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飛
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とば
ふりがな文庫
“
飛
(
とば
)” の例文
夜陰に
轟
(
とどろ
)
く車ありて、一散に
飛
(
とば
)
し
来
(
きた
)
りけるが、
焼場
(
やけば
)
の
際
(
きは
)
に
止
(
とどま
)
りて、
翩
(
ひらり
)
と
下立
(
おりた
)
ちし人は、
直
(
ただ
)
ちに鰐淵が跡の前に尋ね行きて
歩
(
あゆみ
)
を
住
(
とど
)
めたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
と云いながら多助の胸ぐらを取り、力に任せて突き
飛
(
とば
)
す。突かれて多助はひょろ/\と横に倒れかゝりましたが、やっと踏み
堪
(
こら
)
えながら
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此時はかならず
暴風
(
はやて
)
力をそへて粉に
砕
(
くだき
)
たる
沙礫
(
こじやり
)
のごとき雪を
飛
(
とば
)
せ、白日も
暗夜
(
あんや
)
の如くその
慄
(
おそろ
)
しき事
筆帋
(
ひつし
)
に
尽
(
つく
)
しがたし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
途中
(
とちう
)
、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
大得意
(
だいとくい
)
で、ヤンヤ/\の
喝釆
(
かつさい
)
の
眞中
(
まんなか
)
に
立
(
た
)
つて、
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
り
口沫
(
こうまつ
)
を
飛
(
とば
)
して、
今回
(
こんくわい
)
の
冐險譚
(
ぼうけんだん
)
をはじめた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
向嶋も今では
瓢箪
(
ひょうたん
)
を下げた風流人の杖を曳く処ではなく、自動車を
飛
(
とば
)
して工場の製作物を見に行く処であろう。
向島
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
消
(
け
)
し
魂
(
たましひ
)
を
飛
(
とば
)
し更に
生
(
いき
)
たる心地もなく
互
(
たがひ
)
に
顏
(
かほ
)
を見合せ思ひ/\に
神佛
(
しんぶつ
)
を
祈
(
いの
)
り
溜息
(
ためいき
)
を
吐
(
つく
)
ばかりなり風は益々
強
(
つよ
)
く船を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
もの狂ほしい一陣の風が吹き起つたと思ふほどに、二人は
何時
(
いつ
)
か宙を踏んで、牢舎を後に
飄々
(
へうへう
)
と「あんちおきや」の都の夜空へ、火花を
飛
(
とば
)
いて舞ひあがつた。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
若
(
も
)
しこの婆さんの笑いが毒々しい笑いで、
面付
(
つらつき
)
が
獰悪
(
どうあく
)
であったら私はこの時、
憤怒
(
ふんど
)
して
擲
(
なぐ
)
り
飛
(
とば
)
したかも知れない。いくら怖しいといったって、たかが
老耄
(
おいぼれ
)
た
婆
(
ばばあ
)
でないか。
老婆
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なんだ貴様は
蝶
(
ちょう
)
の折り
様
(
よう
)
を知らぬかと
甥子
(
おいご
)
まで
叱
(
しか
)
り
飛
(
とば
)
して騒ぐは田舎
気質
(
かたぎ
)
の義に進む所なり
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
当家
(
こちら
)
のお弟子さんが危篤ゆえ
知
(
しら
)
せると
云
(
いわ
)
れ、妻女は
偖
(
さて
)
はそれ
故
(
ゆえ
)
姿を
現
(
あらわ
)
したかと
一層
(
いっそう
)
不便
(
ふびん
)
に思い、その
使
(
つかい
)
と
倶
(
とも
)
に病院へ車を
飛
(
とば
)
したが
最
(
も
)
う間に
合
(
あわ
)
ず、彼は死んで
横倒
(
よこたわ
)
っていたのである
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
ギルは
烈
(
はげ
)
しく女を叱り
飛
(
とば
)
して、バラ/\と階段を馳上った。泉原も続いて後に従った。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
アダムの
二本棒
(
にほんぼう
)
が
意地
(
いぢ
)
汚
(
きたな
