トップ
>
負
>
まけ
ふりがな文庫
“
負
(
まけ
)” の例文
大村が活動写真は目に毒だと云ったことなどを思い出す。お
負
(
まけ
)
に隣席の商人らしい風をした男が、無遠慮に横から
覗
(
のぞ
)
くのも気になる。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
が、
根
(
ね
)
が
負
(
まけ
)
ず
嫌
(
きら
)
ひでもあつたし、またさうなると、今までの
苦
(
く
)
心
努
(
ど
)
力の報いられなかつた悔しさから、
成功
(
せいこう
)
への
要求
(
ようきう
)
が
逆
(
ぎやく
)
に
強
(
つよ
)
くなつた。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
受たる十三兩の金子は
負
(
まけ
)
てあげ
樣
(
やう
)
程
(
ほど
)
に跡の金を殘らず御返しなされ然すれば此事は
是切
(
これきり
)
にして上るなり夫が一番
上分別
(
じやうふんべつ
)
憖
(
なまじ
)
ひに
押
(
おし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其癖
(
そのくせ
)
、
學校
(
がくかう
)
で、おの/\を
覗
(
のぞ
)
きつくらをする
時
(
とき
)
は「
蛇
(
じや
)
の
目
(
め
)
の
紋
(
もん
)
だい、
清正
(
きよまさ
)
だ。」と
言
(
い
)
つて、
負
(
まけ
)
をしみに
威張
(
ゐば
)
つた、
勿論
(
もちろん
)
、
結構
(
けつこう
)
なものではない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
向うは二男の
勢
(
いきおい
)
なれば喧嘩は
負
(
まけ
)
となったのみならず、弓の折にて
打擲
(
ちょうちゃく
)
され、額に残る此の
疵
(
きず
)
も其の時打たれた疵でございます
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
でも
先
(
ま
)
アヤッとの事に浅草で見当が
附
(
つき
)
ました(警部は腹の中でフム牛込だけはお
負
(
まけ
)
だナ、手当を余計せしめようと思ッて)
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
しかしそれでも
折角
(
せっかく
)
自殺するのだから、何とか書いておかないと、アトで張合がないだろうと思って、お
負
(
まけ
)
のつもりで書く訳だが、何を隠そう
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
お
負
(
まけ
)
にそれを
洒々落々
(
しゃしゃらくらく
)
たる態度で遣って
除
(
の
)
ける。ある時ポルジイはプリュウンという
果
(
くだもの
)
の干したのをぶら下げていた。
世界漫遊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ユリウス・ダビット
(著)
「ぢや、
買
(
か
)
つて
来
(
こ
)
なくつても
好
(
よ
)
かつたのに。
詰
(
つま
)
らないわ、
回
(
まは
)
り
路
(
みち
)
をして。御
負
(
まけ
)
に
雨
(
あめ
)
に
降
(
ふ
)
られ
損
(
そく
)
なつて、
息
(
いき
)
を
切
(
き
)
らして」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『ど、ど、
如何
(
どう
)
したんだらう、こ、
此
(
この
)
武村
(
たけむら
)
をお
負
(
ま
)
かしなすつたな、『どれもう
一番
(
いちばん
)
——。』と
鬪
(
たゝか
)
つたが、また
負
(
まけ
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「
傑
(
えら
)
い、傑い。その武士も傑いが、ヤッちゃんも
負
(
まけ
)
ずに傑いぞ。
小錦関
(
こにしきぜき
)
だ、やがて
日
(
ひ
)
の
下
(
した
)
開山
(
かいさん
)
の小錦関だ。」
旧聞日本橋:04 源泉小学校
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
これはお
負
(
まけ
)
にしとくよ、けどなあ、三年子、おめえのような仕合せな金魚は、この年になるまで未だ一度も見たことがない、永い間この商売をしているけれど
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
カギというのは
疑
(
うたがい
)
もなくこの花の馬のあごに
譬
(
たと
)
えられた部分で、現に私たちもこれを引掛け合って、首のむしれた方を
負
(
まけ
)
として角力を取らせたものであります。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
土耳其
(
トルコ
)
人に聞けば
伊太利
(
イタリイ
)
が結局は
負
(
まけ
)
ると云ひ、
伊太利
(
イタリイ
)
人に聞けば其れと反対な事を云つて居る。カイロまで
行
(
ゆ
)
く
遑
(
いとま
)
の無い
旅客
(
りよかく
)
の為に
埃及
(
エヂプト
)
土産を売る商店が幾軒もある。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
直
(
す
)
ぐと
仰
(
おつ
)
しやれば
是非
(
ぜひ
)
なけれど、
下手
(
へた
)
に
出來
(
でき
)
なば
却
(
かへ
)
りて
姉樣
(
ねえさま
)
に
笑
(
わら
)
はれ、
若樣
(
わかさま
)
の
負
(
まけ
)
と
言
(
い
)
ふ
物
(
もの
)
なり、
斯
(
か
)
うなされ、
畫
(
ゑ
)
はゆるゆると
後日
(
ごにち
)
の
事
(
こと
)
になし、
吾助
(
ごすけ
)
は
畫
(
ゑ
)
