夕方ゆうがた)” の例文
やがて夕方ゆうがたになりました。松蝉まつぜみきやみました。むらからはしろゆうもやがひっそりとながれだして、うえにひろがっていきました。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
大いそぎで薬品やくひん調合ちょうごうにとりかかり、それができあがると、夕方ゆうがたから夜にかけて、ぼくはからだ透明とうめいにするそのくすりをのみつづけたんだ——
夕方ゆうがたになると、おじいさんはいつものとおり、しばをしょって山からかえってました。おばあさんはにこにこしながら出迎でむかえて
瓜子姫子 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
夕方ゆうがたになると、父親ちちおや子供こどもとは、ひのきのしたに、どこからかかえってきました。子供こどもは、えだつくった、胡弓こきゅうっていました。
あらしの前の木と鳥の会話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
というのは、ママがきょうせてやろうとおもったシャツは、みんなまだ洗濯屋せんたくやへ行っていて、夕方ゆうがたでなければ返ってなかったからである。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
夕方ゆうがたには多勢おおぜいのちいさな子供こどもこえにまじってれい光子みつこさんの甲高かんだかこえいえそとひびいたが、袖子そでこはそれをながらいていた。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
でも、夕方ゆうがただったら、ガンたちはここにとまることはできなかったでしょう。なぜって、ユパフォルスは荒地あれちにあるのではありませんから。
「ちがうでしよう。女中じょちゅうから板前いたまえまで調しらべてある。夕方ゆうがたかけて、十二ごろ、タクシーでかえつたことがわかつている」
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
それ以来いらい二人ふたり夕方ゆうがた、しばしば一しょに散歩さんぽかけた。だまって歩いて、河に沿っていったり、野を横切よこぎったりした。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
丁度ちやうど其日そのひ夕方ゆうがた、ドクトル、ハヾトフはれい毛皮けがは外套ぐわいたうに、ふか長靴ながぐつ昨日きのふ何事なにごとかつたやうなかほで、アンドレイ、エヒミチを其宿そのやど訪問たづねた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ラプンツェルをれてったおな夕方ゆうがた魔女まじょはまたとううえ引返ひきかえして、った少女むすめ辮髪べんぱつを、しっかりとまど折釘おれくぎゆわえつけてき、王子おうじ
ある夕方ゆうがたことでした。ちょうどお日様ひさまいま、きらきらするくもあいだかくれたのち水草みずくさなかから、それはそれはきれいなとりのたくさんのむれってました。
それは恋によろしい若葉の六月のある夕方ゆうがただった。日本橋にほんばし釘店くぎだなにある葉子の家には七八人の若い従軍記者がまだ戦塵せんじんの抜けきらないようなふうをして集まって来た。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それからりすは、夕方ゆうがたまでに鈴蘭すずらんをたくさんあつめて、大騒おおさわぎをしてホモイのうちへはこびました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「そうお、それで夕方ゆうがたはまた、送ってくれるの?」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
おかあさんはその夕方ゆうがたひいさんをそっとまくらもとせて、やせおとろえた手で、ひいさんのふさふさしたかみをさすりながら
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
B医師ビーいしは、夕方ゆうがた自分じぶんびにきた、子供こども母親ははおやの、おどおどしたつきと、心配しんぱいそうなあおざめたかおとをおもいあわせたのです。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
がつあさのうちですよ。金魚きんぎょをよこせといつてきたのが、そのまえ夕方ゆうがたでしてね。どうしてだか、ひどくいそいでもつてこいつていうんでした。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
丁度ちょうどその夕方ゆうがた、ドクトル、ハバトフはれい毛皮けがわ外套がいとうに、ふか長靴ながぐつ昨日きのう何事なにごとかったようなかおで、アンドレイ、エヒミチをその宿やど訪問たずねた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ぼくはまちをあちこちと気ままに歩いていった。ところが、夕方ゆうがたちかくなると、ぼくはすっかりよわってしまった。
みんなもまえからそうおもっていましたし、きのうの夕方ゆうがたやってきた二わのカラスもそういいました。
いちょうの実 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
夜中よなか起上おきあがって、戸の下にかぎをおき、こりをかついで出ていってしまうのだった。そして幾月いくつき姿すがたを見せなかった。それからまたもどってきた。夕方ゆうがた、誰かが戸にさわるおとがする。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
お月さまのかがやいている、しずかな美しい夕方ゆうがたでした。でも、ついさっきまでは、はげしい吹きぶりでした。人びとは、まだお天気がよくなっていないと思っているにちがいありません。
