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深切
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しんせつ
ふりがな文庫
“
深切
(
しんせつ
)” の例文
わたくしは因縁こそ実に
尊
(
とうと
)
くそれを
飽迄
(
あくまで
)
も大切にすべきものだと信じて
居
(
お
)
ります。
其処
(
そこ
)
に優しい
深切
(
しんせつ
)
な愛情が当然
起
(
おこ
)
るのであります。
家庭愛増進術:――型でなしに
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
でも、あなたの御
深切
(
しんせつ
)
が、今ではもう、妾には忘れ難いものになって了った。あなたのお
出
(
い
)
でなさらぬ夜が淋しく感ぜられさえする。
一人二役
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あなたが京子に逢ってこのはなしをする間には僕はもうこの世の人ではないでしょう。くれぐれもあなたの
深切
(
しんせつ
)
を嬉しいと思います。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この法印の、一心の
深切
(
しんせつ
)
、やっとのことで通じたか、浪路は、いくらかわれに帰った風で、相手の抱きしめから自由になろうとする。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
それから
足下
(
おぬし
)
、
深切
(
しんせつ
)
があるなら、
門番
(
もんばん
)
にさう
言
(
い
)
うて、スーザンとネルを
入
(
はひ
)
らせてくりゃ。(奧に向つて)……アントニー! ポトパン!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
時々、痛いんで眼がさめる、宿の娘は
深切
(
しんせつ
)
に附きっ切りで、氷河からかいて来たろう、氷を手拭に包んで、頭を冷やしてくれる。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
やく御出立なさるが宜しからん入らざることゝ
思
(
おぼ
)
し
召
(
めし
)
も有べけれどもまづ/\御用心なさるゝが大丈夫と
深切
(
しんせつ
)
に
咄
(
はな
)
し居る
機
(
をり
)
から
近來
(
ちかごろ
)
此邊を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
なほ桂月様私の新体詩まがひのものを、つたなし/\、柄になきことすなと御
深切
(
しんせつ
)
にお
叱
(
しか
)
り下され候ことかたじけなく思ひ候。
ひらきぶみ
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
それでもどうにか春どんが
深切
(
しんせつ
)
に洗つて呉れたり、貝殻の白い薬をつけて呉れたりして、其の夜は誰にも覚られずに済んだ。
やぶ入の前夜
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
河上徹太郎
(
かわかみてつたろう
)
氏、
小林秀雄
(
こばやしひでお
)
氏たちに
深切
(
しんせつ
)
な批評を貰いました。曲りなりにも血の気の多い作品を書きたいと思っていたのです。
文学的自叙伝
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
知らずや、子供は家にありて早くその習慣を成すものなるを。知らずや、父母の教えは学校教師の教えよりも
深切
(
しんせつ
)
なるを。
教育の事
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
お
前
(
まへ
)
精
(
せい
)
一ぱい
遣
(
や
)
つて
御覽
(
ごらん
)
——だけど、
私
(
わたし
)
深切
(
しんせつ
)
にしてやつてよ。でなければ、
屹度
(
きつと
)
足
(
あし
)
が
云
(
い
)
ふことを
聞
(
き
)
かないわ!
