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蹴
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け
ふりがな文庫
“
蹴
(
け
)” の例文
恁
(
か
)
うして
買
(
か
)
つて
參
(
まゐ
)
ります
品物
(
しなもの
)
が
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
らないと、
甚
(
ひど
)
いんですぜ、そりや、
踏
(
ふ
)
んだり、
蹴
(
け
)
つたり、ポカ/\でさ。
我又不善擇人參可否
(
われまたにんじんのかひをえらぶことをよくせず
)
。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
もとは健ちゃんも知ってる通りの始末で、随分
烈
(
はげ
)
しかったもんだがね。
蹴
(
け
)
ったり、
敲
(
たた
)
いたり、髪の毛を持って座敷中
引摺
(
ひっずり
)
廻したり……
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
本艦
(
ほんかん
)
は
一令
(
いちれい
)
の
下
(
した
)
に
推進螺旋
(
スクルー
)
波
(
なみ
)
を
蹴
(
け
)
つて
進航
(
しんかう
)
を
始
(
はじ
)
めた。
規律
(
きりつ
)
正
(
たゞ
)
しき
軍艦
(
ぐんかん
)
の
甲板
(
かんぱん
)
、かゝる
活劇
(
さわぎ
)
の
間
(
あひだ
)
でも
决
(
けつ
)
して
其
(
その
)
態度
(
たいど
)
を
亂
(
みだ
)
す
樣
(
やう
)
な
事
(
こと
)
はない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
若い女が、キャッと声を立てて、バタバタと、
草履
(
ぞうり
)
を
蹴
(
け
)
とばして、楽屋の入口の間へ
駈
(
か
)
けこんだが、身を縮めて壁にくっついていると
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
尤
(
もつと
)
も、あれで
若
(
も
)
しどつちかが
斷然
(
だんぜん
)
強
(
つよ
)
くでもなつたとしたら、
恐
(
おそ
)
らく
進
(
すゝ
)
まぬ方は
憤然
(
ふんぜん
)
町内を
蹴
(
け
)
つて
去
(
さ
)
つたかも知れない。
桑
(
くは
)
原、
桑
(
くは
)
原!
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
それから、避雷針をはなし、足をしっかり壁にかけて踏んばり、思いきってそれを
蹴
(
け
)
ると、鎧戸はあおりをくってばっとしまるだろう。
モルグ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
隆吉からは同情的な
施
(
ほどこ
)
しを受けてはならないと思った。
殴
(
なぐ
)
るか、
蹴
(
け
)
るか、どんなにひどい仕打ちをされてもかまわないと思うのである。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「
立
(
た
)
ち
腫
(
は
)
れ」がして足がガクつき、どうしても機械についていられない。それを後から靴で
蹴
(
け
)
られながら働いていることを話した。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
私も奥様に
蹴
(
け
)
られたままで、追出される気は有ません。身の明りを立てた上で、
是方
(
こちら
)
から御暇を貰って出よう、と心を決めました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
玉藻ほどの才女ならば、ひそめるその力を利用して、頼長めを殿上から
蹴
(
け
)
落とすことが出来るかもしれないと、忠通は頼もしく思った。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
追っ立ての兵たちも、ていねいに変って来たし、やがて四条京極の陣所では、よくある
蹴
(
け
)
る
撲
(
なぐ
)
るの乱暴な目にもあわされなかった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女はたくましい女としての本性どおりに、なぐりつけ
蹴
(
け
)
りつけた。彼はしっかり直立していなかったので、身体の平均を失いかけた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
食
(
くら
)
うときには
箸
(
はし
)
を投じ、
臥
(
ふ
)
したるときには
被
(
ひ
)
を
蹴
(
け
)
て
起
(
た
)
ち、
径
(
ただ
)
ちに
往
(
ゆ
)
いて診したのは、少時の
苦
(
にが
)
き経験を忘れなかったためだそうである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
殴
(
なぐ
)
ったり
蹴
(
け
)
ったり、散々に責め
嘖
(
さいな
)
んだ挙句、あろうことかあるまいことか! しまいには、その坊さんにね、
此奴
(
こやつ
)
が腰元をそそのかして
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
……長靴をはいた兵隊さんが、膝の関節をまげずに、爪先でじぶんの額を
蹴
(
け
)
あげるようにしながら行進する、あの奇抜な歩調で。
キャラコさん:07 海の刷画
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
狂ったような顔をして、襖や障子を
蹴
(
け
)
やぶったり、家財道具を叩き毀したりする千太郎の姿が、まだ生々しく記憶に残っている。
枡落し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
