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穂
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ほ
ふりがな文庫
“
穂
(
ほ
)” の例文
旧字:
穗
裾野にそよぐ
穂
(
ほ
)
すすきが、みな
閃々
(
せんせん
)
たる
白刃
(
はくじん
)
となり
武者
(
むしゃ
)
となって、声をあげたのかと
疑
(
うたが
)
われるほど、ふいにおこってきた四面の
伏敵
(
ふくてき
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そっちの方から、もずが、まるで
音譜
(
おんぷ
)
をばらばらにしてふりまいたように
飛
(
と
)
んで来て、みんな
一度
(
いちど
)
に、
銀
(
ぎん
)
のすすきの
穂
(
ほ
)
にとまりました。
めくらぶどうと虹
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
露を其のまゝの
女郎花
(
おみなえし
)
、
浅葱
(
あさぎ
)
の優しい嫁菜の花、藤袴、また
我亦紅
(
われもこう
)
、はよく伸び、よく茂り、慌てた蛙は、
蒲
(
がま
)
の
穂
(
ほ
)
と間違へさうに、(我こそ)と咲いて居る。
玉川の草
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
縁側の隅に片付けた、お月見の供え物は、
芒
(
すすき
)
の
穂
(
ほ
)
まで泣き濡れたように
萎
(
しお
)
れて、お団子が浅ましく陽に照されて居るのも、惨劇の後の痛ましさを強調するようでした。
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ある時その燕は
二人
(
ふたり
)
っきりでお話をしようと葦の所に行って
穂
(
ほ
)
の出た茎先にとまりますと、かわいそうに
枯
(
か
)
れかけていた葦はぽっきり折れて穂先が
垂
(
た
)
れてしまいました。
燕と王子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
僕等のいるのは何もない庭へ
葭簾
(
よしず
)
の
日除
(
ひよ
)
けを差しかけた六畳
二間
(
ふたま
)
の離れだった。庭には何もないと言っても、この
海辺
(
うみべ
)
に多い
弘法麦
(
こうぼうむぎ
)
だけは
疎
(
まば
)
らに砂の上に
穂
(
ほ
)
を垂れていた。
海のほとり
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夕方は、まんまるな
紅
(
あか
)
い日が、まんじりともせず
悠々
(
ゆうゆう
)
と西に落ちて行く。
横雲
(
よこぐも
)
が一寸
一刷毛
(
ひとはけ
)
日の真中を横に
抹
(
なす
)
って、画にして見せる。
最早
(
もう
)
穂
(
ほ
)
を
孕
(
はら
)
んだ
青麦
(
あおむぎ
)
が夕風にそよぐ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ちょうど、
丘
(
おか
)
の
下
(
した
)
は、
麦
(
むぎ
)
ばたけでした。ふさふさした
穂
(
ほ
)
が、
風
(
かぜ
)
のために、
波打
(
なみう
)
っていました。
戦争はぼくをおとなにした
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
附
(
つ
)
き
穂
(
ほ
)
が無いという返辞の仕方だ。何とも無いと云われても、どうも何か有るに
違
(
ちが
)
い無い。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
と、またもやごうぜんたる音がして、
全船
(
ぜんせん
)
が
震動
(
しんどう
)
した、同時に船は、木の葉のごとく
巨濤
(
きょとう
)
の
穂
(
ほ
)
にのせられて、
中天
(
ちゅうてん
)
にあおられた。たのみになした
前檣
(
ぜんしょう
)
が二つに折れたのである。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
そうことばの
穂
(
ほ
)
にでたときにも、自分は
調子
(
ちょうし
)
にのって
気休
(
きやす
)
めをいうたこともあったのだ。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
次郎君はいつのまにかすすきの
穂
(
ほ
)
をひきぬいて人さし指にかたくまきつけていました。
決闘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
秋
(
あき
)
の
田
(
た
)
の
穂
(
ほ
)
のへに
霧
(
き
)
らふ
朝霞
(
あさがすみ
)
いづへの
方
(
かた
)
に
我
(
わ
)
が
恋
(
こひ
)
やまむ 〔巻二・八八〕 磐姫皇后
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ほとほとに西日けうとくなりにけり霙がちなる
