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腹立
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はらだ
ふりがな文庫
“
腹立
(
はらだ
)” の例文
この
不自由
(
ふじゆう
)
な、
醜
(
みにく
)
い、
矛盾
(
むじゅん
)
と
焦燥
(
しょうそう
)
と
欠乏
(
けつぼう
)
と
腹立
(
はらだ
)
たしさの、
現実
(
げんじつ
)
の
生活
(
せいかつ
)
から、
解放
(
かいほう
)
される
日
(
ひ
)
は、そのときであるような
気
(
き
)
がしたのです。
希望
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
腹立
(
はらだ
)
たしさに、なかば
泣
(
な
)
きたい
気持
(
きもち
)
をおさえながら、
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
を
睨
(
にら
)
みつけた
徳太郎
(
とくたろう
)
の
細
(
ほそ
)
い
眉
(
まゆ
)
は、
止
(
と
)
め
度
(
ど
)
なくぴくぴく
動
(
うご
)
いていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
其角は秀和が大層
腹立
(
はらだ
)
つてゐる噂を聞いて、成るべく出会はぬやうに気をつけてゐたが、ある日の事
間
(
ま
)
が悪く両国橋の上でばつたりと行き会つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
皇后は
若郎女
(
わかいらつめ
)
のことをお考えになればなるほどおくやしくて、そのお
腹立
(
はらだ
)
ちまぎれに、港へおつけにならないで、ずんずん船を
堀江
(
ほりえ
)
へお入れになり
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
叫哭
(
きょうこく
)
したくてたまらなかったときに
叫哭
(
きょうこく
)
しえないで、叫哭すべき
時期
(
じき
)
を
経過
(
けいか
)
したいまは、かなしい思いよりは、なさけなく
腹立
(
はらだ
)
たしさにのぼせてしまった。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
恥
(
はづか
)
しさ、
悲
(
かな
)
しさ、
腹立
(
はらだ
)
たしさ、——その
時
(
とき
)
のわたしの
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
は、
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
へば
好
(
よ
)
いかわかりません。わたしはよろよろ
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
りながら、
夫
(
をつと
)
の
側
(
そば
)
へ
近寄
(
ちかよ
)
りました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『
難破船
(
なんぱせん
)
⁈ あはゝゝゝゝ。』と
船長
(
せんちやう
)
は
大聲
(
おほごえ
)
に
笑
(
わら
)
つた。
驚愕
(
おどろ
)
くと
思
(
おも
)
ひきや、
彼
(
かれ
)
はいと
腹立
(
はらだ
)
たし
氣
(
げ
)
に
顏
(
かほ
)
を
顰
(
しか
)
めて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その日からうちじゅうの者は
残
(
のこ
)
らず、大っぴらでわたしに対して
憎悪
(
ぞうお
)
を見せ始めた。
祖父
(
そふ
)
はわたしがそばに
寄
(
よ
)
ると、
腹立
(
はらだ
)
たしそうにつばをはいてばかりいた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
競技者
(
プレーヤー
)
は
皆
(
みん
)
な
自分
(
じぶん
)
の
番
(
ばん
)
の
來
(
く
)
るのを
待
(
ま
)
たずして
同時
(
どうじ
)
に
遊
(
あそ
)
び
戯
(
たはむ
)
れ、
絶
(
た
)
えず
爭
(
あらそ
)
つて、
針鼠
(
はりねずみ
)
を
取
(
と
)
らうとして
戰
(
たゝか
)
つてゐますと、
軈
(
やが
)
て
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が
甚
(
いた
)
くお
腹立
(
はらだ
)
ちになり、
地鞴踏
(
ぢだんだふ
)
みながら
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
腹立
(
はらた
)
たしいのも
他
(
ほか
)
にあるけれども
其
(
それ
)
も
一場合
(
あるばあひ
)
に
猿
(
さる
)
が
憎
(
にく
)
らしかつたり、
鳥
(
とり
)
が
腹立
(
はらだ
)
たしかつたりするのとかはりは
無
(
な
)
いので、
煎
(
せん
)
ずれば
皆
(
みな
)
をかしいばかり、
矢張
(
やつぱり
)
噴飯材料
(
ふきだすたね
)
なんで
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あなたは
贈物
(
カドウ
)
をあてにしてゐたのですか、エア孃。あなたは贈物が好きですか。」そして彼は私の顏を探るやうに見た、その眼は暗く
腹立
(
はらだ
)
