)” の例文
うしてつてまゐります品物しなものらないと、ひどいんですぜ、そりや、んだり、つたり、ポカ/\でさ。我又不善擇人參可否われまたにんじんのかひをえらぶことをよくせず
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もとは健ちゃんも知ってる通りの始末で、随分はげしかったもんだがね。ったり、たたいたり、髪の毛を持って座敷中引摺ひっずり廻したり……
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
本艦ほんかん一令いちれいした推進螺旋スクルーなみつて進航しんかうはじめた。規律きりつたゞしき軍艦ぐんかん甲板かんぱん、かゝる活劇さわぎあひだでもけつしてその態度たいどみだやうことはない。
若い女が、キャッと声を立てて、バタバタと、草履ぞうりとばして、楽屋の入口の間へけこんだが、身を縮めて壁にくっついていると
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
もつとも、あれでしどつちかが斷然だんぜんつよくでもなつたとしたら、おそらくすゝまぬ方は憤然ふんぜん町内をつてつたかも知れない。くは原、くは原!
それから、避雷針をはなし、足をしっかり壁にかけて踏んばり、思いきってそれをると、鎧戸はあおりをくってばっとしまるだろう。
隆吉からは同情的なほどこしを受けてはならないと思った。なぐるか、るか、どんなにひどい仕打ちをされてもかまわないと思うのである。
河沙魚 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
れ」がして足がガクつき、どうしても機械についていられない。それを後から靴でられながら働いていることを話した。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
私も奥様にられたままで、追出される気は有ません。身の明りを立てた上で、是方こちらから御暇を貰って出よう、と心を決めました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
玉藻ほどの才女ならば、ひそめるその力を利用して、頼長めを殿上から落とすことが出来るかもしれないと、忠通は頼もしく思った。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
追っ立ての兵たちも、ていねいに変って来たし、やがて四条京極の陣所では、よくあるなぐるの乱暴な目にもあわされなかった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女はたくましい女としての本性どおりに、なぐりつけりつけた。彼はしっかり直立していなかったので、身体の平均を失いかけた。
くらうときにははしを投じ、したるときにはち、ただちにいて診したのは、少時のにがき経験を忘れなかったためだそうである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
なぐったりったり、散々に責めさいなんだ挙句、あろうことかあるまいことか! しまいには、その坊さんにね、此奴こやつが腰元をそそのかして
棚田裁判長の怪死 (新字新仮名) / 橘外男(著)
……長靴をはいた兵隊さんが、膝の関節をまげずに、爪先でじぶんの額をあげるようにしながら行進する、あの奇抜な歩調で。
キャラコさん:07 海の刷画 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
狂ったような顔をして、襖や障子をやぶったり、家財道具を叩き毀したりする千太郎の姿が、まだ生々しく記憶に残っている。
枡落し (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
もぬけのからなりアナヤとばかりかへして枕元まくらもと行燈あんどん有明ありあけのかげふつとえて乳母うばなみだこゑあわたゞしくぢやうさまがぢやうさまが。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
成光が画いた鶏を真の鶏がり、黄筌こうせんが画いたきじを鷹が打たんとし、曹不与誤って筆を屏風に落し点じたのを蠅に作り直せしを
いながらすそかたに立寄れる女をつけんと、掻巻かいまきながらに足をばたばたさす。女房はおどろきてソッとそのまま立離たちはなれながら
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そして、つかったら、いっそうさかんにげたり、られたりすることだろうとおもうと、まりは、ためいきをせずにはいられませんでした。
あるまりの一生 (新字新仮名) / 小川未明(著)
トロッコの車輪をって見たり、一人では動かないのを承知しながらうんうんそれを押して見たり、——そんな事に気もちを紛らせていた。
トロッコ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
一匹の牛が皮の前掛を振うか、あるいは乾いた地面をひづめるかすると、虻の雲がうなり声を立てて移動する。ひとりでにいて出るようだ。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
同時、ドサドサッと畳をる音。白い線が二、三度上下になびいて、バサッ! ガアッ!——ときしんだのは、骨を断ったひびきか。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
口惜くやしくってたまらないからおあさの足へかじり付きますと、ポーンとられたから仰向あおむけ顛倒ひっくりかえると、頬片ほっぺたを二つちました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼は椅子いす飛し、テーブルをはねのけ、テナルディエがふり返る間もあらせず、驚くべき敏捷びんしょうさで一躍して窓の所へ達した。
夢中むちゅうはらったおれん片袖かたそでは、稲穂いなほのように侍女じじょのこって、もなくつちってゆく白臘はくろうあしが、夕闇ゆうやみなかにほのかにしろかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