屹度
(
きつと
)
さうよ。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此
(
こ
)
の
人
(
ひと
)
ばかりには
限
(
かぎ
)
らない。
靜岡
(
しづをか
)
でも、
三島
(
みしま
)
でも、
赤帽君
(
あかばうくん
)
のそれぞれは、
皆
(
みな
)
もの
優
(
やさ
)
しく
深切
(
しんせつ
)
であつた。——お
禮
(
れい
)
を
申
(
まを
)
す。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
という調子で、丁寧に手をついてお礼をいうのと、
深切
(
しんせつ
)
な焼きかたなので一人では手が廻りきれないほど売れだした。
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ハワード〔一七二六—一七九〇年、英国の監獄改良家〕は彼自身のやり方においてうたがいもなく非常に
深切
(
しんせつ
)
で立派な人間であり、またその報いをえた。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
この闇きに、
提灯
(
ちょうちん
)
なきは危し。提灯つけて送らせんといふ。田舎にうれしきは、人の
深切
(
しんせつ
)
也。それには及ばずと断りて、なほ闇をさぐり、筑波町に達して宿りぬ。
秋の筑波山
(新字新仮名)
/
大町桂月
(著)
「お宅が、旅人に
深切
(
しんせつ
)
にしてくれるということを聞いて尋ねてきました、今晩どうか泊めてください」
蕎麦餅
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
老婆などはわざわざ立かえりて、「お前さんそこにそうよっかかって居ては危のうございますよ、危ないことをするものではありませんよ」と
諄々
(
じゅんじゅん
)
と
諭
(
さと
)
さるる
深切
(
しんせつ
)
。
良夜
(新字新仮名)
/
饗庭篁村
(著)
彼に心を寄せし
輩
(
やから
)
は皆彼が
夜深
(
よふけ
)
の
帰途
(
かへり
)
の程を
気遣
(
きづか
)
ひて、我
願
(
ねがは
)
くは
何処
(
いづく
)
までも送らんと、
絶
(
したた
)
か
念
(
おも
)
ひに念ひけれど、彼等の
深切
(
しんせつ
)
は無用にも、宮の帰る時一人の男附添ひたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
或
(
あ
)
る
農村
(
のうそん
)
にびんぼうなお
百姓
(
ひやくせう
)
がありました。びんぼうでしたが
深切
(
しんせつ
)
で
仲
(
なか
)
の
善
(
よ
)
い、
家族
(
かぞく
)
でした。そこの
鴨居
(
かもゐ
)
にことしも
燕
(
つばめ
)
が
巣
(
す
)
をつくつてそして四五
羽
(
は
)
の
雛
(
ひな
)
をそだててゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
追っ附け娘たちが麓から登って来るからそしたら直ぐ行って問合せましょう、まア旦那はそれまで其処らに御参詣をなさっていたらいいだろうという思いがけない
深切
(
しんせつ
)
な話である。
青年僧と叡山の老爺
(新字新仮名)
/
若山牧水
(著)
と
激
(
はげ
)
まして慰めた。それでも主人はなんとなく気が進まぬらしかった。しかし妻の
深切
(
しんせつ
)
を無にすまいと思うてか、重々しげに猪口を取って更に飲み始めた。けれども以前のように浮き立たない。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
猶
(
なお
)
岸本が周囲の人のようにはこの人を考えていなかったというのは、全く彼が少年の時に受けた温い
深切
(
しんせつ
)
の為で——丁度、それが一点のかすかな
燈火
(
ともしび
)
のように彼の心の奥に燃えていたからであった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
深切
(
しんせつ
)
なる、しかし冷刻なる友よ!
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
私の
深切
(
しんせつ
)
に
一顧
(
いっこ
)
をも与えず、邪魔だからどいて居れと叱った所のその人を、私は今でも数人の臨検者の中から見付け出すことが出来る。
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
種彦は遠くもあらぬ
堀田原
(
ほったわら
)
の住居まで、是非にもお供せねばという門人たちの
深切
(
しんせつ
)
をも無理に断り、
夜涼
(
やりょう
)
の茶屋々々
賑
(
にぎわ
)
う並木の
大通
(
おおどおり
)
を
横断
(
よこぎ
)
って
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ロミオ はて、それは
深切
(
しんせつ
)
の
爲過
(
しすご
)
し。いっそ
迷惑
(
めいわく
)
。おのが
心痛
(
しんつう
)
ばかりでも
心臟
(
しんざう
)
が
痛
(
いた
)
うなるのに、
足下
(
きみ
)
までが
泣
(
な
)
いてくりゃると、一
段
(
だん
)
と
胸
(
むね
)
が
迫
(
せま