学校がっこうにあがってからでも学校がっこうがひけたあとでは、たいていそこにあつまるのだ。夕方ゆうがた庵主あんじゅさんが、もうかねをついてもいいとおっしゃるのをまっていて、ぼくらは撞木しゅもくうばいあってついたのだ。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
夕方ゆうがたになって、和尚おしょうさんがかえっててみますと、中はくらで、あかりもついていませんでした。和尚おしょうさんはおこって
和尚さんと小僧 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
また、一にちはたちました。そして、今日きょう太陽たいようは、昨日きのう夕方ゆうがたのように、くもあかめて西にしそらしずみました。
ある夜の姉と弟 (新字新仮名) / 小川未明(著)
で、身体からだひどこごえてしまったので、詮方せんかたなく、夕方ゆうがたになるのをって、こッそりと自分じぶんへやにはしのたものの、夜明よあけまで身動みうごきもせず、へや真中まんなかっていた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
もう夕方ゆうがたになりました。お父さんは、にわかに気がついたように立ちあがって
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「あなたは五がつよる夕方ゆうがたから十二時頃じごろまで、どこにいましたか」
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
とうさんが、夕方ゆうがた村会そんかいからかえってて、こうおっしゃった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
ある夕方ゆうがた小鳥ことりは、おおきなはやしなかで、みんなとあいました。みんなは、どこへいってきたか? あのあらしのときはどうしたか? と、いろいろにたずねました。
小さな金色の翼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
六日むいかあいだ何事なにごともありませんでした。七日なのかめの夕方ゆうがたにことことともんをたたくものがありました。
羅生門 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
その夕方ゆうがた俄然がぜんアンドレイ、エヒミチは脳充血のうじゅうけつおこして死去しきょしてしまった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
その夕方ゆうがた、おかあさんはむすめをそばにせて、やせこけた手で、むすめの手をじっとにぎりながら
松山鏡 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
つきまどあかるくらしたばんに、サフランのあかはなびらが、かぜにそよぐ夕方ゆうがた、また、しろいばらのはながかおるよいなど、おんなは、どんなに子供こどものころ、自分じぶんむらあそんだことや、父母ふぼ面影おもかげ
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夕方ゆうがたになって、さるはくたびれて、そとからかえってました。そしてばたにどっかりすわんで
猿かに合戦 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そして、夕方ゆうがたになると、かれらは、たのしそうにしてかえってきました。
大きなかしの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうどその山にかかったときに日がちて、夕方ゆうがたのつめたいかぜがざわざわいてきました。
山姥の話 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
昨日きのう夕方ゆうがたかれは、この山茶花さざんかのところへんできました。
寒い日のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
夕方ゆうがたになると、保名やすなはたけからいてあたらしい野菜やさいや、仕事しごと合間あいまもりった小鳥ことりをぶらげてかえってますと、くず子供こどもいてにっこりわらいながら出てて、おっとむかえました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
もう夕方ゆうがたか、がかげる。
赤い鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夕方ゆうがたになってやっと、おじいさんは山からしばを背負せおってかえってました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
その日の夕方ゆうがた、一雄が茶の間のすみっこで、いつまでかかってもほんとうに出来ない積木細工つみきざいくのおうちを建てたり、こわしたりしているに、おばあさんはせっせと玉子焼のしたくにかかっていました。
祖母 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
夕方ゆうがたになって、おじいさんはしばを背負せおって、山からかえって
舌切りすずめ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
するとその日の夕方ゆうがた、おとうさんは荷物にもつをしょって
松山鏡 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
夕方ゆうがたになって、なんにもらないおじいさんは
かちかち山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)