よりも
歌
(
うた
)
の
名人
(
めいじん
)
にて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
またもとの
俗骨
(
ぞくこつ
)
にかへり、
我
(
われ
)
も詩を作る
事
(
こと
)
を知りたるならば、
拙
(
へた
)
ながらも
和韻
(
わゐん
)
と出かけて、先生を
驚
(
おどろ
)
かしたらんものをと
負
(
まけ
)
じ
魂
(
だましひ
)
、人
羨
(
うらや
)
み、
出来
(
でき
)
ぬ
事
(
こと
)
をコヂつけたがる
持前
(
もちまへ
)
の
道楽
(
だうらく
)
発
(
おこ
)
りて
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
けれども彼の年輩の少年に
負
(
まけ
)
は取らなかった。彼は家庭の影響と貧苦の影響とで至って柔和な少年であった、——むしろ弱い少年であった。にも
拘
(
かか
)
わらず彼は非常な野心を抱いていた。
愛か
(新字新仮名)
/
李光洙
(著)
然も
紙屑屋
(
かみくずや
)
とさもしき議論致されては意気な声も
聞
(
きき
)
たくなく、
印付
(
しるしつき
)
の
花合
(
はなあわ
)
せ
負
(
まけ
)
ても平気なるには
寛容
(
おおよう
)
なる
御心
(
おこころ
)
却
(
かえ
)
って迷惑、どうして
此様
(
このよう
)
な
雌
(
めす
)
を
配偶
(
つれあい
)
にしたかと後悔するが天下半分の
大切
(
おおぎり
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
何
(
ど
)
うも今日は
厭
(
いや
)
に
負
(
まけ
)
が込む。こんな日には
賭碁
(
かけご
)
でもしたら気が引立つかも知れない。何うだい、貴公には古松研、拙者には
沈南蘋
(
しんなんびん
)
の名画があるが、あれを一つ賭けてみようぢやないか。」
古松研
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『
貴樣
(
あなた
)
は
豪
(
えら
)
い
人
(
ひと
)
になるのだから、
決
(
けつ
)
して
病氣位
(
びやうきぐらゐ
)
に
負
(
まけ
)
てはならん
病氣
(
びやうき
)
を
負
(
ま
)
かしてやらなければ』と
言
(
い
)
つて
僕
(
ぼく
)
を
勵
(
は
)
げましたことがあります。
伸一先生
(
しんいちせんせい
)
は
決
(
けつ
)
して
此意味
(
このいみ
)
を
舊式
(
きうしき
)
に
言
(
い
)
つたのではありません。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
学科は
何時迄
(
いつまで
)
経
(
た
)
っても面白くも何ともないが、
譬
(
たと
)
えば競馬へ引出された馬のようなもので、同じような青年と一つ
埒入
(
らちない
)
に鼻を列べて見ると、
負
(
まけ
)
るのが
可厭
(
いや
)
でいきり出す、
矢鱈
(
やたら
)
に
無上
(
むしょう
)
にいきり出す。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
どうやら
麾下
(
きか
)
の軍隊が、お
勝
(
かち
)
になってお
負
(
まけ
)
に
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
春生は
負
(
まけ
)
おしみのように
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
負
(
まけ
)
ずに 駈けくら
朝おき雀
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
上
(
あ
)
げ是々皆なの
衆
(
しう
)
先々
(
まあ/\
)
靜
(
しづか
)
にせられよ此れ處か
未々
(
まだ/\
)
お
負
(
まけ
)
がある是を惣内殿
貴方
(
あなた
)
覺えが有うなと
投出
(
なげいだ
)
す
姫路
(
ひめぢ
)
革の三徳を見て惣内はヤア是はと云を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お
負
(
まけ
)
に
小綺麗
(
こぎれい
)
な所で店賃の安い所へ越したいから、世話をしてくれろと云うので、切通しの質屋の隠居のいた跡へ、面倒を見て越させて遣った。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
此様
(
こん
)
なものを
負
(
まけ
)
られた
者
(
もの
)
こそ
因果
(
いんぐわ
)
で、
之
(
これ
)
を
服
(
のみ
)
まして
御前
(
ごぜん
)
を
下
(
さが
)
ると、サア
何
(
ど
)
うも
大変
(
たいへん
)
、
当人
(
たうにん
)
は
酷
(
ひど
)
い苦しみやう、
其翌日
(
そのよくじつ
)
ヘロ/\になつて出て
来
(
き
)
ました。登
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
勝気な彼女の
反撥心
(
はんぱつしん
)
は、この忘れかねる、人間のさいなみにあって、
弥更
(
いやさら
)
に、世を
経
(
ふ
)
るには
負
(
まけ
)
じ
魂
(
だましい
)
を
確固
(
しっかり
)
と持たなければならないと思いしめたであろうと——
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
そうすると、お友達に
負
(
まけ
)
るから、見っともないから、黙っていたけれど、私、泣いたの。主税さん。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
思
(
おも
)
はず
聲
(
こゑ
)
だかに
負
(
まけ
)
ましよ
負
(
まけ
)
ましよと
趾
(
あと
)
を
追
(
お