たしげで、突き通すやうだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
予
(
わし
)
を
腹立
(
はらだ
)
たせて、
又
(
また
)
の
罪惡
(
ざいあく
)
を
犯
(
をか
)
させて
下
(
くだ
)
さるな。おゝ、
速
(
はや
)
う
去
(
い
)
なしゃれ。
眞實
(
しんじつ
)
、
予
(
わし
)
は
自分
(
じぶん
)
よりも
足下
(
おぬし
)
を
可愛
(
いと
)
しう
思
(
おも
)
うてゐる、
予
(
わし
)
は
自殺
(
じさつ
)
をしようと
覺悟
(
かくご
)
して
此處
(
こゝ
)
へ
來
(
き
)
た
者
(
もの
)
であるに
依
(
よ
)
って。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
天滿與力
(
てんまよりき
)
は、
渡船
(
とせん
)
を
呼
(
よ
)
び
戻
(
もど
)
してみたけれど、
殆
(
ほと
)
んど
片足
(
かたあし
)
を
蹈
(
ふ
)
み
込
(
こ
)
む
餘地
(
よち
)
もないので、
腹立
(
はらだ
)
たし
氣
(
げ
)
に
舌打
(
したう
)
ちして、
汀
(
みぎは
)
に
突
(
つ
)
つ
立
(
た
)
つてゐたが、やがて
高
(
たか
)
く、
虎
(
とら
)
が
吼
(
ほ
)
えるやうに
聲
(
こゑ
)
を
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げると
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
腹立
(
はらだ
)
たしげに、
舌打
(
したう
)
ちをして
追
(
お
)
いかけると、それを持っていた
三太郎猿
(
さんたろうざる
)
は、手をすべらして
庭先
(
にわさき
)
へ
槍
(
やり
)
を落としたので、
十兵衛
(
じゅうべえ
)
の方をふりかえると、ケン! と人を
茶
(
ちゃ
)
にした
奇声
(
きせい
)
を
発
(
はっ
)
しながら
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
含
(
ふく
)
んでこればかりは
私
(
わたし
)
の
幸福
(
しあはせ
)
さりとて
喧嘩
(
けんくわ
)
する
時
(
とき
)
もあり
無理
(
むり
)
な
小言
(
こごと
)
いはれまして
腹立
(
はらだ
)
ち
合
(
あ
)
ふこともあれど
跡
(
あと
)
も
無
(
な
)
し
先
(
さき
)
もなし
海鼠
(
なまこ
)
のやうなと
笑
(
わら
)
はれます
此頃
(
このごろ
)
は
施療
(
せれう
)
に
暇
(
ひま
)
がなうて
芝居
(
しばゐ
)
も
寄席
(
よせ
)
もとんと
御無沙汰
(
ごぶさた
)
その
内
(
うち
)
にお
誘
(
さそ
)
ひ
申
(
まを
)
します
兄
(
あに
)
はお
前
(
まへ
)
さまを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
腹立
(
はらだ
)
つわがこころ
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼女
(
かのじょ
)
は、あれほど、
迷
(
まよ
)
った
末
(
すえ
)
に、ようやく
決心
(
けっしん
)
をしてきたのを、いまさら
代診
(
だいしん
)
にみてもらうまでもないと、いくぶん
腹立
(
はらだ
)
たしくなりました。
世の中のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私
(
わたくし
)
はこの
小娘
(
こむすめ
)
の
下品
(
げひん
)
な
顏
(
かほ
)
だちを
好
(
この
)
まなかつた。それから
彼女
(
かのぢよ
)
の
服裝
(
ふくさう
)
が
不潔
(
ふけつ
)
なのもやはり
不快
(
ふくわい
)
だつた。
最後
(
さいご
)
にその二
等
(
とう
)
と三
等
(
とう
)
との
區別
(
くべつ
)
さへも
辨
(
わきま
)
へない
愚鈍
(
ぐどん
)
な
心
(
こころ
)
が
腹立
(
はらだ
)
たしかつた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
おまえの
腹立
(
はらだ
)
ちにすこしも
無理
(
むり
)
はないのだから、おまえの胸はおれがよく
知
(
し
)
ってるから、となりの家へでもいってな、となりのおかあさんにおまえの胸をよく聞いてもらえよ。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
それは『不幸は單獨では來ない』といふ
格言
(
かくげん
)
が眞理であることを證明する爲めに、そして彼等の困難に對して、愈々やつて來る迄は安心がならない
腹立
(
はらだ
)
たしい苦痛を加へる爲めに
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
わたしはむなしくそここことめぐって歩いて、しまいには自分に
腹立
(
はらだ
)
たしくなった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
腹立
(
はらだ
)
たし
氣
(
げ
)
な
顏
(
かほ
)
をしたものや、ベソを
掻
(
か
)
いたものや、
怖
(
こは
)
さうにおど/\したものなぞが、
前後
(
ぜんご
)
してぞろ/\と
舟
(
ふね
)
から
陸
(
をか
)
へ
上
(
あが
)
つた。
母
(
はゝ
)
に
抱
(
だ
)
かれた
嬰兒
(
