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人並
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ひとなみ
ふりがな文庫
“
人並
(
ひとなみ
)” の例文
旧字:
人竝
學校
(
がくかう
)
を
中途
(
ちゆうと
)
で
已
(
や
)
めたなり、
本
(
ほん
)
は
殆
(
ほと
)
んど
讀
(
よ
)
まないのだから、
學問
(
がくもん
)
は
人並
(
ひとなみ
)
に
出來
(
でき
)
ないが、
役所
(
やくしよ
)
でやる
仕事
(
しごと
)
に
差支
(
さしつか
)
へる
程
(
ほど
)
の
頭腦
(
づなう
)
ではなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ぼくはものを感じるのは、まあ
人並
(
ひとなみ
)
だろうと、思っていますが、
憶
(
おぼ
)
えるのは、
面倒臭
(
めんどうくさ
)
いと考える
故
(
ゆえ
)
もあって、自信がありません。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
いつしか
私
(
わたくし
)
のことを
世
(
よ
)
にも
類
(
たぐい
)
なき
烈婦
(
れっぷ
)
……
気性
(
きしょう
)
も
武芸
(
ぶげい
)
も
人並
(
ひとなみ
)
すぐれた
女丈夫
(
じょじょうぶ
)
ででもあるように
囃
(
はや
)
し
立
(
た
)
てたらしいのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
フェアファックス夫人は、思つてた通りの人で、相當な教育と
人並
(
ひとなみ
)
の聰明さを持つた、温和な、親切な
氣質
(
きだて
)
の婦人だつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
日本に来て初めて
人並
(
ひとなみ
)
の身長者となり、人並以上の美人を妻としかつその妻に終世深く愛されたことは、いかにしても得がたき望外の幸福であったろう。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
▼ もっと見る
と、寸の短い小さな手の、それでも
人並
(
ひとなみ
)
に
爪
(
つめ
)
を
真
(
ま
)
っ
紅
(
か
)
に染めてある指で、ハンドバッグから名刺を出した。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
これでも僕は
人並
(
ひとなみ
)
の顔をしているつもりである。それを女史はまちがえるにも事によりけりで、僕を火星人ではないだろうか、金星から来た人かと思っているのである。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一
人前
(
にんまえ
)
、一
人分
(
にんぶん
)
、一と
通
(
とお
)
り、
人並
(
ひとなみ
)
、十
人並
(
にんなみ
)
、男一
匹
(
ぴき
)
の任務などいう言葉はわれわれのつねに聞くところである。なかんずく一人前という言葉は種々の場合に応用されている。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
又この
人並
(
ひとなみ
)
ならぬ
雲雀骨
(
ひばりぼね
)
の
粉微塵
(
こなみじん
)
に散つて
失
(
う
)
せざりしこそ、
洵
(
まこと
)
に夢なりけれと、
身柱
(
ちりけ
)
冷
(
ひやや
)
かに
瞳
(
ひとみ
)
を
凝
(
こら
)
す彼の
傍
(
かたはら
)
より、これこそ名にし負ふ
天狗巌
(
てんぐいわ
)
、と
為
(
し
)
たり
貌
(
がほ
)
にも車夫は
案内
(
あない
)
す。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
殘
(
のこ
)
れる
耻
(
はじ
)
は
誰
(
た
)
が
上
(
うへ
)
ならず、
勿躰
(
もつたい
)
なき
身
(
み
)
の
覺悟
(
かくご
)
と
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
に
侘言
(
わびごと
)
して、どうでも
死
(
し
)
なれぬ
世
(
よ
)
に
生中
(
なまなか
)
目
(
め
)
を
明
(
あ
)
きて
過
(
す
)
ぎんとすれば、
人並
(
ひとなみ
)
のうい
事
(
こと
)
つらい
事
(
こと
)
、さりとは
此身
(
このみ
)
に
堪
(
た
)
へがたし
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うなるようにいって、背広の人に手をひかれながら、自動車からあらわれたのは、
縫
(
ぬ
)
い
紋
(
もん
)
の
羽織
(
はおり
)
にセルの
袴
(
はかま
)
といういでたちの、でっぷり
肥
(
ふと
)
った、
背丈
(
せたけ
)
も
人並
(
ひとなみ
)
以上の老人だった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
私
(
わたくし
)
は
人並
(
ひとなみ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
好
(
この
)
みます、
實
(
じつ
)
に、
私
(
わたくし
)
は
恁云
(
かうい
)
ふ
窘逐狂
(
きんちくきやう
)
に
罹
(
かゝ
)
つてゐて、
始終
(
しゞゆう
)
苦
(
くる
)
しい
恐怖
(
おそれ
)
に
襲
(
おそ
)
はれてゐますが、
或時
(
あるとき
)
は
生活
(
せいくわつ
)
の
渇望
(
かつばう
)
に
心
(
こゝろ
)
を
燃
(
も
)
やされるです、
非常
(