)
さの
摂
(
つま
)
み
喰
(
ぐひ
)
さへ
為
(
せ
)
ずば
開闢
(
かいびやく
)
以来
(
いらい
)
五千
年
(
ねん
)
の
今日
(
こんにち
)
まで
人間
(
にんげん
)
は
楽園
(
パラダイス
)
の
居候
(
ゐさふらふ
)
をしてゐられべきにとンだ
飛
(
とば
)
ツ
塵
(
ちり
)
が
働
(
はたら
)
いて
喰
(
く
)
ふといふ
面倒
(
めんだう
)
を
生
(
しやう
)
じ〻は
扨
(
さて
)
も
迷惑
(
めいわく
)
千万
(
せんばん
)
の事ならずや。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
其
(
それ
)
より
御國許
(
おくにもと
)
へ
飛脚
(
ひきやく
)
を
飛
(
とば
)
して、
御用
(
ごよう
)
の
儀
(
ぎ
)
これあり、
諸役人
(
しよやくにん
)
ども
月番
(
つきばん
)
の
者
(
もの
)
一名宛
(
いちめいづゝ
)
殘止
(
のこりとゞ
)
まり、
其他
(
そのた
)
は
恩田杢
(
おんだもく
)
同道
(
どうだう
)
にて
急々
(
きふ/\
)
出府
(
しゆつぷ
)
仕
(
つかまつ
)
るべし、と
命
(
めい
)
じ
給
(
たま
)
ひければ、こはそも
如何
(
いか
)
なる
大事
(
だいじ
)
の
出來
(
でき
)
つらむと
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
開きたりソレ
彼
(
あ
)
の瀧ホラ向ふの岩奇絶妙絶と云ふうちには四五
反
(
たん
)
は馳せ過る馬車の
無法
(
むはふ
)
飛
(
とば
)
せ下は藍なす深き淵かたへは削りなせる絶壁やうやくに車輪をのするだけの
崕道
(
がけみち
)
を容赦も
酙酌
(
しんしやく
)
もなく鞭を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
四十歳を越した文豪の心は
予
(
かね
)
て愛くるしい
此
(
この
)
小娘に動かされて居て二人の間にデリカアな話が交換される。
其処
(
そこ
)
へ第一の夫人である女優マドレエヌが現れてアルマンを叱り
飛
(
とば
)
して
其
(
その
)
部屋へ
追
(
おひ
)
遣る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
すると女は、いきなり僕の胸を力一杯の
拳固
(
げんこ
)
で突き
飛
(
とば
)
した。
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
吹けば飛ぶ物
丈
(
だけ
)
風は吹き
飛
(
とば
)
し
鶴彬全川柳
(新字旧仮名)
/
鶴彬
(著)
ピイーという雪風で、暑中にまいりましても砂を
飛
(
とば
)
し、随分
半纒
(
はんてん
)
でも着たいような日のある処で、恐ろしい寒い処へ泊りました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
吾が国に
雪吹
(
ふゞき
)
といへるは、
猛風
(
まうふう
)
不意
(
ふい
)
に
起
(
おこ
)
りて
高山平原
(
かうざんへいげん
)
の雪を
吹散
(
ふきちら
)
し、その風四方にふきめぐらして
寒雪
(
かんせつ
)
百万の
箭
(
や
)
を
飛
(
とば
)
すが如く、
寸隙
(
すんげき
)
の
間
(
あひだ
)
をも
許
(
ゆる
)
さずふきいるゆゑ
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
雪解の
雫
(
しずく
)
は両側に並んだ同じような二階
家
(
や
)
の軒からその下を通行する人の
襟頸
(
えりくび
)
へ
余沫
(
しぶき
)
を
飛
(
とば
)
している。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
彼等
(
かれら
)
の
仲間
(
なかま
)
でも
羽振
(
はぶ
)
りよき
男
(
をとこ
)
、
何
(
なに
)
か
一言
(
ひとこと
)
二言
(
ふたこと
)
いふと、
勇
(
いさ
)
ましき
水兵
(
すいへい
)
の
一團
(
いちだん
)
は、
等
(
ひと
)
しく
帽
(
ぼう
)
を
高
(
たか
)
く
飛
(
とば
)
して、
萬歳
(
ばんざい
)
を
叫
(
さけ
)
んだ、
彼等
(
かれら
)
は
其
(
その
)
敬愛
(
けいあい
)
する
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
の
知己
(
ちき
)
たる
吾等
(
われら
)
が
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
召し上意には其方
只今
(
たゞいま
)
より越前宅へ
罷越
(
まかりこし
)
呼
(
よび
)
參れとの上意なれば主計頭は御受に及び
直樣
(
すぐさま
)
馬を
飛
(
とば
)
せ
鞭
(
