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炎
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ほのお
ふりがな文庫
“
炎
(
ほのお
)” の例文
さかんに
燃
(
も
)
えていた、
西
(
にし
)
の
海
(
うみ
)
の
炎
(
ほのお
)
が、いつしか
波
(
なみ
)
に
洗
(
あら
)
われて、うすくなったと
思
(
おも
)
うと、
窓
(
まど
)
から
見
(
み
)
える
空
(
そら
)
も、
暗
(
くら
)
くなりかけていました。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
やがて身のたけ二丈ばかりの鬼が現れて、口から
炎
(
ほのお
)
を吹きながら夫婦を苦しめるかと思うと、
気高
(
けだか
)
い老僧が出て来て鬼を追い拂った。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼は努めて驚きを隠し、はるかに△△を励したりした。が、△△は傾いたまま、
炎
(
ほのお
)
や煙の立ち
昇
(
のぼ
)
る中にただ
唸
(
うな
)
り声を立てるだけだった。
三つの窓
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
小原は校長の方へ向きなおっていった、そのまっ黒な顔に燃ゆるごとき
炎
(
ほのお
)
がひらめいた、広い肩と太い首が波の
如
(
ごと
)
くふるえている。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
あえて
意識
(
いしき
)
しない
共和
(
きょうわ
)
と、たがいの
援護
(
えんご
)
がそこに生まれた。
裾
(
すそ
)
をあおる
炎
(
ほのお
)
の
熱風
(
ねっぷう
)
よりは、もっと、もっと、つよい愛を
渾力
(
こんりき
)
で投げあった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
媛
(
ひめ
)
は、はじめ、うちじゅうに火が燃え広がって、どんどん
炎
(
ほのお
)
をあげているときにお生まれになった方を
火照命
(
ほてりのみこと
)
というお名まえになさいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
加藤主税は
炎
(
ほのお
)
を吐くような呼吸と
雷
(
いかずち
)
のような気合で、力に任せて鍔押しに押して来ると、島田虎之助はゆるゆると左へ廻る。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
レエヌさんが、
炎
(
ほのお
)
色の、
放図
(
ほうず
)
もなく
裾
(
すそ
)
のひろがった
翼裾
(
ウイング・スカーフ
)
のソワレを着て、
孔雀
(
くじゃく
)
が燃えあがったようになってはいって来た。
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その文句を見た
瞬間
(
しゅんかん
)
、次郎は、眼のまえに
炎
(
ほのお
)
が
渦巻
(
うずま
)
くような気がして、しばらくはつぎの文字を見ることができなかった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
あわてて
松葉
(
まつば
)
と
薪
(
まき
)
をくべると、ひどい
煙
(
けむり
)
の中から
炎
(
ほのお
)
がまいたって、土間の自転車の金具が炎で赤く光った。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
ガスの
炎
(
ほのお
)
の上の、まるいガラスビンの中には、血のような液体が、フツフツとあわだっているのです。
超人ニコラ
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その峠も、いまは何物をも燃やさずにはおかないような夏の光線を全身に浴びながら、何んだか
炎
(
ほのお
)
のようにゆらめいているような感じで、私たちに
迫
(
せま
)
っていた。……
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
それが
土台石
(
どだいいし
)
の下で、
今
(
いま
)
だに
生
(
い
)
きていて、
夜
(
よる
)
も
昼
(
ひる
)
もにらみ
合
(
あ
)
って
戦
(
たたか
)
っている。
蛇
(
へび
)
と
蛙
(
かえる
)
がおこって
吹
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
す
息
(
いき
)
が
炎
(
ほのお
)
になって、
空
(
そら
)
まで
立
(
た
)
ちのぼると、こんどは
天
(
てん
)
が
乱
(
みだ
)
れる。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
と、同時に囲炉裏には火がめろめろと
燃
(
も
)
