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畢竟
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ひつきやう
ふりがな文庫
“
畢竟
(
ひつきやう
)” の例文
が、譃と云ふことは誰でも知つてゐますから、
畢竟
(
ひつきやう
)
正直と変らないでせう、それを一概に譃と云ふのはあなたがただけの偏見ですよ。
河童
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然
(
しか
)
るに
今日
(
こんにち
)
一
般
(
ぱん
)
にこの
轉倒
(
てんたふ
)
逆列
(
ぎやくれつ
)
を
用
(
もち
)
ゐて
怪
(
あや
)
しまぬのは、
畢竟
(
ひつきやう
)
歐米文明
(
おうべいぶんめい
)
渡來
(
とらい
)
の
際
(
さい
)
、
何事
(
なにごと
)
も
歐米
(
おうべい
)
の
風習
(
ふうしう
)
に
模倣
(
もほう
)
することを
理想
(
りさう
)
とした
時代
(
じだい
)
に
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
熱意、情熱
畢竟
(
ひつきやう
)
するに其
素
(
もと
)
たるや一なり。情熱を欠きたる聖浄は自から講壇より起る乾燥の声の如く、美術のヱボルーシヨンには
適
(
かな
)
ひ難し。
情熱
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
するにすべての理論は、憐む可きものである。そして自分の理論の大部は既に久しい以前に其存在を失つて仕舞つてゐる。
「ケルトの薄明」より
(新字旧仮名)
/
ウィリアム・バトラー・イエイツ
(著)
而して余は是れ
畢竟
(
ひつきやう
)
、政府と被害民との間に一巨溝の横はりて、相互の意志毫も相通ずるなきに原因することを発見せり。
鉱毒飛沫
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
すると戦争は戦争の為の戦争ではなくつて、他に
何等
(
なんら
)
かの目的がなくてはならない、
畢竟
(
ひつきやう
)
ずるに一の手段に過ぎないといふ事に帰着してしまふ。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
かの荒い海の背景がこの平和の印象を少しも壞さないのは寧ろ不思議である。それといふのも
畢竟
(
ひつきやう
)
慣れといふことが感激を
銷磨
(
せうま
)
するからであらう。
少年の死
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
情人の不実を知ると云ふことは、恋を滅す最好の毒である。そして御身は苦もなく己がために此毒を作つてくれるだらうと、己は予期したのだ。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
然
(
しか
)
もこの不幸や遂に現世の不幸たるに留まる。不幸は不幸なりと
雖
(
いへ
)
ども、
既
(
すで
)
に現世を超越せる者に取りては
畢竟
(
ひつきやう
)
何の
痛痒
(
つうやう
)
をも感ずる者にあらざる也。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其上、百年余の余は、
略
(
ほぼ
)
、五十年を意味してゐることになる。
畢竟
(
ひつきやう
)
、粗漏な穿鑿に予断の感情を交へた臆断、と今までの証拠だけでは、定める外はない。
万葉集のなり立ち
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
なすべきや
都
(
すべ
)
て汝が申立は僞り飾ゆゑ本末不都合の事而已多く
聟
(
むこ
)
の惣内は九助が留守中に里と不義致し
汝
(
おのれ
)
は惣内母と
密通
(
みつつう
)
に及び居しは
畢竟
(
ひつきやう
)
子供等が不義を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
瓢
(
へう
)
を
荷
(
にな
)
ひて、
赤壁
(
せきへき
)
に
賦
(
ふ
)
し、松島に吟ずるは、
畢竟
(
ひつきやう
)
するに
未
(
いま
)
だ美人を得ざるものか、
或
(
あるひ
)
は恋に失望したるものの
万
(
ばん
)
止
(
や
)
むを得ずしてなす、
負惜
(
まけをしみ
)
の
好事
(
かうず
)
に過ぎず。
醜婦を呵す
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さりながら
人気
(
じんき
)
の
奴隷
(
どれい
)
となるも
畢竟
(
ひつきやう
)
は
俗物
(
ぞくぶつ
)
済度
(
さいど
)
といふ
殊勝
(
しゆしよう
)
らしき
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
があれば
強
(
あなが
)
ち
無用
(
むよう
)
と
呼
(
よ
)
ばゝるにあらず、
却
(
かへつ
)
て
之
(
こ
)
れ
中々
(
なか/\
)
の
大事
(