蒲
(
がま
)
の
穂
(
ほ
)
の
立
(
たち
)
(一二九頁)
文庫版『雀の卵』覚書
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
さて翌年の十月鶴二羽かの
農人
(
のうにん
)
が家の
庭
(
には
)
ちかく
舞
(
まひ
)
くだり、稲二
茎
(
けい
)
を
落
(
おと
)
し一
声
(
こゑ
)
づゝ
鳴
(
なき
)
て飛さりけり。
主人
(
あるじ
)
拾
(
ひろ
)
ひとりて見るにその
丈
(
たけ
)
六尺にあまり、
穂
(
ほ
)
も是につれて長く、
穂
(
ほ
)
の一
枝
(
えだ
)
に稲四五百粒あり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
お
兼
(
かね
)
婆さんが給仕盆を差しだしながら、
穂
(
ほ
)
をつぐように話しかけると
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
左手の渚には、波がやさしい
稲妻
(
いなずま
)
のように燃えて寄せ、右手の崖には、いちめん銀や
貝殻
(
かいがら
)
でこさえたようなすすきの
穂
(
ほ
)
がゆれたのです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
手
(
て
)
もとへもどして、
穂
(
ほ
)
みじかに
構
(
かま
)
えなおした
神保大吉
(
じんぼうだいきち
)
は、
咲耶子
(
さくやこ
)
が右へよれば右へ、左へよれば左へ、ジワジワとおしていった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
非常な手数をかけて一々燕麦をぬいたが、
最早
(
もう
)
肝腎
(
かんじん
)
の麦は燕麦に負けて
其
(
その
)
穂
(
ほ
)
は
痩
(
や
)
せこけたものになって居た。肥料が肥料を食ってしまったのである。世には
斯様
(
こん
)
な事が沢山ある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しかし
疎
(
まば
)
らに
生
(
は
)
え伸びた草は何か黒い
穂
(
ほ
)
に出ながら、絶えず
潮風
(
しおかぜ
)
にそよいでいた。
海のほとり
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
五位鷺
(
ごゐさぎ
)
の
働
(
はたら
)
くこと。
船
(
ふね
)
一艘
(
いつそう
)
漕
(
こ
)
ぐなれば、
蘆
(
あし
)
の
穂
(
ほ
)
の
風
(
かぜ
)
に
散
(
ち
)
る
風情
(
ふぜい
)
、
目
(
め
)
にも
留
(
と
)
まらず、ひら/\と
上下
(
うへした
)
に
翼
(
つばさ
)
を
煽
(
あふ
)
る。と
船
(
ふね
)
の
方
(
はう
)
は、
落着済
(
おちつきす
)
まして
夢
(
ゆめ
)
の
空
(
そら
)
を
辷
(
すべ
)
るやう、……やがて
汀
(
みぎは
)
を
漕
(
こ
)
ぎ
離
(
はな
)
す。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さすがに血の跡はありませんが、今洗ったと言わぬばかりに、一尺以上の
穂
(
ほ
)
から、けら首へかけて濡れているではありませんか。
懐紙
(
かいし
)
を出して強く
拭
(
ふ
)
くと、紙の上には
紛
(
まぎ
)
れもない
脂
(
あぶら
)
がベッとり。
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
さて翌年の十月鶴二羽かの
農人
(
のうにん
)
が家の
庭
(
には
)
ちかく
舞
(
まひ
)
くだり、稲二
茎
(
けい
)
を
落
(
おと
)
し一
声
(
こゑ
)
づゝ
鳴
(
なき
)
て飛さりけり。
主人
(
あるじ
)
拾
(
ひろ
)
ひとりて見るにその
丈
(
たけ
)
六尺にあまり、
穂
(
ほ
)
も是につれて長く、
穂
(
ほ
)
の一
枝
(
えだ
)
に稲四五百粒あり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
砂原
(
すなはら
)
のうへに
白々
(
しろじろ
)
と
穂
(
ほ
)
にづるはしろがね
薄
(
すすき
)
といふにし似たり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
薄
(
すゝき
)
の
穂
(
ほ
)
さきも
火
(
ひ
)
になつた。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
左手の
渚
(
なぎさ
)
には、
波
(
なみ
)
がやさしい
稲妻
(
いなずま
)
のように
燃
(
も
)
えて
寄
(
よ
)
せ、右手の
崖
(
がけ
)
には、いちめん
銀
(
ぎん
)
や
貝殻
(
かいがら
)
でこさえたようなすすきの
穂
(