え出した。勘太郎は天井の穴に目をつけて下を
覗
(
のぞ
)
き始めた。めろめろとした赤い
炎
(
ほのお
)
は、炉端に
座
(
すわ
)
っている四
匹
(
ひき
)
の鬼の顔を
照
(
て
)
らした。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
天に二つの日を掛けたるがごとし、
双
(
なら
)
べる
角
(
つの
)
の
尖
(
するど
)
にして、冬枯れの森の
梢
(
こずえ
)
に異ならず、
鉄
(
くろがね
)
の牙上下に
生
(
お
)
ひ
差
(
ちご
)
ふて、紅の舌
炎
(
ほのお
)
を吐くかと怪しまる、もし
尋常
(
よのつね
)
の人これを見ば、目もくれ魂消えて
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「
無論
(
むろん
)
、
私
(
わたくし
)
は
炎
(
ほのお
)
の中の方が熱いと思います」とひとりの
紳士
(
しんし
)
がいいました。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
わらべらの願いはこれらの
獲物
(
えもの
)
を燃やさんことなり。赤き
炎
(
ほのお
)
は彼らの狂喜なり。走りてこれを
躍
(
おど
)
り越えんことは互いの誇りなり。されば彼らこのたびは砂山のかなたより、枯草の
類
(
たぐ
)
いを集めきたりぬ。
たき火
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
また
一人
(
ひとり
)
の
子
(
こ
)
は、
赤
(
あか
)
い
糸
(
いと
)
を
濁
(
にご
)
った
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
に
流
(
なが
)
して、
炎
(
ほのお
)
のごとく、へびのように、ちらちらするのをおもしろがって
見
(
み
)
ていました。
台風の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これだけいって、
腰
(
こし
)
の
般若丸
(
はんにゃまる
)
をひき
抜
(
ぬ
)
いたが、その
刀身
(
とうしん
)
は、いきなりまっ
赤
(
か
)
にひかって見えた。うしろの
炎
(
ほのお
)
はもう高い
火柱
(
ひばしら
)
となっていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
瓦斯煖炉
(
ガスだんろ
)
の
炎
(
ほのお
)
も赤あかとその木の幹を照らしているらしい。きょうはお目出たいクリスマスである。「世界中のお祝するお誕生日」である。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
がかれは
爛々
(
らんらん
)
たる
炎
(
ほのお
)
の鏡に射られて目がくらんだ、五色の
虹霓
(
こうげい
)
がかっと脳を刺したかと思うとその光の中に
画然
(
かくぜん
)
とひとりの男の顔があらわれた。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
尾でもって鐘を
敲
(
たた
)
くと、
炎
(
ほのお
)
が燃え上る——寺の坊さんたちは頭をかかえて逃げ出したが、
程経
(
ほどへ
)
て帰って見ると、鐘はもとのままだが、蛇はいない
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
光といっては、ただその
炎
(
ほのお
)
ばかりなのです。
妖怪博士
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
すでに、
葛西
(
かさい
)
ヶ
谷
(
やつ
)
いちめんは、冷たいような
猛火
(
みょうか
)
だった。極熱の
炎
(
ほのお
)
が燃え
極
(
きわ
)
まると、逆に、しいんと冷寂な「
無
(
む
)
」の世界が降りて来る——。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、このすさまじいあらしにも、
猛
(
たけ
)
り
狂
(
くる
)
う
炎
(
ほのお
)
にも、
無関心
(
むかんしん
)
でいられる
星
(
ほし
)
の
世界
(
せかい
)
が、あまりにも、ふしぎにみえたのです。
戦争はぼくをおとなにした
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
火事は室町屋から出たので、今しも台所を吹き
貫
(
ぬ
)
いて、二階の廊下を焼き抜いて、
真紅
(
まっか
)
の
炎
(
ほのお
)
がメラメラとのぼる。
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
あの流れる
炎
(
ほのお
)
のように情熱の
籠
(
こも
)
った歌ですね。妙子は大きい
椰子
(
やし
)
の葉の下にじっと耳を傾けている。そのうちにだんだん達雄に対する彼女の愛を感じはじめる。
或恋愛小説