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
と問わぬことまで
深切
(
しんせつ
)
に話します。それでよく
仔細
(
しさい
)
が
解
(
わか
)
って
確
(
たしか
)
になりはなったけれども、現に一人
踏迷
(
ふみまよ
)
った者がある。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
立所
(
たちどころ
)
に
屹度
(
きつと
)
兎
(
うさぎ
)
が
扇子
(
せんす
)
と
白
(
しろ
)
い
山羊仔皮
(
キツド
)
の
手套
(
てぶくろ
)
とを
探
(
さが
)
して
居
(
ゐ
)
るに
違
(
ちが
)
ひないと
思
(
おも
)
つて、
深切
(
しんせつ
)
にも
其
(
そ
)
れを
尋
(
たづ
)
ねてやりましたが、
何處
(
どこ
)
にも
見
(
み
)
えませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其方共儀長八
娘
(
むすめ
)
身受
(
みうけ
)
相談
(
さうだん
)
の儀は
公儀
(
かみ
)
に於ても孝心を御賞し有るに
付
(
つき
)
利欲
(
りよく
)
に
關
(
かゝは
)
らず
深切
(
しんせつ
)
に
懸合
(
かけあひ
)
を
遂
(
とげ
)
遣はすべし
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
天下の人皆
財
(
ざい
)
を
貪
(
むさぼ
)
るその中に居て独り
寡慾
(
かよく
)
なるが如き、
詐偽
(
さぎ
)
の行わるる社会に独り正直なるが如き、軽薄無情の浮世に独り
深切
(
しんせつ
)
なるが如き、いずれも皆抜群の
嗜
(
たしな
)
みにして
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
見て通りかゝりし學校教員らしき人
御代田
(
みよだ
)
へは斯う參られよと
深切
(
しんせつ
)
なり御代田とは小田井が改名せしなり一禮して其の如くに行く此ほとりの林の中に櫻咲き野にはシドメの色を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
夜
(
よ
)
が
更
(
ふ
)
けて
寒
(
さむ
)
からうと、
深切
(
しんせつ
)
に
為
(
し
)
たに
違
(
ちがひ
)
ないが、
未練
(
みれん
)
らしい
諦
(
あきら
)
めろ、と
愛想尽
(
あいさうつか
)
しを
為
(
さ
)
れたやうで、
赫
(
くわつ
)
と
顔
(
かほ
)
が
熱
(
あつ
)
くなる。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其方儀
先代
(
せんだい
)
嘉川平助に
恩
(
おん
)
も有之り候由にて藤五郎藤三郎
建部
(
たてべ
)
郷右衞門
伴
(
ばん
)
佐
(
すけ
)
十郎右四人
匿
(
かくま
)
ひ候
段
(
だん
)
深切
(
しんせつ
)
の
致方
(
いたしかた
)
に候
得共
(
えども
)
身分不
相應
(
さうおう
)
なる儀に
付
(
つき
)
以後法外之なき樣心掛べし
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
乳母 さいな、あの
方
(
かた
)
の
言
(
い
)
はッしゃるには、
行儀
(
ぎゃうぎ
)
もよければ
深切
(
しんせつ
)
でもあり、
男振
(
をとこぶり
)
はよし、
器量人
(
きりゃうじん
)
でもあり、
流石
(
さすが
)
に
身分
(
みぶん
)
のある
殿方
(
とのがた
)
らしう……お
母
(
かゝ
)
さまは
何處
(
どこ
)
にぢゃ?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
月日たつにつれ自然
出家
(
しゅっけ
)
の念願起り
来
(
きた
)
り、十七歳の春
剃髪
(
ていはつ
)
致し、宗学
修業
(
しゅぎょう
)
専念に
心懸
(
こころがけ
)
候
間
(
あいだ
)
、寮主雲石殿も末
頼母
(
たのも
)
しき者に
思召
(
おぼしめ
)
され、
殊
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
深切
(
しんせつ
)
に御指南なし下され候処
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
他人が
深切
(
しんせつ
)
から色々注意などしてやりますと、却ってそれを逆にとって、目が見えないと思って人を馬鹿にするなそれ位のことはちゃんと俺にだって分っているわいという調子で
赤い部屋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
余輩これを保証すること
能
(
あた
)
わず。前夜の酒宴、深更に及びて、今朝の眠り、八時を過ぎ、床の内より子供を呼び起こして学校に行くを促すも、子供はその
深切
(
しんせつ
)
に感ずることなかるべし。
教育の事
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
隨分
無骨
(
ぶこつ
)
なる調子にて始はフト吹出すやうなれど嶮しき山坂峠をば上り下りに唄ふものなれば
濁
(
だみ
)
たる
節
(
ふし
)
