
)
でありました。
漁師の冒険
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
十二月の二十日過ぎに
中宮
(
ちゅうぐう
)
が宮中から退出しておいでになって、六条院の四十歳の残りの日のための
祈祷
(
きとう
)
に、
奈良
(
なら
)
の七大寺へ布四千反を
頒
(
わか
)
ってお納めになった。
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
同行三 ではございましょうが、あなたは長い間
比叡山
(
ひえいざん
)
や
奈良
(
なら
)
で御研学あそばしたのでございましょう。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
いつか
奈良
(
なら
)
へ旅した時、歩きくたぶれて、
道傍
(
みちばた
)
の青草原に、べったり坐ってしまったくらいだった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
十二月は僕は
何時
(
いつ
)
でも東京にゐて、その
外
(
ほか
)
の場処といつたら
京都
(
きやうと
)
とか
奈良
(
なら
)
とかいふ
甚
(
はなは
)
だ平凡な処しかしらないんだけども、京都へ初めて
往
(
い
)
つた時は十二月で、その時分は
一番気乗のする時
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あをによし
奈良
(
なら
)
の
都
(
みやこ
)
にたなびける
天
(
あま
)
の
白雲
(
しらくも
)
見
(
み
)
れど
飽
(
あ
)
かぬかも 〔巻十五・三六〇二〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
足の下で、
奈良
(
なら
)
の町の火が美しくつき出した。
蜂
(
はち
)
の
群
(
む
)
れの
唸呍
(
つぶやき
)
の様な人声物音が響く。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
平和
(
へいわ
)
な
春
(
はる
)
の
晩
(
ばん
)
にはお
琴
(
こと
)
の
音
(
ね
)
がしたり、お
茶
(
ちゃ
)
をにるかおりがして、
歌
(
うた
)
にも『あおによし
奈良
(
なら
)
の
都
(
みやこ
)
は
咲
(
さ
)
く
花
(
はな
)
の、におうがごとくいまさかりなり』と、たたえられた
都
(
みやこ
)
も、
今
(
いま
)
はあとかたなく
夢のような昼と晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
奈良
(
なら
)
七重
(
ななえ
)
……奈良朝は七代の
御代
(
みよ
)
ということだが、そのなかで女の帝様は……」
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
潔
(
きよ
)
く致せと云れけるに源八は
覺悟
(
かくご
)
をせし
樣子
(
やうす
)
にて
仰
(
おほせ
)
の如く我々白状致すべし先第一は
南都
(
なんと
)
に於て
大森通仙
(
おほもりつうせん
)
娘お高に
戀慕
(
れんぼ
)
致
(
いた
)
し戀の
叶
(
かな
)
はぬ
意趣
(
いしゆ
)
に鹿を殺し
通仙
(
つうせん
)
の家の前へ
置
(
おき
)
しにより通仙は
奈良
(
なら
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
次
(
つ
)
ぎに
持統
(
ぢとう
)
、
文武
(
もんぶ
)
兩帝
(
りやうてい
)
は
藤原宮
(
ふじはらぐう
)
に
都
(
みやこ
)
したまひ、
元明天皇
(
げんめうてんのう
)
から
光仁天皇
(
くわうにんてんのう
)
まで七
代
(
だい
)
は
奈良
(
なら
)
に
都
(
みやこ
)
したまひ、
桓武天皇以來
(
かんむてんのういらい
)
孝明天皇
(
かうめいてんのう
)
まで七十一
代
(
だい
)
は
京都
(
けうと
)
に
都
(
みやこ
)
したまひたるにて、
漸次
(
ぜんじ
)
に
帝都
(
ていと
)
が
恒久的
(
こうきうてき
)
となり
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
復一は関西での金魚の飼育地で有名な
奈良
(
なら
)
大阪
(
おおさか
)
府県下を視察に廻った。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
見ると山ねこは、もういつか、黒い長い
繻子
(
しゆす
)
の服を着て、
勿体
(
もつたい
)
らしく、どんぐりどもの前にすわつてゐました。まるで
奈良
(
なら
)
のだいぶつさまにさんけいするみんなの絵のやうだと一郎はおもひました。
どんぐりと山猫
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
津村は何日に大阪を立って、
奈良
(
なら
)
は若草山の
麓
(