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
先祖の
親房
(
ちかふさ
)
という人はじつにりっぱな顔でした、ぼくのようにチビではありませんよ、
尊氏
(
たかうじ
)
のほうをきっとにらんだ顔は体中忠義の
炎
(
ほのお
)
が燃えあがっています。ぼくだって忠臣になれます。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
信
(
しん
)
一は、
弟
(
おとうと
)
の
背後
(
うしろ
)
からのぞくと、なるほど、
星晴
(
ほしば
)
れのした
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
に
黒
(
くろ
)
く
起伏
(
きふく
)
する
屋根
(
やね
)
を
越
(
こ
)
して、
燃
(
も
)
え
上
(
あ
)
がる
炎
(
ほのお
)
を
見
(
み
)
ました。
火事
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いやその前には、すでに急を知って飛んで来た
蒋門神
(
しょうもんしん
)
が仁王立ちとなり、武松をにらまえて眉に憤怒の
炎
(
ほのお
)
を立てていた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
石燈籠は柱を残したまま、おのずから
炎
(
ほのお
)
になって燃え上ってしまう。炎の
下火
(
したび
)
になった
後
(
のち
)
、そこに開き始める菊の花が一輪。菊の花は石燈籠の笠よりも大きい。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あとは
寂然
(
ひっそり
)
として百匁蝋燭の
炎
(
ほのお
)
がのんのんと立ちのぼる。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
太陽
(
たいよう
)
は、
赤
(
あか
)
く、
暮
(
く
)
れ
方
(
がた
)
になると
海
(
うみ
)
のかなたに
沈
(
しず
)
みました。そのとき、
炎
(
ほのお
)
のように
見
(
み
)
える
雲
(
くも
)
が
地平線
(
ちへいせん
)
に
渦巻
(
うずま
)
いていました。
明るき世界へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
炉
(
ろ
)
の
炎
(
ほのお
)
にも熱くなっていた
瞼
(
まぶた
)
を、
傷
(
いた
)
ましそうに、父の顔へ上げると、お
珠
(
たま
)
の涙は赤く光って、膝の先にこぼれた。
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こちら側のシグナルの柱の下には鉄道
工夫
(
こうふ
)
が二三人、小さい
焚火
(
たきび
)
を
囲
(
かこ
)
んでいた。黄いろい
炎
(
ほのお
)
をあげた焚火は光も煙も放たなかった。それだけにいかにも寒そうだった。
寒さ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして、マッチをすって、それへ
火
(
ひ
)
をつけると、
見
(
み
)
えるか
見
(
み
)
えぬ
幽
(
かす
)
かな
青白
(
あおじろ
)
い
炎
(
ほのお
)
が、ひもの
上
(
うえ
)
から
燃
(
も
)
えはじめました。
真昼のお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、うずたかく
枯
(
か
)
れ草をつんで、ぱッと火をはなった。みるまに、
渦
(
うず
)
まく煙は楼門をつつみ、
紅蓮
(
ぐれん
)
の
炎
(
ほのお
)
は、百千の
火龍
(
かりゅう
)
となって、メラメラともえあがった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「私は悪魔ではないのです。御覧なさい、この玉やこの剣を。
地獄
(
じごく
)
の
炎
(
ほのお
)
に焼かれた物なら、こんなに清浄ではいない筈です。さあ、もう
呪文
(
じゅもん
)
なぞを唱えるのはおやめなさい。」
神神の微笑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ただ、
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けると
真
(
ま
)
っ
赤
(
か
)
な
太陽
(
たいよう
)
が
東
(
ひがし
)
の
方
(
ほう
)
から
上
(
あ
)
がりました。また、
日暮
(
ひぐ
)
れ
方
(
がた
)
になると、かなたの
地平線
(
ちへいせん
)
が
炎
(
ほのお
)
のように
燃
(
も
)
えて、
太陽
(
たいよう
)
は
海
(
うみ
)
に
沈
(
しず
)
みました。
木と鳥になった姉妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
淀君の生活は、彼女とは反対に、それから
遽
(
にわか
)
な
爛熟
(
らんじゅく
)
