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『やぶ入の前夜』
ふりがな文庫
『
やぶ入の前夜
(
やぶいりのぜんや
)
』
バリカンが山の斜面を滑る橇のやうにスルスルと正吉の頭を撫でゝゆくと、針のやうな髪の毛はバラバラととび散つた。正吉は一秒一秒に拡がつてゆく綺麗な頭の地ををさへ切れぬ悦ばしい心で凝と鏡の中に瞶めて居た。正吉の心はたゞ嬉しさばかりに躍つてゐた。何 …
著者
牧野信一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「少年 第一九七号(新年号)」時事新報社、1919(大正8)年12月8日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約6分(500文字/分)
朗読目安時間
約10分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
遠
(
とほく
)
郷
(
くに
)
深切
(
しんせつ
)
金
(
かね
)