むち
)
を加へて一散に數寄屋橋の御役宅へ來り
御上使
(
ごじやうし
)
々々々と呼はりければ大岡の屋敷にては上下是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
貫一は
直
(
ただち
)
に
俥
(
くるま
)
を
飛
(
とば
)
して氷川なる
畔柳
(
くろやなぎ
)
のもとに
赴
(
おもむ
)
けり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
無法
飛
(
とば
)
せの馬車なれば(是よりして木曾の
山中
(
やまなか
)
にも無法飛ぶのは馬車ではないか
抔
(
など
)
定めて洒落始めしならん)
下手
(
へた
)
な言文一致の
詞
(
ことば
)
のやうにアツヱツ
發矢
(
はつし
)
など驚きて思はず叫ぶばかり山も川も只飛び過ぎ
熱川
(
にえがは
)
より奈良井の間の諏訪峠といふ所は車の片輪を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
多「あれ
坊
(
ぼ
)
っちゃんを突き
飛
(
とば
)
しやアがる、惣吉さんお出でなさえ…
此奴
(
こいつ
)
ア…又打てねえ…さっ/\と行けい」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
吾が国に
雪吹
(
ふゞき
)
といへるは、
猛風
(
まうふう
)
不意
(
ふい
)
に
起
(
おこ
)
りて
高山平原
(
かうざんへいげん
)
の雪を
吹散
(
ふきちら
)
し、その風四方にふきめぐらして
寒雪
(
かんせつ
)
百万の
箭
(
や
)
を
飛
(
とば
)
すが如く、
寸隙
(
すんげき
)
の
間
(
あひだ
)
をも
許
(
ゆる
)
さずふきいるゆゑ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
路地は人ひとりやっと通れるほど狭いのに、大きな
芥箱
(
ごみばこ
)
が並んでいて、寒中でも
青蠅
(
あおばえ
)
が
翼
(
はね
)
を
鳴
(
なら
)
し、昼中でも
鼬
(
いたち
)
のような
老鼠
(
ろうねずみ
)
が出没して、人が来ると長い尾の先で
水溜
(
みずたまり
)
の水をはね
飛
(
とば
)
す。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
して
見
(
み
)
ると
私
(
わたくし
)
でなくとも、
此樣
(
こん
)
な
想像
(
さうざう
)
は
起
(
おこ
)
るであらう、
今
(
いま
)
、
本船
(
ほんせん
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
ふかの
奇怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
は
或
(
あるひ
)
は
印度洋
(
インドやう
)
の
大惡魔
(
だいあくま
)
と
世
(
よ
)
に
隱
(
かく
)
れなき
海賊船
(
かいぞくせん
)
で、
先刻
(
せんこく
)
遙
(
はる
)
か/\の
海上
(
かいじよう
)
で、
星火榴彈
(
せいくわりうだん
)
を
揚
(
あ
)
げ、
火箭
(
くわぜん
)
を
飛
(
とば
)
して
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
重吉が種子の遺産として
譲受
(
ゆずりう
)
けた五千円の貯金はその時なくなってしまう。つづいて
勤先
(
つとめさき
)
の会社が突然解散せられる。種子が形見の貴金属類は
内々
(
ないない
)
でとうの昔売り
飛
(
とば
)
された後である。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
こういう奴が出るから
茶飯
(
ちゃめし
)
餡
(
あん
)
かけ豆腐や
夜鷹蕎麦
(
よたかそば
)
が
閑
(
ひま
)
になる、一つ張り
飛
(
とば
)
してやろうと、廿人力の拳骨を固めて
後
(
うしろ
)
へ下ろうとする蟠龍軒の
横面
(
よこずっぽう
)
をポカーリッと殴ると、痛いの痛くないの
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ト突き
飛
(
とば
)
す。職工よろけて倒れる。鈴代おでん屋の灯を見てかけ寄り
渡鳥いつかへる:軽演劇一幕四場
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
杉のはのたてる
門辺
(
かどべ
)
に目白おし
羽觴
(
うしょう
)
を
飛
(
とば
)
す岸の
上
(
へ
)
の
茶
(
ちゃ
)
や
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
飛
常用漢字
小4
部首:⾶
9画
“飛”を含む語句
飛沫
飛行
飛鳥
飛退
一飛
飛出
飛込
一足飛
突飛
蹴飛
飛翔
飛々
早飛脚
飛魚
飛散
飛交
飛車
飛脚
飛行機
張飛
...