だいじ
)
決
(
けつ
)
して
等閑
(
なほざり
)
にしがたし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
「そんなことが出來るんかい。電燈も村へ來りや丸で斷る譯にや行くまいから、まあ義理に一つだけは付けることにしようが、
畢竟
(
ひつきやう
)
無用の事ぢや。」と、
老父
(
としより
)
は云つた。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
諸君
(
しよくん
)
が
戀
(
こひ
)
を
笑
(
わら
)
ふのは、
畢竟
(
ひつきやう
)
、
人
(
ひと
)
を
笑
(
わら
)
ふのである、
人
(
ひと
)
は
諸君
(
しよくん
)
が
思
(
おも
)
つてるよりも
神祕
(
しんぴ
)
なる
動物
(
どうぶつ
)
である。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
曰く
写実
(
リアリスト
)
、曰く
理想
(
アイデアリスト
)
、派を分ち党を立つると雖も、
畢竟
(
ひつきやう
)
するに専断の区分に過ぎざるのみ。
詩人論
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
一
體
(
たい
)
多數
(
たすう
)
の
人
(
ひと
)
が
集
(
あつま
)
つて一
家
(
か
)
を
組織
(
そしき
)
すれば
自然
(
しぜん
)
の
勢
(
いきほひ
)
として
多數人
(
たすうじん
)
の
便宜
(
べんぎ
)
といふ
事
(
こと
)
を
心掛
(
こゝろがけ
)
ねばなりません、
多數
(
たすう
)
に
都合
(
つがふ
)
の
宜
(
よろ
)
しいとやうにといふのが
畢竟
(
ひつきやう
)
規則
(
きそく
)
の
精神目的
(
せいしんもくてき
)
でありませう。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
お夏がこの
窮阨
(
きゆうやく
)
の、後のものがたりいかにぞや、そは次の巻に
解分
(
ときわく
)
るを聴ねかし……
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
何事
(
なにごと
)
かの
手段
(
しゆだん
)
かも
知
(
し
)
れたことならず
優
(
やさ
)
しげな
妹御
(
いもとご
)
も
當
(
あ
)
てにならぬよし
折々
(
をり/\
)
見
(
み
)
たこともあり
毒蛇
(
どくじや
)
のやうな
人々
(
ひと/″\
)
信用
(
しんよう
)
なさるお
心
(
こゝろ
)
には
何
(
なに
)
ごと
申
(
まを
)
すとも
甲斐
(
かひ
)
はあるまじさりとて
此儘
(
このまゝ
)
に
日
(
ひ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
〔譯〕徳性を尊ぶ、是を以て
問學
(
ぶんがく
)
に
道
(
よ
)
る、即ち是れ徳性を尊ぶなり。先づ其の大なる者を立つれば、則ち其知や
眞
(
しん
)
なり。能く其の知を
迪
(
ふ
)
めば、則ち其功や
實
(
じつ
)
なり。
畢竟
(
ひつきやう
)
一條
(
いちでう
)
路
(
ろ
)
の往來のみ。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
論者の怯懦不明と云ふ可きのみ。福澤先生茲に感ありて帝室論を述らる。
帝室論緒言
(旧字旧仮名)
/
飯田平作
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
論者の怯懦不明と云ふ可きのみ。福澤先生茲に感ありて帝室論を述らる。
帝室論
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私が勞役に行くと云ふことも、
畢竟
(
ひつきやう
)
は貴方の御意思通りに從はうと云ふにすぎません。なぜとおつしやるんですか。私は勞役に服して、そこに平和を發見して來ようと思つてるんですもの。
計画
(旧字旧仮名)
/
平出修
(著)
実現して
眼
(
ま
)
のあたり見た上でない以上矢張り内心不安であり、空虚である。
畢竟
(
ひつきやう
)
誰にでもある単なる
自惚
(
うぬぼ
)
れ、架空の幻影ではないかと疑ふ。自分で疑ふ位なら人が
見縊
(
みくび
)
る事に文句は云へない。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
しかし
畢竟
(
ひつきやう
)
徒労
(
とらう
)
であつた。彼は作家としては出直すより外なかつた。世間人としては、余りに子供じみて、筆が利かなさすぎた。兄はそのやくざな弟をよく面倒を見てくれた。そして慰め励ました。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
と云つて何も
六
(
むづ
)
かしい由来がある訳ではないが、
詰
(
つま
)
り必要は発明の母ですね、エスペラントの発明されたのも
畢竟
(
ひつきやう
)
必要に促されたに外ならんので、昔から世界通用語の必要は世界の人が皆感じてゐた
エスペラントの話