も無理ならず其文句に至りては率直にして
深切
(
しんせつ
)
ありのまゝにして興あり始の歌木曾の山の
寒
(
さぶき
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
事
(
こと
)
あつて
後
(
のち
)
にして、
前兆
(
ぜんてう
)
を
語
(
かた
)
るのは、
六日
(
むいか
)
の
菖蒲
(
あやめ
)
だけれども、そこに、あきらめがあり、
一種
(
いつしゆ
)
のなつかしみがあり、
深切
(
しんせつ
)
がある。あはれさ、はかなさの
情
(
じやう
)
を
含
(
ふく
)
む。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
以上十九箇条の結論、論じ去て
深切
(
しんせつ
)
なりと言う可し。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その男に対する取廻しの優しさ、
隔
(
へだて
)
なさ、
深切
(
しんせつ
)
さに、
人事
(
ひとごと
)
ながら
嬉
(
うれ
)
しくて、思わず涙が流れたのじゃ。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
前
(
まへ
)
まあ
些
(
ちつ
)
と
休
(
やす
)
んでと、
深切
(
しんせつ
)
にほだされて、
懷
(
なつか
)
しさうに
民子
(
たみこ
)
がいふのを、いゝえ、さうしては
居
(
を
)
られませぬ、お
荷物
(
にもつ
)
は
此處
(
こゝ
)
へ、もし
御遠慮
(
ごゑんりよ
)
はござりませぬ、
足
(
あし
)
を
投出
(
なげだ
)
して
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
切符
(
きつぷ
)
を
三枚
(
さんまい
)
頼
(
たの
)
むと、つれを
搜
(
さが
)
してきよろついた
樣子
(
やうす
)
を
案
(
あん
)
じて、
赤帽君
(
あかばうくん
)
は
深切
(
しんせつ
)
であつた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いや、
深切
(
しんせつ
)
は
難有
(
ありがた
)
いが、いま来たばかりのものに、いつ
出程
(
たつ
)
かは少し
酷
(
ひど
)
かろう。」
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やすくて
深切
(
しんせつ
)
なタクシイを
飛
(
と
)
ばして、
硝子窓
(
がらすまど
)
に
吹
(
ふき
)
つける
雨模樣
(
あまもやう
)
も、おもしろく、
馬
(
うま
)
に
成
(
な
)
つたり
駕籠
(
かご
)
に
成
(
な
)
つたり、
松並木
(
まつなみき
)
に
成
(
な
)
つたり、
山
(
やま
)
に
成
(
な
)
つたり、
嘘
(
うそ
)
のないところ、
溪河
(
たにがは
)
に
流
(
なが
)
れたりで
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
けれども
言出
(
いひだ
)
した
事
(
こと
)
は、
其
(
そ
)
の
勢
(
いきほひ
)
だけに
誰一人
(
たれいちにん
)
深切
(
しんせつ
)
づくにも
敢
(
あへ
)
て
留
(
と
)
めやうとするものは
無
(
な
)
く、……
其
(
そ
)
の
同勢
(
どうぜい
)
で、ぞろ/\と
温泉宿
(
をんせんやど
)
へ
帰
(
かへ
)
る
途中
(
とちゆう
)
、
畷
(
なはて
)
を
片傍
(
かたわき
)
に
引込
(
ひつこ
)
んだ、
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
の、とある
祠
(
ほこら
)
へ
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
先年西
牟婁
(
むろ
)
郡安都ヶ峯下より
坂泰
(
ばんたい
)
の
巓
(
みね
)
を
踰
(
こ
)
え日高丹生川にて時を過ごしすぎられたのを、案じて安堵の山小屋より
深切
(
しんせつ
)
に多人数で捜しに来た、人数の中に提灯唯一つ灯したのが同氏の目には
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さし図どころか自分で
深切
(
しんせつ
)
に手を添えてくれた時、皆で抱まわしに、隣の墓から、先生の墓所の前へ廻し込んで、一段、
段石
(
だんいし
)
を上げるのに、石碑が欠けちゃあ
不可
(
いけな
)
い、と言うと、素早い石屋が
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どこぞで
白桃
(
しろもも
)
の花が流れるのをご覧になったら、私の体が谷川に沈んで、ちぎれちぎれになったことと思え、といって
悄
(
しお
)
れながら、なお
深切
(
しんせつ
)
に、道はただこの谷川の流れに沿うて行きさえすれば
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
深
常用漢字
小3
部首:⽔
11画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“深切”で始まる語句
深切心
深切者