を迎えた花のように咲けるだけ狂い咲きに咲いて、そして、
元和
(
げんな
)
元年の夏の陣に、大坂落城の
炎
(
ほのお
)
に散った。
日本名婦伝:太閤夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
敏子は
伏眼
(
ふしめ
)
になったなり、
溢
(
あふ
)
れて来る涙を
抑
(
おさ
)
えようとするのか、じっと薄い
下唇
(
したくちびる
)
を噛んだ。見れば蒼白い
頬
(
ほお
)
の底にも、眼に見えない
炎
(
ほのお
)
のような、切迫した何物かが燃え立っている。
母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あるときはガスの
火
(
ひ
)
が、
青白
(
あおじろ
)
く
燃
(
も
)
え
上
(
あ
)
がるところへ
乗
(
の
)
せられて、
身
(
からだ
)
にその
炎
(
ほのお
)
を
浴
(
あ
)
びていることもありました。
人間と湯沸かし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、長可は、日夜、無念のまなじりをあげ、傷の痛みよりは、心のいたみに、五体を
炎
(
ほのお
)
にしているのだった。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自土即浄土
(
じどそくじょうど
)
と観じさえすれば、
大歓喜
(
だいかんぎ
)
の笑い声も、火山から
炎
(
ほのお
)
の
迸
(
ほどばし
)
るように、自然と
湧
(
わ
)
いて来なければならぬ。おれはどこまでも
自力
(
じりき
)
の信者じゃ。——おお、まだ一つ忘れていた。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
人形
(
にんぎょう
)
は
新
(
あたら
)
しいものとは
思
(
おも
)
われないほどに
古
(
ふる
)
びていましたけれど、
額
(
ひたい
)
ぎわを
斬
(
き
)
られて
血
(
ち
)
の
流
(
なが
)
れたのや、また
青
(
あお
)
い
顔
(
かお
)
をして、
口
(
くち
)
から
赤
(
あか
)
い
炎
(
ほのお
)
を
吐
(
は
)
いている
女
(
おんな
)
や、また
空色の着物をきた子供
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
具足はつけているが
兜
(
かぶと
)
はいただいていない。鉢巻から逆立つ乱髪は
一炬
(
いっきょ
)
の
炎
(
ほのお
)
のように赤ッぽく見え、その大きな
双眸
(
そうぼう
)
の光と共に、いかにも
万夫不当
(
ばんぷふとう
)
のさむらいらしく見えた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのまた棺の前の机には造花の
蓮
(
はす
)
の花の
仄
(
ほの
)
めいたり、
蝋燭
(
ろうそく
)
の
炎
(
ほのお
)
の
靡
(
なび
)
いたりする中に勲章の箱なども飾ってある。校長は棺に一礼した
後
(
のち
)
、左の手に
携
(
たずさ
)
えていた
大奉書
(
おおぼうしょ
)
の
弔辞
(
ちょうじ
)
を繰りひろげた。
文章
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼
(
かれ
)
は、
高原
(
こうげん
)
を
一人
(
ひとり
)
で
通
(
とお
)
るのもそんなにさびしいとは
思
(
おも
)
わなかったのです。
真
(
ま
)
っ
赤
(
か
)
な
夕日
(
ゆうひ
)
は、
山
(
やま
)
に
沈
(
しず
)
みかかって、ほんのりと
余
(
あま
)
りの
炎
(
ほのお
)
が
雪
(
ゆき
)
の
上
(
うえ
)
を
照
(
て
)
らしていました。
おおかみと人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「……あっ。師の房様が、
輦
(
くるま
)
をッ、輦を焼かっしゃる」牛飼の者は、彼方の小さい火が、やがて、真っ赤な一団の
炎
(
ほのお
)
となったのを見て、草庵の中へ向って、大声でわめいていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこは線路の二三町先にあの踏切りの見える場所だった。踏切りの両側の人だかりもあらかた今は散じたらしかった。ただ、シグナルの柱の下には鉄道工夫の
焚火
(
たきび
)
が一点、黄いろい
炎
(
ほのお
)
を動かしていた。
寒さ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“炎”の解説
炎(ほのお)は、火の中でも、気体が燃焼するときに見られる穂のような、光と熱を発している部分を指す。語源は火の穂(ほのほ)から由来していると言われている。
(出典:Wikipedia)
炎
常用漢字
中学
部首:⽕
8画
“炎”を含む語句
陽炎
火炎
炎焔
炎上
章太炎
炎々
余炎
炎熱
炎暑
焔炎
炎火
炎天
肺炎
肋膜炎
脳膜炎
盲腸炎
炎燄
餘炎
肥厚性鼻炎
炎日
...