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そこでたとひ第一義的な問題に
就
(
つ
)
いての、
所謂
(
いはゆる
)
侃々諤々
(
かん/\がく/\
)
の議論が出ても、それは
畢竟
(
ひつきやう
)
するに、頭脳のよさの誇り合ひであり、
衒学
(
げんがく
)
の角突合であり、機智の
閃
(
ひら
)
めかし合ひで、それ以上の何物でもないと
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
意志の問題だ
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
従つて喜劇になつてしまふ。即ち喜劇は第三者の同情を通過しない悲劇である。
畢竟
(
ひつきやう
)
我々は大小を問はず、いづれも機関車に変りはない。
機関車を見ながら
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
十
人
(
にん
)
十
色
(
いろ
)
で、
決
(
けつ
)
して一
律
(
りつ
)
には
行
(
ゆ
)
かぬもので
食
(
しよく
)
の
本義
(
ほんぎ
)
とか
理想
(
りそう
)
とかを
説
(
と
)
いて
見
(
み
)
た
處
(
ところ
)
で
實際問題
(
じつさいもんだい
)
としては
餘
(
あま
)
り
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
たぬ。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
我文学を繊細巧妙にならしめて、崇高壮偉にならしむる能はざりしもの、
畢竟
(
ひつきやう
)
するに他界の観念なくして、接近せる物にのみ寄想したればなり。
他界に対する観念
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
も一つの雲影がこれ迄常に鉱毒問題を
煩
(
わづら
)
はして居た。「鉱毒は
畢竟
(
ひつきやう
)
田中の選挙手段だ」と言ふことだ。彼は進んで言うた。
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
其等の人々に同情するといふ事は、
畢竟
(
ひつきやう
)
私自身の自己革命の一部分であつたに過ぎない。勿論自分がさういふ詩を作らうといふ心持になつた事もなかつた。
弓町より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
誤つて
殺害
(
せつがい
)
せしも
畢竟
(
ひつきやう
)
は其と
云懸
(
いひかけ
)
しが口
籠
(
ごも
)
り何事も皆前世の約束と
斷念
(
あきら
)
め居候得ば一日も早く御
仕置
(
しおき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
釈迦牟尼
(
せいきやぼち
)
は
畢竟
(
ひつきやう
)
愚人、苦労性なる摩訶陀の王子、天台智者は
大法螺吹
(
おほぼらふき
)
、まつた伝教は山師の
支店
(
でみせ
)
。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
、軽
ノ
太子の哀れな物語や、大国主の円満な恋や、仁徳天皇のねぢれた情史を謡ひ歩いて、万葉まで其形を残した性欲生活の驚異を欲した村の人々の心が、更に変態で
相聞の発達
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
これをもつと
六
(
む
)
づかしい哲学的な言葉で
云
(
い
)
ふと、
畢竟
(
ひつきやう
)
ずるに過去は一の
仮象
(
かしやう
)
に過ぎないといふ事にもなる。金剛経にある過去
心
(
しん
)
は
不可得
(
ふかとく
)
なりといふ意義にも通ずるかも知れない。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
されば
此
(
こ
)
の
家塾
(
かじゆく
)
で
放任主義
(
はうにんしゆぎ
)
を
行
(
おこな
)
ふのは
畢竟
(
ひつきやう
)
獨立心
(
どくりつしん
)
を
養
(
やしな
)
ふ
爲
(
ため
)
であつて、この
狹
(
せま
)
い
小
(
ちひ
)
さな
家塾
(
かじゆく
)
で
其
(
そ
)
の
習慣
(
しふくわん
)
をつけて
置
(
お
)
くのは
他日
(
たじつ
)
大
(
おほひ
)
なる
社會
(
しやくわい
)
、
廣
(
ひろ
)
き
世界
(
せかい
)
へ
出
(
い
)
て
事
(
こと
)
の
缺
(
か
)
けない
仕度
(
したく
)
で
御在
(
ござい
)
ます。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
亞弗利加洲
(
アフリカしう
)
にアルゼリヤといふ
國
(
くに
)
がある、凡そ
世界中
(
せかいぢゆう
)
此國
(
このくに
)
の
人
(
ひと
)
ほど
怠惰者
(
なまけもの
)
はないので、それといふのも
畢竟
(
ひつきやう
)
は
熱帶地方
(
ねつたいちはう
)