ひじやう
)
に
人並
(
ひとなみ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
望
(
のぞ
)
みます、
非常
(
ひじやう
)
に
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その
癖
(
くせ
)
私は少年の時から
能
(
よ
)
く
饒舌
(
しゃべ
)
り、
人並
(
ひとなみ
)
よりか
口数
(
くちかず
)
の多い程に饒舌って、
爾
(
そ
)
うして何でも
為
(
す
)
ることは
甲斐々々
(
かいがい
)
しく遣て、決して人に負けないけれども、書生流儀の議論と
云
(
い
)
うことをしない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
かくて
老
(
お
)
いんの願ひにはあらねど、さすが
人並
(
ひとなみ
)
賢
(
かしこ
)
く悟りたるものを、さらでも尚とやせんかくやすらんのまどひ、はては神にすがらん力もなくて、人とも多くは言はじな、語らじなと思へば
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
話
替
(
かわ
)
って、飯島平左衞門は
凛々
(
りゝ
)
しい
智者
(
ちえしゃ
)
にて諸芸に達し、とりわけ剣術は真影流の
極意
(
ごくい
)
を
極
(
きわ
)
めました名人にて、お
齢
(
とし
)
四十ぐらい、
人並
(
ひとなみ
)
に
勝
(
すぐ
)
れたお方なれども、妾の國というが心得違いの奴にて
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
人並
(
ひとなみ
)
の道は
通
(
とお
)
らぬ梅見かな」の句が其の中にあった。
短冊
(
たんざく
)
には
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ひんがしの国には住めど
人並
(
ひとなみ
)
に心の国を持たぬ寂しさ
註釈与謝野寛全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
敵
(
かたき
)
どしなれば
誓約
(
かねごと
)
をも
世
(
よ
)
の
人並
(
ひとなみ
)
には
告
(
つ
)
げがたく
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
加代
人並
(
ひとなみ
)
のことはするわよ。
空の悪魔(ラヂオ・ドラマ)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
人並
(
ひとなみ
)
の
才
(
さい
)
に過ぎざる
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
置當
(
おきあて
)
しとて終に番頭となし見世の事は久兵衞一人に
任
(
まか
)
せしなり尤も五兵衞の
悴
(
せがれ
)
に五郎藏と云ふ者有けれ共是は
人並
(
ひとなみ
)
外
(
はづ
)
れし
愚鈍
(
おろか
)
にして見世の事等一向に
解
(
わから
)
ざれば此番頭久兵衞などには
宜樣
(
いゝやう
)
に扱はれ主人か奉公人かの差別もなき位の事なり
又
(
また
)
親父
(
おやぢ
)
の五兵衞と云者は是迄商賣向には
勿々
(
なか/\
)
如才
(
じよさい
)
なけれ共
酒
(
さけ
)
も
好
(
すき
)
女も好にていゝ年を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ただ
人並
(
ひとなみ
)
みすぐれて
情義深
(
なさけふか
)
いことは、お
両方
(
ふたかた
)
に
共通
(
きょうつう
)
の
美点
(
みてん
)
で、
矢張
(
やは
)
り
御姉妹
(
ごきょうだい
)
の
血筋
(
ちすじ
)
は
争
(
あらそ
)
われないように
見受
(
みう
)
けられます……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
夫婦
(
ふうふ
)
は
和合
(
わがふ
)
同棲
(
どうせい
)
といふ
點
(
てん
)
に
於
(
おい
)
て、
人並
(
ひとなみ
)
以上
(
いじやう
)
に
成功
(
せいこう
)
したと
同時
(
どうじ
)
に、
子供
(
こども
)
にかけては、
一般
(
いつぱん
)
の
隣人
(
りんじん
)
よりも
不幸
(
ふかう
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
ど
)
うしたからとて
人並
(
ひとな
)
みでは
無
(
な
)
いに
相違
(
さうい
)
なければ、
人並
(
ひとなみ
)
の
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へて
苦勞
(
くろう
)
する
丈
(
だけ
)
間違
(
まちが
)
ひであろ、あゝ
陰氣
(
いんき
)
らしい
何
(
なん
)
だとて
此樣
(
こん
)
な
處
(
ところ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
るのか、
何
(
なに
)
しに
此樣
(
こん
)
な
處
(
ところ
)
へ
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たのか
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたくし
)
は
人並
(
ひとなみ
)
の
生活
(
せいかつ
)
を
好
(
この
)
みます、
実
(
じつ
)
に、
私
(
わたくし
)
はこう
云
(
い
)
う
窘逐狂
(
きんちくきょう
)
に
罹
(
かか
)
っていて、
始終
(
しじゅう
)
苦
(
くる
)
しい
恐怖
(