もぬけの
殼
(
から
)
なりアナヤとばかり
蹴
(
け
)
かへして
起
(
た
)
つ
枕元
(
まくらもと
)
の
行燈
(
あんどん
)
有明
(
ありあけ
)
のかげふつと
消
(
き
)
えて
乳母
(
うば
)
が
涙
(
なみだ
)
の
聲
(
こゑ
)
あわたゞしく
孃
(
ぢやう
)
さまが
孃
(
ぢやう
)
さまが。
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
成光が画いた鶏を真の鶏が
蹴
(
け
)
り、
黄筌
(
こうせん
)
が画いた
雉
(
きじ
)
を鷹が打たんとし、曹不与誤って筆を屏風に落し点じたのを蠅に作り直せしを
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
と
云
(
い
)
いながら
裾
(
すそ
)
の
方
(
かた
)
に立寄れる女を
蹴
(
け
)
つけんと、
掻巻
(
かいまき
)
ながらに足をばたばたさす。女房は
驚
(
おどろ
)
きてソッとそのまま
立離
(
たちはな
)
れながら
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そして、
見
(
み
)
つかったら、いっそうさかんに
投
(
な
)
げたり、
蹴
(
け
)
られたりすることだろうと
思
(
おも
)
うと、まりは、ため
息
(
いき
)
をせずにはいられませんでした。
あるまりの一生
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
トロッコの車輪を
蹴
(
け
)
って見たり、一人では動かないのを承知しながらうんうんそれを押して見たり、——そんな事に気もちを紛らせていた。
トロッコ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一匹の牛が皮の前掛を振うか、あるいは乾いた地面を
蹄
(
ひづめ
)
で
蹴
(
け
)
るかすると、虻の雲が
唸
(
うな
)
り声を立てて移動する。ひとりでに
湧
(
わ
)
いて出るようだ。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
同時、ドサドサッと畳を
蹴
(
け
)
る音。白い線が二、三度上下に
靡
(
なび
)
いて、バサッ! ガアッ!——と
軋
(
きし
)
んだのは、骨を断った
響
(
ひび
)
きか。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
口惜
(
くやし
)
くって
堪
(
たま
)
らないからおあさの足へかじり付きますと、ポーンと
蹴
(
け
)
られたから
仰向
(
あおむけ
)
に
顛倒
(
ひっくりかえ
)
ると、
頬片
(
ほっぺた
)
を二つ
三
(
み
)
つ
打
(
ぶ
)
ちました。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼は
椅子
(
いす
)
を
蹴
(
け
)
飛し、テーブルをはねのけ、テナルディエがふり返る間もあらせず、驚くべき
敏捷
(
びんしょう
)
さで一躍して窓の所へ達した。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
夢中
(
むちゅう
)
で
振
(
ふ
)
り
払
(
はら
)
ったお
蓮
(
れん
)
の
片袖
(
かたそで
)
は、
稲穂
(
いなほ
)
のように
侍女
(
じじょ
)
の
手
(
て
)
に
残
(
のこ
)
って、
惜
(
お
)
し
気
(
げ
)
もなく
土
(
つち
)
を
蹴
(
け
)
ってゆく
白臘
(
はくろう
)
の
足
(
あし
)
が、
夕闇
(
ゆうやみ
)
の
中
(
なか
)
にほのかに
白
(
しろ
)
かった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
吉川訓導はそう言いながら、落ち葉を
蹴
(
け
)
って歩いた。生徒たちは、わっ! といっせいに地肌を覆い隠している落ち葉を掻き集めにかかった。
錯覚の拷問室
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
伊右衛門はそろそろと
起
(
た
)
って往って、いきなり足をあげてお弓を
蹴
(
け
)
った。お弓はひとたまりもなく川へ落ちて水音をたてた。直助が感心した。
南北の東海道四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「畜生、畜生、畜生めッ」と、しばらくしてこう叫んだ善吉は、涙一杯の眼で天井を見つめて、布団を二三度
蹴
(
け
)
りに蹴った。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
自分でも何のためやらわからないで、ただむしょうに打つ、たたく、
蹴
(
け
)
る、しまいには、いたいけな子供の体が一面、紫色になってしまった。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
頬白
(
ほゝじろ
)
か
何
(
なに
)
かゞ
菜種
(
なたね
)
の
花
(
はな
)
や
枯蓬
(
かれよもぎ
)
の
陰
(
かげ
)
の
淺
(
あさ
)
い
雪
(
ゆき
)
に
短
(
みじか
)
い
臑
(
すね
)
を
立
(
た
)
てゝ
見
(
み
)
たいのか
桑
(
くは
)
の
枝
(
えだ
)
をしなやかに
蹴
(
け
)
つて
活溌
(
くわつぱつ
)
に
飛
(
と
)
びおりた。さうして
又
(
また
)
枝
(
えだ
)
に
移
(
うつ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
恥ぢづら
掻
(
か
)
いて居るやうで、踏まば踏め、
蹴
(
け
)
らば蹴れ、と手から
抛
(
ほう
)
つて置くとこまかせ、そこら畳の上に捨てても置いた。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