のことゆえ
檸檬
(
れもん
)
や、
橙
(
だい/\
)
の
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
き亂れて
其
(
その
)
得
(
え
)
ならぬ
香
(
かほり
)
四方
(
よも
)
に
立
(
た
)
ちこめ
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
否
(
い
)
な、
俗物
(
ぞくぶつ
)
の
信心
(
しん/″\
)
は
文学者
(
ぶんがくしや
)
即ち
御
(
おん
)
作者
(
さくしや
)
様方
(
さまがた
)
の
生命
(
せいめい
)
なれば、
否
(
い
)
な、
俗物
(
ぞくぶつ
)
の
鑑賞
(
かんしやう
)
を
辱
(
かたじけな
)
ふするは
御
(
おん
)
作者
(
さくしや
)
様方
(
さまがた
)
即ち
文学者
(
ぶんがくしや
)
が
一期
(
いちご
)
の
栄誉
(
えいよ
)
なれば、之を
非難
(
ひなん
)
するは
畢竟
(
ひつきやう
)
当世
(
たうせい
)
の
文学
(
ぶんがく
)
を
知
(
し
)
らざる者といふべし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
朱陸
(
しゆりく
)
以下各
力
(
ちから
)
を得る處有りと雖、
而
(
し
)
かも
畢竟
(
ひつきやう
)
此の
範圍
(
はんい
)
を出でず。
意
(
おも
)
はざりき
明儒
(
みんじゆ
)
に至つて、
朱陸
(
しゆりく
)
黨
(
たう
)
を分つこと
敵讐
(
てきしう
)
の如くあらんとは。何を以て然るや。今の學ぶ者、宜しく平心を以て之を待つべし。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
ヨセフも亦議員にならなかつたとしたらば、——それはあらゆる「若し………ならば」のやうに
畢竟
(
ひつきやう
)
問はないでも善いことかも知れない。
西方の人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
美術も亦た然らんか。
畢竟
(
ひつきやう
)
するに宗教も美術も、人心の上に臨める大感化力なるに於ては、相異なるところあるなし。
万物の声と詩人
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
停
(
とゞ
)
め
相果
(
あひはて
)
たる赴き
畢竟
(
ひつきやう
)
傍輩
(
はうばい
)
の心實より爲したる事實と相聞え加ふるに千太郎
實父
(
じつぷ
)
吉兵衞外一同よりも助命を願ひ出又其方こと
速
(
すみや
)
かに
自訴
(
じそ
)
に及びし段
神妙
(
しんめう
)
に付死一等を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
だから新聞の外国種が余程怪しいもんだ。
畢竟
(
ひつきやう
)
大洞のやうな先生が
虚誕
(
うそ
)
の
共喰
(
ともぐひ
)
をしてゐるので人名地名の発音の間違どころか飛んでもない見当違ひを一向御頓着なく見て来たやうな虚誕を書く。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
これ
畢竟
(
ひつきやう
)
地震
(
ぢしん
)
に
對
(
たい
)
する
災害
(
さいがい
)
を
輕減
(
けいげん
)
するがためであると
解
(
かい
)
してくれた。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
神と云ひ、仏と云ひ、根本意識と云ふ者皆之也。人は顔容に於て、思想に於て、性格に於て各々異なれども、一度其霊性の天地に入るや、俄然として
茲
(
ここ
)
に無我の境に達す。無我は
畢竟
(
ひつきやう
)
超越也、
解脱
(
げだつ
)
也。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
しかしアナアキストの世界となつても、
畢竟
(
ひつきやう
)
我々人間は我々人間であることにより、到底幸福に終始することは出来ない。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
常に
謂
(
おも
)
へらく、人間はいかにいかなる高尚の度に達するとも、
畢竟
(
ひつきやう
)
するに或種類の偶像に
翫弄
(
ぐわんろう
)
せらるゝに過ぎず、悟るといふも、悟ること能はざるが故に悟るなり
我牢獄
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
(尤も向うから御免だと言はれれば、黙つて引き下る外はない。)ジヤアナリズムと云ふものは
畢竟
(
ひつきやう
)
歴史に外ならない。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“畢竟”の意味
《名詞》
(仏教)究極。最終。絶対。
《形容動詞》
結局。つまるところ。
(出典:Wiktionary)
畢
漢検準1級
部首:⽥
11画
竟
漢検1級
部首:⽴
11画
“畢竟”で始まる語句
畢竟浄
畢竟落寞
畢竟誇大妄想病者