おそれ
)
に
襲
(
おそ
)
われていますが、
或時
(
あるとき
)
は
生活
(
せいかつ
)
の
渇望
(
かつぼう
)
に
心
(
こころ
)
を
燃
(
も
)
やされるです、
非常
(
ひじょう
)
に
人並
(
ひとなみ
)
の
生活
(
せいかつ
)
を
望
(
のぞ
)
みます、
非常
(
ひじょう
)
に
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
すると博士は、
人並
(
ひとなみ
)
はずれた
大頭
(
おおあたま
)
を左右にふりながら
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
手足も顏もすつかり他の
人並
(
ひとなみ
)
だと思ふのですがね。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
いつも
一
(
ひと
)
つの
修行
(
しゅぎょう
)
から
次
(
つ
)
ぎの
修行
(
しゅぎょう
)
へと
追
(
お
)
い
立
(
た
)
てられてまいりました
為
(
た
)
めに、やっと
人並
(
ひとなみ
)
になれたのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
胃が痛いので
肉刀
(
ナイフ
)
と
肉匙
(
フォーク
)
は
人並
(
ひとなみ
)
に動かしたようなものの、その
実
(
じつ
)
は肉も野菜も
咽喉
(
のど
)
の奥へ詰め込んだ姿である。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
美尾
(
みを
)
は
子
(
こ
)
ぐるめ
私
(
わたし
)
の
手
(
て
)
に
預
(
あづか
)
り、お
前
(
まへ
)
さんは
獨身
(
ひとりみ
)
に
成
(
な
)
りて、
官員
(
くわんゐん
)
さまのみには
限
(
かぎ
)
らず、
草鞋
(
わらじ
)
を
履
(
は
)
いてなりとも一
廉
(
かど
)
の
働
(
はたら
)
きをして、
人並
(
ひとなみ
)
の
世
(
よ
)
の
過
(
す
)
ごされる
樣
(
やう
)
に
心
(
こゝろ
)
かけたが
宜
(
よ
)
からうでは
無
(
な
)
いか
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
仏蘭西
(
フランス
)
の老画家アルピニーはもう九十一二の高齢である。それでも
人並
(
ひとなみ
)
の気力はあると見えて、この間のスチュージオには
目醒
(
めざま
)
しい木炭画が十種ほど載っていた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
出
(
だ
)
しぬけの
仰
(
おほ
)
せは
聞
(
き
)
ませぬとて
泣
(
な
)
くを、
恭助
(
けうすけ
)
振向
(
ふりむ
)
いて
見
(
み
)
んともせず、
理由
(
わけ
)
あればこそ、
人並
(
ひとなみ
)
ならぬ
事
(
こと
)
ともなせ、一々の
罪状
(
ざいじやう
)
いひ
立
(
たて
)
んは
憂
(
う
)
かるべし、
車
(
くるま
)
の
用意
(
ようい
)
もなしてあり、
唯
(
たゞ
)
のり
移
(
うつ
)
るばかりと
言
(
い
)
ひて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もう「あの女」の事は聞くまいと決心した自分は、なるべく病院の名前を口へ出さずに、
寝転
(
ねころ
)
びながら彼と通り一遍の世間話を始めた。彼はその時
人並
(
ひとなみ
)
の受け答をした。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「愚図だ」と
兄
(
あに
)
が又云つた。「
不断
(
ふだん
)
は
人並
(
ひとなみ
)
以上に
減
(
へ
)
らず
口
(
ぐち
)
を敲く癖に、いざと云ふ場合には、丸で唖の様に
黙
(
だま
)
つてゐる。さうして、
陰
(
かげ
)
で親の名誉に
関
(
かゝ
)
はる様な
悪戯
(
いたづら
)
をしてゐる。 ...
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
人
(
ひと
)
のする
如
(
ごと
)
くに
鐘
(
かね
)
を
打
(
う
)
つた。しかも
打
(
う
)
ちながら、
自分
(
じぶん
)
は
人並
(
ひとなみ
)
に
此
(
この
)
鐘
(
かね
)
を
撞木
(
しゆもく
)
で
敲
(
たゝ
)
くべき
權能
(
けんのう
)
がないのを
知
(
し
)
つてゐた。それを
人並
(
ひとなみ
)
に
鳴
(
な
)
らして
見
(
み
)
る
猿
(
さる
)
の
如
(
ごと
)
き
己
(
おの
)
れを
深
(
ふか
)
く
嫌忌
(
けんき
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三年間まあ
人並
(
ひとなみ
)
に勉強はしたが別段たちのいい方でもないから、席順はいつでも下から
勘定
(
かんじょう
)
する方が便利であった。しかし不思議なもので、三年立ったらとうとう卒業してしまった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小さいけれども
明確
(
はっきり
)
した
輪廓
(
りんかく
)
を具えている鼻、
人並
(
ひとなみ
)
より大きい
二重瞼
(
ふたえまぶち
)
の眼、それから
御沢
(
おさわ
)
という優しい名、——私はただこれらを
綜合
(
そうごう
)
して、その場合における姉の姿を想像するだけである。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
並
常用漢字
小6
部首:⼀
8画
“人並”で始まる語句
人並外