ふもと
)
の
武蔵野
(
むさしの
)
と云うのに宿を取っている、———と、そう云う
約束
(
やくそく
)
だったから、こちらは東京を夜汽車で立ち、
途中
(
とちゅう
)
京都に一泊して二日目の朝奈良に着いた。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
…………
奈良
(
なら
)
の
旅籠
(
はたご
)
や
三輪
(
みわ
)
の
茶屋
(
ちやや
)
…………
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
また
倉
(
くら
)
のような
建
(
た
)
て
物
(
もの
)
は、
多
(
おほ
)
くは
今日
(
こんにち
)
も
奈良
(
なら
)
の
正倉院
(
しようそういん
)
の
御倉
(
おくら
)
などに
見
(
み
)
るような、
木
(
き
)
を
組
(
く
)
みあはせた
校倉
(
あぜくら
)
といふものであつたと
思
(
おも
)
はれます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
(間)私は
比叡山
(
ひえいざん
)
と
奈良
(
なら
)
の
僧侶
(
そうりょ
)
たちが憎くなります。かほどの尊い
聖人
(
しょうにん
)
様をなぜあしざまに
讒訴
(
ざんそ
)
したのでございましょう。あのころの京での騒動のほども忍ばれます。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
坂上田村麻呂
(
さかのうえのたむらまろ
)
は
今
(
いま
)
から千
年余
(
ねんあま
)
りも
昔
(
むかし
)
、
桓武天皇
(
かんむてんのう
)
が
京都
(
きょうと
)
にはじめて
御所
(
ごしょ
)
をお
造
(
つく
)
りになったころ、
天子
(
てんし
)
さまのお
供
(
とも
)
をして
奈良
(
なら
)
の
都
(
みやこ
)
から
京
(
きょう
)
の
都
(
みやこ
)
へ
移
(
うつ
)
って
来
(
き
)
たうちの
一人
(
ひとり
)
でした。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ほんとうをいうと、彼は少年時代から、この
幻想
(
げんそう
)
に
憑
(
つ
)
かれていた。夢にもよく見た。中学校の集団旅行で、
奈良
(
なら
)
の大仏を見たときには、
恍惚
(
こうこつ
)
として目がくらみそうになった。
女妖:01 前篇
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
焼きなよ。それから、
奈良
(
なら
)
づけのいいところをふんだんに出してな。そっちの南部のお鉄でゆっくりお湯を沸かして、玉露のとろりとしたやつで奈良茶づけとはどんなものだい
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
日本はシナ文化の
先蹤
(
せんしょう
)
を追うて来たのであるから、この茶の三時期をことごとく知っている。早くも七二九年
聖武
(
しょうむ
)
天皇
奈良
(
なら
)
の御殿において百僧に茶を賜うと書物に見えている。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
その跡を御追いなすった事、今ではあなたの御家族の中でも、たった一人
姫君
(
ひめぎみ
)
だけが、
奈良
(
なら
)
の
伯母御前
(
おばごぜ
)
の
御住居
(
おすまい
)
に、人目を忍んでいらっしゃる事、——そう云う御話をしている内に
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ここへ来たり
奈良
(
なら
)
へ行ったり、
住吉
(
すみよし
)
方面へ碑の石をさがしに行ったり、建碑の起工から一切のことを奔走して、いまも工事の監督にあたっている水戸家の臣、
佐々介三郎
(
さっさすけさぶろう
)
なのである。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに並んで寝床が二つ延べられ、四人の抱えが手足を縮めて
寝
(
やす
)
むのだったが、次ぎの三畳にも六人分の三つの寝床が敷かれ、下の玄関わきの小間では、
奈良
(
なら
)
産まれの
眇目
(
めっかち
)
の
婆
(
ばあ
)
やと
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
(わん。)
津島
(
つしま
)
ぶ、
隱元
(
いんげん
)
、きす、
鳥肉
(
とりにく
)
。(
鉢
(
はち
)
。)たひさしみ、
新菊
(
しんぎく
)
の
葉
(
は
)
。
甘
(
あま
)
だい
二切
(
ふたき
)
れ。(
鉢
(
はち
)
。)えびしんじよ、
銀
(
ぎん
)
なん、かぶ、つゆ
澤山
(
だくさん
)
。
土瓶
(
どびん
)
むし
松
(
まつ
)
だけ。つけもの、かぶ、
奈良
(
なら
)
づけ。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見ると山ねこは、もういつか、黒い長い