ほ
)
がゆれたのです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
藤吉郎は、縁を下りて、武者わらじの
緒
(
お
)
をむすんでいた。その彼をからかい半分に、万寿が手に持っていた
芒
(
すすき
)
の
穂
(
ほ
)
で、彼の
襟
(
えり
)
もとを
擽
(
くすぐ
)
った。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父親
(
てゝおや
)
の
医者
(
いしや
)
といふのは、
頬骨
(
ほゝぼね
)
のとがつた
髯
(
ひげ
)
の
生
(
は
)
へた、
見得坊
(
みえばう
)
で
傲慢
(
がうまん
)
、
其癖
(
そのくせ
)
でもぢや、
勿論
(
もちろん
)
田舎
(
ゐなか
)
には
苅入
(
かりいれ
)
の
時
(
とき
)
よく
稲
(
いね
)
の
穂
(
ほ
)
が
目
(
め
)
に
入
(
はい
)
ると、それから
煩
(
わづ
)
らう、
脂目
(
やにめ
)
、
赤目
(
あかめ
)
、
流行目
(
はやりめ
)
が
多
(
おほ
)
いから
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其れに
喚
(
よ
)
び出される様に、
麦
(
むぎ
)
がつい/\と伸びて
穂
(
ほ
)
に出る。子供がぴいーッと吹く
麦笛
(
むぎぶえ
)
に、武蔵野の日は永くなる。三寸になった玉川の
鮎
(
あゆ
)
が、密漁者の手から
窃
(
そっ
)
と旦那の勝手に運ばれる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
禁
(
きん
)
じて身を
拭
(
のご
)
ふ事をせずぬれたるまゝにて
衣服
(
きるもの
)
を
着
(
ちやく
)
す。
坐
(
ざ
)
するには
米稿
(
いねわら
)
の
穂
(
ほ
)
の方をくゝしたるを扇のやうにひらきてこれに坐す、(此わらは
七五三
(
しめ
)
のこゝろとぞ)かりにも常のごとくには
居
(
を
)
らず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
糧
(
かて
)
と
味噌
(
みそ
)
と
鍋
(
なべ
)
とをしょって、もう銀いろの
穂
(
ほ
)
を出したすすきの野原をすこしびっこをひきながら、ゆっくりゆっくり歩いて行ったのです。
鹿踊りのはじまり
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
本陣、おん大将の
寝所幕
(
しんじょまく
)
のあたりにも、
夜詰
(
よづ
)
めの
侍
(
さむらい
)
が
警固
(
けいご
)
する
槍
(
やり
)
の
穂
(
ほ
)
が、ときおり、ピカリ、ピカリとうごいてまわる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父親
(
てておや
)
の医者というのは、
頬骨
(
ほおぼね
)
のとがった
髯
(
ひげ
)
の生えた、
見得坊
(
みえぼう
)
で
傲慢
(
ごうまん
)
、その
癖
(
くせ
)
でもじゃ、もちろん
田舎
(
いなか
)
には
刈入
(
かりいれ
)
の時よく
稲
(
いね
)
の
穂
(
ほ
)
が目に入ると、それから
煩
(
わずら
)
う、
脂目
(
やにめ
)
、
赤目
(
あかめ
)
、
流行目
(
はやりめ
)
が多いから
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(風だよ、草の
穂
(
ほ
)
だよ。ごうごうごうごう。)こんな
語
(
ことば
)
が私の頭の中で鳴りました。まっくらでした。まっくらで少しうす赤かったのです。
インドラの網
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
兼好にも、
継
(
つ
)
ぎ
穂
(
ほ
)
がない。「なんで死ぬ気に?」と問いたくもなるが、人が死ぬ気になるまでには、おおむね、人にも話せぬ秘密やら事情があろう。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
松
(
まつ
)
杉
(
すぎ
)
、
田芹
(
たぜり
)
、すつと
伸
(
の
)
びた
酸模草
(
すかんぽ
)
の
穂
(
ほ
)
の、そよとも
動
(
うご
)
かないのに、
溝川
(
みぞがは
)
を
蔽
(
おほ
)
ふ、たんぽゝの
花
(
はな
)
、
豆
(
まめ
)
のつるの、
忽
(
たちま
)
ち一
所
(
しよ
)
に、さら/\と
動
(
うご
)
くのは、
鮒
(
ふな
)
、
鰌
(
どぜう
)
には
揺過
(
ゆれす
)
ぎる、——
昼
(
ひる
)
の
水鶏
(
くひな
)
が
通
(
とほ
)
るのであらう。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
樺
(
かば
)
の木はまだまっ青でしたがその辺のいのころぐさはもうすっかり
黄金
(
きん
)
いろの
穂
(
ほ
)