ホラ大変!、母も武も驚ろいたことといつたら、
跳
(
は
)
ねるやら、
蹴
(
け
)
るやら、もがくやらで、四百
目
(
め
)
もある魚のことですから、舟も
揺
(
ゆる
)
ぐ
計
(
ばか
)
りでした。
鼻で鱒を釣つた話(実事)
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
教場で背後から何ほど鉛筆で
頸筋
(
くびすぢ
)
を突つつかれようと、靴先で
踵
(
かゝと
)
を
蹴
(
け
)
られようと、眉毛一本動かさず
瞬
(
またゝ
)
き一つしなかつた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
これに反し打たれても
蹴
(
け
)
られてもジッとこれに堪えるのは、はなはだ陰気で
卑屈
(
ひくつ
)
のごとく、普通の人にはちょっとその強さを見ることが出来ぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
積雪を
蹴
(
け
)
って
汀
(
みぎわ
)
まで走って行き、そろそろ帰り支度をはじめている漁師たちの腕をつかんで、たのむ、もういちど、と眼つきをかえて
歎願
(
たんがん
)
する。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
自分では酔わぬつもりでも、脚はかなりふらふらしていた。彼はその
千鳥足
(
ちどりあし
)
を踏み締めながら、
狂人
(
きちがい
)
のように、どんどん雪を
蹴
(
け
)
って
駈
(
か
)
けだした。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
ウォーソン夫人は椅子を
蹴
(
け
)
った。そして本能的な憎悪の感情に熱しながら、いきなり一人の婦人客の頸を引っつかんだ。
ウォーソン夫人の黒猫
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
花岡 け、け、け! にゃあにを、インポテッ! (いうなり、力をふりしぼって、右足をあげて佐山の腰を
蹴
(
け
)
あげる)
胎内
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
翌日早朝、手廻りのものを包みに
人気
(
ひとけ
)
のない小田原の街を
蹴
(
け
)
るが如くに停車場へ、上京して、宿六の弟子の大学生浮田信之を訪ねてワッと泣いた。
オモチャ箱
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
胸の代りに脹れた頬を蹠へあてて
辛
(
かろ
)
うじて
凌
(
しの
)
いでいるとたちまち春琴がいやと云うほどその頬を
蹴
(
け
)
ったので佐助は覚えずあっと云って飛び上った。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
例えば
常陸
(
ひたち
)
の
石那阪
(
いしなざか
)
の峠の石は、毎日々々伸びて天まで届こうとしていたのを、
静
(
しず
)
の明神がお憎みになって、鉄の
沓
(
くつ
)
をはいてお
蹴
(
け
)
飛ばしなされた。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
倉地は両
肘
(
ひじ
)
まで使って、ばたばたと
裾
(
すそ
)
を
蹴
(
け
)
乱してあばれる両足のほかには葉子を身動きもできないようにしてしまった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
ルービンシュタインはその
稽古
(
けいこ
)
に出席したが、作曲者の手ぬるさに腹を立てて席を
蹴
(
け
)
って退場してしまったほどである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
そして、数日後に半平は
身体
(
からだ
)
の一部に異常を発見したのだった。彼にとって、それは踏んだり
蹴
(
け
)
ったりの不運だった。
幸運の黒子
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
子は立上って母の肩の上へ負われるようにのしかかると、
暫
(
しばら
)
く
静
(
しずか
)
にしていたが、その
中
(
うち
)
に両足で畳を
蹴
(
け
)
り飛び上った。
火
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
もう湯気はあがってはいず、丸いどんどん焼は
無慚
(
むざん
)
にゆがんでいた。扶佐子はそれを下駄で下水の
溝
(
みぞ
)
に
蹴
(
け
)
こみながら
風
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
咲子は言つたが、をばさんの良人のアパートの番人のをぢさんに
蹴
(
け
)
られたことを、今も不平さうに訴へるのであつた。
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
譬えば某国の律に、「金十円を盗む者はその刑、
笞
(
むち
)
一百、また足をもって人の面を
蹴
(
け
)
る者もその刑、笞一百」とあり。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
乃
(
そこ
)
で
愛
(
あい
)
ちやんは、『これが
甚公
(
じんこう
)
かしら』と
獨語
(
ひとりごと
)
を
云
(
い
)
つて
又
(
また
)
一つ
劇
(
はげ
)
しく
蹴
(
け
)
つて、それから
何
(
ど
)
うなる
事
(
こと
)
かと
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
蹴
常用漢字
中学
部首:⾜
19画
“蹴”を含む語句
蹴倒
蹴飛
蹴上
蹴球
一蹴
蹴立
蹴返
蹴躓
蹴合
蹴開
蹴起
足蹴
蹴出
蹴落
蹴鞠
蹴散
蹴込
蹴破
蹴爪
蹴放
...