あかご
)
の
泣
(
な
)
く
聲
(
こゑ
)
は、
殊
(
こと
)
に
哀
(
あは
)
れな
響
(
ひゞき
)
を
川風
(
かはかぜ
)
に
傳
(
つた
)
へた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「こら、そんな、お前の口や鼻から出したものがおれに食えるか。無礼なやつだ」と、たいそうお
腹立
(
はらだ
)
ちになって、いきなり剣を
抜
(
ぬ
)
いて、
大気都比売命
(
おおけつひめのみこと
)
を一うちに切り殺しておしまいになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
もこがすなる
勿体
(
もつたい
)
なけれど
何事
(
なにごと
)
まれお
腹立
(
はらだ
)
ちて
足踏
(
あしぶみ
)
ふつになさらずは
我
(
わ
)
れも
更
(
さ
)
らに
参
(
まゐ
)
るまじ
願
(
ねが
)
ふもつらけれど
火水
(
ひみづ
)
ほど
中
(
なか
)
わろくならばなか/\に
心安
(
こゝろやす
)
かるべしよし
今日
(
けふ
)
よりはお
目
(
め
)
にもかゝらじものもいはじお
気
(
き
)
に
障
(
さは
)
らばそれが
本望
(
ほんまう
)
ぞとて
膝
(
ひざ
)
につきつめし
曲尺
(
ものさし
)
ゆるめると
共
(
とも
)
に
隣
(
となり
)
の
声
(
こゑ
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「だめだ、こんな
時計
(
とけい
)
は、
見
(
み
)
かけだけで……。」と、
正二
(
しょうじ
)
くんは、なにかしらん
腹立
(
はらだ
)
たしくなりました。
家
(
いえ
)
へ
帰
(
かえ
)
って、お
母
(
かあ
)
さんに
告
(
つ
)
げると
正二くんの時計
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
伊弉諾命
(
いざなぎのみこと
)
はそれをお聞きになると、たいそうお
腹立
(
はらだ
)
ちになって
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
私
(
わたし
)
は、ほこりをあびて、
止
(
と
)
まっている
時計
(
とけい
)
を
見
(
み
)
るたびに、なんだか、かわいそうに
思
(
おも
)
い、
人間
(
にんげん
)
のかって
気
(
き
)
ままに
対
(
たい
)
して、
腹立
(
はらだ
)
たしくさえ
感
(
かん
)
じました。
時計と窓の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「きよは、とんまなんだよ。」といって、
具合
(
ぐあい
)
の
悪
(
わる
)
いたこを
買
(
か
)
ってきたので、
腹立
(
はらだ
)
たしそうにこういいました。
北風にたこは上がる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ふたりは、これでは、こちらがばかにされるような
気
(
き
)
がして、
腹立
(
はらだ
)
たしくなりました。
戦争はぼくをおとなにした
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「はやく、
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れてしまえ!」と、
腹立
(
はらだ
)
ちまぎれに、いったものもあります。すずめを
捕
(
と
)
っている
男
(
おとこ
)
は、これで
生活
(
せいかつ
)
をするのか、
根気
(
こんき
)
よく、いつまでも
仕事
(
しごと
)
をつづけていました。
すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
雨
(
あめ
)
はやまずに、いつまでもいつまでも
降
(
ふ
)
るにちがいないと、
一人
(
ひとり
)
できめて、
曇
(
くも
)
った
空
(
そら
)
を
見
(
み
)
ながら、
腹立
(
はらだ
)
たしく
感
(
かん
)
じ、あの
空
(
そら
)
へ
向
(
む
)
かって、
大砲
(
たいほう
)
でも
打
(
う
)
ってみたらと
空想
(
くうそう
)
することがあります。
世の中のために
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
勇
(
ゆう
)
ちゃんは、しばらく、
悲
(
かな
)
しさも、
腹立
(
はらだ
)
たしさも
忘
(
わす
)
れてしまいました。
少年の日二景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
先生
(
せんせい
)
がやさしいんだ。」と、
孝二
(
こうじ
)
は
腹立
(
はらだ
)
たしげに
打
(
う
)
ち
消
(
け
)
しました。
生きぬく力
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
正吉
(
しょうきち
)
は、このとき、いい
知
(
し
)
れぬ
腹立
(
はらだ
)
たしさがこみ
上
(
あ
)
げてきました。
眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“腹立”の意味
《名詞》
腹を立てること。立腹。
(出典:Wiktionary)
腹
常用漢字
小6
部首:⾁
13画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“腹立”で始まる語句
腹立紛
腹立易
腹立泣