吉川訓導はそう言いながら、落ち葉をって歩いた。生徒たちは、わっ! といっせいに地肌を覆い隠している落ち葉を掻き集めにかかった。
錯覚の拷問室 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
伊右衛門はそろそろとって往って、いきなり足をあげてお弓をった。お弓はひとたまりもなく川へ落ちて水音をたてた。直助が感心した。
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「畜生、畜生、畜生めッ」と、しばらくしてこう叫んだ善吉は、涙一杯の眼で天井を見つめて、布団を二三度りに蹴った。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
自分でも何のためやらわからないで、ただむしょうに打つ、たたく、る、しまいには、いたいけな子供の体が一面、紫色になってしまった。
頬白ほゝじろなにかゞ菜種なたねはな枯蓬かれよもぎかげあさゆきみじかすねてゝたいのかくはえだをしなやかにつて活溌くわつぱつびおりた。さうしてまたえだうつつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
恥ぢづらいて居るやうで、踏まば踏め、らば蹴れ、と手からほうつて置くとこまかせ、そこら畳の上に捨てても置いた。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
ホラ大変!、母も武も驚ろいたことといつたら、ねるやら、るやら、もがくやらで、四百もある魚のことですから、舟もゆるばかりでした。
鼻で鱒を釣つた話(実事) (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
教場で背後から何ほど鉛筆で頸筋くびすぢを突つつかれようと、靴先でかゝとられようと、眉毛一本動かさずまたゝき一つしなかつた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
これに反し打たれてもられてもジッとこれに堪えるのは、はなはだ陰気で卑屈ひくつのごとく、普通の人にはちょっとその強さを見ることが出来ぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
積雪をってみぎわまで走って行き、そろそろ帰り支度をはじめている漁師たちの腕をつかんで、たのむ、もういちど、と眼つきをかえて歎願たんがんする。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
自分では酔わぬつもりでも、脚はかなりふらふらしていた。彼はその千鳥足ちどりあしを踏み締めながら、狂人きちがいのように、どんどん雪をってけだした。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
ウォーソン夫人は椅子をった。そして本能的な憎悪の感情に熱しながら、いきなり一人の婦人客の頸を引っつかんだ。
ウォーソン夫人の黒猫 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
花岡 け、け、け! にゃあにを、インポテッ! (いうなり、力をふりしぼって、右足をあげて佐山の腰をあげる)
胎内 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
翌日早朝、手廻りのものを包みに人気ひとけのない小田原の街をるが如くに停車場へ、上京して、宿六の弟子の大学生浮田信之を訪ねてワッと泣いた。
オモチャ箱 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
胸の代りに脹れた頬を蹠へあててかろうじてしのいでいるとたちまち春琴がいやと云うほどその頬をったので佐助は覚えずあっと云って飛び上った。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
例えば常陸ひたち石那阪いしなざかの峠の石は、毎日々々伸びて天まで届こうとしていたのを、しずの明神がお憎みになって、鉄のくつをはいてお飛ばしなされた。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
倉地は両ひじまで使って、ばたばたとすそ乱してあばれる両足のほかには葉子を身動きもできないようにしてしまった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ルービンシュタインはその稽古けいこに出席したが、作曲者の手ぬるさに腹を立てて席をって退場してしまったほどである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
そして、数日後に半平は身体からだの一部に異常を発見したのだった。彼にとって、それは踏んだりったりの不運だった。
幸運の黒子 (新字新仮名) / 海野十三(著)
子は立上って母の肩の上へ負われるようにのしかかると、しばらしずかにしていたが、そのうちに両足で畳をり飛び上った。
(新字新仮名) / 横光利一(著)
もう湯気はあがってはいず、丸いどんどん焼は無慚むざんにゆがんでいた。扶佐子はそれを下駄で下水のみぞこみながら
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
咲子は言つたが、をばさんの良人のアパートの番人のをぢさんにられたことを、今も不平さうに訴へるのであつた。
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
譬えば某国の律に、「金十円を盗む者はその刑、むち一百、また足をもって人の面をる者もその刑、笞一百」とあり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
そこあいちやんは、『これが甚公じんこうかしら』と獨語ひとりごとつてまた一つはげしくつて、それからうなることかとました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)