繻子
(
しゅす
)
の服を着て、
勿体
(
もったい
)
らしく、どんぐりどもの前にすわっていました。まるで
奈良
(
なら
)
のだいぶつさまにさんけいするみんなの絵のようだと一郎はおもいました。
どんぐりと山猫
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そしてお兄上のお死がいを
奈良
(
なら
)
の山にお
葬
(
ほうむ
)
りになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
その
次
(
つ
)
ぎに
古
(
ふる
)
いのは
奈良
(
なら
)
の
西
(
にし
)
にある
藥師寺
(
やくしじ
)
の
塔
(
とう
)
、それから
聖武天皇頃
(
しようむてんのうころ
)
の
建
(
た
)
て
物
(
もの
)
が
奈良
(
なら
)
にちょい/\
殘
(
のこ
)
つてをります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
奈良
(
なら
)
の大仏のからだの何倍もあるような、想像もできないほどの、大きな大きな顔なのです。
奇面城の秘密
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
まもなく、かれはゆうべの夢を実行して、京から
大阪
(
おおさか
)
、大阪から
奈良
(
なら
)
の空へと遊びまわっている。町も村も橋も河も、まるで
箱庭
(
はこにわ
)
のような
下界
(
げかい
)
の地面がみるみるながれめぐってゆく。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歌
(
うた
)
の中にある「
斑鳩
(
いかるが
)
」だの、「
富
(
とみ
)
の
小川
(
おがわ
)
」だのというのは、いずれも
太子
(
たいし
)
のお
住
(
す
)
まいになっていた
大和
(
やまと
)
の
国
(
くに
)
の
奈良
(
なら
)
に
近
(
ちか
)
い
所
(
ところ
)
の
名
(
な
)
で、その
富
(
とみ
)
の
小川
(
おがわ
)
の
流
(
なが
)
れの
絶
(
た
)
えてしまうことはあろうとも
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
私は九歳の年に出家してから、
比叡山
(
ひえいざん
)
や
奈良
(
なら
)
で数十年の長い間自分を善くしょうとして修業いたしました。自分の心から
呪
(
のろ
)
いを去り切ってしまおうとして、どんなに苦しんだ事でしょう。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
覗
(
のぞ
)
き鼻の
鼻梁
(
びりょう
)
が、附け根から少し不自然に高くなっているのも、そう気になるほどではなく、ややもすると惑星のように輝く目に何か不安定な感じを与えもして、
奈良
(
なら
)
で産まれたせいでもあるか
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「じょうだんじゃねえや、おれなんか、
裾野
(
すその
)
にいたじぶんから、ズッと
奈良
(
なら
)
や京都のほうを見物して歩いてる時なんかも、こんなまずいものを一どだって
食
(
く
)
ったことはありゃしねえ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
時
(
とき
)
ちょうど
奈良
(
なら
)
から
初
(
はつ
)
もののうりを
献上
(
けんじょう
)
して
来
(
き
)
ました。
珍
(
めずら
)
しい大きなうりだからというので、そのままお
盆
(
ぼん
)
にのせて四
人
(
にん
)
のお
客
(
きゃく
)
の
前
(
まえ
)
に
出
(
だ
)
しました。するとまず
安倍晴明
(
あべのせいめい
)
がそのうりを手にのせて
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
富士の
裾野
(
すその
)
をでていらい、
鷲
(
わし
)
に乗って
北国
(
ほっこく
)
も見たし、
東海道
(
とうかいどう
)
も
見物
(
けんぶつ
)
したし、
奈良
(
なら
)
の
堂塔
(
どうとう
)
、
大和
(
やまと
)
の平野、京都の
今宮祭
(
いまみやまつり
)
まで見たから、こんどはひとつ思いきって、四国へ飛ぼうか、九州へいこうか?
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“奈良”の解説
奈良(なら)は、異表記として那羅・平城・寧楽などがある(読みは全て「なら」)。平安京(京都)に都が遷った後は南都(なんと)とも呼ばれた。古くは大倭と呼ばれ、また平城京にも相当した。
(出典:Wikipedia)
奈
常用漢字
小4
部首:⼤
8画
良
常用漢字
小4
部首:⾉
7画
“奈良”で始まる語句
奈良井
奈良朝
奈良茂
奈良漬
奈良屋
奈良坂
奈良茶
奈良茶飯
奈良井遊廓
奈良村