)
ふやうに
成
(
な
)
りぬ、
人波
(
ひとなみ
)
にのまれて
買手
(
かひて
)
も
眼
(
まなこ
)
の
眩
(
くら
)
みし
折
(
をり
)
なれば、
現在
(
げんざい
)
後世
(
ごせ
)
ねがひに
一昨日
(
おとつひ
)
來
(
き
)
たりし
門前
(
もんぜん
)
も
忘
(
わす
)
れて、
簪
(
かんざし
)
三
本
(
ほん
)
七十五
錢
(
せん
)
と
懸直
(
かけね
)
すれば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
何
(
ど
)
うも今日は
厭
(
いや
)
に
負
(
まけ
)
が込む。こんな日には
賭碁
(
かけご
)
でもしたら気が引立つかも知れない。
何
(
ど
)
うだい、貴公には古松研、拙者には
沈南蘋
(
しんなんぴん
)
の名画があるが、あれを一つ賭けてみようぢやないか。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お
負
(
まけ
)
に
博奕
(
ばくち
)
を打ちました。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「どうか知らん。独身でいるのさえ変なのに、お
負
(
まけ
)
に三宝に
帰依
(
きえ
)
していると来るから、溜まらない。」
独身
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
買
(
かひ
)
妻子の
身形
(
みなり
)
も立派になり二十兩勝た三十兩勝たと
博奕
(
ばくち
)
に勝た
咄
(
はなし
)
をする樣子何分
合點
(
がてん
)
行
(
ゆか
)
ず常には
負
(
まけ
)
た事ばかり云ひて勝た事を
云
(
いは
)
ざるに全く金の出處を
疑
(
うたが
)
はれぬ樣に勝し事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此の
書付
(
かきつけ
)
さえなければ
喧嘩
(
けんか
)
は
私
(
わたくし
)
が
勝
(
かち
)
だけれども、書付が出たから私の方が
負
(
まけ
)
に成ったのですが、
何方
(
どっち
)
が悪いかとくと
貴方
(
あなた
)
の胸に聞いて御覧遊ばせ、私は御当家様の家来でございます
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今年
(
ことし
)
又
(
また
)
もや
負
(
まけ
)
けにならば、
誰
(
だ
)
れだと
思
(
おも
)
ふ
横町
(
よこてう
)
の
長吉
(
ちようきち
)
だぞと
平常
(
つね
)
の
力
(
ちから
)
だては
空
(
から
)
いばりとけなされて、
辧天
(
べんてん
)
ぼりに
水
(
みづ
)
およぎの
折
(
をり
)
も
我
(
わ
)
が
組
(
くみ
)
に
成
(
な
)
る
人
(
ひと
)
は
多
(
おほ
)
かるまじ、
力
(
ちから
)
を
言
(
い
)
はゞ
我
(
わ
)
が
方
(
はう
)
がつよけれど
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その尤もガサツな
職人風
(
しよくにんふう
)
なものいひが、どうも江戸ツ子といふ概念をあたへてゐるので、すべての好みが
淺薄
(
せんぱく
)
に感じられると見える。だが江戸ツ子の
負
(
まけ
)
じ
魂
(
だましひ
)
は、全國的のものを代表してゐる。
凡愚姐御考
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
わたしはもう
四十五
(
しじゅうご
)
で、お
負
(
まけ
)
に苦労をし続けて年より
更
(
ふ
)
けていたのだが、一人口は食えなくても二人口は食えるなどと云って、小金を持った後家さんの所へ、
入壻
(
いりむこ
)
に世話をしよう
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
一葉女史の味わった人世の
苦味
(
にがみ
)
、
諦
(
あきら
)
めと、
負
(
まけ
)
じ魂との試練を経た哲学——
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
まア勝つも
負
(
まけ
)
るも時の運次第でごろ/\砂の中へ転がって着物を
投
(
ほう
)
って貰い勝ったとか負けたとかいう処が愛敬じゃア、
然
(
そ
)
うして見れば
皆様
(
みなさん
)
の御贔屓を受けなければならん、貴方が勘弁して下されば
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
陣幕久五郎の
負
(
まけ
)
は当時人の
意料
(
いりょう
)
の
外
(
ほか
)
に出た出来事である。抽斎は
角觝
(
かくてい
)
を好まなかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
蟠「紀伊國屋は先に勝ったから宜しい、今度は
負
(
まけ
)
ずにやれ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
まア
宜
(
よろ
)
しい、
是
(
これ
)
で
負
(
まけ
)
て
置
(
お
)
かう。
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
負
(
まけ
)
に社会主義の議論も書く。
沈黙の塔
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
“負”の意味
《名詞》
(フ)実数で零(無)より小さい数。
(フ)悪い状態。否定的な状態。厭わしい状態。
(出典:Wiktionary)
負
常用漢字
小3
部首:⾙
9画
“負”を含む語句
背負
脊負
負傷
勝負
負惜
手負
負債
負傷者
請負
気負
引背負
背負梯子
贔負
負目
背負上
背負籠
背負子
御負
背負投
負嫌
...