を出して風に光りところどころすずらんの実も赤く熟しました。
土神ときつね
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、
路傍
(
ろぼう
)
の稲田の
熟
(
う
)
れた
垂
(
た
)
り
穂
(
ほ
)
にうれしさを覚え、朝の陽にきらめく五穀の露をながめては天地の恩の
広大
(
こうだい
)
に打たれ、心がいっぱいになるのだった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
みちにはすずめのかたびらが
穂
(
ほ
)
を出していっぱいにかぶさっていました。私たちはそこから
製板所
(
せいばんしょ
)
の
構内
(
こうない
)
に入りました。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
まだ三十にならぬ身が、道のみの字でも、分ったなどと高言するようじゃったら、もうその人間の
穂
(
ほ
)
は止まりよ。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いちめん
芒
(
すすき
)
の
穂
(
ほ
)
であった。
函南
(
かんなみ
)
の
裾野
(
すその
)
は
弛
(
ゆる
)
い傾斜を
曳
(
ひ
)
いて、その果ての遠い町の屋根に、冬日は
舂
(
うすず
)
きかけていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三疋がカン蛙のおうちに着いてから、しばらくたって、ずうっと向うから、
蕗
(
ふき
)
の葉をかざしたりがまの
穂
(
ほ
)
を立てたりしてお嫁さんの行列がやって参りました。
蛙のゴム靴
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
巻雲
(
けんうん
)
さえ
浮
(
うか
)
びそうに見えるとこを、三羽の
鷹
(
たか
)
かなにかの鳥が、それとも
鶴
(
つる
)
かスワンでしょうか、三またの
槍
(
やり
)
の
穂
(
ほ
)
のようにはねをのばして白く光ってとんで行きます。
イーハトーボ農学校の春
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
黄河の水ひとたび溢るれば、何万人の人命は消えますが、
蒼落
(
そうらく
)
としてまた
穂
(
ほ
)
は
実
(
みの
)
り人は増してゆく。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どんどん北の方へ飛び、野原はひっそりとして人も馬も居ず、草には
穂
(
ほ
)
が
一杯
(
いっぱい
)
に出ていました。
鳥をとるやなぎ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
黙って
酌
(
さ
)
し、黙って受け、九叔も話の
継
(
つ
)
ぎ
穂
(
ほ
)
がないように、むっそり飲んでいるほかはない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いいながらその同心は、不意に素槍の
穂
(
ほ
)
をしごいて、樽の横腹をそれで突き
徹
(
とお
)
そうとした。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一昨日
(
おととい
)
からだんだん曇って来たそらはとうとうその朝は低い雨雲を下してまるで冬にでも降るようなまっすぐなしずかな雨がやっと
穂
(
ほ
)
を出した草や青い木の葉にそそぎました。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
野原や
丘
(
おか
)
には、
穂
(
ほ
)
のある草や穂のない草が、南の方からだんだん生えて、とうとうそこらいっぱいになり、それから
柏
(
かしわ
)
や
松
(
まつ
)
も生え出し、しまいに、いまの
四
(
よ
)
つの森ができました。
狼森と笊森、盗森
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その朝は、千歳の女将が姿を見せなかったので、船の外人を送ってきた芸妓たちも、何となく、つぎ
穂
(
ほ
)
がなく、まじめに挨拶をして、それぞれの方角へ、俥の
幌
(
ほろ
)
をかぶって、帰って行った。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“穂”の意味
《名詞》
(ほ)花や実が、茎の先に群集しているもの。
(出典:Wiktionary)
“穂(
花穂
)”の解説
花穂(かすい、spike, ear)は、穂のような形で咲く花のこと。
ススキ、エノコログサ、ケイトウなどがこれにあたる。
(出典:Wikipedia)
穂
常用漢字
中学
部首:⽲
15画
“穂”を含む語句
花穂
赤穂
初穂
穂先
一穂
草穂
瑞穂
空穂
稲穂
粟穂
落穂
百穂
附穂
風穂
穂高
上穂
狭穂姫
赤穂鯛
御初穂
穂尖
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